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2012.05.26

メーラー駄衛門は二度ベルを鳴らす

あたしの大好きな作家の1人、加納朋子さんが白血病で闘病生活を続けているので、あたしは応援するために、しばらく前から手持ちの加納朋子さんの本を順番に再読し始めた。こんなことしても現実的には何の応援にもならないことは分かってるけど、これはあたしのメンタルな問題だ。

あたしの本の読み方は、朝は目が覚めたらお布団の中で少しだけ読み、食後にお茶を飲みながら少しだけ読み、おトイレで少しだけ読み、お風呂で湯舟に浸かりながら少しだけ読み、夜は寝る前にお布団の中で少しだけ読む。こんな感じで2~3日かけて1冊の本を読むので、その本を読み終わるまでは、読んでいない時間もその本のことが頭の片隅にある。つまり、常に頭の片隅に作者である加納朋子さんのこともあるワケで、そうすると、ことあるごとに「早く良くなってほしい」「早く元気になってほしい」とお祈りすることができるってワケだ。

でも、あたしとおんなじに加納朋子さんのファンで、ご病気のことを心配している人が、ツイッターで「骨髄移植推進」のクリック募金のことを教えてくださったので、今は独りよがりの再読だけじゃなくて、毎日1回、コレをクリックしてる。

で、加納朋子さんと言えば、誰もが明日にも体験しそうな「何気ない日常の中のちょっとした謎」をテーマにした推理小説を得意とする作家なので、どの作品も、あんまり血なまぐさい事件は起こらない。『ガラスの麒麟』のように、女子高生が通り魔に刺殺されたり、何者かに猫が連続して切りつけられたりという悲惨な事件が起こる作品もあるけど、たいていは血は一滴も流れない。『レインレイン・ボウ』のように、1人の女性が亡くなったところから始まるような作品でも、血なまぐさい描写はいっさいない。だから、あたしは愛読してる。

そして、加納朋子さんと言えば、『ななつのこ』、『魔法飛行』、『スペース』などの駒子のシリーズや『いちばん初めにあった海』などのように、「手紙」がキーワードになっている作品が多い。手紙を小道具として使うことで一人称の謎解きに客観的な視点をプラスしたり、手紙の中に謎解きのヒントを忍ばせたり、手紙そのものを謎にしたりと、加納朋子さんは作品の中で「手紙」を自由自在に活躍させている。『ガラスの麒麟』でも、ある女性のもとに、刺殺された女子高生から死んだ数ヶ月後に手紙が届くという不思議なことが起こっている今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、今日は、実際にあたしの身に起こった「手紙」にまつわる不思議な事件の顛末を紹介しようと思う。でも、あたしの場合は、加納朋子さんの作品に登場するような「手紙」じゃなくて、「パソコンのメール」だったんだけど、これが、電子メールだからこそ起こりえた事件だったのだ。そこで、クルクルバビンチョパペッピポ、ヒヤヒヤドキンチョのモ~グタン!‥‥ってなワケで、まずは2ヶ月ほど前の3月24日の土曜日へと、短くタイムスリップしてみよう。

この「きっこのブログ」の愛読者ならご存知の通り、今から2ヶ月ほど前の3月24日、あたしに大事件が起こった。知らない人は、当日のブログ、「やったぜ!ネコパンチ!」を読んでもらうとして、ここではザクッと説明するけど、この日の中山競馬のメインレース「日経賞」で、あたしがずっと応援してきたネコパンチが、並みいる強敵を尻目に見事に逃げ切って大金星をあげたのだ。これが大穴で、あたしの買ってた8→7の馬単は16万9940円、7-8の馬連は4万8480円、両方合わせて21万8420円というミラクル配当になり、あたしの耳の穴から飛び出してきた小さいきっこたちは狂喜乱舞した。

で、当日のブログに詳しく書いてあるけど、この時、あたしは、8→7の馬単が大当たりしたコーフンで、あとから不安になって弱気の馬連を買ったことまで頭が回らなかったため、「馬単が大当たりしたー!」→「あっ!そう言えば馬連も買ってたんだ!」→「馬連も高配当だー!」っていう時間差の流れがあった。この様子はツイッターでもリアルタイムでつぶやいてたんだけど、それを踏まえた上で、ここから先を読んでほしい。


‥‥そんなワケで、大穴が的中したあたしが真っ先にしたことは、あたしが勝手に「競馬の師匠」だと思ってる石川喬司先生にメールで報告することだった。石川喬司先生と言えば、「日本SF作家クラブ」の創立メンバーであり、日本のSF界の重鎮であるとともに、数々の競馬小説やエッセイで多くのファンを持つ競馬の大御所でもある。4年ほど前、あたしのブログを読んでくださった先生からメールをいただき、大感激したあたしはすぐにお返事を書き、その時からメールのやりとりが続いてる。あたしにとっては万馬券レベルの大切な「メル友」だ。

以前から「きっこのブログ」を読んでくれてる人たちにはオナジミの話だけど、父さんに連れられて生まれて初めて東京競馬場に行った時、ちっちゃかったあたしは父さんの肩車でパドックを回る馬たちを見ていて、その中の1頭の芦毛の馬を指さして「あのお馬さんがいい!」って言ったので、父さんはその馬の単勝を特券(1000円券)で買った。そしたら、その白い馬が大逃げして1着でゴールを駆け抜けて、父さんの1000円は7万円になった。これがあたしの競馬デビュー(笑)なんだけど、なんとこの日、石川先生も競馬仲間の寺山修司さんや虫明亜呂無さんと一緒に、この東京競馬場のどこかで観戦していたのだ。だから、もしかしたら、父さんに手を引かれたあたしは、人ゴミの中で石川先生とすれ違っていたのかもしれない‥‥ってなワケで、さっそくパカパカと本題に入るけど、ネコパンチの大活躍で大穴をGET MY LOVE!したあたしは、コーフン覚めやらぬ状態で石川先生にメールした。


こんにちは♪/きっこ
2012年3月24日 土曜日 午後4:13
石川先生、こんにちは♪
先生、大変なことが起こってしまいました!
今日の「日経賞」、応援してるネコパンチから馬単3点で勝負したら、ネコパンチが逃げ切って的中した上に、なんと配当が16万9940円もついてしまいました!
100円が17万円になってしまいました!
取り急ぎ、お知らせします!
きっこ拝


脱帽!
2012年3月24日 土曜日 午後5:18
きっこ必勝パンチ、またまた炸裂ですね。
日経賞の登録馬にネコパンチとマイネルキッコ、じゃなかった、キッツの名前を見たときから、不思議な予感がありました。
それにしても、連単の相手の一番手に⑦を選ぶとは、まことにお見事!
我が家で昔飼っていたハナという愛犬がいて、大往生したあと、ときどき思い出に⑧⑦という馬券を買っているのですが、今日は相手がイヌパンチ(イメージに違和感あり)ではなかったので‥‥。
きっこ式必勝パンチ、明日の日曜にも閃くかもしれません。ご健闘を!


Re: 脱帽!/きっこ
2012年3月24日 土曜日 午後5:52
石川先生、
先ほどは馬単が的中したことと高配当だったことに興奮して忘れていたのですが、実は「日経賞」の締め切り直前に「先行したネコパンチが差されて2着になったらどうしよう」と不安になって、同じ組み合わせの馬連も買い足していたのです。
こちらは4万8480円の配当だったので、馬単と馬連合わせて22万円近くも勝ってしまいました!
思わぬ高配当に自分でもビックリしています!
今日は久しぶりに競馬のことをブログに書こうと思います♪
きっこ拝


‥‥そんなワケで、こんなやりとりがあったワケだけど、ここから「ある事件」が始まることになる。あたしは、石川先生のような目上の人に返信する場合は、礼儀として、必ず相手の文章を消して自分の文章だけにして、件名も同様に書き換えてから送信してたんだけど、この2通目のあたしのメールの件名を見れば分かるように、あまりにも舞い上がっていたために、先生からいただいた件名もそのままだったし、本文のあとにも先生のメール文も付いたままで返信していたのだ。

普通に考えたら、これが「失礼」とは思えないかもしれないけど、4年間もずっと自分なりに考えて守ってきたことだから、仕事のメールや用事のメールのようにそのまま返信してしまったことが、2~3日が過ぎて気持ちが冷静になってから「先生に対して失礼なことをしてしまった」って思えてきた。それ以前に、いくら舞い上がっていたとは言え、「当たった!当たった!」と大ハシャギしてる一方的な内容そのものも失礼だったと気づいた。

それで、あたしは、1週間後の「東京新聞杯」でガルボが勝った時、その報告のメールに「先日は1人で舞い上がったメールを送ってしまい、本当に失礼しました」という一文を添えて送信した。この時は、近況報告や先生のエッセイを読んだ感想なども書き、何度も読み返して、どこにも失礼な部分がないことを確認してから送信した。

そしたら、そのメールが、すぐに戻ってきちゃったのだ。「MAILER-DAEMON」ていう皆さんオナジミのやつで、何て読むのか分からないから、あたしは「メーラー駄衛門」て呼んでるんだけど、「そのアドレスは存在しません」とのこと。先生のアドレスは打ち込みじゃなくてアドレス帳からのペーストなので、打ち間違いってことはない。それで、あたしは、何らかの通信上の障害だろうと思って、しばらく時間を置いてから送信し直してみたんだけど、またまた「メーラー駄衛門」が持って返ってきちゃった。

あたしは、「あたしの使ってるメールサービスのほうに問題が生じてるのかも?」って思って、今度は別のアドレスから送信してみたんだけど、それも「メーラー駄衛門」がお持ち帰り。そこで、先生の使ってるメールサービスと同じアドレスの別の友人に短いメールを送ってみると、これは普通に送信できた。つまり、この時点で分かったことは、メールサービスには双方ともに何も問題は生じてなくて、今までやりとりしてきた先生のアドレスだけが消えちゃったってことだった。

普通に考えたら、個人のアドレスなんだから本人しか操作できないワケで、「もしも先生がアドレスを変更したのなら、必ずあたしに知らせてくれるはずだし‥‥」って思ったら、あたしの脳裏には縁起でもないことが浮かんできた。それは、先生が事故に遭われたか急病で倒れたかして、奥様か担当の編集者が何らかの理由で先生のアドレスを一時的に変更した、というものだ。だけど、そんなことをする理由が思いつかない。

それで、次にあたしが考えたのが、前回のあたしの失礼なメールに怒った先生が、あたしとのメール交換を拒否するためにアドレスを変更してしまった‥‥っていう、想像しただけで泣きたくなるような推測だった。あたしには「失礼なメールを送ってしまった」っていう自覚があったから、こっちの推測のほうがガゼン真実味を帯びてきて、あたしはホントに泣きたくなった。冷静になって考えれば、やさしい先生があんなメールで怒るはずないし、万が一、多少「ムッ」としたとしても、いくらなんでもアドレスを変更してしまうほどは怒るはずないことくらい分かる。

だけど、実際にメールは届かない。何度送っても「メーラー駄衛門」に「そのアドレスは存在しません」と言われちゃう。これは事実だ。先生ご本人が操作したのか、はたまた第三者が操作したのかは分からないけど、先生のアドレスが消滅してしまったこと、あたしのメールが届かなくなってしまったことだけは事実だ。そして、この重たい事実の前では、「やさしい先生があんなメールで怒るはずない」っていう常識的な推測よりも、「きっと怒ってアドレスを変えちゃったんだ」っていう非常識的な推測のほうに、可能性の針は大きく振れてしまう。


‥‥そんなワケで、一般的な推理小説の場合は、誰かの身に起こった事件や謎を第三者である探偵が解くっていうパターンだ。謎解きするのは、探偵の代わりに主婦だったり女子高生だったり家政婦だったり小学生の姿をした高校生だったりといろいろだけど、とにかく、事件の当事者とは距離のある人たちだ。だから、こうしたパターンの場合は、当事者ならどう考えるのか、当事者ならどう行動するのか、それを推理して謎を解いていくのが定番だ。犯人と被害者がいるような事件なら、第三者である自分を当事者である犯人や被害者の立場に置き換えて、自分が犯人ならこう考える、自分が被害者ならこう行動する‥‥ってふうに推理していく。

だけど、今回は、あたしの身に起こった事件なんだから、あたしは最初から当事者の1人だ。そして、もう1人の当事者である石川先生にメールが届かなくなったことが謎なんだから、あたしの立場で推理することは難しい。一般の推理小説の場合は、探偵や探偵に代わる人が「第三者としての客観的な視点」と「自分が当事者だったらと考える主観的な視点」とを使って、立体的に謎を解いていく。でも、あたしは当事者の1人なんだから、「第三者としての客観的な視点」を持つことができない。

そこで、満を持して登場するのが、頭脳は子供でもベッドでは大人、迷探偵キッコナンてワケだ。ヒサビサに登場した迷探偵キッコナンは、これまでの流れを説明しようとしたあたしの言葉を遮って、単刀直入にこう言った。


「石川先生本人に聞いてみればいいじゃない」

「えっ?だってメールを送信しても戻ってきちゃうのよ?」

「電子メールがダメなら手紙があるじゃない」

「まさか、先生のご自宅に『メールが届かなくなってしまったのですが、何かあったのですか?』とかってお手紙を出せって言うの?」

「うん、そうすれば謎はすぐに解けるわ」

「だけど、もしもあたしの推測通りに、あたしのメールに怒ってアドレスを変更してたとしたら、ご自宅にまでそんなお手紙を送ったら『火に油』、いや、『ブエナビスタに直線で鞭』になっちゃうわよ!」

「でも、きっこのメールを読ませてもらったけど、アレで怒る人なんていないわよ、普通は」

「あたしもそう思いたいんだけど、他に先生がアドレスを変えちゃうような理由が何も思い当たらないんだもん‥‥」

「きっこは当事者だから、自分の思い込みや先入観がジャマをして、状況を正しく判断できなくなってるのよ。だからあたしを呼んだんでしょ?」

「そりゃまあそうだけど‥‥」

「第三者であるあたしから見れば、あのメールで怒るなんて考えられないよ。石川先生のアドレスは、絶対に何らかの別の理由によって使えなくなってるのよ」

「だけど、アドレスが何らかの理由によって使えなくなったのなら、先生はお仕事でメールを使うことが多いから、必ず別のアドレスをすぐに作ったはずだし、そしたら、あたしにもそのアドレスからメールをくださるはず。仮に今までのメールボックスが使えなくなってたとしても、あたしのアドレスはブログに公開してあるから、先生のほうからはあたしにメールを送ることができるのよ」

「なるほど、先生のほうからはメールを送れる状態なのに、もう1ヶ月以上も音沙汰なし。それできっこの不安は大きくなってるのね」

「うん‥‥」

「それなら、いっそのこと、ブログに『石川先生、連絡ください!』って書いてみたら?」

「そそそそそんなことできるワケないじゃん!それこそ『ブエナビスタに直線で鞭』どころか『オルフェーヴルの大暴走』になっちゃうわよ!」

「だけど、きっこのほうからメールできない以上、先生のほうからメールしてもらえるように、きっこが何らかのアクションを起こすしかないでしょ?」

「う~ん‥‥」


‥‥そんなワケで、当事者であるあたしの主観的な視点と、第三者であるキッコナンの客観的な視点とで、今回の謎を立体的に推理してみたワケだけど、結論は『こちらから何らかのアクションを起こして、先生のほうからメールを送ってもらえるようにする』っていう、とても解決にはホド遠い‥‥っていうか、何とか先生からメールをもらって先生に直接答えを聞くっていう、完全に白旗をあげた結論になっちゃった。

そこで、あたしが考えついたのが、「何事もなかったかのように楽しい競馬の日記をブログにアップする」という作戦だった。これまでも、たいていはあたしのほうからメールして、それに先生が返信してくださる‥‥ってパターンだったけど、競馬のことをブログに書いた時だけは、先生のほうからメールをくださることが何度かあった。

完全に八方ふさがりなあたしには、もうこの方法しか残ってない。それで、あたしは、「母の日」に母さんとデートして、その日の「ヴィクトリアマイル」でホエールキャプチャからの馬単で万馬券が当たったから、このことを大急ぎで書いて、その日のうちにブログにアップした。5月15日のエントリー、「芦毛伝説、再び?」だ。

そして、「どうか石川先生が読んでくださいますように!」って祈るような気持ちでいたら、ナナナナナント! 翌日の5月16日の夜、あたしのメールボックスのズラッと並んだ差出人のインデックスの中に「石川喬司」の文字が!

あたしは、嬉しさよりも驚きのほうが大きくて、心臓がドキドキしてきて、また不安が蘇ってきて、「もしも怒ってる内容だったらどうしよう」って思って、恐くてメールが開封できなくなった。だけど、キッコナンの言葉を思い出して、「そんなワケない」「そんなワケない」って自分に言い聞かせて、思い切って開封した!


孝行娘に祝杯!
2012年5月16日 水曜日 午後9:56
ヴィクトリアマイルのご快挙、おめでとうございます。
このリズムでオークス、ダービーも連続制覇! の大朗報が期待できそうですね。
弥生美術館で<奇っ怪紳士、怪獣博士、大伴昌司展>を開くというので、推薦文を書きました。星新一さんたちと一緒に作った日本SF作家クラブが誕生50年を迎えます。筒井康隆に「もう50年、まだ50年」とメールを送ったら、「石川さん、どうか死なないでください」と返事が来ました。


‥‥そんなワケで、石川先生にメールが届かなくなって以来、2ヶ月近くも悩み続けてきたあたしのもとにようやく届いたのは、まるてナニゴトもなかったかのような、いつもと変わらない普通のメール。その上、先生のアドレスを見ると、「メーラー駄衛門」に何度も「そのアドレスは存在しません」と言われた以前とおんなじアドレス。これは一体?

あたしは、キツネにつままれたような気持ちになりつつも、やっと先生にメールを送れる嬉しさと、先生は怒ってたワケでもないしご病気で倒れてたワケでもないことが分かった安心感とで、気がついたら涙が止まらなくなってた。そして、泣きながらお返事を書いた。


こんばんは♪/きっこ
2012年5月16日 水曜日 午後11:35
石川先生!(泣)
前回、「日経賞」でネコパンチが勝った時に、興奮しずぎて先生に変なメールを送ってしまい、数日後に少し落ち着いてから「先生に失礼なメールを送ってしまった」と気づいて、先生に「失礼しました」のメールを送ったところ、「そのアドレスは存在しません」というメッセージとともにメールが戻ってきてしまいました。
私は驚いて、別のアドレスのフォームからもメールしたのですが、それも戻ってきてしまいました。
私は、「当たった!当たった!」と大ハシャギした内容のメールを送ってしまったことで、先生がご気分を害してしまって、私からのメールを受信しないようにアドレスを変更してしまったのだと思い、ものすごく落ち込みました。
石川先生は、私と父さんとの途切れ途切れの記憶の糸を「競馬」というキーワードで繋げてくださった大恩人です。
私は、先生のお陰で、競馬の楽しさを知っただけでなく、父さんがどうして競馬に夢中になっていたのかを知ることができました。
だから、先生に送ったメールが届かなくなって、あまりにもショックで、ものすごく落ち込んでしまいました。
先生のご住所は知っているので、謝罪のお手紙を送ろうとも思ったのですが、それも失礼だと思い、どうしていいのか分からず、本当に悩んでいました。
決局、私が競馬を楽しんでいるブログを書き続けていれば、いつか先生の目にもとまって許してくださるかも、と思いながら、今回のブログを書きました。
先ほど、メールの受信箱に「石川喬司」というお名前を見つけた時、私は震える指で開封しました。
でも、先生からの久しぶりのメールは、いつもと変わらない様子ですし、アドレスも以前のまま。
もしかしたら、私が先生を怒らせてしまったと思い込んでいたのは、単なるメールのアクシデントだったのでは?
たまたま何かのアクシデントでメールを送信できなかったことを、私が勝手に「先生を怒らせてしまった」と思い込んでいたのでは?
今、ようやく、そう思えてきました。
ホッとして、涙が止まらなくなってしまいました。
きっこ拝


Re: こんばんは♪
2012年5月17日 木曜日 午後10:28
メール拝読して驚きました。
ヘンな迷惑メールが増えてきたので、それを拒否する操作をしたときに、メカオンチの本領を発揮して、何よりも嬉しく楽しいメールまで受信できなくしちゃったみたいで、それに気付かないでいたようです。ご心配をおかけして本当に申し訳ありません。
<神楽坂愛馬の会>仲間とのペーパーオーナー・ゲームで所有したジョワドヴィーヴルが故障して、「生きる悦び」が「悲しみ」に変わってしまってから、どうも運勢下降気味でしたが、きっこさんのお手紙のおかげで立ち直れます。有り難うございました。
メルシ-・ボークー!


‥‥そんなワケで、これが、あたしの身に起こった「手紙」にまつわる不思議な事件の顛末だ。加納朋子さんの数々の作品に登場するような、日常に起こりうる小さな謎なんて、ひとつの現象を一方向からしか見ていないから謎なワケで、反対側からも見ることができたら驚くほど単純なタネだったりする。客席から見てる手品は不思議だけど、手品師の後ろから見ればタネはすぐに分かる。だから、今回の謎も、タネが分かれば全身が脱力しちゃうようなことだったけど、さすがの迷探偵キッコナンも、SF界の重鎮、石川先生が無意識のうちに仕組んだトリックだけは、どうしても解くことができなかった今日この頃なのだ(笑)


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2012.05.23

芦毛伝説、沈黙!(笑)

日曜日の京都メイン「深草ステークス」は、残念ながらズンダモチが出られなくなっちゃった。あたし的には、久しぶりにズンダモチが見られると思ってGⅠの「オークス」よりも楽しみにしてたから、ホントに残念だった。だけど、スノードラゴンていう強い芦毛が出たし、他にもメトロノースとシュテルンターラーっていう芦毛が出たから、スノードラゴンから他の2頭への馬単と、この3頭の3連複を買って、300円で「芦毛祭り」を楽しもうと思った。

スノードラゴンは1番人気だったけど、あとの2頭は9番人気と12番人気だったから、馬単でもそこそこの配当になるし、芦毛のワンツースリーが炸裂して3連複が的中しちゃった日にゃあ、それこそ「芦毛祭り」の開催だ♪

だけど結果は、スノードラゴンが2着、メトロノースが4着、シュテルンターラーが8着っていう、まるで「2×4=8」みたいな、掛け算みたいな結果だった。たとえ馬券が的中しなくても、せめてスノードラゴンが1着になってくれれば気分が良かったのに、「1番人気が1着にならない」っていうジンクスが、よりによってこんな時にまで炸裂しちゃうとは、あたしの脳裏に暗雲が立ち込めた。何でかって言うと、次の東京メイン「オークス」でも、あたしは芦毛のアイスフォーリスから買ってたからだ。

実を言うと、この不安の前兆は、すでに前日の土曜日から感じてた。土曜日の京都10R「御室特別」で、あたしは8頭立ての中の唯一の芦毛、アンプレシオネから他の3頭への馬単を買ってた。たった8頭だから的中する確率も高いと思ったし、前日の「ロケみつ」のブログ旅で、早希ちゃんが今回の旅で初めて「6」を出したんだけど、アンプレシオネは6番だったのだ。

だから、あたしは、レースが始まる前から、ほとんど的中したくらいの気持ちでラジオ中継を聴いてたのに、結果はビリ。いくらなんでもビリ。あまりにもビリ。そこはかとなくビリ。ほんのりとビリ。

そして、続いての東京10R「丹沢ステークス」でも、あたしは芦毛のママキジャからの馬単を3点買ってたんだけど、これが16頭中15着っていう、ほとんどビリ。ビリと言っても過言じゃないほどのビリ。果てしなく透明に近いビリ。

2つのレースで芦毛からの馬単を買ったんだから、1着にならなくて馬券がハズレるのは仕方ないとしても、せめてどっちか1レースくらいは2着とか3着とかになって「惜しかった!」って気分になりたかったのに、両方とも惨敗っていうあまりに酷い結果になったもんだから、あたしはウスウス「今週は芦毛に風が吹いてないのかも?」って思い始めてた。

だけど、翌日になれば風向きも変わると思ったあたしは、京都メイン「深草ステークス」でスノードラゴンに夢を託したんだけど、これもダメだった。土曜日の結果と比べれば2着は立派だけど、1番人気だってことを踏まえると、これだって惨敗だ。そして、こんなドンヨリとした気持ちで迎えた東京メイン「オークス」でも、あたしは風の吹いてない芦毛のアイスフォーリスから買ってたんだけど、これまでの芦毛たちのぶんもがんばってくれると信じて、ラジオ中継を聴いてた。

そしたら、ナナナナナント!アイスフォーリスは3着に入ってくれたのだ!あたしの馬券はハズレたけど、9番人気だったアイスフォーリスが3着に入ってくれたってことは、1番人気だったスノードラゴンの2着よりも評価できるし、何よりもGⅠだ。それで、あたしは、ついに芦毛に風が吹き始めたと思って、大急ぎで最終レースの出馬表を見てみたら、新潟の最終レースが「白馬岳特別」、まさに芦毛のためのレースみたいな名前だった。

慌てて出走馬をチェキしたら、15頭の中にナンヨースラッガーとサルジュ、2頭の芦毛を発見!すぐにこの2頭の馬連とワイドを100円ずつ買った。ナンヨースラッガーは10番人気、サルジュは11番人気、この組み合わせが来る確率は低いけど、2着と3着に入ってワイドが的中する可能性には期待できると思ったのもトコノマ、すぐに始まったレースの結果は、ナンヨースラッガーが10着、サルジュがビリ、まさに、この土日の競馬を締めくくるのにふさわしい結果となった。

だけど、このレース、3番人気、15番人気、12番人気が入ったもんだから、2着と3着のワイドが3万円以上、馬連でも3万円以上、馬単は6万円以上、3連複が40万円以上、3連単は270万円を超えちゃったのだ! つまり、10番人気と11番人気のワイドを買ってたあたしは、方向性としては間違ってなかったことになる‥‥とでも言わなきゃ情けなさすぎる今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?(笑)


‥‥そんなワケで、ここからようやく本文に入るワケだけど、何でこんなにマクラが長くなっちゃったのかって言うと、最初は土日の競馬のことを短くマトメてマクラにして、そこから別の話題で本文を書こうと思ってワケだ。だけど、実際に書き始めてみたら、いろいろと書くことが多くて、好きな芦毛の話だから夢中になって書いてたら、ハッと気づいた時にはこのアリサマ。で、もう本文を書いてる時間がなくなっちゃったので、大変モウシワケナイザーだけど、今日はここまで。本文に書こうと思ってた話は、次回に持ち越すことにした今日この頃なのだ。


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2012.05.15

芦毛伝説、再び?

日曜日の「ヴィクトリアマイル」で、ホエールキャプチャがミゴトに1着になって、GⅠ初勝利の栄冠を手にした。ホエールキャプチャは、あたしの好きな芦毛の牝馬っていうだけじゃなくて、名馬クロフネの子でもあるからずっと応援してきたんだけど、GⅡやGⅢでは勝てるのに、どうしてもGⅠでは勝てなかった。

ちなみに、ホエールキャプチャって名前は、お父さんのクロフネからの命名だ。ペリーが黒船で来航した目的の1つが「捕鯨のための中継の港を造ること」だったため、そこから「ホエール(鯨)キャプチャ(捕獲)」っていう名前がついた。で、そんなホエールキャプチャだけど、デビュー3戦目の「芙蓉ステークス」では、あのオルフェーヴルを破って優勝してるほどの馬なのに、GⅠではどんなにがんばっても2着止まりだった。

思い出深いとこでは、ホエールキャプチャが初めてGⅠに挑戦した2010年の「阪神ジュベナイルフィリーズ」だ。あたしは「エヴァンゲリオン予想」でアレコレと予想した中で、芦毛の3頭がワンツースリーになるかも?って思って、一番好きだったレーヴディソールと、このホエールキャプチャ、そして、まだ全身が黒っぽくて遠目には芦毛とは分からないけど芦毛のライステラスの3連複を買ったら、ホントに芦毛のワンツースリーが炸裂しちゃったのだ! 配当は9200円とイマイチだったけど、芦毛マニアとしては嬉しい結果だった。

たけど、この時にホエールキャプチャは2着で、次のGⅢ「デイリー杯クイーンカップ」で1着になったのに、その次のGⅠ「桜花賞」ではまた2着になり、次のGⅠ「オークス」では3着。そして、その次のGⅡ「関西TVローズステークス」で1着になったのもトコノマ、次のGⅠ「秋華賞」では3着、続いてのGⅠ「エリザベス女王杯」では4着‥‥ってふうに、GⅡやGⅢでは優勝するのに、GⅠになるとナゼか勝てなかった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、5回もGⅠに挑戦してきたホエールキャプチャだったけど、2着、3着、4着っていう惜しい結果ばかりで、どうしても勝つことができなかった。これほど勝てないと、どうしてもGⅠを獲らせてあげたくなっちゃうのが人情ってもんだけど、ここまで似たような結果が続いてくると、「GⅡやGⅢなら勝てるけど、引退するまでGⅠでは勝てないんじゃないか?」なんて気持ちにもなってくる。

その上、今回の「ヴィクトリアマイル」には、去年の覇者であたしの大好きなアパパネも出るし、1着、1着、2着、1着と絶好調のオールザットジャズも出るし、ディープインパクトの子のマルセリーナも出るし、実力のあるフミノイマージンも出るし、他にも強豪ぞろいだったから、正直、ホエールキャプチャが勝つには厳しい状況だった。だけど、YOU TUBEでホエールキャプチャの過去のレースを検索していろいろと観てるうちに、勝っても負けても無表情で、ナニゲにマキバオーみたいなトボケた顔をしてるホエールキャプチャが可愛くて可愛くて、応援したい気持ちがフツフツと湧いてきた。

それで、あたしは、まだ枠順も決ってない1週間前の時点で、「どうしてもホエールキャプチャにGⅠを獲らせてあげたいから、今回は応援の意味を込めてホエールキャプチャからの馬単だけで勝負する!」ってツイッターで宣言しちゃった。だから、枠順が決まっても、レース当日になっても、ホエールキャプチャからの馬単だけで勝負するって気持ちに揺らぎはなかった‥‥って言うか、前日の土曜日に800円も使って全滅だったので、この日の予算は1200円しかなかったから、あんまり手広く賭けることができなかった。

予算が少ないから、あたしは、芦毛が3頭出る東京10R「立夏ステークス」と、東京メインの「ヴィクトリアマイル」と、あとは一攫千金のための「WIN5」だけに絞ることにした。予算が少ないってことだけじゃなくて、この日は「母の日」だったから、あたしは母さんとデートをする約束をしてたので、のんびりと何レースも予想してる時間もなかった。それで、朝イチで即PATにアクセスして、サクサクと馬券を買った。

「立夏ステークス」は、3頭の芦毛の中で一番強いトシギャングスターから他の芦毛2頭への馬単と、この3頭の3連複。「ヴィクトリアマイル」は、4番人気になったホエールキャプチャからの馬単3点で、2着には1番人気から3番人気を外して、5番人気のフミノイマージン、6番人気のアプリコットフィズ、7番人気のドナウブルーを選んだ。このあたりなら、的中すれば配当が1万円近くになるからだ。

これは「東京新聞杯」でガルボからの馬単を的中させた時や、「洲本特別」でズンダモチからの馬単を的中させた時とおんなじ方式だ。あたしは少ない予算で競馬を楽しんでるから、1つのレースで10点も20点も買うことはできない。だから、「これぞ!」という馬を決めて、その馬からの馬単を2点か3点買うんだけど、ここでポイントになるのが配当だ。

今回なら、あたしが1着に選んだホエールキャプチャは4番人気だったから、2着に1番人気や2番人気が入ったら配当はそんなにつかない。それに、ここんとこ、大きなレースでは1番人気から3番人気までが揃って3着までに入らないことが多い。だから、1番人気から3番人気までは思い切って捨てる。そして、配当が7~8000円から1万円ちょいになるような対抗馬を選ぶ。これは、毎回全レースの結果を見ると、馬単の配当はこの範囲のものが最も多いからだ。

で、今回は、5、6、7番人気の3頭を2着に決めたってワケだ。こうしておけば、もしも2着に1~3番人気が入った時には、「たいした配当じゃないから」って諦められるし、ずっと下位の馬が入った時は「こんなの当たるワケないや」って諦められる。ようするに、1着が当たったのに2着がハズレるっていう本来なら悔しい結果になっても、それほど悔しい気持ちにはならないってワケだ。

そして、2着にも芦毛のエーシンハーバーが来て芦毛のワンツーになっちゃったらどうしよう、とか、2着に大好きなアパパネが来ちゃったらどうしよう、とか、逆にアパパネが1着になってホエールキャプチャが2着になったらどうしよう、とか、考え出すとキリマンジャロなので、あたしは急いで「WIN5」を4点買って切り上げた。合計で1000円、予算内だ。


‥‥そんなワケで、あたしは、母さんとお出かけするためにお弁当を作り始めた。ご飯を炊いて、アジのひらきを焼いて、炊き立てのご飯にアジのひらきの身をほぐしたものと、ピリ辛の高菜のお漬物を細かく刻んだものと、白ゴマをたっぷりと混ぜ込んで、これでおにぎりを作った。あとは、自家製のビワの葉のお茶を魔法瓶に入れて準備OK!

母さんに「母の日」のプレゼント、シルバージーンズのデニムパンツと手作りのカードを渡して、いつもより長めにハグして「ありがとう!」って言ってから、いざ出発! この日は、乗用車が借りられなくて軽トラになっちゃったんだけど、今度は新車の軽トラだったから、それなりに快適だった。のんびりと走ったけど目的地の湧水池には1時間ちょいで到着したので、園内を散策したり、俳句を詠んだり、タップリと楽しむことができた。アジの身と高菜を混ぜ込んだおにぎりは、冷めてもとっても美味しくて、母さんも喜んでくれた。

で、帰りにまたBOOK OFFに寄ったりしてたら時間が遅くなっちゃって、「ヴィクトリアマイル」のスタート時間になっちゃったので、路肩に軽トラを停めて実況を聴いたら、ナナナナナント! あたしの予想通りにホエールキャプチャが1着でゴールして念願のGⅠで初勝利をあげてくれた上に、2着にはあたしが買ってた3通りの馬単の中で最も配当のいいドナウブルーが入ってくれた! 12→16の馬単は、10720円の配当だった。


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1つ前の「立夏ステークス」のほうは、芦毛3頭が全滅でダメだったけど、この日のメインの芦毛、ホエールキャプチャがGⅠを獲ってくれたし、馬券まで的中したから最高の結果になった。お家に帰ってからJRAのホームページでレース映像を観たら、横山典弘騎手が素晴らしい騎乗で最高の結果をもたらしてくれたことが分かった。でも、栄冠を手にしたホエールキャプチャは、ゴールしたあと、いつものようにマキバオーみたいなトボケた顔でヒョーヒョーとしてたからおかしくなった(笑)


‥‥そんなワケで、「プリキュア予想」のほうはパッとしないけど、好きな馬や応援してる馬からの馬単3点ていう買い方のほうは、今のとこ3回に1回の割合で的中してる。だから、しばらくはこの方式で行ってみようと思うんだけど、これには1つのポイントがある。それは、「東京新聞杯」のガルボの時も、「洲本特別」のズンダモチの時も、「三度目の正直」ならぬ「二度目の正直」だったってことだ。それぞれの前回のレースでも馬単3点を買ってたんだけどハズレて、それでも諦めずに次のレースでも馬単3点を買ったら的中したってワケだ。

で、今度の日曜日は「オークス」だけど、あたしが目をつけてるのは京都の「深草ステークス」のほうだ。なんでかって言うと、可愛い可愛いズンダモチが登録してるからだ。ズンダモチは2月の京都のレースで、1番人気だったのに4着に敗れた。あたしは馬単3点がパーになった。だけど諦めずに次の「洲本特別」でも馬単3点を買ったら、今度は3番人気だったのに1着になり、あたしの馬単は9620円もついた。これが「二度目の正直」だ。

そして、その次の「陽春ステークス」でも、あたしはズンダモチからの馬単3点を買ったんだけど、この時は3着に敗れたのだ。そう、つまり今度の「深草ステークス」にズンダモチが出ることになれば、二度目の「二度目の正直」が炸裂するかもしれないってことになる。ちなみに、これまでのズンダモチの戦歴を見ると、ダートの1200mで「不良」か「重」だといい成績をあげてて、逆に「良」だと3着以下に終わってる。だから、今度の日曜日のお天気にもよるけど、あたしはズンダモチからの馬単で勝負してみようと思ってる。そして、レーヴディソールの引退しちゃった芦毛マニア界を盛り上げていこうと思ってる今日この頃なのだ♪


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2012.05.09

テレビがないあたしのテレビライフ

あたしは、去年の夏、テレビが地デジに強制移行した時にテレビを卒業したので、それ以来、ずっとラジオが中心の生活を続けてきた。だから、「ロケみつ」や好きなアニメを1日遅れや1週間遅れでインターネットで観るくらいで、テレビのニュースやバラエティー番組はまったく観ていない。

だけど、ツイッターのTL(タイムライン)を見てると、今、テレビではどんな話題が主流なのかが簡単に分かる。たとえば、しばらく前から「ワイルドだぜぇ~」って言葉が散見されるようになったので、あたしは「何だろう?」と思って検索してみたら、「スギちゃん」という芸名のピン芸人のネタだと言うことが分かった。それで、YOU TUBEで検索して実際の映像を見てみて、どんなものか把握した。

「ローザ」も「きゃりーぱみゅぱみゅ」もおんなじように、ツイッターのTLに名前が散見されるようになったから、YOU TUBEで検索して実際の映像を見てみて、どんなものか把握した。これで、テレビの中で流行ってることはだいたい把握できるので、テレビがなくても特に困らない。テレビの中で流行ってること、もしくは、テレビの中の人たちが流行らせようとしてることなんて所詮はこの程度だから、わざわざ貴重な時間をテレビに割く必要はない。検索して意味だけ理解しとけば、こと足りる。

テレビドラマはテレビのある生活をしてた時からほとんど観なかったけど、「マルモのおきて」にしても「家政婦のミタ」にしても検索してどんなものか把握してたから、あたしはどっちのドラマも一度も観てないけど、「ロケみつ」の「テクテクモグモグブログ旅」に「マルモのおきて」のパロディーが出てきたり、「海鮮丼ブログ旅」に「家政婦のミタ」のパロディーが出てきた時には、ぜんぜん面白くはなかったけど、意味だけはちゃんと分かった。

だから、あたしは、オセロ中島の騒動も、その次の小林幸子の事務所トラブルも、その次の塩谷瞬の二股騒動も、最初はすべてツイッターのTLで知り、検索してスポーツ紙の記事などで詳細を知り、さらには個人のツイッターやブログなどで「どれほどテレビのワイドショーが連日取り上げているか」ってことも知った今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、生まれた時にはすでにテレビがあり、子どものころからテレビと一緒に育ってきたと言っても過言じゃないほどのあたしとしては、テレビのない生活なんて考えられなかった。テレビがなくなったら、ものすごく困ると思ってた。世の中の話題についていけなくなり、ポツンと孤立しちゃうようなイメージを漠然と持ってた。

だけど、実際にテレビのない生活を始めてみると、ちょっと寂しい感じがしたのは最初の数日間だけで、テレビの代わりにラジオを流すようになってからは、別に何も困らないってことが分かった。日々の大きなニュースはラジオが伝えてくれるし、曜日や時間帯によって魅力あるパーソナリティーたちがそれぞれ楽しい番組を届けてくれるし、すごく充実するようになった。それどころか、観る気のない低俗番組を惰性で観ちゃうことがなくなったぶん、本を読んだり、俳句を詠んだり、考えごとをしたり、限られた自分の時間を有意義に使えるようになった。

テレビのある生活をしてた時は、自宅にいる時はテレビをつけっぱなしにしてることも多かったから、朝なら朝のワイドショー、午後なら午後のワイドショーがダラダラと流れてた。だから、ぜんぜん興味のないオセロ中島の騒動の報道も、きっと観る気もなく観てたと思うし、テレビ画面は観なくても、音声だけを耳から聴いてたと思う。そして、毎日毎日聴いてれば、ゴルフの石川遼くんが広告塔をやってる英語教材みたいに、きっとテレビに洗脳されてたと思う。

今も福島第一原発から大量に漏れ続けてる放射性物質のこと、倒壊したらニポンがジ・エンドになっちゃう4号機建屋のこと、関電が「夏に電力不足になる」などと大嘘をついて大飯原発を再稼働させようと目論んでること、野田政権が税金の無駄遣いにはいっさい手をつけずに消費税を増税しようと邁進してること、どんな重要事項よりもオセロ中島の騒動に頭の中を支配されていただろう。未だにテレビに依存してる大半の国民のように。

だけど、あたしは去年の夏にテレビを卒業したから、洗脳されずに済んだ。オセロ中島の騒動は知ってたし、毎日毎日オセロ中島のことをテレビが取り上げてることも知ってたけど、そのくだらない輪の中に入ることなく、輪の外から客観的に眺めて「バカバカしいな」って笑っていられた。そして、ホントに重要な数々の問題について、情報を収集したり考えたりすることができた。


‥‥そんなワケで、オセロ中島の騒動も、小林幸子の騒動も輪の外から笑って眺めてたあたしだけど、その次に訪れた塩谷瞬の騒動だけはピピッと触手が動いちゃった。それは、塩谷瞬が、あたしの大好きだった「忍風戦隊ハリケンジャー」の主役、ハリケンレッドに変身する椎名鷹介(しいな ようすけ)役の俳優だったからだ。

ほとんどの人は、今回の騒動で塩谷瞬のことを知ったと思うけど、あたしは「ハリケンジャー」が大好きだったから、今から10年前に「ハリケンジャー」が放送されてた時点ですでに知ってたし、2006年3月8日のブログ、「超忍者隊イナズマ!」の中では、いろんな戦隊モノに触れた流れで、こんなことを書いてる。


『今、撮影中の「超忍者隊イナズマ!」は、忍者ヒーローモノなんだから、マジレンジャーのメンバーじゃなくて、もともと忍者ヒーローモノだったハリケンジャーのメンバーをキャスティングすれば良かったのに‥‥って思う人もいるかも知れないけど、リーダー格だったハリケンレッドをやってたのは、井筒監督の映画、「パッチギ!」で、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した塩谷瞬だから、今さら戦隊モノには出るわきゃない。』


つまり、今回の騒動で初めて塩谷瞬を知った人たちとは違って、あたしの場合は、それなりに思い入れのある俳優だったってワケだ。だから、オセロ中島の騒動も小林幸子の騒動も200メートルくらい離れたとこから眺めてたあたしだけど、塩谷瞬の騒動だけは10メートルくらいの近距離から見続けてた。そのため、二股の1人の冨永愛の発言を大ゲサに報じて火に油を注ごうとしたスポーツ紙の記事とか、その発言を否定した冨永愛のブログのエントリーとか、ひと通りは目を通した。「二股の先輩」の山路徹がいろんなコメントをしたり、それを大桃美代子が批判したって記事も読んだし、そこそこ細部までチェキしてる。


‥‥そんなワケで、あたしは、戦隊ヒーロー物が大好きなんだけど、ここ10年だと、とにかく最高に大好きなのが「特捜戦隊デカレンジャー」で、2番目が「炎神戦隊ゴーオンジャー」で、3番目が「忍風戦隊ハリケンジャー」だ。だから、今回のハリケンレッド(塩谷瞬)のゴシップに限らず、自分の好きな戦隊ヒーロー物に出演してた役者のゴシップに関しては、割とディープにチェキしてる。

最近だと、「デカレンジャー」のデカピンクに変身するウメコ役の菊地美香ちゃんが、「激走戦隊カーレンジャー」のレッドレーサーに変身する陣内恭介役の岸祐二さんと2009年12月に結婚して、2年後の2011年12月に離婚したことが、あたし的には最大のゴシップだった。ちなみに、岸祐二さんは、「ハリケンジャー」の35話「キラリと三味線」で、カリスマ三味線プレイヤーの滑川数馬役でゲスト出演してる。つまり、話題の塩谷瞬とも共演してたってワケだ。

ま、そんなこたーどうでもいいんだけど、何度も言ってるように、ほとんどの人は今回の騒動で塩谷瞬のことを知ったみたいだし、そうじゃない人でも映画「パッチギ!」で知ってた程度で、あたしみたいに「ハリケンジャー」を夢中で観てた人なんてメッタにいない。だから、今回の騒動に関することをツイッターでつぶやく時に、「ハムスター館長」とか「ゴウライジャー」とか「シュリケンジャー」とか「ニンジャミセン」とかって言葉を使っても、大半の人には通じなかった。

だけど、1000人に1人とか、1万人に1人とか、こうしたマニアックな単語に反応してくれた人からリプライが来ると、あたし的には幼馴染と再会したみたいな、嬉しくて懐かしい気持ちになれた。あたしは「戦隊ヲタク」ってほどじゃないので、フィギュアも持ってないどころか雑誌を買ったこともない。自宅に戦隊ヒーロー物に関するものは何もない。ただ、番組が好きで、毎週楽しみに観てただけだ。だから、知識も偏ってて、あんまり好きじゃなかった戦隊に関しては、細かいことなんて覚えてない。その代わり、自分の好きだった戦隊に関しては、変なことまで覚えてたりしてる。そんな感じだ。


‥‥そんなワケで、今、あたしが夢中になってるのが、BS朝日で金曜日の深夜、TOKYO MXで月曜日の深夜に放送してる「非公認戦隊アキバレンジャー」だ。アリガタイザーなことに、GyaOのアニメコンテンツでも毎週火曜日のお昼に無料配信してくれてるから、テレビのないあたしも1話から毎週楽しませてもらってる。「非公認戦隊」ってネーミングからも分かるように、日曜日の朝に放送されてる正式な戦隊じゃなくて、正式な戦隊として認められて日曜日の朝に放送されることを夢見てる3人組だ。だけど、これが、もう何から何までサイコーで、あたしのハートの内角高めにバシバシとストライクが決まってる。

とにかく、実際に観てもらえれば分かるけど、細かいとこにコダワリが満載で、それがまたクオリティーが高くて、これでもか!これでもか!ってくらいに素晴らしいのだ。ネタバレが許される範囲で書くと、たとえば、OPのバックに「デカレンジャー」のウメコのコスプレをした子が映り込んで一緒に踊ってるんだけど、うまい具合にピンをぼかしてて顔がハッキリ分からないように調整してるから、背格好から本物のウメコに見えちゃうのだ。

もちろん、こんなのは溝ノ口‥‥じゃなくて、こんなのは宵の口‥‥じゃなくて、こんなのは序の口で、戦隊ヒーロー物のファンにはタマラナイザーな小ネタ大ネタが満載な上に、実際に歴代のレッドが登場しちゃったりもする。すべては「妄想の中での戦い」っていう設定だから何でもOKなワケだけど、現実世界でも、ナニゲに背後にジャスミンがいたりして、ホントに涙モノだ。

そして、もうひとつのポイントは、深夜に放送してる「大きなお友達」向けの作品てことで、適度にエロいってことだ。アキバレッドと敵とが男同士で抱き合うように倒れ込むと、腐女子のアキバイエローがBL(ボーイズラブ)を連想してズキューーーン!ってなっちゃうし、敵の女ボスと女性隊員がオッパイを揉み合いながら戦ったりもする。


‥‥そんなワケで、毎回毎回あまりのクオリティーの高さにシビレながら、1話から4話までを観てきた「アキバレンジャー」だったけど、昨日、GyaOで5話が配信されたからワクワクしながら観てみたら、いつものように笑ったり感心したりしてたのもトコノマ、最後のとこで思わず号泣させられちゃった。まさか「アキバレンジャー」で泣かされるとは‥‥ってなワケで、今なら、まだ5話までしか配信されてないから、今から観始めてもすぐに追いつく。だから、テレビのある生活でBS朝日やTOKYO MXを観られる人も、とりあえずGyaOで1話から5話までを観てみてほしいと思う今日この頃なのだ♪


■非公認戦隊アキバレンジャー(無料配信中)■
http://gyao.yahoo.co.jp/p/00066/v12511/?sc_i=gym012


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