メーラー駄衛門は二度ベルを鳴らす
あたしの大好きな作家の1人、加納朋子さんが白血病で闘病生活を続けているので、あたしは応援するために、しばらく前から手持ちの加納朋子さんの本を順番に再読し始めた。こんなことしても現実的には何の応援にもならないことは分かってるけど、これはあたしのメンタルな問題だ。
あたしの本の読み方は、朝は目が覚めたらお布団の中で少しだけ読み、食後にお茶を飲みながら少しだけ読み、おトイレで少しだけ読み、お風呂で湯舟に浸かりながら少しだけ読み、夜は寝る前にお布団の中で少しだけ読む。こんな感じで2~3日かけて1冊の本を読むので、その本を読み終わるまでは、読んでいない時間もその本のことが頭の片隅にある。つまり、常に頭の片隅に作者である加納朋子さんのこともあるワケで、そうすると、ことあるごとに「早く良くなってほしい」「早く元気になってほしい」とお祈りすることができるってワケだ。
でも、あたしとおんなじに加納朋子さんのファンで、ご病気のことを心配している人が、ツイッターで「骨髄移植推進」のクリック募金のことを教えてくださったので、今は独りよがりの再読だけじゃなくて、毎日1回、コレをクリックしてる。
で、加納朋子さんと言えば、誰もが明日にも体験しそうな「何気ない日常の中のちょっとした謎」をテーマにした推理小説を得意とする作家なので、どの作品も、あんまり血なまぐさい事件は起こらない。『ガラスの麒麟』のように、女子高生が通り魔に刺殺されたり、何者かに猫が連続して切りつけられたりという悲惨な事件が起こる作品もあるけど、たいていは血は一滴も流れない。『レインレイン・ボウ』のように、1人の女性が亡くなったところから始まるような作品でも、血なまぐさい描写はいっさいない。だから、あたしは愛読してる。
そして、加納朋子さんと言えば、『ななつのこ』、『魔法飛行』、『スペース』などの駒子のシリーズや『いちばん初めにあった海』などのように、「手紙」がキーワードになっている作品が多い。手紙を小道具として使うことで一人称の謎解きに客観的な視点をプラスしたり、手紙の中に謎解きのヒントを忍ばせたり、手紙そのものを謎にしたりと、加納朋子さんは作品の中で「手紙」を自由自在に活躍させている。『ガラスの麒麟』でも、ある女性のもとに、刺殺された女子高生から死んだ数ヶ月後に手紙が届くという不思議なことが起こっている今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、今日は、実際にあたしの身に起こった「手紙」にまつわる不思議な事件の顛末を紹介しようと思う。でも、あたしの場合は、加納朋子さんの作品に登場するような「手紙」じゃなくて、「パソコンのメール」だったんだけど、これが、電子メールだからこそ起こりえた事件だったのだ。そこで、クルクルバビンチョパペッピポ、ヒヤヒヤドキンチョのモ~グタン!‥‥ってなワケで、まずは2ヶ月ほど前の3月24日の土曜日へと、短くタイムスリップしてみよう。
この「きっこのブログ」の愛読者ならご存知の通り、今から2ヶ月ほど前の3月24日、あたしに大事件が起こった。知らない人は、当日のブログ、「やったぜ!ネコパンチ!」を読んでもらうとして、ここではザクッと説明するけど、この日の中山競馬のメインレース「日経賞」で、あたしがずっと応援してきたネコパンチが、並みいる強敵を尻目に見事に逃げ切って大金星をあげたのだ。これが大穴で、あたしの買ってた8→7の馬単は16万9940円、7-8の馬連は4万8480円、両方合わせて21万8420円というミラクル配当になり、あたしの耳の穴から飛び出してきた小さいきっこたちは狂喜乱舞した。
で、当日のブログに詳しく書いてあるけど、この時、あたしは、8→7の馬単が大当たりしたコーフンで、あとから不安になって弱気の馬連を買ったことまで頭が回らなかったため、「馬単が大当たりしたー!」→「あっ!そう言えば馬連も買ってたんだ!」→「馬連も高配当だー!」っていう時間差の流れがあった。この様子はツイッターでもリアルタイムでつぶやいてたんだけど、それを踏まえた上で、ここから先を読んでほしい。
‥‥そんなワケで、大穴が的中したあたしが真っ先にしたことは、あたしが勝手に「競馬の師匠」だと思ってる石川喬司先生にメールで報告することだった。石川喬司先生と言えば、「日本SF作家クラブ」の創立メンバーであり、日本のSF界の重鎮であるとともに、数々の競馬小説やエッセイで多くのファンを持つ競馬の大御所でもある。4年ほど前、あたしのブログを読んでくださった先生からメールをいただき、大感激したあたしはすぐにお返事を書き、その時からメールのやりとりが続いてる。あたしにとっては万馬券レベルの大切な「メル友」だ。
以前から「きっこのブログ」を読んでくれてる人たちにはオナジミの話だけど、父さんに連れられて生まれて初めて東京競馬場に行った時、ちっちゃかったあたしは父さんの肩車でパドックを回る馬たちを見ていて、その中の1頭の芦毛の馬を指さして「あのお馬さんがいい!」って言ったので、父さんはその馬の単勝を特券(1000円券)で買った。そしたら、その白い馬が大逃げして1着でゴールを駆け抜けて、父さんの1000円は7万円になった。これがあたしの競馬デビュー(笑)なんだけど、なんとこの日、石川先生も競馬仲間の寺山修司さんや虫明亜呂無さんと一緒に、この東京競馬場のどこかで観戦していたのだ。だから、もしかしたら、父さんに手を引かれたあたしは、人ゴミの中で石川先生とすれ違っていたのかもしれない‥‥ってなワケで、さっそくパカパカと本題に入るけど、ネコパンチの大活躍で大穴をGET MY LOVE!したあたしは、コーフン覚めやらぬ状態で石川先生にメールした。
こんにちは♪/きっこ
2012年3月24日 土曜日 午後4:13
石川先生、こんにちは♪
先生、大変なことが起こってしまいました!
今日の「日経賞」、応援してるネコパンチから馬単3点で勝負したら、ネコパンチが逃げ切って的中した上に、なんと配当が16万9940円もついてしまいました!
100円が17万円になってしまいました!
取り急ぎ、お知らせします!
きっこ拝
脱帽!
2012年3月24日 土曜日 午後5:18
きっこ必勝パンチ、またまた炸裂ですね。
日経賞の登録馬にネコパンチとマイネルキッコ、じゃなかった、キッツの名前を見たときから、不思議な予感がありました。
それにしても、連単の相手の一番手に⑦を選ぶとは、まことにお見事!
我が家で昔飼っていたハナという愛犬がいて、大往生したあと、ときどき思い出に⑧⑦という馬券を買っているのですが、今日は相手がイヌパンチ(イメージに違和感あり)ではなかったので‥‥。
きっこ式必勝パンチ、明日の日曜にも閃くかもしれません。ご健闘を!
Re: 脱帽!/きっこ
2012年3月24日 土曜日 午後5:52
石川先生、
先ほどは馬単が的中したことと高配当だったことに興奮して忘れていたのですが、実は「日経賞」の締め切り直前に「先行したネコパンチが差されて2着になったらどうしよう」と不安になって、同じ組み合わせの馬連も買い足していたのです。
こちらは4万8480円の配当だったので、馬単と馬連合わせて22万円近くも勝ってしまいました!
思わぬ高配当に自分でもビックリしています!
今日は久しぶりに競馬のことをブログに書こうと思います♪
きっこ拝
‥‥そんなワケで、こんなやりとりがあったワケだけど、ここから「ある事件」が始まることになる。あたしは、石川先生のような目上の人に返信する場合は、礼儀として、必ず相手の文章を消して自分の文章だけにして、件名も同様に書き換えてから送信してたんだけど、この2通目のあたしのメールの件名を見れば分かるように、あまりにも舞い上がっていたために、先生からいただいた件名もそのままだったし、本文のあとにも先生のメール文も付いたままで返信していたのだ。
普通に考えたら、これが「失礼」とは思えないかもしれないけど、4年間もずっと自分なりに考えて守ってきたことだから、仕事のメールや用事のメールのようにそのまま返信してしまったことが、2~3日が過ぎて気持ちが冷静になってから「先生に対して失礼なことをしてしまった」って思えてきた。それ以前に、いくら舞い上がっていたとは言え、「当たった!当たった!」と大ハシャギしてる一方的な内容そのものも失礼だったと気づいた。
それで、あたしは、1週間後の「東京新聞杯」でガルボが勝った時、その報告のメールに「先日は1人で舞い上がったメールを送ってしまい、本当に失礼しました」という一文を添えて送信した。この時は、近況報告や先生のエッセイを読んだ感想なども書き、何度も読み返して、どこにも失礼な部分がないことを確認してから送信した。
そしたら、そのメールが、すぐに戻ってきちゃったのだ。「MAILER-DAEMON」ていう皆さんオナジミのやつで、何て読むのか分からないから、あたしは「メーラー駄衛門」て呼んでるんだけど、「そのアドレスは存在しません」とのこと。先生のアドレスは打ち込みじゃなくてアドレス帳からのペーストなので、打ち間違いってことはない。それで、あたしは、何らかの通信上の障害だろうと思って、しばらく時間を置いてから送信し直してみたんだけど、またまた「メーラー駄衛門」が持って返ってきちゃった。
あたしは、「あたしの使ってるメールサービスのほうに問題が生じてるのかも?」って思って、今度は別のアドレスから送信してみたんだけど、それも「メーラー駄衛門」がお持ち帰り。そこで、先生の使ってるメールサービスと同じアドレスの別の友人に短いメールを送ってみると、これは普通に送信できた。つまり、この時点で分かったことは、メールサービスには双方ともに何も問題は生じてなくて、今までやりとりしてきた先生のアドレスだけが消えちゃったってことだった。
普通に考えたら、個人のアドレスなんだから本人しか操作できないワケで、「もしも先生がアドレスを変更したのなら、必ずあたしに知らせてくれるはずだし‥‥」って思ったら、あたしの脳裏には縁起でもないことが浮かんできた。それは、先生が事故に遭われたか急病で倒れたかして、奥様か担当の編集者が何らかの理由で先生のアドレスを一時的に変更した、というものだ。だけど、そんなことをする理由が思いつかない。
それで、次にあたしが考えたのが、前回のあたしの失礼なメールに怒った先生が、あたしとのメール交換を拒否するためにアドレスを変更してしまった‥‥っていう、想像しただけで泣きたくなるような推測だった。あたしには「失礼なメールを送ってしまった」っていう自覚があったから、こっちの推測のほうがガゼン真実味を帯びてきて、あたしはホントに泣きたくなった。冷静になって考えれば、やさしい先生があんなメールで怒るはずないし、万が一、多少「ムッ」としたとしても、いくらなんでもアドレスを変更してしまうほどは怒るはずないことくらい分かる。
だけど、実際にメールは届かない。何度送っても「メーラー駄衛門」に「そのアドレスは存在しません」と言われちゃう。これは事実だ。先生ご本人が操作したのか、はたまた第三者が操作したのかは分からないけど、先生のアドレスが消滅してしまったこと、あたしのメールが届かなくなってしまったことだけは事実だ。そして、この重たい事実の前では、「やさしい先生があんなメールで怒るはずない」っていう常識的な推測よりも、「きっと怒ってアドレスを変えちゃったんだ」っていう非常識的な推測のほうに、可能性の針は大きく振れてしまう。
‥‥そんなワケで、一般的な推理小説の場合は、誰かの身に起こった事件や謎を第三者である探偵が解くっていうパターンだ。謎解きするのは、探偵の代わりに主婦だったり女子高生だったり家政婦だったり小学生の姿をした高校生だったりといろいろだけど、とにかく、事件の当事者とは距離のある人たちだ。だから、こうしたパターンの場合は、当事者ならどう考えるのか、当事者ならどう行動するのか、それを推理して謎を解いていくのが定番だ。犯人と被害者がいるような事件なら、第三者である自分を当事者である犯人や被害者の立場に置き換えて、自分が犯人ならこう考える、自分が被害者ならこう行動する‥‥ってふうに推理していく。
だけど、今回は、あたしの身に起こった事件なんだから、あたしは最初から当事者の1人だ。そして、もう1人の当事者である石川先生にメールが届かなくなったことが謎なんだから、あたしの立場で推理することは難しい。一般の推理小説の場合は、探偵や探偵に代わる人が「第三者としての客観的な視点」と「自分が当事者だったらと考える主観的な視点」とを使って、立体的に謎を解いていく。でも、あたしは当事者の1人なんだから、「第三者としての客観的な視点」を持つことができない。
そこで、満を持して登場するのが、頭脳は子供でもベッドでは大人、迷探偵キッコナンてワケだ。ヒサビサに登場した迷探偵キッコナンは、これまでの流れを説明しようとしたあたしの言葉を遮って、単刀直入にこう言った。
「石川先生本人に聞いてみればいいじゃない」
「えっ?だってメールを送信しても戻ってきちゃうのよ?」
「電子メールがダメなら手紙があるじゃない」
「まさか、先生のご自宅に『メールが届かなくなってしまったのですが、何かあったのですか?』とかってお手紙を出せって言うの?」
「うん、そうすれば謎はすぐに解けるわ」
「だけど、もしもあたしの推測通りに、あたしのメールに怒ってアドレスを変更してたとしたら、ご自宅にまでそんなお手紙を送ったら『火に油』、いや、『ブエナビスタに直線で鞭』になっちゃうわよ!」
「でも、きっこのメールを読ませてもらったけど、アレで怒る人なんていないわよ、普通は」
「あたしもそう思いたいんだけど、他に先生がアドレスを変えちゃうような理由が何も思い当たらないんだもん‥‥」
「きっこは当事者だから、自分の思い込みや先入観がジャマをして、状況を正しく判断できなくなってるのよ。だからあたしを呼んだんでしょ?」
「そりゃまあそうだけど‥‥」
「第三者であるあたしから見れば、あのメールで怒るなんて考えられないよ。石川先生のアドレスは、絶対に何らかの別の理由によって使えなくなってるのよ」
「だけど、アドレスが何らかの理由によって使えなくなったのなら、先生はお仕事でメールを使うことが多いから、必ず別のアドレスをすぐに作ったはずだし、そしたら、あたしにもそのアドレスからメールをくださるはず。仮に今までのメールボックスが使えなくなってたとしても、あたしのアドレスはブログに公開してあるから、先生のほうからはあたしにメールを送ることができるのよ」
「なるほど、先生のほうからはメールを送れる状態なのに、もう1ヶ月以上も音沙汰なし。それできっこの不安は大きくなってるのね」
「うん‥‥」
「それなら、いっそのこと、ブログに『石川先生、連絡ください!』って書いてみたら?」
「そそそそそんなことできるワケないじゃん!それこそ『ブエナビスタに直線で鞭』どころか『オルフェーヴルの大暴走』になっちゃうわよ!」
「だけど、きっこのほうからメールできない以上、先生のほうからメールしてもらえるように、きっこが何らかのアクションを起こすしかないでしょ?」
「う~ん‥‥」
‥‥そんなワケで、当事者であるあたしの主観的な視点と、第三者であるキッコナンの客観的な視点とで、今回の謎を立体的に推理してみたワケだけど、結論は『こちらから何らかのアクションを起こして、先生のほうからメールを送ってもらえるようにする』っていう、とても解決にはホド遠い‥‥っていうか、何とか先生からメールをもらって先生に直接答えを聞くっていう、完全に白旗をあげた結論になっちゃった。
そこで、あたしが考えついたのが、「何事もなかったかのように楽しい競馬の日記をブログにアップする」という作戦だった。これまでも、たいていはあたしのほうからメールして、それに先生が返信してくださる‥‥ってパターンだったけど、競馬のことをブログに書いた時だけは、先生のほうからメールをくださることが何度かあった。
完全に八方ふさがりなあたしには、もうこの方法しか残ってない。それで、あたしは、「母の日」に母さんとデートして、その日の「ヴィクトリアマイル」でホエールキャプチャからの馬単で万馬券が当たったから、このことを大急ぎで書いて、その日のうちにブログにアップした。5月15日のエントリー、「芦毛伝説、再び?」だ。
そして、「どうか石川先生が読んでくださいますように!」って祈るような気持ちでいたら、ナナナナナント! 翌日の5月16日の夜、あたしのメールボックスのズラッと並んだ差出人のインデックスの中に「石川喬司」の文字が!
あたしは、嬉しさよりも驚きのほうが大きくて、心臓がドキドキしてきて、また不安が蘇ってきて、「もしも怒ってる内容だったらどうしよう」って思って、恐くてメールが開封できなくなった。だけど、キッコナンの言葉を思い出して、「そんなワケない」「そんなワケない」って自分に言い聞かせて、思い切って開封した!
孝行娘に祝杯!
2012年5月16日 水曜日 午後9:56
ヴィクトリアマイルのご快挙、おめでとうございます。
このリズムでオークス、ダービーも連続制覇! の大朗報が期待できそうですね。
弥生美術館で<奇っ怪紳士、怪獣博士、大伴昌司展>を開くというので、推薦文を書きました。星新一さんたちと一緒に作った日本SF作家クラブが誕生50年を迎えます。筒井康隆に「もう50年、まだ50年」とメールを送ったら、「石川さん、どうか死なないでください」と返事が来ました。
‥‥そんなワケで、石川先生にメールが届かなくなって以来、2ヶ月近くも悩み続けてきたあたしのもとにようやく届いたのは、まるてナニゴトもなかったかのような、いつもと変わらない普通のメール。その上、先生のアドレスを見ると、「メーラー駄衛門」に何度も「そのアドレスは存在しません」と言われた以前とおんなじアドレス。これは一体?
あたしは、キツネにつままれたような気持ちになりつつも、やっと先生にメールを送れる嬉しさと、先生は怒ってたワケでもないしご病気で倒れてたワケでもないことが分かった安心感とで、気がついたら涙が止まらなくなってた。そして、泣きながらお返事を書いた。
こんばんは♪/きっこ
2012年5月16日 水曜日 午後11:35
石川先生!(泣)
前回、「日経賞」でネコパンチが勝った時に、興奮しずぎて先生に変なメールを送ってしまい、数日後に少し落ち着いてから「先生に失礼なメールを送ってしまった」と気づいて、先生に「失礼しました」のメールを送ったところ、「そのアドレスは存在しません」というメッセージとともにメールが戻ってきてしまいました。
私は驚いて、別のアドレスのフォームからもメールしたのですが、それも戻ってきてしまいました。
私は、「当たった!当たった!」と大ハシャギした内容のメールを送ってしまったことで、先生がご気分を害してしまって、私からのメールを受信しないようにアドレスを変更してしまったのだと思い、ものすごく落ち込みました。
石川先生は、私と父さんとの途切れ途切れの記憶の糸を「競馬」というキーワードで繋げてくださった大恩人です。
私は、先生のお陰で、競馬の楽しさを知っただけでなく、父さんがどうして競馬に夢中になっていたのかを知ることができました。
だから、先生に送ったメールが届かなくなって、あまりにもショックで、ものすごく落ち込んでしまいました。
先生のご住所は知っているので、謝罪のお手紙を送ろうとも思ったのですが、それも失礼だと思い、どうしていいのか分からず、本当に悩んでいました。
決局、私が競馬を楽しんでいるブログを書き続けていれば、いつか先生の目にもとまって許してくださるかも、と思いながら、今回のブログを書きました。
先ほど、メールの受信箱に「石川喬司」というお名前を見つけた時、私は震える指で開封しました。
でも、先生からの久しぶりのメールは、いつもと変わらない様子ですし、アドレスも以前のまま。
もしかしたら、私が先生を怒らせてしまったと思い込んでいたのは、単なるメールのアクシデントだったのでは?
たまたま何かのアクシデントでメールを送信できなかったことを、私が勝手に「先生を怒らせてしまった」と思い込んでいたのでは?
今、ようやく、そう思えてきました。
ホッとして、涙が止まらなくなってしまいました。
きっこ拝
Re: こんばんは♪
2012年5月17日 木曜日 午後10:28
メール拝読して驚きました。
ヘンな迷惑メールが増えてきたので、それを拒否する操作をしたときに、メカオンチの本領を発揮して、何よりも嬉しく楽しいメールまで受信できなくしちゃったみたいで、それに気付かないでいたようです。ご心配をおかけして本当に申し訳ありません。
<神楽坂愛馬の会>仲間とのペーパーオーナー・ゲームで所有したジョワドヴィーヴルが故障して、「生きる悦び」が「悲しみ」に変わってしまってから、どうも運勢下降気味でしたが、きっこさんのお手紙のおかげで立ち直れます。有り難うございました。
メルシ-・ボークー!
‥‥そんなワケで、これが、あたしの身に起こった「手紙」にまつわる不思議な事件の顛末だ。加納朋子さんの数々の作品に登場するような、日常に起こりうる小さな謎なんて、ひとつの現象を一方向からしか見ていないから謎なワケで、反対側からも見ることができたら驚くほど単純なタネだったりする。客席から見てる手品は不思議だけど、手品師の後ろから見ればタネはすぐに分かる。だから、今回の謎も、タネが分かれば全身が脱力しちゃうようなことだったけど、さすがの迷探偵キッコナンも、SF界の重鎮、石川先生が無意識のうちに仕組んだトリックだけは、どうしても解くことができなかった今日この頃なのだ(笑)
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