温泉どうでしょう 第一夜(後編)
‥‥そんなワケで、「温泉どうでしょう」の「第一夜」の後編が始まったワケだけど、今回のブログは「水曜どうでしょう」にならって書いてくと言いながら、ぜんぜん「水曜どうでしょう」のノリが見当たらない。だけど、「竹瓦温泉」のレトロな建物を肉眼で確認した母さんとあたしは、来た時とは違う路地を通ってホテルのほうに向かって歩いてる時に、ついに!とうとう!AT LAST!ある居酒屋さんの前で、こんなポスターに遭遇しちゃったのだ!
ビミョ~な大きさの大泉洋を見つけたあたしは、これだけじゃ弱いと思いつつ、他にも何か「水曜どうでしょう」に関係したモノがないか、キョロキョロしながら散策を続けた。そして、巨大な天狗と遭遇して、「ナマハゲかダルマだったら良かったのに‥‥」って思ったり、
ツンデレ顔の白猫さんと遭遇して、「トラだったら良かったのに‥‥」って思ったりして、
だんだん「親孝行」から脱線し始めたその時、とうとう、こんな食堂を見つけちゃった!
知ってる人は知ってる通り、HTBの「水曜どうでしょう」は、番組の看板の大泉洋と、それを支えるパートナーのミスターこと鈴井貴之のコンビが「表側の主役」で、2人に「ドS」な指示を出し続けるディレクターの藤村忠寿と、カメラマンの嬉野(うれしの)雅道が「裏の主役」だ。この4人が「どうでしょう班」てワケで、「うれしや」っていう食堂を見つけたあたしは、大泉洋の「嬉野く~ん!」っていう声が聞こえたような気がした。
あまりにも無理があるコジツケだけど、あたしが「うれしや」を発見した時に撮った写メは曇ってて看板の文字が読みずらかったので、この写真はわざわざ次の日の朝に撮り直してきたものだ。だから、無理があるコジツケの上に、しょ~もない小ネタだけど、紹介しないとあたしの気が済まない(笑)
だけど、さすがは大分県、このまま大人しく終わらせてはくれなかった。大分県は、こともあろうに、北海道を代表するスーパースターの大泉洋に対して、いや、北海道そのものに対して、まるでケンカを売ってるようなポスターまで作ってたのだ!
おいおいおいおいおーーーーい!「大分でつくっています!サッポロビール」って、松田優作じゃなくても「なんじゃこりゃ~!」って感じだ。そりゃあ、サッポロビールの工場は全国に何ヶ所もあって、それぞれの工場で作られたビールがそのエリアで売られてるんだろうけど、ここまでハッキリと宣言されちゃった日にゃあ、もはや「サッポロビール」ってブランド名の完全否定でしかない。これじゃあ、「青森でつくっています!長崎カステラ」って言ってるようなもんだ。そして、さらには、こんな貼り紙まで発見しちゃった!
「東京下町の味」と言っておきながら、間髪いれずに「別府ホッピー」と言う大技が炸裂してる! まあ、こっちは、「カボス入り」ってことで、一応は別府のオリジナルなホッピーなんだろうけど、それにしても、大分県の攻撃力の高さを目の当たりにしたあたしは、今夜の酒宴が楽しみになってきた♪
‥‥そんなワケで、ホテルにチェックインしてお部屋に入ると、思ってたよりもずっと広くて、ゴージャスで、素晴らしいお部屋だった。せっかくの旅行なので、今回は普通のツインより値段の高いデラックス・ツインにしようと思ったら、ちょうどナントカキャンペーンとかで、普通のツインの料金でデラックス・ツインに泊まることができたのだ。東京だと2~3万円の感じのお部屋が、ナナナナナント!1万円以下!
母さんは、お部屋のお風呂のお湯も温泉だってとこに興味津々で、荷ほどきする前にお風呂を見にいき、ドド~ッてお湯を出し始めた。少し溜まったお湯を見てみると、バスタブの色のせいなのか、薄い黄色に見えた。母さんは、「ちょっと浸かってみるわ!」って言ってお風呂に入ったので、あたしは、母さんとあたしのシワになったら困るお洋服を出して、ハンガーに吊るした。
母さんがお風呂に浸かってる間、あたしはノートPCを出して、お部屋のLANケーブルに接続して、まずはradikoをひらいてみた。これは、どこにいっても真っ先にやってみる実験なんだけど、大分県の別府も福岡県の小倉とおんなじで、地元エリアのローカル放送が選局できた。そして、LANケーブルを抜き、あたしの自前のドコモXiでアクセスしてみると、いつものように東京のラジオを聴くことができた。
別府で聴くTOKYO FMの「シナプス」は、まさに「別府ホッピー」って感じで、初めてきた街なのに懐かしい気分になった。そう言えば、さっき別府の街を散策してる時、母さんが「区画整理される前の東京みたいに細い路地が多いから、初めてきた街なのに懐かしい気持ちになるわね」って言ってたのを思い出した。大泉洋と同じく北海道出身のやまちゃんが、東京のFM局でしゃべってるのを、九州で聴いてるあたし。日本列島が手のひらに乗るくらいのミニサイズに縮んじゃったみたいな錯覚が起こる。
「シナプス」はラスト5分くらいだったんだけど、番組が終わったと同時に、バスルームから母さんの「すごくいいお湯よ~!」って声が聴こえてきた。あたしが覗きにいくと、母さんは、浅いバスタブの中でヒザを立てて仰向けになり、器用に肩まで浸かってた。そのカッコが可愛くて、おかしくて、あたしは大笑いしちゃった(笑)
「母さん、そのお湯は温泉て言っても『温泉のお湯割り』だよ。大浴場のほうは『源泉かけ流し』だし、そんなヘンテコなカッコをしなくても手足を伸ばしてゆったりと浸かれるから、大浴場へいってみようよ。あたしもメーク落としたいし」
母さんとあたしは、久しぶりにテレビを観てしばらく休憩してから、浴衣に着替えて、お風呂セットを持って、大浴場へいってみた。あたしたちが泊ったホテルの大浴場は、「展望風呂」じゃなかったけど、すごく豪華な感じで、女性用のアメニティーもクレンジングまで充実してた。脱衣所も清潔で、時間が早かったせいなのか、これまた貸切状態だった。
だけど、あんまり温泉にばかり浸かってると、湯疲れしちゃうし湯あたりしちゃうので、今回はメークだけ落として、軽く10分ほど浸かっただけで上がることにした。ホテルの大浴場なら何度でも入れるし、初日からガツガツと全力で浸かりまくることもない。それでも、3時間ほど前の「駅前高等温泉」の時から、メークを落として顔面に温泉成分を染み込ませたかったあたし的には、これでもか!これでもか!っていうほど、「足湯」でもなく、「手湯」でもなく、待ちに待った「顔湯」をタンノーすることができた(笑)
‥‥そんなワケで、そろそろお腹も空いてきたので、「初日の夜は美味しいものを豪華に食べまくる作戦」を決行することにした。久しぶりに、ちょっとオシャレなお洋服に着替えて、さっき落としたばかりなのにまたフルメークして、母さんにもチャチャッとメークして、バッグからヒールの高いサンダルを出して準備完了。でも、あたしが大きなお花の柄のワンピなのに、母さんも小花柄のツーピースで、ナニゲに「花柄母娘」になっちゃったので、これはヤバイと思い、母さんにはベージュのジャケット、あたしは黒のショート丈のカーデを羽織って、花柄のイメージを少しお湯割りにした(笑)
あたしたちが向かったのは、散策した時に目をつけといた「さかなや道場」だ。駅前通りの坂を少し下ったとこにあるので場所も近いし、何よりも「豊後(ぶんご)アジ」の看板が魅力的だった。「さかなや道場」は全国にあるけど、それぞれのお店がそれぞれの地域の特産品をメニューにしてて、ここ、別府店は、「豊後アジ」がオススメになってる。
ホントは、「関アジ」や「関サバ」が食べたかったんだけど、前もって調べてみたら、「関アジ」が1匹4500円から6000円、「関サバ」に至っては1匹が6000から8000円、とてもじゃないけど手が出ない。「関サバ」はすごく大きいので、1匹で2人がお腹いっぱいになりそうだけど、それでも、まさか2人で「関サバ」を1匹だけ注文するワケにもいかないだろうから、アレもコレもと注文してるうちに、あたしのお財布3号機が水素爆発を起こしちゃう。で、今回は、「身分相応の贅沢」ってワケで、庶民的なチェーン店の居酒屋さんで、食べたいものを食べたいだけ食べるっていう作戦にしてみたワケだ。
初めて入った「さかなや道場」は、なかなか清潔感のあるお店で、店員さんはみんな元気で気持ちが良かった。「とりあえずビール」って言うのはビールに失礼なので、あたしは「瓶ビールをください」って注文した。だいたいからして、ビールどころか発泡酒だってふだんは高くて飲めないあたしなのに、こんな時ばかり「とりあえずビール」だなんて言ったらバチが当たっちゃう。
銘柄も聞かずに注文したら、瓶ビールは「一番搾り」が運ばれてきた。母さんとビールで乾杯して、1杯目は一気に飲み干し、2杯目を飲みながら2人でメニューを見る。とにかく「豊後アジ」は必須だし、貼り紙にも「早い者勝ち」って書いてあったから、まずは「豊後アジ」を注文した。それから、母さんは大分名物の「カボスサワー」、あたしは大分の麦焼酎「酵醸麦(じゅんじょうむぎ)」をロックで注文した。あとは写真と一緒に説明してく。
母さんが注文した「カボスサワー」は、半分に切ったカボスがついてて、自分で搾って入れるようになってた。
あたしが注文した「酵醸麦」は、麦焼酎ならではのクセのなさで、クイクイと飲めた。
待ちに待った「豊後アジ」は、20センチ弱の小ぶりのアジだったけど、普通は柔らかいはずのお腹のほうの身も、スズキの洗いくらいの歯応えがあって、アジとは思えない食感だった。決して「ものすごく美味しい」とまでは言えなかったけど、これが680円で食べられたのは「まあまあ」って感じだった。
「豊後アジ」の顔は、銀色じゃなくて金色だった。金色ってことは、あんまり回遊しない「地のアジ」なのかも?
お刺身の3点盛りは、「カンパチ」と「マダイ」と「メバチマグロ」だった。カンパチは九州のもので、マダイは九州のものだけど養殖モノで、メバチマグロは外洋のもの。これは、どれもバツグンに美味しかった。これで880円は安い。
母さんが「焼きガキ」を食べたいと言って注文したんだけど、これはイマイチだったみたいだ。母さん曰く、「焼きすぎで焦げてて苦いよ、これ」とのこと。せっかくの広島のカキがもったいない。
母さんもあたしも「バッテラ寿司」が大好物なので、その流れから「シメサバ」を注文。これが大当たりで、今まで食べたシメサバの中でも、イチニを争うほど美味しかった。「関サバ」じゃないけど大分県産のサバだそうだ。サバ自体も素晴らしいサバだったし、シメ方も素晴らしかった。母さんは美味しくて感動して目を閉じて味わってた。たしか500円くらいだった。
これは「マグロのなめろう」だ。あたしは、ふだんはマグロは食べないんだけど、今回は久しぶりの旅行なので、特別に食べることにした。だからお刺身の3点盛りも注文したんだけど、この「マグロのなめろう」も美味しかった。お味噌と薬味の加減が絶妙で、上に掛かってる金ゴマの香りも良くて、母さんは、「これは日本酒だね」なんて言って、メニューのドリンクのページをひらいた。
あたしは「酵醸麦」のロックが気に入ったのでおかわりしてたんだけど、母さんは「蔵しぼり生」っていう京都のお酒をデキャンタで注文した。デキャンタって言っても、大きめのガラスの徳利で、お猪口もおそろいのガラス器だった。あたしも味見させてもらったけど、サラッとしてて飲みやすいお酒で、よく冷やしてあったので美味しかった。
他にも、お新香やサラダ、仕上げにジャコ入りの焼きおにぎりなんかも食べたんだけど、ぜんぶ写メを撮ってるとせっかくの食事が楽しめないから、その辺のメニューは写メをスルーした。母さんもあたしもお腹がいっぱいになり、いい調子に酔い、大満足だった。お会計は6000円弱くらいだったけど、駅に置いてあった「るるぶ大分」のフリーペーパーについてたクーポン券を使ったら1割引きになって、5000円ちょいだった。「関アジ」の1匹ぶんの金額で、これほど食べたり飲んだりできたんだから、これぞ「身分相応の贅沢」だろう。
‥‥そんなワケで、「温泉どうでしょう」の「第一夜」は、母さんもあたしも大満足のまま終わることができた。明日からはハードな「親孝行プラン」が目白押しなので、今夜はもう一度だけホテルの大浴場に浸かってから、お部屋で母娘水いらずでのんびりしようと思う‥‥って、「親孝行」なのに「ハード」って何だよ?‥‥って感じの今日この頃なのだ!(笑)
次回の「第二夜」からは、いよいよ怒涛の展開の火ぶたが切って落とされる‥‥かも? こうご期待♪
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