進化するネズミたち
昔から「きっこの日記」を読んでくれてる愛読者の皆さんにはオナジミだと思うけど、あたしは、足を滑らせて歩道橋の一番上から「蒲田行進曲」バリの階段落ちを披露しちゃったり、オウチャクしてハッサクを手に持ったまま包丁で切ろうとして自分の手まで切っちゃったり、パチンコ屋さんの駐輪場から原チャリを出そうとしてサイドスタンドが足の親指の爪と肉の間に食い込んで出血大サービスしちゃったりと、劇画タッチのサザエさん的な事故が多い。タンスの角に足の小指を引っ掛けてイタタタタタタター!ってのは並みのレベルの「サザエさん的な事故」だけど、あたしの場合は予想外の大ダメージを受けることが多いから「劇画タッチのサザエさん的な事故」って呼んでる。
で、去年の11月、急に雨が降ってきたから、外に干してた洗濯物を取り込もうと慌てて玄関から飛び出したら、足を滑らせて変なふうに転んじゃって、右足のヒザの靭帯を傷めてしばらく歩くことができなくなった。結局、右足の付け根から足首までぜんぶを固定する大ゲサな拘束具を装着させられたキッコゲリオン初号機は、ものすごく不便な生活を余儀なくされちゃったってワケだ。
その前にも、飛び出してきた猫をよけて原チャリでコケて大流血したし、あたしはホントに劇画タッチのサザエさん的な事故が多い。だけど、今年になってからは、コレといった事故もなく、ナニゲに平和な日々が続いてた。まだ2月だけど、「ヒザの靭帯が治ってから」じゃなくて「ヒザの靭帯を傷めた日から」ってことで数えれば、もう4ヶ月近くも事故を起こしてないワケで、あたしに憑依してた劇画タッチのサザエさんの霊も成仏してくれたような気がしてる今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、コレと言った事故もなく、安心して日々を過ごしてたら、ヒサビサにやっちゃいました!‥‥ってなワケで、コタツでネットしてたら玄関の呼び鈴が鳴ったから、頼んでた荷物が届いたんだと思って「は~い!」って言いながらガバッと立ち上がったら、手前に垂れ下がってたマウスのコードに足を引っ掛けちゃって、マウスが下に落ちた!ノートPCも引っぱられてナナメになり、焦ったあたしはバランスを崩して、こともあろうに落ちたマウスを踏んじゃった!
でも、あたしに憑依してた劇画タッチのサザエさんの霊は成仏してくれたから、あたしはケガもせず、流血もせず、何事もなかった。ただし、マウスが壊れた。とりあえず宅配便を受け取り、それからマウスの様子を見てみたら、外観はどこも壊れてないんだけど、クリックができなくなっちゃった。コードを入れ直してみたり、マウスを叩いてみたり、マウスに向かって「ニャ~オ!」って鳴いて脅かしてみたりしたんだけど、何度やってもクリックできない。
これは、去年の11月のあたしのお誕生日に、自分へのベホイミとして買ったもので、たしか780円だった。それまで使ってたマウスが反応しなくなったので、必要に迫られて買ったものだ。だから、自分がケガしなかった上に、この金額だけで済んだんだから、あたしにしちゃダメージは小さくて、どっちかって言ったら喜ぶべき結果だった。これなら、誰かに話したって笑い話で済む。
つまり、あたしに憑依してた劇画タッチのサザエさんの霊は成仏してくれたけど、まだ、並みのレベルのサザエさんの霊が憑依したままだったのだ。並みのレベルのサザエさんの霊なら、憑依してたって何も恐くない。お魚を盗んだドラ猫を追い掛けて、思わず裸足のまま外に出ちゃったり、お買い物に行ったら、商店街に着いてからお財布を忘れたことに気づいたりって、せいぜいこんなレベルだ。最大でもタンスの角に足の小指を引っ掛ける程度だろう。
‥‥そんなワケで、あたしのヒサビサのサザエさん的な事故は、嬉しいことに「不幸中の幸い」って感じの結果になったんだけど、ただ、ひとつだけ、問題が発生した。何しろ、ガリガリ君を1本買うにも原チャリで15分くらい走らないといけないほど周りに何のお店もないとこに住んでるあたしとしては、東京にいた時みたく「ちょっとコジマ電気に行ってくる」なんてワケには行かない。家電の量販店なんて大きな駅にしかないから、一番近いお店でも電車で1時間くらい掛かっちゃう。だから、今回壊れたマウスも通販で買ったワケだけど、またまた通販で買ったマウスが届くまで、あたしの苦手な「人差し指でスクラッチ」をやんなきゃなんない。
ま、それはそれで仕方ないことだと割り切り、あたしは、さっそく通販サイトでマウスを探した。マウスって、それこそピンキリで、安いものは500円以下のもあるし、高いものは1万円を超えるのもある。あたしは、「マウスは消耗品」て考えだから、安けりゃ安いほどいいんだけど、たとえば、ぜんぜん気に入らないデザインのが500円で、まあまあ気に入ったデザインのが1000円なら、1000円のほうを買う。でも、まあまあ気に入ったデザインのが1000円で、ものすごく気に入ったデザインのが2000円なら、ガマンして1000円のほうにする。つまり、「マウスに2000円なんて出せない」って考えだ。
ケース・バイ・ケースだから、あんまり厳密に決めてるワケじゃないけど、ザックリしたイメージだと、あたしがマウスに払える金額は1500円までだ。だけど、これはあくまでもザックリしたイメージなので、ものすごく気に入ったデザインのが1580円だったら買うかもしれない。特に今回は、すぐに必要だから、あんまり細かいことは言ってられない。
で、カタッパシから家電や専門店の通販サイトを見てみたら、最近はコードの付いてないワイヤレスタイプのマウスが主流だってことを知った。コードに足を引っ掛けて壊しちゃったサザエさんとしては、まさに理想的なマウスじゃん!‥‥なんて思いつつも、ワイヤレスタイプは、6980円だの12800円だの4800円だのと、どれも高い‥‥って思ったのもトコノマ、いろいろ探してみたら、1500円程度のもたくさんあるし、中には700円のも見つかった。
だけど、サスガに700円のは不安なので、1000円前後のワイヤレスタイプに絞って探してみた。マイクロソフトの1100円のと、バッファローの980円のが最終候補になり、結局、信頼性と値段でバッファローに決めた。他にも必要だったUSBメモリを買って、合計金額が「送料無料」になるようにした‥‥ってのが数日前の話で、今日、そのマウスが届いた。
さっそく、ちっちゃな受信機をノートPCに差し込んで、付属の単4電池2本をマウスのお腹に入れて、スイッチをON!マウスのお腹からブルーの光が出たから、これでいいのかと思って動かしてみたんだけど、画面の真ん中の矢印はぜんぜん動かない。何がいけないのか、マウスのお腹を見てるうちに、画面の右下に「ドライバのナンタラがカンタラ」って表示が出て、矢印が動くようになった。なるほど、ドライバを自動でインストールしてたのね。
‥‥そんなワケで、あたしは、しばらく前の日記に、「今の若い子たちは生まれた時からケータイやPCがあるけど、あたしの時代はどっちもなかった」ってことを書いた。あたしが初めてケータイを持ったのはハタチを過ぎて社会人になってからだし、あたしが初めて自分のPCを買ったのは20代後半になってからだ。
もちろん、もっと前からPCは市販されてたけど、今の最新機種と比べると原始時代の石器みたいなパフォーマンスのマシンが30万円も40万円もした。今から20年も前の30万円、40万円だから、今で言えば最低でも50万円以上になると思う。だから、そんなもん買えるワケがないあたしは、もっぱらケータイでネットをやってたんだけど、当時は「定額で使い放題」なんてプランはないから、パケット通信料で破産する「パケ死」なんて言葉が流行り、もれなくあたしもパケ死にした(笑)
でも、あたしがケータイデビューしてから5年ほどで、PCは劇的に進化した。特に、Windows2000が出た時には、各メーカーから10万円台後半で買えるデスクトップが出始めた。それでも、あたしには高嶺の花だったけど、ケータイの使い過ぎで月に何万円なんていう請求が続くことを考えたら、ローンを組んででもPCを買ったほうが遥かに得だ。それで、何度も何度もコジマ電気に通ってPCを見てるうちに、とうとう10万円台前半の機種が出始めたので、あたしは思い切って、その中で一番安かった10万円ちょいのやつを12回払いで買った。
これが、20代後半にして、あたしが初めて手に入れたPCだ。いろいろと支障があるので、メーカー名やモデル名は伏せるけど、日本のメーカーの汎用モデルだった。そして、この時にセットに付いてたマウスは、当然、ボール式のマウスだった。お腹のとこにボールが内蔵されてて、マウスを動かすとそのボールがコロコロと転がって画面の矢印が動くってスンポーだ。
このマシンは、メモリを増設したりしつつ、何度か軽度のクラッシュと修理を繰り返しながら、ナンダカンダで5~6年くらい使ったけど、とうとう大クラッシュを食らったオシャカになった。だけど、またまたこの5年の間にPCは劇的に進化してて、今まで使ってたのよりも遥かに高性能のマシンが10万円前後でズラーッと並んでた。このころのあたしは、ある程度はパソコンの知識も身に付いてたので、最初の時みたく「最低価格のもの」を選ばずに、15万円ほどの日本のトップメーカーの中堅モデルを選び、やっぱり12回払いで買った。
このマシンに付いてたマウスは、お腹のとこから赤い光が出て、それがボールの代わりを務めてくれる光学式のマウスだった。ボール式の時とは雲泥の差、あまりにも滑らかで驚愕した。そして、それから5年が経つ間に、今までは重たくて持ち運びするのにひと苦労だったノートPCにも、そこそこ軽くて使いやすそうなモデルが、そこそこ買えそうな値段で出始めた。でも、まだデスクトップほどは安くなくて、あたしには手が出なかった。
だけど、2011年の東日本大震災と原発事故で、あたしは持ち歩くためのノートPCがどうしても必要になり、かなり無理をして、またまたローンで買った。この時は、とにかく少しでも安く抑えようと思い、一番安い500円くらいの光学式マウスを買った。これが、今、この日記を書いてるノートPCで、この時のマウスは、1年半ほどで壊れて使えなくなった。そして、代わりに買った780円のマウスが、あたしが踏んづけて壊した2代目のマウスだったワケだ。
‥‥そんなワケで、他にも、お友達からもらったデスクトップやノートPCが何台かあるんだけど、この3台が、あたしが自分で買ったPCってワケだ。そして、あたしのマウスの歴史は、最初がボール式で、次が光学式で、ついに今回、ワイヤレスタイプに到達したってワケだ。このマウスがホントの動物だったとしたら、わずか10年の間にピテカントロプスがホモサピエンスに進化しちゃったくらい劇的なことで、まさに「日進月歩」のタマモノだろう。何しろ、今まではどんなに手が冷たくなってもマウスパッドの上で動かすしかなかったのに、このワイヤレスタイプだと、毛布にくるまったまま自分のフトモモの上で動かすことができるのだ。冷え症のあたしにとって、これほどアリガタイザーなことはない今日この頃なのだ♪
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