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2013.05.23

昭和は遠くなりにけり

今年は「2013年」だけど、「平成25年」でもある。日本には、こうした「元号」があるから、西暦しかない国よりも、時代に対するイメージが深くなってるとあたしは思ってる。たとえば、中村草田男(くさたお)のこんな俳句がある。


降る雪や明治は遠くなりにけり  草田男


これは、明治34年生まれの草田男が、昭和6年に母校の青南尋常小学校(現在の港区立青南小学校)を訪ねた時に生まれた句だ。この日、東京には珍しく大雪が降っていた。降りしきる雪の中に佇み、懐かしい校舎や校庭を眺めていたら、かつて自分がこの場所で過ごした「明治」という時代が、遥か遠い過去のことのように感じられた、と詠ってる。

この感覚は、「明治」「大正」「昭和」という元号の流れがあってこその感覚だ。草田男は明治34年生まれだから、明治40年か41年に青南尋常小学校に入学したことになる。明治41年なら西暦1908年だから、草田男は、1908年、1909年、1910年‥‥と、この小学校で過ごしたことになる。そして、大人になった草田男が母校を訪ねてこの句を詠んだ昭和6年は、西暦1931年だ。

1931年にいる自分が、1910年を振り返って、「ああ、1910年代は遠くなったなあ‥‥」などと感じるだろうか?やはり、この句の感慨は、わずか20年ほどの間に、「明治」「大正」「昭和」という元号の移り変わりがあったからこその感覚なのだ‥‥なんて堅苦しくスタートしてみた今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしは昭和47年の生まれなので、ついこないだ「平成」になったばかりだと思ってたのもトコノマ、何だか知らないうちにもう「平成25年」になっちゃってることに驚いてるし、平成生まれの子が成人どころか23歳とか24歳とかの社会人になってることにも驚いてる。それこそ「昭和は遠くなりにけり」って感じなんだけど、ここで言う「昭和」とは、もちろん、あたしにとっての「昭和」だ。

「明治」が45年、「大正」が15年だったのに対して、「昭和」は64年もあった。厳密に言えば、昭和64年は1月7日までの1週間だけしかないから、実質は63年くらいだけど、それでも「昭和」は、戦争や敗戦後の復興、高度成長やバブルなど、いろんなことがあったし、文明の進歩も大きかったから、ひと言で「昭和生まれ」と言っても、昭和の何年ころに生まれたのかでまったく違う。

昭和10年に生まれた人と昭和50年に生まれた人じゃ、時代背景がまったく違うし、何よりも戦争体験の有無が大きい。もちろん、あたしも戦争体験はないけど、あたしの母さんの母さん、おばあちゃんは戦争体験があったから、悲しくて恐ろしい話をたくさん聞かされた。

で、話はクルリンパと戻るけど、世間一般の「昭和」のイメージって言うと、映画『ALWAYS 三丁目の夕日』の影響もあって、「昭和30年代」を指すことが多い。あたしは生まれてないけど、あたしの母さんは父さんと付き合って時代なので、『ALWAYS 三丁目の夕日』はど真ん中にストライクだったみたいだ。


‥‥そんなワケで、あたしにとっての「昭和」は、当然のことながら母さんよりはあとになる。母さんが「黛ジュン」や「平山みき」なら、あたしは「ピンクレディー」から「松田聖子」や「中森明菜」が子どものころで、大人になってからは「安室奈美恵」や「MAX」だ。みんな現役だけど、あたしの「昭和」を彩ってくれた人たちだ。

アニメで言えば、昭和30年代から40年代にかけての「鉄腕アトム」や「鉄人28号」や「巨人の星」や「タイガーマスク」とかが「昭和」を代表する作品として挙げられることが多いけど、あたしの場合はもう少しあとで、「ドラゴンボールZ」や「ドラえもん」や「ちびまる子ちゃん」になる。でも、これらは単に「子どものころから観てたアニメ」っていうだけで、特に「昭和」は感じない。

それよりも、あたしがハッキリと「昭和」を感じるのは、大人になってから観てた「美少女戦士セーラームーン」だ。「セーラームーン」は、平成になってから始まったシリーズで、最初の「セーラームーン」は平成4年、最後の「セーラースターズ」は平成9年なんだけど、OP曲とED曲の雰囲気、絵柄の雰囲気、登場人物の表情やギャグ、どこを見ても「昭和」の古き良きアニメの伝統を踏襲してる。最初の「セーラームーン」なんて、「魔女っ娘メグちゃん」と同時代に放送してたって言われても信じちゃうほど「昭和」の香りが満載だ。

一方、現在の「プリキュア」のシリーズは、完全に「平成」のアニメだ。だから、この「プリキュア」との対比もあって、あたしは「セーラームーン」に、そこはかとない「昭和」を感じてる。最初の「セーラームーン」を今観ると、放送されてたのは平成4年なんだけど、「これでもか!」「これでもか!」ってくらいに「昭和」が襲いかかってくる。中村草田男は、20年前に通ってた小学校を見て「明治は遠くなりにけり」って詠ったけど、あたしは、20年前の「セーラームーン」を観て「昭和は遠くなりにけり」って感じてるのだ。


‥‥そんなワケで、「セーラームーン」に「昭和」を感じるあたしは、「最後のセーラームーンが平成9年なんだから、それ以降に生まれた子たちはもちろん、平成9年にアニメを観て理解できるほどの年齢になってなかった子たちも、きっとセーラームーンなんて知らないんだろうな。セーラームーンっていう名前くらいは知ってても、どんな内容だったかなんて知らないんだろうな」って思った。そして、ちょっぴり淋しい気持ちになって、こんなことをツイッターでつぶやいてみた。


きっこ @kikko_no_blog
もしも今、女子大生と女子高生と女子中学生を集めてフリスビー大会を開催したとして、あたしが「ムーンティアラ~~アクショ~~ン!!」って叫びながらフリスビーを投げたとしたら、会場に集まった全員がキョトンとしちゃうかもしれないね。なんか淋しいな。
2013.05.22 20:57


そしたら、文化放送の「金太郎」こと「アサリちゃん」こと加納有沙アナから、こんなリプライが届いた。


加納有沙 @alissa_kano
@kikko_no_blog じゃぁ私は「悪を切り裂く一輪のバラ!」と言いながら登場してみせます。
2013.05.22 22:00


加納有沙アナは1988年生まれの25歳なので、子どものころに「セーラームーン」を観てた世代だけど、アラフォーのあたしから見れば女子大生とほとんど変わらない年齢なので、こんなに若い女性が「セーラームーン」をちゃんと知っててくれたことに、あたしは感激した。そして、「昭和」の香りを漂わせてリプライした。


きっこ @kikko_no_blog
@alissa_kano うおおおおお~~~!お若いのに分かっていらっしゃる!秀樹じゃないけど感激!
2013.05.22 22:05


加納有沙 @alissa_kano
@kikko_no_blog セーラームーンからおジャ魔女どれみをまたいでおりますゆえ。
2013.05.22 22:07


きっこ @kikko_no_blog
@alissa_kano あたしは「夢のクレヨン王国」のシルバー王女や「明日のナージャ」のダンデライオン一座も絡んでおります。なんせアラフォーですから(笑)
2013.05.22 22:19


加納有沙 @alissa_kano
@kikko_no_blog うわぁ!私もどちらも見てましたよ!!!ナージャはカラオケで歌えますよ!♪ロンドンどんより晴れたらパリ〜
2013.05.22 22:23


きっこ @kikko_no_blog
@alissa_kano 有沙さん、ホントは30代でしょう(笑)
2013.05.22 22:26


加納有沙 @alissa_kano
@kikko_no_blog ちあきなおみの「喝采」は左手を上げながら歌いますよ。(٥౪٥)∩ ♪いつものよぉーに まくぅーがあーきぃ!
2013.05.22 22:28


きっこ @kikko_no_blog
@alissa_kano あたしは平山三紀さんの「真夏の出来事」を黄色いドレスを着て熱唱しますよん♪
2013.05.22 22:37


加納有沙 @alissa_kano
@kikko_no_blog 素敵です。パーマもあてましょう!
2013.05.22 22:53


きっこ @kikko_no_blog
@alissa_kano パーマを「あてる」っていう表現も、とても20代とは思えません。絶対に30代、ヘタしたら40代のフレーバー!(笑)
2013.05.22 22:58


加納有沙 @alissa_kano
@kikko_no_blog あ(٥౪٥)つぃ…ばぁちゃん子なもんで(笑)
2013.05.22 23:01


きっこ @kikko_no_blog
誰も言わないからあたしが言っときますが、有沙さんの「食べ物を無駄にするのはもったいない。野菜がたくさん手に入った時は天日干しして保存しよう」的なナレーション、最高に好きです♪
2013.05.22 22:34


加納有沙 @alissa_kano
@kikko_no_blog Σ Σ(๛д๛)!!!おおあおおおおおお恥ずかしい。聴いてくださってありがとうございまするm(_ _)m
2013.05.22 22:36


きっこ @kikko_no_blog
@alissa_kano 早朝とかの聴いてる人が少ない時間帯に流すスポットなのに、心を込めて丁寧に原稿を読み、少しでもリスナーに「伝えよう」としている有沙さんの姿勢に好感が持てて、ますます有沙さんのことが好きになりました。
2013.05.22 22:43


加納有沙 @alissa_kano
@kikko_no_blog 初めて自分で機械で編集したので、お尻とかが粗くて…(^^;; うまいことしゃべれないので、気持ちだけは込めます!わざわざありがとうございます♪
2013.05.22 22:50


‥‥そんなワケで、加納有沙アナは、1月21日のお誕生日で25歳になったばかりの「若い女性」なんだけど、これらのツイートからも分かるように、とても25歳とは思えない「昭和」のフレーバーを醸し出してる。これは、あたしが思うに、加納有沙アナが1988年の生まれ、つまり、昭和63年の生まれだからなんだと思う。さっきも書いたけど、昭和64年は1月7日までしかないので、もしも1年遅れて生まれてたら、1月21日は「昭和64年」じゃなくて「平成元年」になってたのだ。ようするに、加納有沙アナは、まさに「昭和の最後の世代」ってワケで、野村邦丸さんから「金太郎!」と呼ばれても、吉田照美さんから「アサリちゃん!」と呼ばれても、決してへこたれずにケラケラと笑い飛ばす不屈の精神力は、戦後の復興を支えた昭和のDNAによるものだとムリヤリに結論づけてみた今日この頃なのだ(笑)


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2013.05.22

草木も喜ぶお八つ時

アベノミクスのしわ寄せで、ガソリンや灯油、トイレットペーパーやティッシュペーパー、サラダ油や小麦粉など、原材料を輸入に頼る日用品や食品が次々と値上がりして、庶民の生活はますます厳しくなってきたけど、もともとギリギリの生活をしてるあたしの場合は、もう節約する部分がほとんどない。1ヶ月の食費も、今は母さんと2人で1万5000円以内に抑えてるし、1日100円だったおやつも、今は基本的にはガマンしてる。たまに20円か30円の駄菓子をいくつか買ってきておいて、甘いものが欲しくなった時に少しずつ食べたりしてる程度だ。

だから、ここ1~2ヶ月で食べた「新しいお菓子」「初体験のお菓子」って言っても、チロルチョコの「しろくまアイス味」と、ガリガリ君の「キウイ味」くらいだったんだけど、1週間くらい前に、コンビニでベビースターの「ぐるぐるもんじゃ」ってのを見つけた。普通のベビースターの2倍くらいの大きさの袋なんだけど、持った感じはそんなに重くなくて、中に四角い容器みたいなのが入ってる。袋の裏の説明を読んでみると、ベビースターの面にスープを混ぜて「もんじゃ焼き」みたいにして食べるらしい。

で、見た目は150円くらいしそうな雰囲気だったのに、値段を見たら、ナナナナナント!1個84円だった!普通のベビースターと比べたら高いけど、それでも、あたしの1日のおやつ代で買える値段だ。それに、あたしは、もう何日もお菓子類を買ってなかったから、東京の味に飢えてたあたしは、迷わず2つ買ってみた今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、さっきから「おやつ」「おやつ」って連呼してるけど、これが何かと言えば、江戸時代に使われてた昔の時間の呼び名の「八つ」に「お」を付けたものだ。江戸時代には、夜が明けてから日が暮れるまでが「昼」、日が暮れてから夜が明けるまでが「夜」で、それぞれを6等分してた。だから、昼よりも夜のほうが長い冬場には、昼の「一刻(いっとき)」よりも夜の「一刻」のほうが長かったワケだし、夏場はその逆だった。

江戸時代の時間の呼び方は、「草木も眠る丑三つ時」みたいに、「子(ね)」「丑(うし)」「寅(とら)」‥‥っていう十二支を使う方式と、「明け六つ」とか「暮れ六つ」みたいに数字で表わす方式があったんだけど、「おやつ」はこっちの数字の方式から来てる。

まず、十二支を使う方式だけど、


「昼」は、「卯(う)」→「辰(たつ)」→「巳(み)」→「午(うま)」→「未(ひつじ)」→「申(さる)」→「酉(とり)」

「夜」は、「酉(とり)」→「戌(いぬ)」→「亥(い)」→「子(ね)」→「丑(うし)」→「寅(とら)」→「卯(う)」


こんなふうに並んでるので、オナジミの「草木も眠る丑三つ時」の「丑」の場合は、日が暮れてから翌日の夜明けまでを6等分した4番目ってことになる。朝6時が夜明け、夜6時が日暮れで、昼と夜の長さがおんなじだと仮定すれば、「丑」は深夜0時から2時までの2時間てことになる。そして「丑三つ」の「三つ」ってのは、この「丑」の2時間を4等分した3番目ってことなので、「深夜1時半」に当たる。

そして、数字を使う方式は、


「昼」は、「明け六つ」→「朝五つ」→「昼四つ」→「真昼九つ」→「昼八つ」→「夕七つ」→「暮れ六つ」

「夜」は、「暮れ六つ」→「宵五つ」→「夜四つ」→「真夜九つ」→「夜八つ」→「暁七つ」→「明け六つ」


なんで数字の並びがデタラメなの?なんで「六」の次が「五」で、「五」の次が「四」で、次は「三」なのかと思ったのもトコノマ、突然「九」になっちゃうの?‥‥って思ったかもしれないけど、これは、中国の「陰陽説」を元にした易学によるもので、もっとも大きな数字である「九」を昼と夜のそれぞれの頂点に据えたそうだ。

で、カンジンの「おやつ」の「八つ」は、もちろん「夜八つ」じゃなくて「昼八つ」なワケで、これを昼と夜の長さがおんなじだと仮定して今の時間に当てはめてみると、だいたい午後2時から4時くらいになる。そう、「3時のおやつ」ってワケだ。


‥‥そんなワケで、「おやつ」のうんちくも終わったので、コンビニからお家に帰ったあたしは、さっそくベビースターの「ぐるぐるもんじゃ」を説明通りに作って、母さんと食べてみた。そしたら、これが激ウマで、母さんもあたしもメッチャ気に入っちゃった。それで、翌日も買いに行ったんだけど、我が家から一番近いそのコンビニまで、原チャリでアクセル全開でも10分から15分くらい掛かるから、84円の駄菓子を2個買うだけじゃガソリン代がバカバカしい。だからって、必要ないものまで買うのはもっとバカバカしい。そこで、あたしは、お目当てのベビースターの「ぐるぐるもんじゃ」を6個買った。これで、母さんと3回も食べられるってスンポーだ。

実は、あとから分かったんだけど、このベビースターの「ぐるぐるもんじゃ」って、別に新製品てワケじゃなくて、2年か3年くらい前からあったそうだ。だけど、あたしは今回初めて見つけたので、最初は新製品だと思ってた。そう言えば、こないだ、スーパーでマルちゃんの3食入りのソース焼きそばの「たらこ味」ってのを初めて見て、「こんなのが新発売になったんだ!」って思ったんだけど、ネットでマルちゃんのサイトを見てみたら、もう5年も前から発売されてたってことを知って驚いた。

そんなこんなで、2~3年前からあったのなら、知ってる人も多いかもしれないけど、あたしは初体験だったので、このベビースターの「ぐるぐるもんじゃ」をぐるぐるしながら楽しんでる。せっかくなので、楽しい制作過程を写メしてみた。


Mj1


まず、袋を開けると‥‥


Mj2


容器、ベビースターの麺、粉末ソース、ふりかけ、スプーンが入ってる。


Mj3


容器に麺を入れて、


Mj4


粉末ソースを入れて、


Mj5


お水を容器の線まで入れる。袋の裏の説明には「水かお湯を下の線まで入れて」って書いてあるけど、お湯だと麺が柔らかくなりすぎちゃって、あたしはイマイチだった。それから、容器の内側の線は2本あって、最初は説明の通りに「下の線まで」お水を入れたんだけど、これだとあたしには味が濃かったので、あたしは上のほうの線まで入れることにした。


Mj6


で、あとはネーミングの通りに、付属のスプーンで「ぐるぐる」する。粉末ソースはお水にもよく溶けて、ぐるぐるしてるうちにトロミが出てきて、「もんじゃ焼き」っぽくなってくる。


Mj7


最後に、アラレっぽいものと青ノリが入ったふりかけを掛ければ出来上がり。あとは、小さくて四角いプラスティックのスプーンを「もんじゃ焼き」を食べる時の「小さいコテ」に見立てて食べるだけだ。「おたふくソース」に代表される関西の甘いソースとは違って、ピリッとした辛みのある東京のソースの味がちゃんとして、東京生まれ東京育ちなのに東京を離れてるあたし的には、とっても懐かしい気持ちになった。


‥‥そんなワケで、あたしは別に「おやつカンパニー」の回し者じゃないけど、このベビースターの「ぐるぐるもんじゃ」があまりにも気に入っちゃったから、「もしや」と思って調べてみたら、本日2回目のナナナナナント!アマゾンで売ってた!それも、12個入りだと3%OFFで1個あたり81円なんだけど、24個入りだと20%OFFで1個あたり67円になる!もちろん、どちらも送料無料だから自分でコンビニまで原チャリで買いに行くよりはお得なんだけど、ここはひとつ、キヨミズの舞台からバンジージャンプする勢いで、24個入りのほうを注文してみようかどうか、これから本格的に悩んでみようと思ってる今日この頃なのだ(笑)


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2013.05.15

アンジーの思い

今朝、radikoで文化放送の「おはよう寺ちゃん活動中」を聴いてたら、ニュースのコーナーになり、寺ちゃんがニュース原稿を読み始めた。


「女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが、乳がんのリスクを高める遺伝子の変異が見つかったため、両方の乳房(ちぶさ)を切除する手術を受けたと14日付のニューヨークタイムズへの寄稿文で告白しました」


えええええ~~~!!アンジーが両方の乳房を切除!?それも「乳がんになったから」じゃなくて「予防のために」だって!?‥‥ってなワケで、かつては「世田谷のアンジェリーナ・ジョリー」を自称してたあたしはぶっ飛んだ!それで、すぐにネットに流れてる新聞社の記事を探して読んでみたら、こんなふうに書かれてた。


「米女優のアンジェリーナ・ジョリーさん(37)が、乳がんのリスクを高める遺伝子の変異が見つかったため予防措置として両乳房を切除する手術を受けたことを14日付ニューヨークタイムズへの寄稿文で告白した。」


やっぱホントなんだ!でも信じられない!‥‥って思いながら各紙の記事を順番に読んでたら、次の記事が見つかった。


「米女優アンジェリーナ・ジョリーさんは14日、米紙ニューヨークタイムズに寄せた論説で、遺伝性のがんを予防する措置として両乳腺切除手術を受けたことを明らかにした。」


あれ?この記事には「乳房」じゃなくて「乳腺」て書いてあるよ。結局、「乳房」と書いてる記事と「乳腺」と書いてる記事が半々くらいだったんだけど、「乳房」と「乳腺」じゃ話がぜんぜん違うから、あたしは、アンジー本人が「ニューヨークタイムズ」に寄稿した記事、「My Medical Choice(私の医療選択)」を読んでみた今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、たいていの疑問は、原典にあたれば解決する。今回のニュースの原典であるアンジーの寄稿文には、「乳房の中の乳腺を切除する手術を受けたこと」や「乳房を再建するための外科手術を受けて元通りになったこと」が書かれてたので、あたしはホッとした。で、寄稿文の内容だけど、いつものようにザックリと掻い摘んで説明するとアンジーの思いが正確に伝わらないと思ったので、ちょっと大変だったけど、全文を訳したので掲載する。


「私の医療選択」 アンジェリーナ・ジョリー

私の母は、約10年間、癌で闘病して、56歳で亡くなりました。私の最初の子ども、初孫を抱くまではがんばって生きてくれました。でも、私の他の子どもたちは、私の母を知る機会を失ってしまいました。私はよく「ママのママ」と言って、母のことを子どもたちに話します。そして、気がつくと私は、私たちから母を奪った病気について、子どもたちに説明しているのです。すると子どもたちは「ママの体にママのママと同じ病気が起こったらどうなるの?」と聞くのです。そのたびに私は「心配しないで、大丈夫よ」と答えていたのですが、真実を打ち明けると、私は「BRCA1」という遺伝子に欠陥があるのです。「BRCA1」という遺伝子の欠陥は、乳癌と卵巣癌の発症リスクをとても高くするのです。

女性の発症のリスクは、それぞれのケースによって異なりますが、私の場合は、担当医から「乳癌を発症する確率が87%、卵巣癌を発症する確率が50%」と説明を受けました。母からの遺伝による「BRCA1」の欠陥は、乳癌の原因になります。「BRCA1」に欠陥のある女性が乳癌を発症する確率は、平均で65%と言われています。

これが私の体に起こった真実なのだと知らされた時、私は、将来のことを考えて、癌の発症リスクをできる限り小さくしようと決心しました。そして、予防のために両方の乳房の乳腺を切除する手術を受けることを決心したのです。これは、私の場合、卵巣癌のリスクよりも乳癌のリスクのほうが高かったことと、乳腺を切除する手術はとても複雑だったため、まずは胸から行なおうと考えたからです。

4月27日、私は、乳腺の切除のための3ヶ月に及んだ医療プログラムを終えました。その間、私は、医療を行なっていることは秘密にして、仕事を続けてきました。しかし、私が自分の体験を公開することで、きっと世の中の女性たちの中には良い結果を得られる人もいるはずだと考え、私は、今、これを書いています。

人々は「癌」という言葉を恐れています。自分が「癌」だと診断されれば、誰もが深い絶望感というダメージに打ちのめされてしまいます。しかし、そうなる前に、今日、すぐにでも血液検査を行ない、「BRCA1」という遺伝子に欠陥があるかどうかを調べることは可能です。自分の乳癌と卵巣癌の発症リスクを知り、その結果によっては、自分の意思で行動することが可能なのです。

私の今回の医療プログラムでは、まず、2月2日から「乳首温存」と呼ばれているプロセスが始まりました。これは、乳首の後ろの乳管部の病気を取り除き、余分な血液が流れないようにするためのもので、痛みや傷をともないますが、乳首を温存できる可能性が高くなるのです。

そして、それから2週間後に、私は乳腺を切除する大手術を受けました。手術は8時間ほど掛かりました。もしも、あなたが私と同じ手術を受けたなら、目が覚めた時には胸から排液用のチューブが出ていて、まるでSF映画の中にいるような気分になるでしょう。しかし、数日後には、あなたは普通の生活に戻っているでしょう。

2月2日から始まった私の医療プログラムは、9週間後の「胸の再建」という外科手術で完了しました。ここ数年で、この手術は大きく進歩したため、結果的には美しいバストに仕上がりました。

私が世の中の女性たちに伝えたいことは、乳腺を切除するという決断は簡単にできることではないが、その結果には非常に満足している、ということです。手術を受けたことによって、私の乳癌の発症リスクは、87%から5%未満へと低下しました。これで私は、子どもたちに、「あなたたちは乳癌で私を失うことを恐れる必要がなくなったのよ」と言うことができます。

子どもたちが不安の種を見ずに済むようになったことで、私はとても安心することができました。子どもたちが私の胸を見ても、もう「乳癌でママを失う恐怖」ではなく、「小さな傷痕」しか目に入らないのです。「小さな傷痕」以外は、何も変わらない今まで通りの「ママ」なのです。そして、子どもたちは、私が彼らのことを心から愛していて、彼らのためならどんなことでもする、ということも知っています。私は、彼らの「ママ」として、そして「女性」として、私の「女性らしさ」をまったく損なわない選択をしたと思っています。

今回の医療プログラムを行なう上で、私が何よりも幸運だったのは、ブラット・ピットという愛に満ちたパートナーがいてくれたことです。ですから、これを読んでいる世の中の男性の皆さん、あなたの奥さんか恋人が私と同じような状況であれば、あなたの存在がとても重要だということを理解してほしいのです。

私が医療プログラムを受けている時、ブラットはいつも「ピンク・ロータス・ブレスト・センター(病院)」で私に付き添ってくれていました。私たちは、今回の私の医療選択が、私たちの家族にとって最善であり、さらに家族の結び付きを深めてくれるものだと信じていました。そして、本当にその通りになったのです。

私は、これを読んでいる女性たちに、「あなたには選択肢がある」ということを知ってほしいのです。特に、あなたが乳癌や卵巣癌の家系であれば、あなたの状況を改善するための情報と医療関係者を探し出して、自分のインフォームド・チョイスを行なってほしいと願っています。

私は、外科医の代わりに多くの素晴らしい総合医が、この医療プログラムに取り組んでいることを知っています。今回の私自身の経過については、近いうちに「ピンク・ロータス・ブレスト・センター」のウェブサイトにアップされると思います。私は、この情報が、世の中の女性たちの役に立つことを願っています。

WHO(世界保健機構)によると、世界では主に低所得の国と中所得の国を中心にして、毎年約45万8000人が乳癌で亡くなっているそうです。本来ならば、どんな国に生まれようとも、1人でも多くの女性が遺伝子の検査と予防のための治療を受けられるようにすることが最優先されるべきなのです。しかし、遺伝子の「BRCA1」と「BRCA2」の検査は、アメリカでも3000ドル以上も掛かるため、この高額な費用が多くの女性たちの障害となっているのが現状なのです。

世の中には、自分が乳癌や卵巣癌の高いリスクを持っていることを知らずに生活している女性がたくさんいます。そのために、私は、自分の体験を秘密にせず、こうして公開することに決めました。私は、「遺伝子の検査によって自分の発癌リスクを知ることができる」ということと、その結果、高いリスクがあると分かった場合には「頼りになる選択肢がある」ということを知ってほしいのです。

人生には様々な課題が訪れますが、私たちを恐がらせるべきでない相手が現われた時には、私たちは優位に立ち、その相手を抑え込んでしまう力を持っているのです。


‥‥そんなワケで、相変わらずのヘタクソな「きっこ訳」で申し訳ないけど、これが全文だ。アンジーの思いを伝えるために、できる限り言葉を選んだつもりだけど、だからってあたしの「創作」が入っちゃうのはマズイから、分かりやすさよりも直訳に近い感じにしてみた。とりあえずは、「アンジェリーナ・ジョリーが両方の乳房を切除した!」って思い込んでる人たちの誤解だけは解けたと思うけど、できれば、そんなゴシップ紙レベルのことじゃなくて、アンジーの思いが1人でも多くの人に伝わるための手助けになれば‥‥って思った今日この頃なのだ。


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2013.05.08

プリキュアと平和憲法

久しぶりに劇場版プリキュアの最高傑作、2作目の『雪空のともだち』のDVDを観て号泣して、「やっぱりプリキュアはこれでなくちゃ!」って思った。正確には『映画 ふたりはプリキュア Max Heart 2 雪空のともだち』っていう長いタイトルだけど、初代プリキュア、なぎさとほのかのコンビを観てると、シリーズが進んでプリキュア戦士の人数が増えるとともに消滅しちゃった「プリキュアにとって一番大切なもの」、つまり、「女の子同士のラブラブ感」が満載だから、とにかく下腹部がジンジンしてくる。「古き良きプリキュア」って言うか、「プリキュアの原点」って言うか、ボーイッシュな美墨なぎさとガーリーな雪城ほのかっていう、ビアン的には「タチ」と「ネコ」が明確なキャラ設定によって、友情が愛情へと昇華してくような錯覚をタンノーできちゃう。

その上、こうした劇場版アニメでは、いつも観てるテレビ版アニメとは違った「キャラの一面」が観られるから楽しさが倍増する。この『雪空のともだち』は、冬休みにみんなで行ったスキー場が舞台なんだけど、中学ではラクロス部のキャプテンでスポーツが得意なハズのなぎさが、今回はスノボーに初挑戦で転んでばかり。一方、中学では科学部の部長で勉強が得意な優等生のほのかが、小さいころからやってたスキーで素晴らしい滑りを披露しちゃう。いつもと2人の立場が逆転してて、ここからストーリーが始まる。

他にも、テレビ版だと、いつも手をつないで敵と戦ってきた仲良しの2人なのに、この映画の中ではプリキュア同士が戦うことになる。プリキュアに変身してない状態で、キャラ同士がちょっとしたケンカをするってことはシリーズを通して何度かあるし、この映画でも、どうしてもスノボーが上達しないなぎさが、スキーの上手なほのかに嫉妬して、ちょっとギクシャクした感じになっちゃう。そして、そのギクシャクしたままの関係で強敵と戦うことになるから、敵の策にハマッて心を凍らせられて、プリキュア同士で戦うことになっちゃう。「対ダークプリキュア」ならともかく、正義のプリキュア同士のバトルは異例中の異例だ。これが、今でもファンの間で語り継がれてる「キュアホワイト対キュアブラックの死闘」なんだけど、この一連の流れは何度観ても号泣しちゃう今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、こうした、いつも観てるテレビ版アニメとは違った「キャラの一面」が楽しめる作品と言えば、何と言っても劇場版の『ドラえもん』のシリーズだろう。テレビ版の『ドラえもん』では、いつものび太をいじめてるジャイアンや、いつものび太に意地悪をしてるスネ夫が、劇場版になると、みんなで協力して困難を乗り越える。ジャイアンは自分を犠牲にしてまでのび太を助けようとするし、スネ夫もみんなのために男らしい一面を見せる。そして、最後には必ずみんなが助かる。

だから、劇場版の『ドラえもん』のシリーズは、子どもだけでなく、大人が観ても感動できるんだけど、これは、テレビ版の「町内という狭い世界」から、劇場版の「共通の大きな敵がいる広い世界」へ移動したことによる意識の変化だ。

学校のクラスの中には、勉強やスポーツのライバルがいたり、いつもケンカをしてる仲の悪い生徒がいたり、対立してる仲良しグループとかの派閥みたいなのがあったりするけど、体育祭になればクラス中で協力して他のクラスに勝とうとする。そして、体育祭の時にはお互いに敵視してたライバルのクラスとクラスが、県大会になればみんなで協力して他の学校に勝とうとする。

さらには、ライバル同士、敵同士だった学校なのに、1つの学校が優勝してその県の代表になって全国大会へ行けば、今度は負けた学校の生徒たちが、みんなでその代表校を応援する。そして、日本一の学校が決まって世界大会へ行けば、今まで負けてきた全国の学校の生徒たちが、その代表校を応援する‥‥っていう、ミクロからマクロへの流れがある。これをザックリと簡略化したのが、テレビ版の『ドラえもん』の世界観から劇場版の『ドラえもん』の世界観への意識の変化だ。

だから、劇場版の『ドラえもん』を観るたびに、いつもあたしは思う。「宇宙人が地球を侵略するために攻めてきたら世界中の戦争はなくなるだろう」って。宇宙人が攻めてきたら、くだらない「身内のケンカ」なんかやってる場合じゃなくなる。上空に浮かんだ無数の未知の飛行物体から、人類には想像も及ばないホニャララ光線が放射されて、自分の国の首都の建造物が次々と蒸発してるってのに、そんなことお構いなしにアメリカはアフガニスタンを侵攻してるだろうか?シリアは内戦なんか続けてるだろうか?イスラエルはパレスチナのガザ地区を攻撃し続けてるだろうか?中国はチベットを弾圧し続けているだろうか?アフガニスタンは?イラクは?コンゴは?ソマリアは?‥‥って、ぜんぶ書いてたらキリがない。何しろ、全世界の71億人の人類のうち23億人以上、つまり、地球人の3人に1人は「紛争中の国」に住んでるからだ。


‥‥そんなワケで、「中国の軍艦がレーダーを照射した!」だの「北朝鮮からミサイルが飛んでくる!」だのってヤタラと大騒ぎして危機感を煽り、悲願だった「改憲」によって自衛隊を軍隊にして、日本を戦前の「戦争のできる国」に戻そうと目論む安倍政権によって、ナニゲに軍靴の音が聞こえ始めた日本だけど、それでも大半の国民は「戦争なんてヨソの国の話」って感じで、日曜日にはディズニーランドに行ったり、アニメのイベントに行ったり、アイドルのライブに行ったりして、ノンキに暮してる。それは、今の日本が、全世界の3人に1人が住んでる「紛争中の国」じゃないからだ。

だけど、安倍自民党の「改憲草案」を見ると、現在の憲法が「平和憲法」と呼ばれてる要である「戦力の不保持」や「交戦権の否認」を謳ってる9条2項がバッサリと切り捨てられてて、代わりに、日本を「戦争のできる国」にするための文言が並んでる。たとえば、草案の9条2項の中には、次のように明記されてる。


「国防軍は、第一項の規定による任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び緊急事態における公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。」


つまり、安倍政権下で「改憲」が行なわれたら、「自衛隊」は「国防軍」になり、「国際社会の平和と安全を確保するため」という名目でアメリカと一緒にイラクやアフガニスタンに侵攻して、アメリカが言うところの「テロリスト」と銃撃戦を繰り広げることになるワケだ。武装勢力と一般市民が入り混じってる住宅街に向けて、攻撃用ヘリから自動小銃を一斉掃射し、戦闘機からミサイルを発射し、爆撃機から空爆するワケだ。69年前に、東京を始めとした日本各地の都市がアメリカ軍から受けた地獄絵図と同じことを、今度はあたしたちの国がアメリカの子分になって他国に対して行なうワケだ。これほど愚かで醜くて残酷なことが他にあるだろうか?


だけど、「じゃあ平和憲法さえ守っていれば日本は戦争に参加しなくても済むのか?」って言えば、そんなこたーない。安倍政権では、現行の憲法のままでも他国を攻撃できると言い切ってる。自民党の石破茂幹事長は、先月4月14日、フジテレビの「新報道2001」に中継出演して、「北朝鮮がいくらミサイルを撃ってきても、イージス艦とPAC-3ですべて落としてやる」と言った上で、次のように述べた。


「北朝鮮のミサイルが日本に落ちて何万人と死んでから対応するのでは遅すぎる。でも『恐いな恐いな』という段階では早すぎる。じゃあどの時点で日本は自衛権を行使できるのかと言えば、北朝鮮が日本に対する攻撃に着手した時、ミサイルの発射の準備を完璧に整えた時だ。そして『撃つ』ということが不可逆的に動き始めた時、その時に日本は先制攻撃ではなく自衛権の行使として敵国の基地を叩くことができる」


つまり、北朝鮮に限らず、どこかの国が日本に向けてミサイルを発射する準備をしたら、向こうが発射する前に日本が先にミサイルを発射してその基地を破壊してもOKって言ってるワケだ。自民党の見解では、これを「先制攻撃」じゃなくて「自衛権の行使」だと言ってる。

もちろん、あたしも、「北朝鮮のミサイルが日本に落ちて何万人と死んでから対応するのでは遅すぎる」という部分には同意する。だから、ちょっとでも北朝鮮に怪しい動きがあるたびに、莫大な予算を投入してイージス艦とPAC-3を配備してるワケで、石破茂は「すべて落としてやる」と言ってるんだから、それでいいじゃんて思う。これならどう見たって「自衛権の行使」だから、現在の憲法下でもまったく問題はない。

だけど、まだ日本が何の攻撃も受けてない段階で、相手の国の基地にミサイルを撃ち込むことが、果たして「自衛権の行使」と言えるのだろうか?石破茂は「北朝鮮が日本に対する攻撃に着手した時、ミサイルの発射の準備を完璧に整えた時だ。そして『撃つ』ということが不可逆的に動き始めた時」と言ってるけど、そんなこと、どうやって判断できるのか?

たとえば、自宅に銃のあるアメリカで暮らしてたとして、自宅に侵入して来た強盗に銃を突きつけられたら、誰でも手元の銃で相手を撃つだろう。これは完全に「正当防衛」だし、憲法的には「自衛権の行使」に該当する。だけど、相手が本気なのか口先だけの脅しなのかも分からず、それ以前に、本当に核弾頭を開発してるのか、それをミサイルに搭載する技術があるのか、正確に目標を攻撃できる能力があるのか、何ひとつ分からない状況で、「今、こちらが先に相手の基地を攻撃しなければ、こちらがやられてしまう」なんて判断はできないだろう。

あたしは、石破茂のこの「日本は先制攻撃ではなく自衛権の行使として敵国の基地を叩くことができる」って言葉を聞いて、すぐに連想したのが、アメリカで日本人留学生が射殺された事件だった。もう20年以上も前になるけど、1992年10月、当時16歳だった日本人の高校生が、留学先のルイジアナ州で、ハロウィンのパーティーに出かけたところ、間違えて別の家に入ってしまった。この家に住む男性は、この高校生を不審者だと思い、銃を向けて「フリーズ!(動くな)」と警告したが、高校生は言葉の意味が分からず、笑顔で「パーティーに来た者です」と言いながら歩み寄ったため、男性に射殺されてしまった。

アメリカの銃社会を象徴する悲しい事件だから、記憶に残ってる人も多いと思うけど、高校生を射殺した男性は裁判で無罪になった。相手が銃や凶器を持った強盗とかなら分かるけど、丸腰の高校生を勘違いで射殺しても無罪になる国、これがアメリカの感覚であり、アメリカの理屈なのだ。あたしは、石破茂の感覚や理屈も、これとまったく同じだと思った。


‥‥そんなワケで、今の憲法のままでも状況によっては他国をミサイルで攻撃することができるし、改憲すればアメリカと一緒に他国を侵攻できるようになる‥‥ってのが、現在の安倍政権の考え方だ。自民党の改憲草案には、国防軍は「国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動」の場合は「活動」、つまり「武力攻撃」ができると明記されてる。

この文言の表面だけを読めば、間違ったことは何も書かれていない。だけど、何が「国際社会の平和と安全」なのかは、アメリカが決めるワケだ。丸腰の高校生を射殺しても「正当防衛」で無罪になる国が決めるワケだ。だから、「イラクには大量破壊兵器がある」と言って戦争を始めて、数えきれないほどの人々を殺戮した挙句に、「大量破壊兵器はありませんでした」ってことになっても、この戦争を主導した者は誰1人罪に問われないのだ。

アメリカのデマを鵜呑みにしてイラク侵攻に加担した日本に至っては、当時の小泉純一郎首相も、公明党の神崎武法代表も、責任を取るどころか検証さえ行なわれていない。日本の航空自衛隊は、支援物資の空輸だけでなく「武装した米兵を戦闘地域まで空輸する」という憲法違反まで犯した上、その米兵たちが数えきれないほどの一般市民を巻き添えにして殺したのだから、日本政府はイラク侵攻を検証する責任があるハズだ。


‥‥そんなワケで、安倍政権が改憲に着手して自民党の草案が導入されれば、これからの日本は「他国を侵攻する戦争の当事国」になるワケで、「アメリカによる戦争ビジネスのパートナー」になるワケだ。第二次世界大戦の時には、アメリカから「テロ国家」と呼ばれてた日本が、アメリカから「テロリスト」と呼ばれてた日本人が、今度はアメリカの子分として、アメリカが「テロ国家」と決めた国々の人たちを殺しに行くことになるのだ。アメリカの、アメリカによる、アメリカのための「正義」の名のもとに。だから、あたしは本気で思ってる。宇宙人が攻めてきてくれないかなと‥‥って感じの今日この頃なのだ。


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