昭和は遠くなりにけり
今年は「2013年」だけど、「平成25年」でもある。日本には、こうした「元号」があるから、西暦しかない国よりも、時代に対するイメージが深くなってるとあたしは思ってる。たとえば、中村草田男(くさたお)のこんな俳句がある。
降る雪や明治は遠くなりにけり 草田男
これは、明治34年生まれの草田男が、昭和6年に母校の青南尋常小学校(現在の港区立青南小学校)を訪ねた時に生まれた句だ。この日、東京には珍しく大雪が降っていた。降りしきる雪の中に佇み、懐かしい校舎や校庭を眺めていたら、かつて自分がこの場所で過ごした「明治」という時代が、遥か遠い過去のことのように感じられた、と詠ってる。
この感覚は、「明治」「大正」「昭和」という元号の流れがあってこその感覚だ。草田男は明治34年生まれだから、明治40年か41年に青南尋常小学校に入学したことになる。明治41年なら西暦1908年だから、草田男は、1908年、1909年、1910年‥‥と、この小学校で過ごしたことになる。そして、大人になった草田男が母校を訪ねてこの句を詠んだ昭和6年は、西暦1931年だ。
1931年にいる自分が、1910年を振り返って、「ああ、1910年代は遠くなったなあ‥‥」などと感じるだろうか?やはり、この句の感慨は、わずか20年ほどの間に、「明治」「大正」「昭和」という元号の移り変わりがあったからこその感覚なのだ‥‥なんて堅苦しくスタートしてみた今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、あたしは昭和47年の生まれなので、ついこないだ「平成」になったばかりだと思ってたのもトコノマ、何だか知らないうちにもう「平成25年」になっちゃってることに驚いてるし、平成生まれの子が成人どころか23歳とか24歳とかの社会人になってることにも驚いてる。それこそ「昭和は遠くなりにけり」って感じなんだけど、ここで言う「昭和」とは、もちろん、あたしにとっての「昭和」だ。
「明治」が45年、「大正」が15年だったのに対して、「昭和」は64年もあった。厳密に言えば、昭和64年は1月7日までの1週間だけしかないから、実質は63年くらいだけど、それでも「昭和」は、戦争や敗戦後の復興、高度成長やバブルなど、いろんなことがあったし、文明の進歩も大きかったから、ひと言で「昭和生まれ」と言っても、昭和の何年ころに生まれたのかでまったく違う。
昭和10年に生まれた人と昭和50年に生まれた人じゃ、時代背景がまったく違うし、何よりも戦争体験の有無が大きい。もちろん、あたしも戦争体験はないけど、あたしの母さんの母さん、おばあちゃんは戦争体験があったから、悲しくて恐ろしい話をたくさん聞かされた。
で、話はクルリンパと戻るけど、世間一般の「昭和」のイメージって言うと、映画『ALWAYS 三丁目の夕日』の影響もあって、「昭和30年代」を指すことが多い。あたしは生まれてないけど、あたしの母さんは父さんと付き合って時代なので、『ALWAYS 三丁目の夕日』はど真ん中にストライクだったみたいだ。
‥‥そんなワケで、あたしにとっての「昭和」は、当然のことながら母さんよりはあとになる。母さんが「黛ジュン」や「平山みき」なら、あたしは「ピンクレディー」から「松田聖子」や「中森明菜」が子どものころで、大人になってからは「安室奈美恵」や「MAX」だ。みんな現役だけど、あたしの「昭和」を彩ってくれた人たちだ。
アニメで言えば、昭和30年代から40年代にかけての「鉄腕アトム」や「鉄人28号」や「巨人の星」や「タイガーマスク」とかが「昭和」を代表する作品として挙げられることが多いけど、あたしの場合はもう少しあとで、「ドラゴンボールZ」や「ドラえもん」や「ちびまる子ちゃん」になる。でも、これらは単に「子どものころから観てたアニメ」っていうだけで、特に「昭和」は感じない。
それよりも、あたしがハッキリと「昭和」を感じるのは、大人になってから観てた「美少女戦士セーラームーン」だ。「セーラームーン」は、平成になってから始まったシリーズで、最初の「セーラームーン」は平成4年、最後の「セーラースターズ」は平成9年なんだけど、OP曲とED曲の雰囲気、絵柄の雰囲気、登場人物の表情やギャグ、どこを見ても「昭和」の古き良きアニメの伝統を踏襲してる。最初の「セーラームーン」なんて、「魔女っ娘メグちゃん」と同時代に放送してたって言われても信じちゃうほど「昭和」の香りが満載だ。
一方、現在の「プリキュア」のシリーズは、完全に「平成」のアニメだ。だから、この「プリキュア」との対比もあって、あたしは「セーラームーン」に、そこはかとない「昭和」を感じてる。最初の「セーラームーン」を今観ると、放送されてたのは平成4年なんだけど、「これでもか!」「これでもか!」ってくらいに「昭和」が襲いかかってくる。中村草田男は、20年前に通ってた小学校を見て「明治は遠くなりにけり」って詠ったけど、あたしは、20年前の「セーラームーン」を観て「昭和は遠くなりにけり」って感じてるのだ。
‥‥そんなワケで、「セーラームーン」に「昭和」を感じるあたしは、「最後のセーラームーンが平成9年なんだから、それ以降に生まれた子たちはもちろん、平成9年にアニメを観て理解できるほどの年齢になってなかった子たちも、きっとセーラームーンなんて知らないんだろうな。セーラームーンっていう名前くらいは知ってても、どんな内容だったかなんて知らないんだろうな」って思った。そして、ちょっぴり淋しい気持ちになって、こんなことをツイッターでつぶやいてみた。
きっこ @kikko_no_blog
もしも今、女子大生と女子高生と女子中学生を集めてフリスビー大会を開催したとして、あたしが「ムーンティアラ~~アクショ~~ン!!」って叫びながらフリスビーを投げたとしたら、会場に集まった全員がキョトンとしちゃうかもしれないね。なんか淋しいな。
2013.05.22 20:57
そしたら、文化放送の「金太郎」こと「アサリちゃん」こと加納有沙アナから、こんなリプライが届いた。
加納有沙 @alissa_kano
@kikko_no_blog じゃぁ私は「悪を切り裂く一輪のバラ!」と言いながら登場してみせます。
2013.05.22 22:00
加納有沙アナは1988年生まれの25歳なので、子どものころに「セーラームーン」を観てた世代だけど、アラフォーのあたしから見れば女子大生とほとんど変わらない年齢なので、こんなに若い女性が「セーラームーン」をちゃんと知っててくれたことに、あたしは感激した。そして、「昭和」の香りを漂わせてリプライした。
きっこ @kikko_no_blog
@alissa_kano うおおおおお~~~!お若いのに分かっていらっしゃる!秀樹じゃないけど感激!
2013.05.22 22:05
加納有沙 @alissa_kano
@kikko_no_blog セーラームーンからおジャ魔女どれみをまたいでおりますゆえ。
2013.05.22 22:07
きっこ @kikko_no_blog
@alissa_kano あたしは「夢のクレヨン王国」のシルバー王女や「明日のナージャ」のダンデライオン一座も絡んでおります。なんせアラフォーですから(笑)
2013.05.22 22:19
加納有沙 @alissa_kano
@kikko_no_blog うわぁ!私もどちらも見てましたよ!!!ナージャはカラオケで歌えますよ!♪ロンドンどんより晴れたらパリ〜
2013.05.22 22:23
きっこ @kikko_no_blog
@alissa_kano 有沙さん、ホントは30代でしょう(笑)
2013.05.22 22:26
加納有沙 @alissa_kano
@kikko_no_blog ちあきなおみの「喝采」は左手を上げながら歌いますよ。(٥౪٥)∩ ♪いつものよぉーに まくぅーがあーきぃ!
2013.05.22 22:28
きっこ @kikko_no_blog
@alissa_kano あたしは平山三紀さんの「真夏の出来事」を黄色いドレスを着て熱唱しますよん♪
2013.05.22 22:37
加納有沙 @alissa_kano
@kikko_no_blog 素敵です。パーマもあてましょう!
2013.05.22 22:53
きっこ @kikko_no_blog
@alissa_kano パーマを「あてる」っていう表現も、とても20代とは思えません。絶対に30代、ヘタしたら40代のフレーバー!(笑)
2013.05.22 22:58
加納有沙 @alissa_kano
@kikko_no_blog あ(٥౪٥)つぃ…ばぁちゃん子なもんで(笑)
2013.05.22 23:01
きっこ @kikko_no_blog
誰も言わないからあたしが言っときますが、有沙さんの「食べ物を無駄にするのはもったいない。野菜がたくさん手に入った時は天日干しして保存しよう」的なナレーション、最高に好きです♪
2013.05.22 22:34
加納有沙 @alissa_kano
@kikko_no_blog Σ Σ(๛д๛)!!!おおあおおおおおお恥ずかしい。聴いてくださってありがとうございまするm(_ _)m
2013.05.22 22:36
きっこ @kikko_no_blog
@alissa_kano 早朝とかの聴いてる人が少ない時間帯に流すスポットなのに、心を込めて丁寧に原稿を読み、少しでもリスナーに「伝えよう」としている有沙さんの姿勢に好感が持てて、ますます有沙さんのことが好きになりました。
2013.05.22 22:43
加納有沙 @alissa_kano
@kikko_no_blog 初めて自分で機械で編集したので、お尻とかが粗くて…(^^;; うまいことしゃべれないので、気持ちだけは込めます!わざわざありがとうございます♪
2013.05.22 22:50
‥‥そんなワケで、加納有沙アナは、1月21日のお誕生日で25歳になったばかりの「若い女性」なんだけど、これらのツイートからも分かるように、とても25歳とは思えない「昭和」のフレーバーを醸し出してる。これは、あたしが思うに、加納有沙アナが1988年の生まれ、つまり、昭和63年の生まれだからなんだと思う。さっきも書いたけど、昭和64年は1月7日までしかないので、もしも1年遅れて生まれてたら、1月21日は「昭和64年」じゃなくて「平成元年」になってたのだ。ようするに、加納有沙アナは、まさに「昭和の最後の世代」ってワケで、野村邦丸さんから「金太郎!」と呼ばれても、吉田照美さんから「アサリちゃん!」と呼ばれても、決してへこたれずにケラケラと笑い飛ばす不屈の精神力は、戦後の復興を支えた昭和のDNAによるものだとムリヤリに結論づけてみた今日この頃なのだ(笑)
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