幸せの黄色いタオル
あたしは、トイレのタオルは黄色って決めてる。トイレのタオルってのは、トイレを出てから手を洗う洗面所のとこのタオルのことじゃなくて、トイレの個室の中に掛けてあるタオルのことだ。だから、実際に使うことはメッタにない。ただ、掛けてあるだけだ。学生のころからだから、もう20年以上、ずっと黄色のタオルだけを使い続けてきた。「使い続けてきた」って言っても、「実際に使うことはメッタにない」ワケだから、この場合の「使う」は、「手を拭く」じゃなくて「見る」ってことだ。
今のお家はもちろんのこと、東京でずっと住んでたマンションでも、その前に住んでたアパートでも、トイレに入れば、必ず黄色いタオルが掛けてあった。それも、便座に座った時に目に入る位置にだ。何でかって言えば、このタオルは「見る」ことが目的だからだ。これは、今から20年以上前に、たまたま聴いてたラジオから流れてきた色彩心理学の先生のお話がキッカケだ。
「人間は黄色いものを見ると腸が活性化してお通じが良くなるので、便秘気味の人はトイレに何か黄色いものを置きましょう。全体が黄色っぽいポスターを貼ってもいいし、黄色い花瓶や花でもいいし、黄色いタオルを掛けてもいいです」
人間は、青いものを見ると心が鎮まったり、赤いものを見ると興奮したりと、色には色んな効果がある‥‥って、ナニゲにダジャレになっちゃったけど、黄色いものを見ると、人間は「お通じ」が良くなるそうだ。あたしは、占いとか風水とかの非科学的なものやオカルト的なものはまったく信じてないけど、心理学的なものは信じてるので、さっそくトイレに黄色いタオルを掛けてみた。
あたしは、慢性の便秘ってワケでもなかったけど、月に一度は便秘気味になることがあって、お薬のお世話になることもあったので、こんなことで解決できたらワンダホーだと思い、ダメモトでやってみることにした。そして、トイレに入るたびに、黄色いタオルをボーッと眺めながら用を足すようにしてみた。そしたら、ホントに黄色の効果なのか、それとも先生のお話によるプラシーボ効果なのか分からないけど、とにかく何らかの心理的な効果があったみたいで、とっても快調になった。そして、今日に至るって感じの今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、5年、10年と続けてくると、どんなものでも「なくてはならない必需品」みたいになっちゃうもんで、あたしは、いつの間にか、トイレに黄色いタオルが掛かってないと、落ち着いて用が足せなくなっちゃった。だから、あたしのバッグには、いつも黄色のハンドタオルかハンカチが入ってる。これは、出先のトイレに入った時に、便秘気味だった場合、両手で広げて眺めるためのものだ。でも、実際に両手で広げて眺めることはほとんどない。実際には見なくても、黄色いものを持ってるっていう安心感だけで、快調に用を足すことができる。
で、今の我が家のトイレは、便座に座って右手の壁の上のほうに曇りガラスの窓があって、その下にステンレスの手すりがあるので、そこに黄色いタオルを掛けてる。便座に座ると、ちょうど顔の高さに黄色いタオルがあるので、わざわざ右を向かなくても視界の隅に黄色が見えて、すごく落ち着く。さすがに20年以上も続けてきたから、あたしにとってのおトイレの黄色いタオルは、もはや「ライナスの毛布」みたいな位置づけになってるのかもしれない。
そんな愛着のあるトイレの黄色いタオルだけど、2~3日前のこと、いつものようにトイレのドアを開けて入ったら、黄色のタオルの真ん中に何者かが!恐る恐る近づいてみると、光沢のある緑色の虫、カナブンだった。普通のカナブンより2まわりくらい小さな、人差し指の先くらいの大きさだったので、あたしはカナブンの子どもだと思って、急いで写メを撮った。そして、飛ばないようにソッとタオルを外して、窓から外に出してパタパタと振って、無事に逃がすことに成功した。
そんなこんなで、ひと息ついてからカナブンの画像をツイッターに投稿したら、数人の人から「これはカナブンじゃなくてコガネムシだと思います」っていうリプライをいただいたので、あたしは「えっ?」って思った。だって、この虫、緑色だよ?‥‥ってなワケで、あたしはこの時まで、子どものころからずっと、コガネムシは「金色」だと思ってたのだ。だって漢字で「黄金虫」って書くし、「コガネムシは金持ちだ~金蔵建てた~蔵建てた~♪」って歌があるから、お金持ちと言えば全身が金ピカだからだ。
子どものころから現在までに、あたしが見たことのあるカナブン系の虫は、緑色の光沢のあるカナブンと、白い点々があるシロテンハナムグリと、千葉県の海水浴場の民宿で見た茶色くてヒゲがワサワサしてる名前の分からないやつの3種類だけで、今回のやつは「カナブンの子ども」だと思ってた。過去にも何度か見たことがあるけど、いつも「カナブンの子ども」だと思ってた。まさか、「カナブンの子ども」だと思ってた虫がコガネムシだったとは‥‥。
‥‥そんなワケで、あたしはお魚は大好きだから、水族館にも良く行くし、図鑑も良く見る。だけど、虫は苦手なので、昆虫図鑑なんか見たことがなかった。そこで、今回、インターネットの昆虫図鑑で、生まれて初めてカナブンやコガネムシを確認してみたら、知らなかったことや思い違いがいくつも分かったのだ!
まず、あたしがずっとカナブンだと思ってた緑色のやつは、正確には「アオカナブン」て言って、ホントのカナブンはブロンズ色だった。そして、「クロカナブン」てやつもいた。こんなのどっちも見たことない。つまり、あたしは、生まれてから一度もカナブンを見たことがなかったのだ。あたしがカナブンだと思い込んでた虫は、カナブンには間違いないけど「アオカナブン」だったのだ。それも、緑色なのに「アオカナブン」‥‥。
だけど、インターネットの昆虫図鑑でコガネムシの画像を見てみると、こっちは緑色だった。まさに、家のトイレの黄色いタオルにとまってたやつで、ツイッターでリプライしてくれた人たちの指摘の通りだった。だけど、カナブンと同様に、コガネムシにもブロンズ色のとか茶色のとか何種類もいるのに、何で緑色のやつがコガネムシなんだろう?カナブンの例から考えれば、ブロンズ色の「ドウガネブイブイ」をコガネムシにして、緑色のコガネムシは「アオコガネムシ」って名づけるべきなんじゃないのか?‥‥なんて思ってたら、「ドウガネブイブイ」を緑色にした「アオドウガネ」ってのもいた。これはコガネムシとどう違うのか?‥‥つーか、何で「ドウガネコガネ」じゃなくて「ドウガネブイブイ」なのか?虫の世界のキャバクラ的なお店に行って、若いメスたちをはべらせてブイブイ言わせてるのか?
あ゛ーーーーもーーーー頭がコングロマリットで理解できーーーーん!!‥‥ってなワケで、あまりにも複雑怪奇な昆虫の世界だけど、ひとつだけ大きな収穫があった。それは、小学生の夏休みに父さんに連れてってもらった千葉県の海水浴場の民宿で見た、茶色くてヒゲがワサワサしてる不気味な虫、アレの名前が「ヒゲコガネ」だって分かったことだ。つまり、あたしは、生まれてから一度もコガネムシを見たことがないと思い込んでたのに、実際には「カナブンの子ども」だと思ってた虫がコガネムシだった上に、「ヒゲコガネ」っていうコガネムシの仲間まで見てたのだ。
それにしても「ヒゲコガネ」って、1文字替えたら「ヒゲメガネ」じゃん(笑)‥‥って言っても、早希ちゃんの「ブログ旅」を観てる人にしか通じないだろうけど、ヒゲメガネもいなくなり、親玉Dもいなくなり、おしゃれパーマの年下Dと旅をすることになった早希ちゃんに、コガネムシの恩恵が降り注いでサイコロで「6」が連発しますように♪
‥‥そんなワケで、もともとは「お通じを良くする」という理由で使い始めたトイレの黄色いタオルだけど、今や、見るとホッとする精神安定剤的な役割も担ってて、あたしにとっては「幸せの黄色いタオル」って感じの位置づけになってる。そして、その「幸せの黄色いタオル」にとまってた緑色のカナブンの子どもが、実はお金持ちを象徴する「コガネムシ」だったってことが分かった今、あたしにとってのラッキーカラーは、どう考えても「黄色」と「緑色」だろう。だから、今月の競馬は、「黄色の5枠」と「緑色の6枠」を中心に狙ってみようかと思ってる今日この頃なのだ♪(笑)
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