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2013.11.20

642光年の時間旅行

あたしの3冊目の本、「きっこの日記R」を読んでくれた人なら知ってると思うけど、あたしは、星座の中でオリオン座が一番好きだ。東京生まれで東京育ちのあたしにとって、スモッグだらけの東京でもハッキリと見えるオリオン座は、物心ついたころから大好きだった。左上の赤いベテルギウス、右下の白いリゲル、2つも1等星があるし、真ん中にはトレードマークの三ツ星が並んでて、子どもでも簡単に見つけることができる。その上、オリオン座のベテルギウスと、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンを結べば、「冬の大三角」ができる。

そんなオリオン座だけど、あたしたちがオリオン座として認識してる、腰のくびれた砂時計みたいな形をしてる星座は、巨人オリオンの胴体の部分で、ホントはあの上に頭があって、周囲には手足も生えてるのだ。巨人オリオンは海の神様ポセイドンの息子だから、陸の上だけじゃなくて、海の上も歩くことができた。そして、ものすごい怪力だったので、大きな棍棒をブンブンと振り回して、どんな猛獣でも一撃で倒しちゃう狩りの名人だった。

だけど、自分の怪力や狩りの腕前を自慢ばかりしてるオリオンにムカついた女神ヘラが、オリオンをギャフンと言わせてやろうと企み、オリオンが寝てる時に猛毒を持った巨大サソリに襲わせちゃう。さすがのオリオンも巨大サソリの猛毒には勝てず、とうとう死んでしまう‥‥って、これじゃあギャフンどころか殺人じゃん!

ま、この理不尽さが「ギリシャ神話」のテイストなんだからシカタナイザーなんだけど、こんなことがあったので、西の地平線からサソリ座が上ってくると、オリオン座はスゴスゴと東へと沈んで行くようになった。つーか、先にオリオン座やサソリ座があって、それを見てギリシャ時代の人が考えついたのがこのお話なんだけど、それを言っちゃあ大島麻衣だ(笑)

でも、この「巨大サソリの猛毒で殺された説」は、まだマシなほうだ。「ギリシャ神話」は複数あるので、この巨人オリオンの最期にしても、他にもっと気の毒なお話がある。狩りの名人だったオリオンは、月と狩りの女神アルテミスと恋仲になり、ラブラブな毎日を送ってた。そんなある日、2人のことを良く思ってなかったアルテミスのお兄さんのアポロンが、オリオンをギャフンと言わせてやろうと企み、アルテミスを罠にはめちゃう。

オリオンはものすごい巨人だったから、海底を歩いても頭が海の上に出る。遠くから見ると、オリオンの頭は海上に突き出した巨大な岩のように見える。そこで、オリオンが海の散歩を楽しんでた時に、アポロンはオリオンの頭を金色の岩に見えるように魔術を使い、妹のアルテミスを連れて浜辺へ行き、沖に見えるオリオンの頭を指差して、「あの金色に輝く岩を弓で射ることができるか?」と持ちかけた。月と狩りの女神アルテミスは、弓の腕前には自信があったから、それがまさか自分の愛する恋人の頭だとは知らずに、弓で射抜いてしまった。

オリオンは、愛する恋人に殺されてしまったのだ。だけど、オリオンよりも気の毒なのが、アポロンの罠にはまって自分の恋人を殺してしまったアルテミスだ。自分が射抜いた金色の岩がオリオンだったことを知り、悲しみに明け暮れたアルテミスは、大王ゼウスにお願いして、オリオンを星座にしてもらった。だから、冬になると、オリオン座のすぐ近くをアルテミスの化身である月が通り過ぎていくようになった。

もちろん、これも、「冬になるとオリオン座の近くを月が通過する」っていう事実が先にあって、これを見たギリシャ時代の人が考えついたのがこのお話なんだけど、それを言っちゃあ獅子舞な今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?(笑)


‥‥そんなワケで、ここからは現実的なことを書いてくけど、オリオン座の左上の赤い星、ベテルギウスって、ものすごーーーーーーく大きいって知ってた?どのくらい大きいのかって言うと、地球の直径が約1万2700kmで、太陽の直径が約140万kmで、ベテルギウスの直径が約16億4000万kmなのだ。つまり、太陽の直径は地球の約109倍なんだけど、ベテルギウスの直径は、その太陽の1000倍以上もあるってワケだ。さらに正確に言うと、ベテルギウスは収縮と膨張を繰り返してるので、小さい時の直径は太陽の約700倍、大きい時が約1000倍だ。

パチンコ玉の直径は1.1cmなので、地球をパチンコ玉だとすると、太陽は直径が120cmの大きなボールになるけど、ベテルギウスは直径が1km以上もあるスーパーウルトラマグナムサイズの巨大なボールになる。地球が1cmほどなのに、ベテルギウスは1km以上、こうして想像すると、ベテルギウスがどれほど巨大な星なのかが分かると思う。で、そんなベテルギウスなんだけど、ここで皆さんに残念なお知らせがある。それは、ベテルギウスがそろそろ無くなっちゃうかもしれないのだ。

話を分かりやすくするために、まずはちょっと難しいことを説明しとく。太陽みたいに自分で光を放ってる星のことを「恒星」って言うんだけど、オリオン座の2つの1等星、ベテルギウスもリゲルも自分で光を放ってる恒星だ。で、この恒星には、誕生してから消滅するまでの「一生」がある。星雲の中で誕生したばかりの恒星は、赤ちゃんの段階の「原始星」の時期を過ごし、水素の核融合反応が安定して「主系列星」の段階に入る。ここからが恒星としての本領発揮ってワケで、それぞれの恒星の質量やエネルギーや燃費によって、どのくらいの寿命になるかが決まる。そして、エネルギーを使い果たした晩年には、一気に膨張して「赤色巨星」になって生涯を閉じる。

だから、恒星の場合、ザックリと言っちゃえば、白い星が若者で、赤い星が後期高齢者ってことになる。もっと正確に言うと、核融合が始まる前の「原始星」は温度が低いから赤く見えるし、質量の小さな恒星は核融合が始まっても温度が上がらないから若くても赤く見えるものもある。ようするに、恒星の年齢だけじゃなくて、温度が低いと赤く見えて、温度が高いと白く見えるってワケだ。


‥‥そんなワケで、オリオン座に話をクルリンパと戻すけど、オリオン座の右下の1等星、リゲルは、誕生してからまだ数百万年しか経ってない若い星だから、白く見える。表面温度は約1万2000度もあって、光量は太陽の約3万倍もある。だけど、左上の1等星、ベテルギウスのほうは、肉眼でハッキリと赤く見える。表面温度は約3000度で、恒星としての晩年、「赤色巨星」の段階に入ってる。

日本では、昔、源氏と平家の旗の色になぞらえて、白いリゲルを「源氏星」、赤いベテルギウスを「平家星」と呼んでいた‥‥って一般的には知られてるんだけど、野尻抱影の『日本星名辞典』(東京堂出版)には、白いリゲルが「平家星」、赤いベテルギウスが「源氏星」と、実際の旗の色とは逆に書かれてて、これは、自分たちが平家だと知られたくないために、わざと逆の色を伝承したものだと解説されてる。

で、また話をクルリンパと戻すけど、肉眼でもハッキリと赤く見えるベテルギウスは、恒星としての生涯が晩年に入った後期高齢者ってワケだけど、意外なことに、ベテルギウスが核融合を始めて主系列星の段階に入ったのは、わずか1000万年ほど前なのだ。我らが太陽が46億歳だってことと比較すると、1000万歳なんてのは、まだヨチヨチ歩きの赤ちゃんみたいな年齢なのに、もう一生を終えようとしてる。太陽が46億歳になっても現役バリバリで働いてるんだから、太陽の1000倍以上も大きいベテルギウスなら、太陽の1000倍くらい長生きしたって良さそうなのに‥‥。

だけど、これは、その大きさが問題だったのだ。さっきナニゲに「燃費」って書いたけど、それぞれの恒星の寿命は、この燃費で決まる。一般的に、恒星は、質量が大きければ大きいほど燃料も多いんだけど、そのぶん核融合がモーレツな勢いで進むので、燃費が悪くて寿命が短くなっちゃうのだ。ベテルギウスの質量は、太陽の約20倍もある。つまり、太陽の20倍もガソリンを積んでるんだけど、燃費は太陽の何千倍も悪い。だから、46億歳の太陽がまだまだ何十億年も走れるのに対して、ベテルギウスはわずか1000万年でガス欠になっちゃったのだ。


‥‥そんなワケで、いよいよ本題に入るけど、寿命を迎えたベテルギウスがどうなっちゃうのかと言うと、大爆発しちゃうのだ。正確には「超新星爆発」と言って、テンヤワンヤの大騒ぎになっちゃう。何しろ、太陽の1000倍も大きな恒星が大爆発しちゃうんだから、この地球だって大変なことになる。ベテルギウスの爆発とともに、それこそ天文学的な量のガンマ線が放射され、地球を守ってるオゾン層の大半が消滅し、地球上の生命体に有害な宇宙線が豪雨のように降り注ぎ、人類も他の動物も植物もすべて死滅してしまうのだ。

もはや、核戦争だの原発事故だののレベルじゃない。国同士、人間同士で戦争なんかしてる場合じゃない。今すぐに全人類が協力して、いつベテルギウスが爆発しても大丈夫なように、地球全体を覆うバリアみたいなものを開発しなきゃ間に合わない。何しろ、ベテルギウスの超新星爆発は、明日起こるかもしれないからだ。

でも、100万年後かもしれない。そう、ベテルギウスが超新星爆発を起こすのは、明日かもしれないし100万年後かもしれないのだ。あたしたち人間は寿命が80年前後だから、たとえば60歳の還暦を迎えた時に、「あと20年くらいは生きられる」とか「あと40年生きて100歳までがんばるぞ」とかは思うことができるけど、「あと80年生きるぞ」とは思わないし思えない。140歳まで生きるなんて絶対に無理だと分かってるからだ。だけど、寿命が1000万年以上もあるベテルギウスの場合は、この「あと何年くらい生きられるか」が100万年単位なのだ。だから、ベテルギウスが超新星爆発を起こして一生を終えるのは、明日かもしれないし100万年後かもしれないってワケだ。

で、ここからは安心するためのことを書いてくけど、まず、ベテルギウスが超新星爆発を起こすかどうかも、まだハッキリとは分かっていない。NASAの観測やハワイの天文台の観測によると、ここ十数年、ベテルギウスは異常な収縮や膨張が繰り返されてて、もはや球形を保てなくなってて、超新星爆発を起こすのも時間の問題だ‥‥っていう主張をしてる天文学者がいる一方で、ベテルギウスの質量では超新星爆発は起こらない‥‥っていう主張をしてる専門家もいる。だから、この最初の段階で、「ベテルギウスは超新星爆発を起こさずに静かに一生を終える」っていう可能性もあるワケだ。

そして、第二段階として、仮に超新星爆発が起こったとしても、放出された大量のガンマ線は四方八方に飛ぶワケじゃなくて、一定の方向だけに飛ぶから、それが地球に当たる確率は極めて低い‥‥っていう見解もある。もちろん、これも机上の論なので、実際に地球にガンマ線が降り注いでから「話が違うじゃん!」なんて言っても遅いんだけど、この説が正しければ、仮に超新星爆発が起こったとしても、ガンマ線が地球に当たる確率は、あたしが競馬でWIN5を的中させるくらい低いから安心だ(笑)

さらには、第三段階として、決定的に安心なことがある。ベテルギウスが超新星爆発を起こし、四方八方に飛ぶとしても一定の方向だけに飛ぶとしても、地球に向かって大量のガンマ線が飛んできたとする。でも、ベテルギウスから地球までは約642光年もある。これは、光の速度で642年もかかる距離ってことで、ガンマ線の速度も光の速度とほぼ同じだから、明日、超新星爆発が起こったとしても、ガンマ線が地球に到達するのは600年以上も先なのだ。ね?これで安心できたでしょ?


‥‥そんなワケで、ここで気づいたと思うけど、あたしたちが今見てるオリオン座のベテルギウスは、642年前のベテルギウスなんだよね。642年前の1371年、日本が南北朝時代だった時にベテルギウスを出発した光が、長い長い年月をかけて、ようやく地球に到達したものを、今、あたしたちが見てるってワケだ。ちなみに、もう1つの1等星のリゲルまでの距離は、ベテルギウスよりも遠い700~800光年と言われてるので、あたしたちが同時に見てる赤と白の2つの星なのに、その光には100年前後の差があることになる。あたしが生まれる遥か昔に星を出発した光が、何百年間も宇宙を飛び続けて、やっと地球に到達してあたしに美しい輝きを見せてくれるだなんて、こんなに不思議でロマンチックなことがあるだろうか?あたしが星や星座を見ることが大好きなのは、こうしてそれぞれの星までの距離を考えながら観察してると、ステキな時間旅行を体験できるからだ。だから、これから冬の夜空にオリオン座を見つけたら、赤いベテルギウスは600年以上も前の光、白いリゲルは700年以上も前の光だってことを、ちょっぴり思い浮かべてみてほしいと思う今日この頃なのだ♪


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2013.11.12

子離れの時代

最近の子どもの名前って、俗に「キラキラネーム」と呼ばれてる難読でアニメやゲームのキャラクターみたいな名前も多くなってきたけど、やっぱりそうした名前は1割程度で、大半の子どもは、まあまあ普通の名前だ。たとえば、去年2012年度のランキングだと、男の子が「蓮」「颯太」「大翔」「大和」「翔太」「湊」、女の子が「結衣」「陽菜」「結菜」「結愛」「心春」「心愛」なんてのが上位に並んでる。読み方はいろいろで、同じ漢字でも別の読み方をするものも多いそうだ。それにしても、「心春」とか「心愛」とかって何て読むんだろう?「心愛」って、まさか「ここあ」って読むのかな?

ま、読み方はともかくとして、どんな漢字が好まれてるかってことだけで言えば、男の子は「大」とか「太」とかが多く使われてて、女の子は「結」とか「菜」とか「心」とか「愛」とかが多く使われてる。これは去年だけじゃなくて、2000年くらいから続いて傾向だ。ちなみに、2000年から2012年までの男女のベスト3を挙げてみると、次のようになる。


【2000年】
男の子 「翔」「翔太」「大輝」
女の子 「さくら・優花(同率1位)」「美咲・菜月(同率3位)」

【2001年】
男の子 「大輝」「翔」「海斗」
女の子 「さくら」「未来」「七海」

【2002年】
男の子 「駿」「拓海・翔(同率2位)」
女の子 「美咲・葵(同率1位)」「七海」

【2003年】
男の子 「大輝」「翔」「大翔・翔太(同率3位)」
女の子 「陽菜」「七海」「さくら」

【2004年】
男の子 「蓮」「颯太」「翔太・拓海(同率3位)」
女の子 「さくら・美咲(同率1位)」「凛」

【2005年】
男の子 「翔・大翔(同率1位)」「拓海」
女の子 「陽菜」「さくら」「美咲」

【2006年】
男の子 「陸」「大翔」「大輝・蓮(同率3位)」
女の子 「陽菜」「美羽」「美咲」

【2007年】
男の子 「大翔」「蓮」「大輝」
女の子 「葵」「さくら・優奈(同率2位)」

【2008年】
男の子 「大翔」「悠斗・蓮(同率2位)」
女の子 「陽菜」「結衣」「葵」

【2009年】
男の子 「大翔」「翔」「瑛太・大和(同率3位)」
女の子 「陽菜」「美羽・美咲(同率2位)」

【2010年】
男の子 「大翔」「悠真」「翔」
女の子 「さくら」「陽菜・結愛・莉子(同率2位)」

【2011年】
男の子 「大翔・蓮(同率1位)」「颯太」
女の子 「陽菜・結愛(同率1位)」「結衣」

【2012年】
男の子 「蓮」「颯太」「大翔」
女の子 「結衣」「陽菜」「結菜」


これを見れば分かるように、ここ10年以上、とにかく男の子の名前は「翔」の字が人気で、「翔」「大翔」「翔太」のどれかは必ずトップ3にランクインしてる。2000年は「翔」と「翔太」が1位と2位だし、2005年は「翔」と「大翔」が同率1位だし、2009年は「大翔」と「翔」が1位と2位だし、特に「大翔」に関しては2007年から2011年まで5年連続で1位を独走してる。つまり、このあたりの年代に生まれた子どもが小学校にあがると、クラスに何人かは「大翔くん」がいることになる今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、男の子には申し訳ないけど、今日のブログはタイトルを見れば分かるように、女の子の名前から「子」が消えたことについて書こうと思ってる。それは、死んだおばあちゃんも、母さんも、あたしも子が付く名前だからだ。あたしは1972年生まれだけど、あたしの年代って、小学校、中学校、高校と、クラスの女の子の名前は、「陽子」とか「純子」とか「優子」とか「智子」とか「綾子」とか、半数くらいは「子」の付く名前だった。その他の女の子たちは、「恵美」とか「恵」とか「美穂」とか「真由美」とか「美香」とか「由香」とか「香織」とか、今どきの女の子の名前と比べると、極めてオーソドックスな名前が大半だった。

そして、あたしの母さんの年代になると、女の子の9割近くが子の付く名前だったそうだ。クラスの女の子が20人だとすると、17人くらいは「幸子」とか「和子」とか「洋子」とか「節子」とか「恵子」とか「悦子」とか「京子」とか「弘子」とか「信子」とかで、残りの3人が「良江」とか「明美」とか「ゆかり」とかだったそうだ。母さんの名前は、子の付く名前の中でも「よくある名前」だったので、クラスに3人も同じ名前の子がいて、母さんは自分の名前が嫌いだったワケじゃないけど、まるで女優さんのような「ゆかり」とかの名前にも憧れたそうだ。

で、おばあちゃんの年代まで遡ると、今度は逆に、子の付く名前は少なくなる。おばあちゃんは大正時代の生まれで、おばあちゃんの時代から子の付く名前が増え始めたそうだ。おばあちゃんは、子の付く名前の流行し始めくらいだったので、子どもの時のクラスの女の子は、まだまだ「ハナ」とか「ハル」とか「ヨシ」とか「きよ」とか「ふみ」とか「ちよ」とか、カタカナ2文字やひらがな2文字の名前の女の子がたくさんいたそうだ。だから、漢字表記の上に子が付く名前だったおばあちゃんは、当時としてはハイカラな自分の名前が大好きだったそうだ。

だから、時代が変わっても、おばあちゃんは母さんに子が付く名前をつけたそうだし、母さんはあたしに子が付く名前を付けてくれたそうだ。残念ながら、あたしに子どもはいないから、この伝統は三代限りで終わっちゃうけど、もしもあたしが子どもを産むことができて、その子が女の子だったらどんな名前を付けるか、今までに何度考えたか分からないほど考えた。これは、「もしも宝くじで3億円当たったら何に使う?」ってことを妄想するのと同じくらい無意味なことなんだけど、それでも、今でも時々は考えちゃう。


‥‥そんなワケで、あたしの妄想にお付き合いさせて申し訳ないけど、もしもあたしが女の子を産んだとしたら、当然、子が付く名前をつける。これは、おばあちゃんの代から続いて来た我が家の伝統を絶やしたくないって理由だけじゃなくて、あたし自身が子が付く名前が大好きだからだ。だけど、これも、時代とともに変化してきた。

あたしが中学生のころは、あたしの周りには子が付く名前の女の子がいっぱいいたし、下級生を見ても同じだったし、新しく生まれた女の子たちの名前ランキングをテレビや雑誌で見ても、「愛子」とか「麻衣子」とか「桃子」とか、子の付く名前はけっこういた。だから、自分が大人になって女の子を産んだとしたら、子の付く名前ならどんな名前でもおかしくないって思ってて、選択肢もいろいろあった。「けいこ」なら「恵子」よりも「景子」って字がいいな。「綾子」も可愛いな。「玲子」もステキだな‥‥っていろいろ妄想できた。

だけど、あたしが高校から専門学校に進んだころには、新しく生まれた女の子の名前から子の字が消え始めた。1990年ころのことだけど、当時の女の子の名前のランキングを調べてみると、「愛」「彩」「愛美」「千尋」「麻衣」「舞」「美穂」「瞳」「綾香」「沙織」なんて名前が並んでて、子の付く名前はトップ10には見当たらない。でも、トップ100位までの中には、「桃子」「翔子」「智子」「祥子」「優子」「愛子」「綾子」などなど、まだ子の付く名前が散見される。つまり、子の付かない名前に押され気味だけど、まだ絶滅したワケじゃないってことだ。

でも、これらの子が付く名前を見てみると、おばあちゃんの年代、母さんの年代、あたしの年代とは、明らかに違いがあることが分かる。子が付く名前で、おばあちゃんの年代に多かったのは「正子」「文子」「久子」「静子」「千代子」など、母さんの年代に多かったのは「和子」「幸子」「洋子」「節子」「由美子」など、あたしの年代に多かったのは「陽子」「智子」「裕子」「純子」「恵子」など、同じ子が付く名前でも、時代によって流行があることが分かる。

ちなみに、母さんの年代で一番多かったのが「和子」なんだけど、これには大きな理由がある。おばあちゃんの大正時代には、ずっと「正子」や「文子」や「久子」が1位なんだけど、1926年に大正が終わって昭和に代わると、翌年の1927年には、1926年に1位だった「久子」が3位に後退して、1位が「和子」、2位が「昭子」になる。そう、どちらも新しい年号である「昭和」から取った名前だ。つまり、おばあちゃんの年代に人気があった「正子」も、「大正」から取った名前だったのだ。

そして、この1位の「和子」は、ここから13年間も1位を独走し、何度か2位に落ちることがあっても、また1位に返り咲き、結局1953年までの27年間、トップ3を動かないほどの大人気となった。だから、母さんの年代でも1位の人気だったのだ。でも、新しく昭和がスタートしてから数年くらいならともかく、27年間もトップ3にランクインしてたってことは、これは「昭和」の「和」って意味だけじゃなく、戦争をはさんでることから「平和」を願っての命名だとも考えられる。その証拠に、「昭子」のほうはどんどん順位が下がって行った。


‥‥そんなワケで、おばあちゃんの年代に人気があった「正子」や「静子」など、母さんの年代に人気があった「和子」や「節子」などは、とってもポピュラーな名前で普通すぎるほど普通だけど、今年生まれた女の子にこれらの名前をつけるのはどうだろうか?‥‥って考えると、物心ついてから自分の名前を「古臭くて嫌い!」って思いそうだし、クラスで浮いちゃう気がする。今、これらの名前で生活してる大人たちは、周りにも同じフレーバーの名前の女性がたくさんいるから何とも思ってないだろうけど、周りが「結衣」や「陽菜」や「結菜」や「結愛」みたいな名前の子ばかりで、子が付く名前だってだけでも浮き気味な時代に、「正子」や「和子」じゃ絶対に「おばあちゃんみたいな名前だね」なんて言われちゃう。

当時は流行の名前でも、時代が変わればイメージも変わる。それじゃあ、今の時代、子が付く名前でも受け入れられるのはどんな名前なのか?‥‥ってことで、最新の今年のデータを調べてみると、女の子の名前のランキングでトップ100までに入ってる子が付く名前は6つだけ、上位から順に「莉子」「桃子」「菜々子」「理子」「愛子」「桜子」だった。「莉子」は「りこ」だけど、「理子」の「理」は「あや」とも読むので「りこ」だけじゃなくて「あやこ」と読ませるケースもあるようだ。

他の「桃子」や「菜々子」や「愛子」や「桜子」は昔からある名前で、あたしの同年代でも珍しい名前じゃない。だけど、あたしの年代では「陽子」「智子」「裕子」「純子」「恵子」などが子の付く名前のトップ5だったので、「桃子」や「菜々子」などは「おしゃれで羨ましい名前」って感じだった。ちなみに、あたしの名前も、読みはオーソドックスだけど漢字がちょっとおしゃれなので、学生時代には羨ましがられたこともあった。


‥‥そんなワケで、子が付く名前がトップ100の中に6つしか生き残ってない今の時代には、「おしゃれで可愛い」ってだけじゃなくて「古臭くない」って点も加味して考えなきゃならないワケだけど、最近あたしが「おおっ!」って思ったのは、文化放送の女子アナの吉田涙子さんの名前だ。「るいこ」という名前はそんなに珍しくないし、「類子」とか「瑠衣子」とか、いろんな漢字の「るいこ」があるけど、「涙」という漢字を使った「るいこ」には初めて出会った。

男の子の名前でも女の子の名前でも、普通はマイナスのイメージを持つ漢字は使わない。最近の「キラキラネーム」の中には、「卑弥呼」の「卑」を使ってるケースもあるみたいだけど、そうした特殊な例を除けば、普通は使わない。そして、あたしの感覚だと、「涙」にはマイナスのイメージが強い。だから、初めてこの名前を見た時には、涙子さんには申し訳ないけど芸名だと思った。文化放送では「野村邦丸」さんのように、局アナでも芸名を使ってる人がいるからだ。

でも、ある日の放送で、涙子さんが自分の名前の命名理由を説明してくれた。涙子さんが生まれた時に、感動して涙を流したお父さまが付けてくれた名前だそうで、お父さまは涙子さんに「涙は悲しい時に流すだけじゃない。嬉しい時、感動した時にも流すものだ。お前には嬉しい涙、感動の涙をたくさん流す女性に成長してほしい」と説明してくださったそうだ。あたしはこの話を聞いて、思わず目がウルウルしちゃって、気づくと感動の涙が頬をつたってた。なんて素敵なお父さまなんだろう。なんて素敵な名前なんだろう。


‥‥そんなワケで、前にも書いたかもしれないけど、あたしの大好きな名前のひとつに「魚子」がある。「さかなこ」でも「うおこ」でも「ぎょこ」でもなく、これで「ななこ」と読む。「魚子」というのは、細かい魚の卵が並んだような模様のことで、織物だと「魚子織り」なんてのもあるし、江戸切子のグラスでも「魚子模様」のものがある。でも、あたしにとっては、大好きで大好きで抱きしめたいほど大好きな架空の少女、角田光代さんの『対岸の彼女』に登場する女子高生の「魚子」のことだ。

この名前も、「魚子」の意味を知らない人が見たら「ギョッ!」とするかもしれないけど、意味を知っていればとっても素敵な名前だ。『対岸の彼女』の中では、ずっと「ナナコ」というカタカナ表記で書かれてて、「魚子」という漢字表記が分かるのは、ナナコが主人公の葵に自分の名前を説明する出会いのワンシーンだけだ。だけど、あたしは「魚子」という漢字表記が大好きなので、この小説を読み返すたびに「ナナコ」を「魚子」に脳内変換しながら読んでる。

『対岸の彼女』の中では、魚子の親は登場しないし、魚子は家族から愛情を受けていない環境だから、魚子の親がどんな思いでこの名前を付けたのかは分からない。でも、こんなに素敵な名前なんだから、魚子が生まれた時には、お父さんもお母さんもやっぱり溺れるほどの愛情を持っていたんだと思う。だからこそ、小説に描かれてる魚子が、悲しくて切なくて抱きしめたくなっちゃうんだけど‥‥。


‥‥そんなワケで、自分の好きなアニメのキャラの名前を子どもに付けるような親もいれば、「涙子」や「魚子」のような素敵な名前を付けてくれる親もいる。子どもに名前を付けるのって、あたしは、生まれてきた子どもに与える親の最初の愛情だと思ってるから、「親の趣味」よりも、「流行」よりも、「画数」よりも、何よりも「愛情」を優先して名前を決めるべきだと思ってる。だから、世の中の女の子の名前から子が消えていく「子離れの時代」になっても、あたしが子が付く名前にこだわってるのは、おばあちゃんの代から続いてきた大きな愛情を、母さんから受け取った溢れるほどの愛情を、自分の子どもにも伝えたいと思ってるからだ。もちろん、実現できない妄想の中での話だけど‥‥って感じの今日この頃なのだ。


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2013.11.03

イルカの朝

あたしは今まで日曜日の朝は、7時からニッポン放送「イルカのミュージックハーモニー」を聴いてたんだけど、10月から文化放送の7時からの「林家たい平 咲いて!孫心 夢ごころ」のパートナーが大好きな加納有沙アナに代わったので、とっても困ってる。5分おきにニッポン放送と文化放送を聴いてみたり、radikoを2つ起動させて同時に聴いてみたりしたんだけど、聖徳太子じゃあるまいし、これじゃあどっちも内容が分からない。

そこで、「林家たい平 咲いて!孫心 夢ごころ」は7時から7時半までの30分番組、「イルカのミュージックハーモニー」は7時から8時半までの90分番組なので、7時から7時半までは文化放送で「林家たい平 咲いて!孫心 夢ごころ」を聴き、7時半から8時半までニッポン放送で「イルカのミュージックハーモニー」を聴くっていう方式にした。「イルカのミュージックハーモニー」の頭の30分が聴けないのは残念だけど、加納有沙アナのファンとしては仕方ない。

で、今朝もこの方式で聴いてたんだけど、今朝の「林家たい平 咲いて!孫心 夢ごころ」では、加納有沙アナが品川プリンスホテルのレストランに七五三のお子様メニューの取材に行った様子をOAした。前菜、スープ、メインと、順番に出てくるお子様メニューをそれぞれ食べながら解説していく。ひとつひとつのお料理の味だけでなく、見た目の雰囲気やボリュームなどを分かりやすく紹介していく。

「飛べ!サルバドール」の「飛び出せ子ザル」のコーナーでは、「加納アサリ」だの「かのみつ」だのといろんなニックネームを付けられた挙句に、今では「あのうかりさ」なんて呼ばれてるのに、それでも吉田照美長老から「あのうかりさちゅわ~ん!」と呼ばれれば、明るく元気に「ウッキ~!あのうかりさで~す!」と答え、照美長老のムチャブリにも嫌な顔ひとつせずにサクサクと対応する加納有沙アナ。「くにまるジャパン」ではアダ名を付ける天才の野村邦丸さんから「金太郎」だの「関東平野」だのと呼ばれた挙句、とうとう「尻毛の親分」なんていうトンデモなアダ名で呼ばれるようになっちゃったのに、それでも「尻毛の親分!」と呼ばれれば「おう!」と元気に答える加納有沙アナ。

他にも数多くの番組を担当してるのに、どの番組のメインパーソナリティーとも上手にやりとりして、それぞれのメインパーソナリティーの魅力を引き出す役割を完璧にこなしてる加納有沙アナは、担当したばかりの「林家たい平 咲いて!孫心 夢ごころ」でも、すでに林家たい平さんと何年もコンビを組んでいるような雰囲気を醸し出してる。たい平さんとの温かいトークや、自分のおじいちゃんやおばあちゃんの話など、お孫さんを持つ世代のリスナーに喜ばれるような話題を提供してる今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、話はクルリンパと戻り、品川プリンスホテルのレストランで七五三のお子様メニューを紹介した加納有沙アナは、このレストランで食事をすると「駅前水族館」こと「エプソン品川アクアスタジアム」の入館料が割引になるってことで、そのまま水族館に向かった。そして、700円の別料金を払うと体験できる「イルカのふれあい体験」にチャレンジ。

トレーナーのお姉さんが呼んだのは、メスのバンドウイルカのアンクちゃん。アンクちゃんは同じくメスのネイルちゃんと一緒に、2005年のオープン時からいる最古参のイルカで、あたしは何度も会ってるから、ラジオから「アンクちゃんです」という名前が聞こえた時、まるで知り合いの名前のように感じた。そして、最後にアンクちゃんの鳴き声を聴かせてくれた時には、懐かしくて切なくて思わず涙がこぼれてしまった。

ホントのことを言うと、昔から「きっこのブログ」を読んでる人なら知ってることだけど、あたしは、バンドウイルカよりもカマイルカのほうが好きだ。だから、「エプソン品川アクアスタジアム」なら、カマイルカのラッキー君が一番好きだった。これも、ちょっと話題になったから知ってる人は知ってると思うけど、どうしても上手にジャンプができなくて「飛べないイルカ」って呼ばれてたラッキー君だ。だけど、この子は4年くらい前に病気で亡くなっちゃった。

もしも、ラッキー君が元気に生きていれば、「尻毛の親分」と「飛べないイルカ」のご対面が実現してたかもしれないので、そこはリトル残念だけど、それでも、懐かしいアンクちゃんの鳴き声を聴くことができて、あたしはとっても嬉しかった。それで、思わずツイッターでつぶやいたら、加納有沙アナがすぐにリプライをくれた。


きっこ @kikko_no_blog
文化放送「林家たい平 咲いて!孫心 夢ごころ」で、加納有沙アナが品川プリンスホテルに七五三の子どもメニューの取材に行って、その流れでエプソン品川アクアスタジアムに行って、イルカのふれあいプランでアンクちゃんに触った。何年ぶりかでアンクちゃんの鳴き声を聴いて、思わず涙が出た。
2013.11.03 07:57


加納有沙 @alissa_kano
@kikko_no_blog 聴いていただきありがとうございました!有名イルカちゃんなのですね。アンクちゃんの瞳の中には、可愛らしい三日月がありましたよ。
2013.11.03 08:12


きっこ @kikko_no_blog
@alissa_kano アンクちゃんはネイルちゃんとともに2005年のオープン時からいる最古参の2頭なんです。アンクちゃんは一番たくさん会っているイルカなので、久しぶりに声を聴けて懐かしくてウルウルしてしまいました。有沙ちゃん、どうもありがとう♪
2013.11.03 08:21


加納有沙 @alissa_kano
@kikko_no_blog それは知りませんでした!穏やかに人間に寄り添ってくれる賢いイルカちゃんでした( ^ω^ )ベテランさんなのですね♪
2013.11.03 08:23


きっこ @kikko_no_blog
@alissa_kano バンドウイルカの他に私の大好きなカマイルカもいます。カマイルカの中で一番好きだったラッキー君は4年くらい前に病気で亡くなってしまいましたが、カマイルカたちのショーも素敵ですよ。入館料は1800円とちょっと高いですが、年間パスは4000円なのでお得です♪
2013.11.03 08:47


加納有沙 @alissa_kano
@kikko_no_blog まだら模様で小回りがきく機敏なイルカが、カマイルカでしたか!エプソン品川では今、鯨以外はみんな女の子だといっていました。いいですね♪街中でイルカに癒される。イルカちゃんはヒーラーです。
2013.11.03 09:05


きっこ @kikko_no_blog
@alissa_kano どうしても上手にジャンプができなくて「飛べないイルカ」と呼ばれていたラッキー君だけがオスで、あとはみんなメスだったのですが、そのラッキー君が亡くなってしまったのです。
2013.11.03 09:09


加納有沙 @alissa_kano
@kikko_no_blog そうだったのですね。不器用な方がすきです。どの世界でも当たり前って、ないですからね。
多くの方から愛されていたのが伝わってきました。ありがとうございます
2013.11.03 09:15


‥‥そんなワケで、文化放送「林家たい平 咲いて!孫心 夢ごころ」で加納有沙アナのイルカレポートを聴いてウルウルしちゃったあたしが、次に何をしたのかと言うと、そう!ニッポン放送に替えて「イルカのミュージックハーモニー」を聴いた今日この頃なのだ!‥‥って、おあとがよろしいようで、テケテンテンテン~♪(笑)


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