キッコのいいかげんに1000回
現実には存在しないんだけど、夢の中にいつも出てくる架空の場所って、夢で何度も見てるうちに、ジョジョに奇妙に細部とかが構築されてって、ワリとシッカリした設定になってくる。あたしの場合は、怪獣だったり妖怪だったり宇宙人だったりスパイ組織だったりから車で逃げ回る時の架空の街がそれだ。子どものころは単なる漠然とした街だったのに、大人になっても同じシチュエーションの夢を見続けてるうちに、この交差点を左に曲がると左手に大きなホテルがあって、その先の路地を左に曲がると突き当りがコンクリートの階段になってて、そこで車を降りて階段を上ってくと小さな神社があって‥‥ってふうに、架空の街なのに細かい設定が完成されてきた。
で、目が覚めて現実に戻るとそんなことはコロッと忘れちゃうんだけど、次に同じシチュエーションの夢を見ると、またパーフェクトに思い出す。スパイ組織の黒いセダンに追われてるあたしは、ホテルの先の路地を左に曲がると階段のとこで捕まっちゃうから、左折せずに真っ直ぐに逃げる。でも、妖怪に追われてる時には、その路地を左折して、石段を駆け上がって神社へ逃げ込み、ものすごい霊力を持ったお狐様に助けてもらう。
そして、次に同じシチュエーションの夢を見た時には、何にも追われてなくて余裕があれば、美味しい稲荷寿司を作ってタッパーに入れて、前回のお礼にお狐様に届けに行く。そうすると、お狐様はとっても喜んでくれて、祠(ほこら)の裏にある秘密の入り口から「キツネランド」に連れてってくれる。「キツネランド」はたくさんのキツネたちが遊んでる遊園地で、気がつくとあたしもキツネになってる。これで、また、あたしの夢の中の架空の街の地図には、「キツネランドへの入り口」という赤いマークが書き込まれることになる今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、あたしにはこうした夢の中の架空の場所がいくつかあるんだけど、その中の1つに、パチンコ屋とゲーセンが合体したみたいな変なお店がある。現実の世界でも、パチンコ屋の隣りにゲーセンがあったり、同じ経営者が経営してたりすることも多いけど、あたしの夢に出てくるお店は、完全に一体化してる。1つの広いホールの右の壁沿いにパチンコ台が並んでて、左の壁沿いにはピーンボールとかレーシングゲームとか太鼓の達人とかが並んでて、中央にはいろんな種類のUFOキャッチャーとかが並んでて、出入口の近くにはプリクラが並んでる。
田舎のゲーセンとか、デパートの屋上の古いゲームコーナーとかに、たまに古いパチンコ台が何台か置いてあったりするけど、あれのパチンコ台の数を増やして最新機種にしたみたいな感じだ。だから、見た目は現実に存在してもおかしくないようなお店なんだけど、現実には絶対にアリエナイザーなのは、このお店はパチンコだけじゃなくて、ゲームのコインも換金できるって点だ。それも、コインで遊ぶコインゲームだけじゃなくて、レーシングゲームでも太鼓の達人でも何でも、最初にコインを何枚か入れて遊び、成績がいいとたくさんのコインが出てきて、それを換金することができる。
UFOキャッチャーなら、ぬいぐるみの首に何枚かのコインが入った小袋が結んであって、取りにくい場所にあるぬいぐるみにはたくさんのコインが入ってる。プリクラを撮っても、機械が自動的に判断して写真に点数を付けて、その点数に応じた数のコインが出てくる。コインはすべて換金できるんだけど、店内にある売店でタコ焼きやクレープやソフトクリーム、ジュースやビールを買うこともできる。まさに、あたしの理想とするお店だ。
だけど、夢の中のあたしは、たいていはパチンコのコーナーに真っ直ぐ向かう。何でかって言うと、夢の中だから面白いように確変が続くからだ。その上、このお店のパチンコ玉は、時々「金の玉」が出てくる。だいたいドル箱いっぱいの2000発に1個くらいの割合だけど、この「金の玉」は1個で1000個ぶんにカウントしてくれる。だから、1回の大当たりで「金の玉」が2個も3個も出てくると大儲けだ。つーか、「金の玉」なんだから基本は2個だろう‥‥って、さりげなく下ネタも織り込みつつ、一昨日の土曜日のお昼前、午前11時くらいのこと、こたつでウトウトしてたあたしは、つい熟睡しちゃって、気がつくと、このお店でパチンコを打ってた。
‥‥そんなワケで、この日のあたしは、大好きな「海物語」の沖縄バージョンを打ってたんだけど、さすがは夢だけのことはあって、最初から魚群が連発。それも「赤魚群」や「逆魚群」や「デカ魚群」が連発して、当たればすぐに「金魚群」‥‥ってワケで、イスの後ろにはドル箱がどんどん積まれてくし、手元のカップには「金の玉」が溜まってく。このお店は固定ハンドルがOKだから、両手が自由なあたしは、左手にタバコ、右手に缶ビール、パチンコを楽しむための鉄壁の装備だ(笑)
それなのに、嗚呼それなのに、それなのに‥‥って、久しぶりに五七五の俳句調で嘆いちゃうけど、このあたしの楽しい気分に水を差す出来事が起こった。いつの間にか、あたしの左隣りに座って打ってた人が、突然、パチンコ台のガラスをガンガン叩き出して、大声で「おい!当たらないぞ!」って怒鳴り出したのだ。反射的にその人を見ると、ナナナナナント!和田アキ子さんだった!
それで、どうしたのかと尋ねると、和田アキ子さんは「サンタの衣装のマリンちゃんが出たのに当たらなかった」と憤慨してる。あたしが「それは大当たり確定の演出なんですか?」と聞くと「初めて見た珍しい演出だから大当たり確定に決まってる」と言う。あたしは、リアルな感じでパチンコを打ちながらも、脳みその端っこのほうでは「これは夢の中だ」とちゃんと理解してるから、こうして和田アキ子さんと会話してるのも夢の中の出来事、その「サンタの衣装のマリンちゃん」というのも夢の中の出来事って、薄っすらと感じつつ夢を楽しんでた。
そして、なんだかんだあって目が覚めて、「いけない!こたつで寝ちゃった!」なんて思ってたら、こたつの上のパソコンから流れてたラジコから和田アキ子さんの声。ニッポン放送「ゴッドアフタヌーン アッコのいいかげんに1000回」だった。あたしは、この番組が流れてたから、あたしの夢にも和田アキ子さんが登場したのかと思って1人で納得してると、お茶を持ってお台所から戻ってきた母さんから「あなた、寝言でマリンちゃんがどうのこうのって言ってたわよ」って言われちゃった。
それで、あたしは、夢の中の出来事をザックリと母さんに話した。パチンコの「海物語」を打ってたら、隣りに和田アキ子さんが来たこと。和田アキ子さんが「サンタの衣装のマリンちゃんが出たのに当たらなかった」と怒って台をガンガン叩いたこと。そしたら、母さんの口から、驚くべき言葉が出た!母さんが言うには、あたしが寝てる間に、「ゴッドアフタヌーン アッコのいいかげんに1000回」で、和田アキ子さんが、最近、パチンコを打ちに行って「海物語」でサンタの衣装のマリンちゃんが出たのに大当たりしなかったと言って怒っていた、とのこと。
つまり、あたしが夢の中で薄っすらと「夢の中の出来事」だと認識してた「サンタの衣装のマリンちゃん」は、あたしの脳みそが作り出した架空のものじゃなくて、実際の「海物語」にちゃんと登場する演出だったのだ。つーか、そんなことよりも、寝てる間に耳から入ってきた情報が、こんなにも正確に夢の中に反映されるなんて、これは目からウロコだ。
たとえば、「アッコのいいかげんに1000回」を聴きながらウトウトして寝ちゃったのなら、あたしの最新の記憶に「和田アキ子さん」が刷り込まれてるから、夢の中に和田アキ子さんが登場しても不思議じゃないけど、この日は、まったく聴いてなかった。朝からパソコンのラジコでニッポン放送「徳光和夫 とくモリ!歌謡サタデー」を聴いてて、こたつで母さんと朝ごはんを食べて、しばらく洗い物やお掃除でこたつを離れたけど、ニッポン放送はずっと流れてた。そして、「とくモリ!歌謡サタデー」が終わるころにこたつに戻ったんだけど、あたしは、「キャイ~ンの家電ソムリエ」が始まる前にウトウトして、知らないうちに寝ちゃってたのだ。
「キャイ~ンの家電ソムリエ」は10時50分からの10分番組で、11時から「アッコのいいかげんに1000回」が始まるんだけど、あたしは「キャイ~ンの家電ソムリエ」も聴いてない。それなのに、夢の中に和田アキ子さんが登場しただけじゃなく、放送中に話した「サンタの衣装のマリンちゃん」のクダリまでもが夢の中で再生されたんだから、これはどう考えても、寝てる間に耳から入ってきた音声の意味をあたしの脳みそがちゃんと理解して、それが夢の中に反映されたと考えて間違いない‥‥なんてことを考えてたら、ラジコから流れ続けてる「アッコのいいかげんに1000回」で、パートナーの垣花正アナがリスナーからのメールを読み始めた。
「海物語のサンタの衣装のマリンちゃんですが、それは大当たり確定じゃないですよ。ハロウィンの時にもハロウィンの衣装のマリンちゃんが出ましたけど、これらは大当たりを予告するものではなく、季節に対応した単なる絵柄です」
‥‥そんなワケで、ずいぶん長いことパチンコを打ってないあたしだけど、夢の中で思わぬパチンコ体験をしただけじゃなくて、「海物語」の最新情報まで知ってしまったワケだ。だけど、そんなことよりも、寝てる間に耳から入ってきた情報が夢に反映されると立証されたことのほうが遥かに大きな収穫なワケで、今までずっとマユツバモノだと思ってた「睡眠学習」にも一定の科学的根拠が生まれたワケだ。たぶん、レム睡眠とノンレム睡眠とで状況が違ってくると思うけど、まずは手始めに、一度は会ってみたいと思ってた大好きな歌手の歌を聴きながら寝て、その人と夢の中で会えるかどうか実験してみようと思ってる今日この頃なのだ♪
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