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2013.12.01

妄想モードが暴走モード

ネット上には、意味の分からない略語があふれてる。もちろん、ネット上に限らず、実際の社会にも意味の分からない略語はあふれてるけど、たとえば、アニメに関する略語なら、アニメの好きな人たちの間だけで認知されてる略語なワケで、ネット上でも実際の社会でもアニメに興味のない人にはチンプンカンプンだ。

ちょっと前に、あたしはネット上で「テニプリ」という単語を目にした。それで、意味が分からなかったので検索したりして調べてみたら、「テニスの王子様」というアニメのことで、ようするに「王子様」を「プリンス」に変換してから略してたってことが分かった。あたしの時代にも、「赤坂プリンスホテル」のことを「赤プリ」って略したり、ガールズバンド「プリンセス・プリンセス」のことを「プリプリ」って略したりしてたから、ま、似たようなもんだろう。

だけど、これって、「プリンス」も「プリンセス」もおんなじ「プリ」に略してるから、元の「テニスの王子様」とか「赤坂プリンスホテル」とか「プリンセス・プリンセス」を知らない人が、先に略語のほうだけを目や耳にすると、元が何なのかを推測することができないよね。さらに言えば、今でも使われてる略語だけど、「プリント倶楽部」のことを「プリクラ」って言う。つまり、略語の「プリ」には、「プリンス」と「プリンセス」だけじゃなくて、「プリント」ってパターンもある今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、ネット上で「テニプリ」という意味不明な単語を目にしたあたしは、何も考えずに反射的に検索して「テニスの王子様」の略であることを知ったワケだけど、今になって思えば、これはあたしらしくない。頭脳は子どもでもベッドでは大人、迷探偵キッコナンとしては、まずはいろいろと推測してみて、最後の最後に「答え合わせ」の意味で検索しなくちゃダメだろう。ネットで検索すれば何でも簡単に分かっちゃう世の中だからこそ、一歩踏みとどまって、まずは自分の脳みそでアレコレと考えて見ることも必要なのだ。

ケータイやパソコンは、ひらがなやローマ字で打ち込めば漢字に自動変換してくれる。だから、「憂鬱」でも「薔薇」でも簡単に書くことができるけど、これらの漢字を実際に書ける人はそうそういない。それどころか、ケータイやパソコンばかり使ってると、いつも目にしてる簡単な漢字も書けなくなってくる。これとおんなじで、分からないことを何でもかんでもネットで検索してると、「自分の脳みそで考える」という能力が低下してくるような気がしてる。

ちょっと前に、いろんな芸能人とかが「ペニーオークション」という詐欺サイトのサクラをやってて問題になったけど、あの時、あたしは最初に「ペニオク」という略語を見て、「何だこりゃ?」って思った。いかにも何かの略語っぽいけど、「ペニ」で始まる単語なんて男性のアレのことくらいしか思いつかなかったから、あたしはてっきりエッチな言葉の略語なんだと思った。だけど、その記事を読んでみたら、「ペニーオークション」の略だということが分かった。

これは、あたしの想像力や空想力や妄想力が低くなってることの表われで、いつものあたしなら、男性のアレの他に「ペニー」という小銭の単位くらい思いついてたはずだからだ。だから、最初に「テニプリ」という略語を見た時も、すぐにネットで検索するんじゃなくて、まずはアレコレと考えてみるべきだったのだ。「テニ」と言えば「テニス」くらいしか浮かばないから、それに「プリ」と来れば、まさか「テニスのプリント倶楽部」や「テニスのプリントごっこ」のワケはなく、「テニスのプリンス」か「テニスのプリンセス」のどちらかであることは簡単に想像できたはずだ。

ここまで考えた上で、ネットで検索して「テニスの王子様」というアニメの存在を知ることになっていれば、あたしは「完全敗北」ではなく、そこそこのとこまでは的中してたことになる。「プリンス」か「プリンセス」かの違いは、「プリ」という略語からは判別できないのだから、この部分は許容できる。


‥‥そんなワケで、おんなじようなケースで、あたしはネット上で「黒バス」という略語を目にした。だけど、こちらの略語に関しては、あたしは「黒子のバスケ」というアニメのタイトルを知ってたから、すぐにこのアニメのことだと理解できた。アニメ自体は一度も観たことがないけど、このアニメの作者やイベント会場などに脅迫メールが送られるという事件が続いてて、何度かネットのニュースで読んだことがあるから、タイトルだけは知ってたのだ。

で、ここであたしが思いついたのが、このアニメの内容を推測してみるという実験だった。「テニスの王子様」も一度も観たことはないけど、これはどう考えたって、テニスが上手でイケメンで女の子にモテモテの男の子が主人公のアニメだと分かる。もしかしたら違うのかもしれないけど、あたしの妄想力の琴線に触れないタイトルなのでアレコレと考える気にならない。だけど、「黒子のバスケ」のほうは、あたしの妄想力に火をつけてくれるタイトルだ。

あたしが初めてこのタイトルを知ったのは、さっき書いたように、脅迫メールに関するニュース記事だった。その時は「黒子のバスケ」と書いてあるだけだったので、あたしは「黒子」が「ほくろ」なのか「くろこ」なのか分からなかった。「ほくろのバスケ」なら、額の真ん中に大きなほくろがある主人公のバスケットボールをテーマにしたギャグアニメとかを想像してたかもしれない。でも、あたしは、この記事を読んだ時に、読み方が気になってすぐに検索しちゃったのだ。そして、「ほくろ」じゃなくて「くろこ」だということを知ってしまった。だから、「黒子」を「くろこ」と読むということを知った上でのあたしの想像だけど、こんなストーリーを推測してみた。


「黒子のバスケ」

ある地方都市の小さな町に、「タッチ」のような双子の高校生1年生の男の子が住んでいた。名前がないと話を進められないので、ここは「タッチ」からお借りして「達也」と「和也」ってことにする。で、外見は瓜二つの2人なのに、兄の達也は学年トップの成績で、1年生ながらにして生徒会の副会長もつとめるエリートだったのに対して、弟の和也は勉強がまったくダメで、いつでも裏の空き地に勝手にこしらえたバスケットゴールにボールをシュートしてる少年だった。両親は、優秀な達也ばかり可愛がり、和也はひねくれて育ってしまった。

そんなある日のこと、バスケットボールの県大会で常に優勝しているインターハイの常連校の監督が、偶然にも空き地の前を通り掛かり、何十メートルも離れた位置から正確なシュートを決め続ける和也の姿を目撃してしまう。この日から監督は、和也を自分の高校に転入させてバスケットボール部に入るようにと説得を開始する。しかし、両親からまったく期待されずに育ってきたため、今まで兄にばかりスポットライトが当たっていたため、突然、自分を必要だという大人の登場に、和也は面食らってしまい、素直に喜ぶことができなかった。


しかし、兄の達也の後押しもあり、なんだかんだと話は進み、和也は隣町にある高校へと自転車で通うようになる。バスケットボール部に入部した和也は、お約束の「意地悪をする先輩」だの「背が低くてバスケは下手だけど明るい同級生」だのとの一連のやりとりがありつつ、クラスの浅倉南ちゃん的な女の子とのアレコレもありつつ、単行本1冊ぶんくらい話が進んでく。

そして、1年生で唯一、レギュラーメンバーに抜擢された和也は、目の前に迫った県大会に向けて、激しい練習を続けていた。あと2週間で県大会となり、毎日、外が暗くなるまで体育館での練習が続いていた。クタクタになった和也は、とっぷりと日の暮れた道を自転車で走っていた。しかし、あと少しで自宅というところで、急に飛び出してきた車にはねられて、和也は帰らぬ人となってしまった。

お葬式うんぬんは割愛して、和也が亡くなった2日後のこと、まだ弟の死を受け入れられない兄の達也がベッドに寝転がって天井を見つめていると、そこに和也が現われた。和也の体は半透明だった。驚いて声が出ない達也に向かって、和也は説明を始めた。和也が言うには、がんばって練習してきて、やっと県大会という生まれて初めて自分にスポットライトが当たる舞台に立てるとこだったのに、その直前に死んでしまったことが悔しくてたまらない!悔しい!悔しい!県大会に出たい!そう思ってたら、幽霊になって戻ってこれた。


そして、ここから達也と和也の二人三脚が始まった。達也は、勉強は優秀だけどスポーツは人並みだった。そこで、達也の体に和也の幽霊が入り込み、和也が身体をコントロールするのだ。こうすれば、和也は達也の肉体を借りて自分のプレイができる。和也の高校には、車にはねられたけど奇跡的に軽い打撲だけだったということにして、翌日から達也は自分の高校を休み、和也に成りすまして和也の高校へ通うようになった。

ふだんの授業は達也のままで受けているから、勉強はサッパリだったはずの和也が、これまでとは別人のように難問を解いてしまう。先生もクラスメイトも唖然とする。放課後の部活になると、和也の幽霊が肉体を操るので、これまで通りに素晴らしい運動神経を発揮する。勉強もスポーツもできる和也は、クラスメイトたちからも一目置かれる人気者になってしまう。ただ、ずっと和也のことを見つめてきた南ちゃんだけが、和也に対して「何かおかしい」と感じ始めていた。

さて、いよいよ待ちに待った県大会の日がやって来た。和也の霊魂が操る達也の肉体は、1年生とは思えないスーパープレイを連発し、大差をつけて簡単に勝ってしまう。和也の活躍で、第2試合、第3試合と勝ち進み、今年も全国への切符を手にすることになる。当初は少しギクシャクしていた和也と達也のコンビネーションも、この頃には完全に一体となり、まるで熟練の二人羽織りのようになって来た。


「タッちゃんが役者で、俺が黒子みたいなもんだね。俺たちのバスケは、黒子のバスケだよ」


‥‥そんなワケで、ここまで書いて来たとこで、深夜ラジオから、突然、とんでもない言葉が流れて来た。「黒子のバスケの主人公の黒子テツヤってさあ」‥‥って、おいおいおいおいおーーーーい!!「黒子」って名前だったんかーーーーい!!こんなにがんばって妄想して来て、ここから、真実を知らされた南ちゃんと、和也の幽霊と、達也という奇妙な三角関係へと発展してくとこだったのにーーーー!!‥‥ってなワケで、思わぬタネ明かしを食らっちゃったあたしは、これ以上は妄想の暴走を続けることができなくなっちゃったので、一度も観たことのないアニメをタイトルだけから想像してみる実験は、ひとまず終了する今日この頃なのだ。


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