火星の最接近と皆既月食
あたしたちの住んでる地球は、皆さん、ご存知の通り、太陽の周りをグルグルと回ってる惑星だけど、他にも太陽の周りをグルグルと回ってる天体はたくさんある。それで、その中の主要な惑星が、太陽に近い順から「水・金・地・火・木・土・天・海」なんて暗記させられたと思うけど、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星の8つだ。昔は最後に「冥王星」ってのがあったんだけど、これは惑星より下の「準惑星」ということになっちゃって、このグループから仲間ハズレにさせられちゃった。
で、これらの惑星は、自分自身もグルグルと回転しながら、太陽の周りをグルグルと回り続けてるんだけど、自分自身が回ることを「自転」、太陽の周りを回ることを「公転」と呼んでる。地球の場合なら、平均して約24時間で1回の「自転」をして、約365日で1回の「公転」をしてる。だから、1日は24時間で、1年は365日ということに決められてる。
だけど、この「約365日で太陽の周りを1周する」ってのは地球だけの話で、他の惑星は、それぞれがそれぞれの「公転」をしてる。たとえば、太陽に一番近い水星の場合は、地球よりも遥かに速くて、約88日で1周してる。次の金星は、約225日で1周してる。これは、地球よりも太陽に近いから、つまり、1周の距離が短いからだ。
逆に、地球よりも外側の惑星になると、1周の距離がグーンと長くなる。地球の隣りの火星は、太陽の周りを1周するのに約687日も掛かってる。でも、こんなのはまだまだ序の口で、その次の木星なんて、約11.8年だ。木星が太陽の周りを1周する間に、小学校に入学した子が高校を卒業しちゃうのだ。さらには、その次の土星なんて約29.5年、天王星に至っては約84年、一番外側の海王星なんて約165年だ。
だから、地球よりも太陽に近い水星と金星は、「公転」の過程で地球を追い越してくワケだし、地球よりも外側にある火星や木星や土星は、「公転」の過程で地球のほうが追い越してくワケだ。水星の場合なら、1年間に地球は4回も追い越されちゃうし、木星の場合なら、1年間に地球が12回も追い越しちゃう。そして、この「追い越し」の時には、しばらく併走するワケだから、地球からはその惑星がよく見えることになる。つまり、水星なら、1年間に4回ほど、よく見えるチャンスが巡ってくるワケだし、木星なら、1年間に12回、ほぼ毎月、よく見えるチャンスが巡ってくる今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、これらの惑星の中で、一番、見るチャンスが少ないのが、意外なことにも、地球のお隣りの火星なのだ。火星は、約687日で太陽の周りを1周してるから、約365日で1周してる地球が追い越すのは、約780日に1回、約2年2ヶ月に1回なのだ。もちろん、天体望遠鏡を使えば、1年の大半、見ることができるけど、肉眼でハッキリと見えるのは、この約2年2ヶ月に1回のチャンスしかない。
で、そのチャンスが、あと数日でやってくる。4月14日の夜から、深夜0時をまたいだ15日にかけてだ。さらに今回は、約2年2ヶ月ぶりに地球に最接近する火星が、お月さまのすぐ近くに見られる上に、お月さまも満月を迎える。正確に言えば、月齢的には15日の夜が「満月」なんだけど、14日の夜でも「ほぼ満月」なので、お天気さえ良ければ、14日の夜には、満月のすぐ上にオレンジ色の火星が輝いているという、素晴らしいランデブーを見ることができる。
そして、ここがポイントなんだけど、4月14日は「月曜日」で、15日は「火曜日」なのだ。つまり、月曜日の夜から深夜0時をまたいだ火曜日にかけて、お月さまと火星の競演が見られるという、曜日的にもバッチリの状況になったのだ。一番いい時間帯は、14日の夜11時ごろなので、もしもお天気が良かったら、14日の夜は、外に出てお月さまを探してみてほしい。そして、まん丸のお月さまが見えたら、そのすぐ上の少し左にあるオレンジ色の星が火星で、お月さまの左下の少し離れた場所にある白い星が、おとめ座の1等星スピカなので、メッタに見ることができない夜空の競演を楽しんでほしい。
でも、地球は太陽の周りをほぼ「円形」に公転してるけど、火星は「楕円形」に公転してるので、約2年2ヶ月ごとに地球に接近すると言っても、火星の楕円形の軌道のどの位置で接近を迎えるかによって、地球との距離は大きく違う。今回は、残念なことにワリと距離があって、約9200万kmもあるので、最接近の中でも離れ気味な「小接近」だ。でも、火星はマイナス1.4まで明るく輝いてるので、他の小さな星が見えない程度の薄曇りでも、お月さまが見えれば、火星も肉眼で見ることができると思う。
ちなみに、今回を逃すと、次回は2016年5月31日、約7500万kmまで近づく「中接近」、その次は2018年7月31日、約5800万kmまで近づく「大接近」だ。だから、火星の最接近だけで言えば、約4年4ヶ月後の「大接近」のほうが楽しめるんだけど、今回は「満月との競演」という嬉しいオマケが付いてるから、何とかお天気になってほしいと思ってる。
‥‥そんなワケで、今回は、さらに大きなオマケがある。これは、火星の最接近とは別なんだけど、15日は、ナナナナナント!「皆既月食」なのだ!‥‥ってなワケで、あたしがダラダラと文章で説明しても分かりにくいから、ここからは「ウェザーニュース」の美人キャスター、山岸愛梨ちゃんのツイッターでの解説を紹介させてもらう。
【4月15日は皆既月食】
月食の説明その1。月食は月が地球の影に入り、欠けて見える現象☆
【4月15日は皆既月食】
月食の説明その2。地球の影に入り欠けて見えるお月様。新月のように見えなくなるわけではなく、赤銅色になります(^ω^)
【4月15日は皆既月食】
月食の説明その3。皆既月食の月が赤いのは、夕陽が赤く見えるのと同じ散乱という現象が関係している。太陽が地球の大気を通過する時、波長の短い青い光は散乱してしまうが、波長の長い赤い光は通り抜けることができるため。
【4月15日は皆既月食】
日本では月が欠けた状態でのぼるため、皆既月食の全経過を楽しむことができません。と、いうことで、SOLiVE24ではハワイから皆既月食を生中継!4月15日15時〜17時、特別番組を行います☆ぜひ、見て下さいね☆
http://weathernews.jp/s/star/eclipse2014/?fm=sw&fmdotop=1
‥‥そんなワケで、サスガは痒いところに猫の手が届くウェザーニュース!今回の皆既月食は、日本ではお月さまが上る前から月食が始まってて、全行程の最後のあたりで上って来るので、「SOLiVE24」では欠け始めからぜんぶ見られるハワイからの中継を配信してくれるそうだ。それに、日本では、最後のあたりだけでも見られるのは大阪より東の地域だけで、大阪より西は、お月さまが上って来た時には、もう月食は終わっちゃってる。だから、あたしは、14日の夜は火星の最接近とお月さまとの競演を楽しんで、15日の午後には、ウェザーニュースの「SOLiVE24」で皆既月食の中継を楽しもうと思ってる今日この頃なのだ♪
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