ハビタブルゾーンにゴルディロックス惑星/後編
‥‥そんなワケで、NASAが発表した「太陽系外のハビタブルゾーンにゴルディロックス惑星が見つかった」って内容を簡単に説明しようと思ったら、ナニゲに学校の授業みたいにマジメな「前編」になっちゃったワケだけど、ここからの「後編」は一気にクダラナイザーになるから、肩の力を抜いてリラックスして読んでほしい‥‥ってなワケで、ロシアやアメリカが火星にジャンジャン探査船を飛ばして来たのは、火星が素晴らしい「ハビタブルゾーンにゴルディロックス惑星」だからってワケじゃなくて、あくまでも「太陽系の中では一番マシ」ってだけの話だ。火星に生命が存在してる可能性は、実際にはほとんどないんだし、もしも生命が存在してたとしても、アメーバ的なものとか「藻」の仲間とかが関の山だ。
それでも、火星に生命が存在してて、生きたまま採取できたら大発見だろうけど、それはNASAとか世界の科学者とかにとっての話だ。あたし的には、やっぱり、ベタだけど火星には「タコ型の火星人」たちが暮しててほしいし、金星にはジョージ・アダムスキーが言い張ってた「人類よりも遥かに高い科学力を持った金星人」たちが暮らしててほしかった。
「アダムスキー型のUFO」でお馴染みのジョージ・アダムスキーは、1952年11月20日、カリフォルニアの砂漠で金星人に遭遇したと言っている。巨大な葉巻型の母船から飛び出て来た小型のUFOが着陸し、それから降りてきた金星人は、外見的には地球人とほとんど変わらず、アダムスキーとはテレパシーで会話をしたと言う。
こんなアリエナイザーな話、今じゃ誰も信じないだろうけど、さっきも書いたように、金星は地球よりも遥かに密度が高くて分厚い大気に覆われてるから、宇宙望遠鏡では地表の様子が分からない。そのため、1989年に打ち上げられた金星探査機マゼランが到着するまでは、金星の地表の詳しい様子を知る術がなかったのだ。だから、1952年の時点では「金星に生物がいる可能性は否定できない」とされてて、アダムスキーの話を信じる人たちもたくさんいて、日本でも本がたくさん売れたし、テレビや雑誌などで取り上げられた今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、金星に限らず、当時は、地球以外の太陽系の惑星のことなんてあまり詳しく分かってなかったから、アダムスキーは何でも言いたい放題だった。今なら「気温が500度で気圧が90気圧の金星に生物がいるわけないだろ!」って言えるけど、当時はアダムスキーの話を否定する根拠が挙げられなかった。だから、アダムスキーの作り話はどんどんエスカレートして行き、金星人に続いては、アダムスキーが宿泊してたロサンゼルスのホテルに火星人と土星人が2人で面会に来たとか言い出しちゃった。挙句の果てには、仲良くなった宇宙人のUFOに乗せてもらって、月や金星に行って来たと言い出した。月の裏には都市があって、広い草原には動物たちが走っていたと言い、金星には大都市があって、自分の妻が輪廻転生した少女と会ったとまで言い出した。
さすがに、ここまで来ると「おいおい!」だけど、当時の人たちの何割かは、こんなアダムスキーの話を信じて、彼の「妄想体験談」を書いた本は世界中でベストセラーになった。だけど、その後、アメリカのアポロ計画などで有人宇宙船が月面着陸に成功し、月の裏側には都市などないし、草原も動物もいないことが証明されたり、金星や土星には生命が存在できないことなどが科学的に証明されて行ったのだ。
もしも、これが現代だったら、捏造したUFOの写真や作り話の体験談で次々と人々を騙したUFO研究所のユニットリーダーは、スポーツ紙や週刊誌やテレビのワイドショーなどで寄ってたかって吊るし上げられちゃうとこだったけど、それでも、あたしは、アダムスキーを一点だけ評価してることがある。それは、アダムスキーが遭遇したという金星人から、テレパシーで彼が聞いたとされる話だ。金星人は、こんな話をしたと言う。
「この地球は核実験によって放射能に汚染され始めている。私は核実験による放射能汚染の実態を調査して、その危険性を地球人に警告するために地球にやって来た」
もちろん、この内容もアダムスキーの創作だけど、この金星人の話を多くの人たちが真に受けちゃったのは、当時の時代背景によるものだ。1945年7月16日にアメリカがニューメキシコ州の砂漠で人類初の原爆実験を行ない、わずか3週間後の8月6日と9日には日本の広島と長崎に原爆を投下するという悪魔のような実戦実験を行ない、この4年後の1949年8月29日にはソ連が初めての原爆実験に成功し、ここからアメリカとソ連による「冷戦時代の終わりなき核開発競争」が始まったのだから、こうした時代背景を踏まえれば、アダムスキーの創作は「いかにもありそうな話」として、多くの人たちが真に受けたのだ。
だけど、それから現在までの世界を見てみると、核兵器の使用こそ行なわれていないが、「核の抑止力」という詭弁のもとに、アメリカとソ連(ロシア)は核兵器を増やし続け、他の国々も核兵器を持ったり開発したりするようになり、今も核実験による放射能汚染が続いている。さらには、「核の平和利用」などという噴飯モノの詭弁によって、核兵器の原料を生産するために「原子力発電」が推進され、アメリカの属国である日本は、世界一の地震大国であるにも関わらず、狭い国土に50基を超える欠陥原子炉を林立させられた。
そして、アメリカでは1979年3月28日にスリーマイル島で大事故が起こり、ソ連では1986年4月26日にチェルノブイリで大事故が起こり、日本では2011年3月11日に福島で大事故が起こった。チェルノブイリでは事故から28年経った今も多くの人たちが苦しんでいるし、日本では事故から3年以上経った今も、毎時1000万ベクレルもの放射性物質を大気中へ放出し続けていて、1リットルあたり数億ベクレルもの放射能汚染水が海へ流出し続けている。
‥‥そんなワケで、アダムスキーのUFOの写真は捏造だし、宇宙人との体験談もデッチアゲだけど、彼が創作した「金星人からの警告」に関しては、彼の言った通りの結果になってるワケだ。そして、現在の地球の姿や、現在の人類がやってることを客観的に見てみると、あたしには1つの仮説が浮かんでくる。それは、人類は「悪性の病原菌」なんじゃないのか?‥‥ってことだ。だって、あたしたち人類がやってることって、どれも地球の死期を早めてることばかりだからだ。
「前編」に書いたように、地球と太陽系の他の惑星との環境を比較してみると、この地球が、いかに恵まれた惑星なのか‥‥って言うよりも、もはや「奇跡のような惑星」だってことが分かると思う。それこそ、星の数ほどある惑星の中で、恒星との関係を始め、ありとあらゆる条件が揃ったことによって、奇跡的に、この地球に生命が誕生したのだ。
それなのに、その生命の進化の果ての人類が、森林を伐採し、海を汚し、他の動物を殺しまくり、自らの惑星である地球の環境を破壊し続けてる。同じ人類同士で殺し合いを続け、自分たちの首を絞めるような危険な方法で電力を作り続け、処分の方法も分からない使用済み核燃料を生産し続けている。使用済み核燃料の処分方法のアイデアの中には、ロケットに積んで宇宙空間へ飛ばしてしまえ!‥‥ってのもあったそうだから、いかに人類が自分のことしか考えていない愚かな生き物なのかがよく分かる。ただでさえ、宇宙には人類が打ち上げた「宇宙ゴミ」が数えきれないほど漂ってるというのに、あまりにも愚かで、あまりにも無責任で、本当に恥ずかしくなる。
人類以外のすべての生物が、他の生物たちとバランスをとって、自分たちが生きていくための必要最低限のことだけをして命をつないでいるのに、人類だけは必要以上のモノを欲しがり、他の生物たちとのバランスを無視して、この狭い地球の上でやりたい放題。だから、あたしは、人類って、地球の病原菌なんじゃないかと思った。さらに言えば、あたしたち人類だって、もともとは地球上に初めて誕生したアミノ酸だとかタンパク質だとかのナレの果てなんだから、煎じ詰めれば、この「生命の誕生」ってこと自体が、悪性の病原菌の始まりだったんじゃないのか?
そう考えると、何の生命も存在しない水星や金星や木星や土星のほうが「健康な惑星」なんじゃないのか?‥‥って思えてくる。大宇宙に数えきれないほどある、何の生命も存在しない惑星こそが「健康な惑星」であって、この地球のように、偶然に偶然が何度も重なった奇跡によって、生命が誕生してしまった惑星は「病んだ惑星」なんじゃないか?‥‥って思えてくる。奇跡によって誕生した生命のうちの1つが、進化の過程で突然変異をして、私利私欲にとらわれた暴走を始めてしまい、自分自身の住む惑星を滅ぼし始めた。そして、それだけに留まらず、宇宙にゴミを撒き散らし、さらには、他の惑星に移住しようと企て始めたのだ。これって、太陽系を巨大な人間の身体に喩えたら、地球という1つの臓器に発生した癌細胞が、火星という他の臓器へ移転を始めたようにも思えてくる。
‥‥そんなワケで、「ハビタブルゾーンにゴルディロックス惑星」だなんて言って喜んでるのは、人類という癌細胞サイドからの視点であって、この状況を客観的に見てみると、悪質な病原菌が他の惑星の寿命まで縮めようとしてるようにしか見えない。だけど、あたしは、広い宇宙のどこかの惑星にいるであろう高等生物たちは、人類みたいな悪性の病原菌ばかりじゃなくて、中には良性の乳酸菌みたいな素晴らしい高等生物もいるんじゃないかって期待してる。そういう高等生物は、人類のように自分の惑星を破壊したりせずに、高い科学力と併せ持った高い精神性によって、他の生物たちとちゃんと共存してるはずだ。そして、そうした高等生物と人類が出会うことができれば、人類もホントの意味で成熟することができて、地球上から核兵器や原発や戦争や貧困を消し去り、この地球も「健康な惑星」の仲間入りができる日が来ると思う今日この頃なのだ。
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