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2014.06.20

塩村あやか都議に対する最低な女性蔑視ヤジ

18日の深夜、あたしのツイッターのTLに、次のツイートがRTされてきた。


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塩村あやか(みんなの党 東京都議会議員) ‏@shiomura
都議会での初の一般質問。妊娠、出産に関わる不妊など女性の悩みについて質問中に「お前が結婚しろ!」「産めないのか?」など、大変に女性として残念なヤジが飛びました。心ない野次の連続に涙目に。政策に対してのヤジは受けますが、悩んでる女性に対して言っていいとは思えないです。
21:23 - 2014年6月18日


たいへん申し訳ないけど、あたしはこの「塩村あやか」さんという都議を知らなかったし、みんなの党のことも支持していない。だからスルーしようかとも思ったんだけど、念のために、この人のホームを覗き、過去のツイートを少しチェキしてみた。そしたら、動物愛護のこととか、すごく一生懸命にがんばってるように感じられたので、今度はブログやネットをチェキしてみた。そしたら、「元グラビアアイドル」だの「美しすぎる放送作家」だのと男性目線のくだらない肩書が次々と飛び出して来たんだけど、ブログとかをちゃんと読んでみると、この人、なかなかがんばってる。で、あたしは好感を持った。

だから、あたしは、今回のRTに関して、ちゃんと調べてみようと思い、問題の18日の都議会に出席した都議たちのブログをカタッパシからチェキしてみたら、シャレにならないようなことが分かった。このツイートでは、塩村あやか都議は気丈な書き方をしてるけど、実際には、不妊に悩む女性たちの声を代弁して真面目に質疑をしている塩村都議に対して、自民党の議員席から「そんなことを言う前に、おまえが早く結婚しろ!」というヤジが飛び、これを受けて他の自民党都議だちもドッと笑い、舛添要一都知事までもが笑ったというのだ。

それで、あたしは、実際の都議会の映像を確認してみた。残念ながら、音声は壇上で質疑する塩村都議の声しか拾っていなかったので、ヤジの内容を正確には聴き取ることができなかった。でも、最初の「そんなことを言う前に、おまえが早く結婚しろ!」というヤジで周囲の自民党都議たちがドッと笑い、それに合わせて笑顔でやり過ごそうとした塩村都議に、別の男性の声で何かのヤジが飛んだ。その瞬間、用意した原稿を気丈に読み上げ続けていた塩村都議の声が涙声に変わったんだけど、塩村都議は涙をこらえながら質疑の原稿を読み続けた。

塩村都議本人のツイートや、この日の都議会に出席した複数の野党議員の証言を総合してみると、塩村都議に嫌がらせのトドメを刺したのは、ゲラゲラと笑い続けていた自民党の都議たちの中から飛んだ「お前は産めないのか!」というヤジだったようだ。映像ではヤジの内容までは聴き取れなかったけど、本人も周りの複数の野党議員たちも証言してるので、これは間違いないと思う。


‥‥そんなワケで、今日も「いかがお過ごしですか?」は割愛して先へ進むけど、明けての19日、いつものように朝9時から文化放送「くにまるジャパン」を聴いてると、あまりにもグッドタイミングで、みんなの党の浅尾慶一郎代表がゲスト出演したのだ。これは、この問題が起こったから、急きょ、出演依頼をしたワケじゃなくて、前々から決まってた出演だった。

だけど、すでにネット上では大問題に発展してたし、一部の新聞も取り上げてたから、当然、野村邦丸さんはこの問題に触れたし、浅尾慶一郎代表も答える形になった。録音してたワケじゃないから、一字一句まで正確に再現することはできないけど、この放送の中で浅尾代表が言ったことをマトメると、次のようになる。


「塩村あやか議員へのヤジは自民党議員からです。みんなの党は自民党に党として申し入れをします。安倍首相は『女性の活躍を推進』などと言っているのですから、こちらが党として申し入れをすれば、当然、自民党都議の誰がヤジを飛ばしたのか調査してくれるでしょう」


ニュアンス的には、「この申し入れに真摯に対応しなかったら、安倍首相が日頃から口にしている『女性の活躍を推進』は本物ではなく、単に女性の人気取りのために口先だけで言っていること」という感じの、イヤミを含んだ言い方だったけど、それは口に出して言ったことじゃなくて、微妙な表現でリスナーに感じさせたことなので、ここでは置いておく。


‥‥そんなワケで、国会や都議会などにはヤジはつきもので、何だか知らないけど「ヤジは伝統」みたいな雰囲気になってるのが「バカだな~」って思う。百歩ゆずって、与党と野党とで賛否が真っ二つに分かれるような議論で、どちらかがどちらかに「ふざけるなー!」「撤回しろー!」ってヤジを飛ばすのなら許容できる。だけど、これほど少子化が問題視されてて、実際に不妊に悩んでる多くの女性たちの声を聴いて回った女性議員が、不妊に悩む女性を1人でも助けたいと思って真剣に質疑してる時に、その女性議員に対して「お前が結婚しろ!」とか「お前は産めないのか!」ってヤジは、マジでシャレにならない。

そして、あたしが何よりもムカついたのは、この最低なヤジを受けて、周りの自民党の都議たちから舛添要一都知事までもがゲラゲラと笑ったことだ。実際の映像を確認すると、塩村都議も一瞬は笑顔を浮かべてるけど、これは、みんながゲラゲラと笑ってるから、仕方なく自分も笑顔でやり過ごそうとして無理をしてるのであって、ホントにおかしくて笑ってるワケじゃないことは誰にでも分かる。実際、塩村都議は、問題発覚後のぶらさがり会見で、報道陣に次のように述べている。


「不妊の悩みがある女性に対して、それを否定するようなヤジが相次ぎ、皆さんで笑っていた。質問を進めていくうちに、とても悲しい気持ちになった」


また、塩村都議は、自身のフェイスブックで、次のように述べている。


「政策のヤジはいくらでも受けますが、セクハラ発言を議場で堂々と...。いま、数時間経って冷静に考えていますが、やはり女性を侮辱した言葉を見過ごしていいのかと悩んでいます。子育てや不妊の悩みを抱えた多くの女性の心を傷つける行為であり、私自身も大変に傷つきました」


塩村都議は、今回が初めての質疑で、持ち時間はわずか十数分だった。だから、その短い時間で、自分の主張したいことをキチンと伝えようと、そうとう時間を掛けて準備してきたように見えた。まず、東京都の受動喫煙の問題を挙げて、東京オリンピックまでに公共施設での完全な禁煙と店舗などでの完全な分煙を徹底するようにと主張し、次に塩村都議がずっと関わってきた動物愛護の問題に入った。

塩村都議は、あまりにも劣悪な状況で犬や猫が飼育されてるという都内のペットショップを視察した報告をした。そのペットショップの前の道は、あまりにも臭くて通行人が鼻をつまんで足早に通過するという。数えきれないほどのハエのカーテンをくぐり抜けて店内に入ると、狭いケージに入れられた犬たちの周囲はウンコまみれでハエがたかっていて、多くの犬の体毛が半分くらい抜け落ちて、皮膚病になった赤い肌が露出していたという。目ヤ二だらけの猫たちは狭い鳥カゴに入れられて山積みにされていて、どの子も生気を失っていたという。

実際、そのペットショップを告発してる個人ブログを見てみたら、目を覆いたくなるほどかわいそうな犬や猫の写真がたくさんあって、あまりにも酷くて涙が出た。鳥カゴに入り切らない猫たちは、短いヒモに繋がれて放置され、お皿には病気で死んだ金魚が乗せられてたけど、猫たちは食べてなかった。

あたしは東京生まれで東京育ちなのに、恥ずかしながら、今回の塩村都議の質疑を聴くまで、東京都内にこんなにも酷いペットショップが存在してたなんて、ぜんぜん知らなかった。塩村都議の報告では、こうした劣悪なペットショップが都内に複数あり、10年以上も前から、周辺住民が苦情や陳情をしてきたのに、東京都は何の改善命令も出さないばかりか、こうした業者の営業資格を更新して来たのだ。

塩村都議は、こうした劣悪なペットショップに対して、東京都がキチンと立ち入り調査をして、改善命令を出して、従わなければ営業資格の取り消しと動物たちの救済をするようにと訴えた。あたしは、この質疑を聴いて、この人は、本気で「自分にできることをやろう」としてるんだと確信した。

そして、次に、少子化問題から、都内でのお産や育児の問題、不妊に悩んでいる女性たちの問題へと入った。これも、動物愛護の問題と同じく、実際に困っている女性、悩んでいる女性たちの声を聴いて回り、それを代弁する形で訴えた。現在の東京都の福祉ではここまでしかできない。でも、実際に困ってる女性たちは、こういう部分に手を差し伸べてほしいと言っている。だから、こういう形の援助が必要だ。塩村都議の質疑は、とても具体的で、とても分かりやすかった。

それなのに、不妊で悩む多くの女性たちの声を代弁していた塩村都議に対して、自民党の議員席から「そんなことを言う前に、おまえが早く結婚しろ!」というヤジが飛び、周りの自民党議員たちがゲラゲラと笑い出したのだ。映像は檀上の塩村議員しか映してないから、映像上では分からないけど、この場にいた複数の野党議員たちは、みんな「舛添都知事も一緒に笑っていた」と証言している。

そして、この状況をやり過ごすために無理して笑顔を作り、原稿を読み続けた塩村都議に、次の「お前は産めないのか!」というヤジが飛び、またゲラゲラと笑いが起こったのだ。塩村都議は涙声になり、それでも気丈に原稿を読み続けた。さっきも言ったように、このヤジは映像じゃ聴き取れなかったけど、何らかのヤジによって、塩村都議の様子が一変したことだけは観ていてよく分かった。

実際に不妊に悩んでいる女性たちの問題を真剣に訴えている女性議員に対して、男性議員からこれほど酷いヤジが飛び、周りの男性議員たちも一緒になってゲラゲラと笑っているということは、7年前の第一次安倍内閣で、柳沢伯夫厚生労働大臣が「女性は産む機械」と言った時から、自民党の男性議員たちの意識は何も変わっていなかったということになる。安倍晋三首相にしても、「男女共同参画」だの「女性の活躍を推進」だのとキレイゴトを言っているのは口先だけで、心の中じゃ麻生太郎副総理と同じように「婦人に参政権を与えたのは失敗だった」って思ってるのかもしれない。


‥‥そんなワケで、あたしは、なるべく同じジャンルの話題は連続しないようにしてるんだけど、前回の自民党の石原伸晃環境相の「金目でしょ」発言に続いて、今回も自民党議員の最悪な発言について取り上げることになっちゃった。でも、ここまで酷いと、さすがにスルーすることはできなかった。ネット上でも批判が相次いでて、この最低なヤジを飛ばした自民党の都議を特定して厳正に処分させるためのネット署名は、アッと言う間に1万人を超えちゃった。この署名を始めた人が、最初にあたしに知らせてくれたので、あたしは2番目に署名したんだけど、ツイッターでRTして呼び掛けたら、わずか半日で1万8000人以上もの人たちが署名してくれた‥‥ってなワケで、今回の最低最悪なヤジを飛ばした自民党の都議を特定して、厳正に処分すべきだと思う人は、以下のネット署名に協力してほしいと思う今日この頃なのだ。


■ネット署名はこちらから■


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