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2014.08.26

野沢雅子さんが語ったプリキュアの伝説の真相

ラジオでは年に何回か、テレビの「視聴率」にあたる「聴取率」を調査する週間があって、その週になると、AM局もFM局も「スペシャルウィーク」とか「パワーウィーク」とか銘打って、賞金や賞品などのプレゼントを通常より豪華にしたり、ゲストに大御所を呼んだりするようになる。だから、リスナーとしても楽しい1週間なんだけど、8月25日からの1週間がコレにあたるため、文化放送でもゴージャスな企画がメジロマックイーンになった。

午後3時30分からの「吉田照美 飛べ!サルバドール」でも、各コーナーがパワーアップされ、ゲストコーナー「サルのアトリエ」では「世界に誇る声の職人芸、聞かせます」ということで、25日(月)は小林克也さん、26日(火)は野沢雅子さん、27日(水)は坂上みきさん、28日(木)は窪田等さん、29日(金)は山寺宏一さんと、「声」を生業とした各ジャンルの大御所が勢ぞろいした。5人とも大好きな人たちなので、こりゃあ1日も聴き逃せないな‥‥ってワケで、あたしは前の週からワクワクと楽しみにしてたんだけど、それより何より、2日目のゲストが野沢雅子さんじゃーーーん!!

野沢雅子さんと言えば、「ドラゴンボール」のシリーズでの孫悟空を筆頭に、悟空の息子の悟飯や悟天、悟空の父のバーダック、悟空の6代あとの孫悟空Jrの声まで1人で演じてるけど、他にも数えきれないほどの作品で主役を演じてる。「ゲゲゲの鬼太郎」の鬼太郎、「いなかっぺ大将」の風大左衛門、「ど根性ガエル」のひろし、「ドロロンえん魔くん」のえん魔くん、「銀河鉄道999」の星野鉄郎、「怪物くん」の怪物太郎、「釣りキチ三平」の三平三平、「プロゴルファー猿」の猿丸、他にも挙げたらキリがないほどだ‥‥って、なに?「ど根性ガエル」の主役は「ひろし」じゃなくて「ピョン吉」だろ!って?まあまあ、細かいことは置いといて、とにかく、ここに挙げただけでも凄いラインナップだと思う。

で、どんな声優さんでも、自分に与えられた役柄に成りきって演じるのは当然だと思うけど、野沢雅子さんの成りきりぶりもハンパなくて、数々の伝説になってる。たとえば、有名な話では、野沢雅子さんは「ドラゴンボール」のシリーズのアフレコの時には、スカートじゃなくて必ずパンツスタイルで臨むそうだ。ナゼかと言うと、悟空が「かめはめ波」を撃つ時に、自分も足を開いて画面の悟空と同じポーズを取って、「か~め~は~め~~~波ーーーー!!」って声を出すためだという今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、マクラで挙げた役柄の数々を見れば分かるように、野沢雅子さんと言えば「元気な男の子の声」ってワケだけど、「プリキュア」を愛してやまないあたしにとっては、「ふたりはプリキュア」と続編の「ふたりはプリキュア Max Heart」で雪城ほのか(キュアホワイト)のおばあちゃん、雪城さなえを演じたことが何よりも強く心に残ってる。お父さん、お母さん、弟と4人でワイワイガヤガヤと暮らしてる美墨なぎさ(キュアブラック)と違って、ほのかはひとりっ子だし、両親は仕事で海外を渡り歩いててメッタに帰ってこない。だから、ほのかにとっては、やさしいおばあちゃんが親代わりみたいなもんだし、ゴールデンレトリバーの忠太郎が兄弟みたいなもんなのだ。

数々の名作の主役をつとめてきた、名実ともに声優界のレジェンドのような大御所の野沢雅子さんが、脇役だし、自分の持ち味とは違う「おばあちゃん役」をやるなんて‥‥って思うかもしれないけど、「ふたりはプリキュア」と続編の「ふたりはプリキュア Max Heart」を全作観れば分かるように、ほのかのおばあちゃんは、とっても重要な役なのだ‥‥ってなワケで、前にも書いたから知ってる人もいると思うけど、今年で11年目を迎えた「プリキュア」のシリーズには、誰も真相を知らない野沢雅子さんの「伝説」がある。

2004年の最初の「ふたりはプリキュア」が制作されることになった時、当初は「プリキュアは1年だけ」という予定だった。まだ海の物とも山の物とも分からない新作なので、ストーリーも半年分しか考えていなかった。放送がスタートして、あまりにも人気が出なければ、半年で打ち切るためだ。だから、それなりに人気が出たとしても、1年で終了する予定だった。だけど、第1話のアフレコが終わると、野沢雅子さんは、他の声優さんやスタッフが全員いるところで、こんなことを言ったのだ。


「絶対に10年は続くシリーズにしようね!」


その場にいた人たちは、みんな驚いて、一瞬「ポカ~ン」としちゃったらしい。だけど、「あっ、そのくらいの心意気でがんばろうね、って意味なのね」って理解して、それぞれが納得したそうだ。そして、第1話の放送が始まったワケだけど、「ふたりはプリキュア」は予想を遥かに超えた大ヒットになり、人気のひとつのバロメーターでもあるバンダイの関連玩具の売り上げも、年間で100億円を突破した。これは、前作「明日のナージャ」の約30億円の3倍以上、大人気だった「おジャ魔女どれみ」のシリーズの平均約58億円の2倍近い数字で、まさに「大成功」となった。

当初は1年で終了する予定だったけど、この結果を受けて、当然のことながら続編が制作されることになった。中学2年生だったなぎさとほのかは中学3年生になり、また新たな敵が現われた「ふたりはプリキュア Max Heart」は、前作以上の大ヒットになり、バンダイの関連玩具の売り上げも120億円以上を記録した。そして、翌年も、翌年も、翌年も、「プリキュア」はリニューアルを繰り返しながら続いて行き、2013年の「ドキドキ!プリキュア」で10年目となり、野沢雅子さんの言葉が現実になってしまったのだ!‥‥ってなワケで、この野沢雅子さんの「伝説」について、プリキュアの生みの親である鷲尾天(たかし)プロデューサーは、次のように述べている。


「(野沢さんが)「10年続けましょう」と言い切ったことは覚えています。役者さんもスタッフもいる前で言ってくださって、みんなビックリして、一瞬、ポカンとしたんですよ。そして「あっ、そういう心意気を持たなきゃね」という気持ちにみんながなったのは確かです。ただ、まだ1話のアフレコが終わった後ですから、放送もされてないし、周囲のリアクションもまったくない状態で言い切った。それが凄かったですね。野沢さんは(プリキュアの)西尾(大介)監督と「ドラゴンボールZ」でも一緒にお仕事をしていたし、この作品に込められている何かを感じ取っていただけたのかな、ということを推測するしかない。ご本人にお聞きしたいんですけど、怖くて聞けないです(苦笑)」
※「プリキュア新聞」2014年3月17日号より


‥‥そんなワケで、「プリキュア」を愛してやまないあたしは、野沢雅子さんが「絶対に10年は続くシリーズにしようね!」と言った意味を知りたくて仕方なかった。だけど、そんなことを知るすべなんてない‥‥と思ってたのもトコノマ、ここでマクラの部分にクルリンパと戻るんだけど、「2日目のゲストが野沢雅子さんじゃーーーん!!」ってワケだ。

こんなチャンスは二度とない!ここはひとつ、ロバ仙人‥‥じゃなくて、吉田照美さんにお願いして、野沢雅子さんがゲストに来た時に質問してもらうっきゃない!だけど、限られた1コーナーの時間内なのに、数々の名作の主役をつとめてきた野沢雅子さんに、こんな「脇役」についての質問などしてもらえるだろうか?‥‥とか言いつつ、あたしのプリキュア愛は完全に「暴走モード」に突入しちゃったから、ダメモトで吉田照美さんに伝えてみることにした。あたしは、長い文章が書ける「ツイットロンガー」に要望を書き、吉田照美さんにツイートした。


Tt3

きっこ @kikko_no_blog
@tim1134 照美さん、こんにちは。野沢雅子さんにぜひ質問してほしいことがあり、こちらに書きました。お時間のある時にお読みください。よろしくお願いいたします。→ http://www.twitlonger.com/show/n_1s4sdgf?new_post=true
2014.08.20 11:42


Tt4

吉田照美 @tim1134
@kikko_no_blog いつも、ありがとうございます。了解しました!必ず、伺いますよ。
2014.08.20 12:00


あたしの無理なお願いを快く引き受けてくださった吉田照美さんに感謝しつつ、あたしの脳裏をよぎったのは、「まだ6日もあるし、照美さんのことだから絶対に忘れるだろうな」という失礼な心配だった。だから、あたしは、「26日(火)の「飛べサル」のゲストの野沢雅子さんに、照美さんがプリキュアの伝説についての質問をしてくれる」ということを、ナニゲにチョコチョコとツイートして、予防線を張っておいた。これもひとつの「プリキュア愛」だ(笑)


‥‥そんなワケで、いよいよ26日がやってきた。あたしは、radikoを録音できるradikaをセットして、ワクワクしながら「サルのアトリエ」を待った。そして、野沢雅子さんの登場なう!‥‥ってなワケで、野沢雅子さんは、「あらいぐまラスカル」でラスカル役をやった時に、ラスカルは鳴き声だけでセリフはないから、台本の「ラスカル」の部分は空欄になってるんだけど、スターリング・ノースの「ラスカル、何が食べたい?」というセリフに対して、台本の自分のセリフの空欄に「角砂糖が食べたい」と書き込んで、その気持ちになって「キー」という鳴き声を出してたという話をしてくださった。なんてワンダホーなんだろう♪

そして、事前に用意してあった質問や、野沢雅子さんにやっていただくメニューもたくさんあったのに、吉田照美さんは、怒涛のマクリを炸裂させて、あたしの質問を無理やり捻じ込んで聞いてくださった。あたしの書いた長い文章を、きっと何度も読んでくださったんだろう。巧いこと要点だけを分かりやすくマトメて、聞いてくださった。野沢雅子さんも、すぐに理解したようで、「ああ、その件ね」みたいな感じになって、すぐに答えてくださった。


Tt5

おおっ!ロバ仙人が聞いてくれた!
2014.08.26 16:31


Tt6

野沢雅子さん「たぶん私の勘で、主役の2人が可愛いんですよ、女の子って好きでしょ?可愛い女の子が、それでヒットする予感があったんですよ、何となく」(文化放送「飛べ!サルバドール」8月26日)
2014.08.26 16:35


Tt7

野沢雅子さん、感激した!もしも「そのくらいの心構えでがんばろう」という意味で言ってたとしたら、ちょっとガッカリだったんだけど、ホントに「ヒットの予感」を感じての言葉だったと知って最高に嬉しい!うわ、このツイート打ちながら涙が出てきた!質問してくれたロバ仙人に感謝!
2014.08.26 16:39


「ふたりはプリキュア」の第1話では、なぎさとほのかは仲良しじゃない。中学1年の時には別々のクラスだった、なぎさとほのか。ラクロス部で活躍するボーイッシュで女の子たちに人気のあるなぎさと、科学部に所属して成績優秀でフェミニンな男の子たちに人気のほのかは、ある意味、正反対の存在だった。そんな2人が、中学2年生のクラス替えで同じクラスになった。そんな背景から始まるのが「ふたりはプリキュア」の第1話だ。

2年間にわたって野沢雅子さんがつとめた、ほのかのおばあちゃんは、この第1話には顔を出さない。ほのかが帰宅して、ゴールデンレトリバーの忠太郎がワンワン鳴いてて、ちょっと変な雰囲気の時に、野沢雅子さん演じるほのかのおばあちゃんは、障子の向こうから声を掛けるだけなのだ。


おばあちゃん 「ほのか、帰ったのかい?」

ほのか 「ただいま、おばあちゃま」

おばあちゃん 「忠太郎、どうかしたのかい?」

ほのか 「うん、たぶん大丈夫」


そして、ほのかは、忠太郎に導かれて蔵の中からプリキュアに変身するためのアイテムを見つけるんだけど、この第1話で、野沢雅子さんのセリフは、たったこれだけなのだ。姿も見せずに、障子の向こうから「ほのか、帰ったのかい?」「忠太郎、どうかしたのかい?」と声を掛けるだけ。たったこれだけの出演なのに、野沢雅子さんは、この作品から「ヒットの予感」を感じ取ってくれてたのだ!この「ふたりはプリキュア」の第1話、まだ観てない人がいたら、ぜひ観てほしいので、最後に無料配信のURLをリンクしておく。


‥‥そんなワケで、あたしは、PCの前で狂喜乱舞して、気がついたらティッシュで目頭を押さえてた。あたしの愛するなぎさのことを、ほのかと同じように可愛がってくれたおばあちゃん役の野沢雅子さんから、あたしが期待してた通りの言葉を聞くことができるなんて、これ以上の幸せはない。だって、鷲尾天プロデューサーでさえも真相を知らなかったんだから、今回の野沢雅子さんの言葉は、全国のプリキュアファンにとっても「宝物」になったと思う。野沢雅子さん、本当にありがとうございました!そして、こんな無理なお願いを聞いてくださったロバ仙人にも、心から感謝してるので、いつか「ぱふぱふ」してあげようと思った今日この頃なのだ♪(笑)


「ふたりはプリキュア」「ふたりはプリキュア Max Heart」「ふたりはプリキュア Splash Star」「Yes!プリキュア5」の第1話が無料で観られるチャンネルです!
http://gyao.yahoo.co.jp/special/precure/


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