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2014.11.14

しし座流星群とヘラクレス

今月の10日ごろから「おうし座流星群」が観え始めたけど、「おうし座流星群」はしばらく続くから、来週の17日から18日にかけてピークを迎える「しし座流星群」の時にも「おうし座流星群」が混じると予想されてる。だから、今の時期は、わざわざピークの日に合わせなくても、いつでもいくつかの流星を観ることができる。でも、寒い思いをして観測するんだから、なるべくなら効率よく観られたほうがいい。だから、17日から18日にかけては、絶好の流星観察日和ってことになる。

「しし座流星群」は、いっぱい飛ぶ年とほとんど飛ばない年があるので、日本では「三大流星群」には数えられてないけど、いっぱい飛ぶ年には大変なことになる。最近では、2001年に、大きな火球がジャンジャン飛んで、1時間に5000個もの流星が降り注いだ。だから、雨でも降らない限り、毎年、絶対に観測しとくべき重要な流星群だ。

17日の月曜日は、冬型の気圧配置で、全国的に晴れるみたいなので、なかなか期待できると思う。基本的には、しし座が上ってくる東の空が放射点になるけど、放射点から離れた場所にも飛ぶから、いつものように広範囲にボンヤリと眺めてるといい‥‥ってなワケで、「冬の天体観測は寒いから苦手」って人も多いけど、常にポジティブなあたし的には「冬は蚊が出ないからラッキー♪」って思ってる。

それに、寒いと言っても、まだ11月だ。12月の「ふたご座流星群」や1月の「しぶんぎ座流星群」と比べたら、ぜんぜん余裕!ちょっと厚着をして、ボトルごと湯煎した赤ワインを魔法瓶に入れて、キャンプ用の金属のマグでレモンスライスを浮かべて飲みながら夜空を眺めてるのは、何とも言えない至福のひと時な今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、17日から18日にかけて「しし座流星群」を観る人たちが、さらに楽しめるように、あたしの大好きなギリシャ神話から、この「しし座」の成り立ちを書いておこうと思うんだけど、この「しし座」の「しし」って、ヘラクレス的には、実は、ものすごく重要な「しし」なのだ。ヘラクレスは誰でも知ってるギリシャ神話の最強の英雄で、神々の中の神であるエロ親父のゼウスと、ペルセウスの孫のアクルメネという人間の女性との間に生まれたので、正確には「神」じゃなくて「半神半人」だ。

さらに言えば、このアクルメネという女性は、ミュケナイ王の王妃だった。つまり、ゼウスは、王様の留守中に、王妃とエッチしちゃったワケだ。ま、このクダリは、例によって長くなるから割愛しちゃうけど、神と人間の間に生まれたとは言え、半分は神々の中の神であるゼウスの血を引いてるんだから、そのパワーはもの凄い。ヘラクレスは、山脈を持ち上げたり、大陸を引きちぎったりしちゃうんだから、そこらの生粋の神様たちも一目置くほどの怪力の持ち主だ。

で、あまり細かく書いてると、またまた「前編」「中編」「後編」に分けることになっちゃうから、今日は思いっきりサクサク進むけど、全知全能の神、ゼウスには、ヘラという本妻がいるワケだから、このヘラクレスは、言うなれば「愛人の子」ってことになる。だから、本妻のヘラには憎まれてた。でも、他の子たちと同じようにヘラクレスのことを思っていたゼウスは、人間の血が混じってしまって不老不死ではなくなってしまったヘラクレスを、自分たち神と同じ不老不死にするために、寝ているヘラの母乳を飲ませようとする。

でも、生まれた時から怪力のヘラクレスだったから、オッパイを吸う力もダイソンの掃除機並みで、寝ていたヘラはその痛みで目を覚ましてしまった。何事かと思って自分の胸を見ると、あの憎きヘラクレスが自分の乳房に吸いついている。カッ!と頭に血が上ったヘラは、まだ生まれたばかりの赤ちゃんであるヘラクレスのことを突き飛ばしてしまった。

この時、飛び散った母乳の筋が「天の川」になった。だから、英語で「銀河」や「天の川」を指す「ギャラクシー(galaxy)」は、ギリシャ語で「ミルク」「ミルクの道」を表わす「ギャラクシアス(galaxías)」が語源だし、英語では「天の川」のことを別名「ミルキーウェイ(milky way)」とも言う‥‥ってなワケで、あんなに美しい「天の川」なのに、「本妻が愛人の赤ちゃんを突き飛ばした時に飛び散った母乳」だと思って観ると、ナニゲにイメージが違ってきちゃうことウケアイだ(笑)


‥‥そんなワケで、あまりにもヘラクレスを憎んだヘラは、ヘラクレスが寝息を立ててた揺りかごの中に猛毒のヘビを忍び込ませたんだけど、それに気づいたヘラクレスは、そのヘビを両手でつかんで引きちぎってしまった。さすがはヘラクレス、赤ちゃんなのに、もはや無敵なう!つーか、さすがはメデューサを倒したペルセウスの孫だ。ヘビ系統には特に強いなう!‥‥ってワケで、こんなにヘラに憎まれてたのに、その名前は「ヘラクレス」、「ヘラの栄光」という名前だったのにも運命を感じる。

ちなみに、さっきからずっと「ヘラクレス」って書いて来たけど、これはギリシャ語の読み方で、ローマ語にすると「ハーキュリーズ」になる。その昔、「マイティ・ハーキュリー」っていうアメリカのアニメがあったけど、あれは「ヘラクレス」を英語読みしたものだ。

そんなこんなで、ここらでザックリと先へ進むけど、赤ちゃんの時に猛毒のヘビを引きちぎっちゃうくらいだから、ヘラクレスは素晴らしい体格ですべての武術に精通した立派な青年に成長した。そして、王様の娘のメガラをお嫁さんにして、3人の子どもをもうけて、幸せに暮らしましたとさ。めでたし、めでたし‥‥って、ここで終わらないのが「ギリシャ神話」ってワケで、まだまだヘラクレスのことを憎み足りなかったヘラが、ヘラクレスの耳に「狂気」を吹き込んだのだ。

ヘラの「狂気」によって、頭がおかしくなってしまったヘラクレカは、その怪力で、自分の愛する3人の子どもたちを、こともあろうに、火の中に投げ込んで焼き殺してしまったのだ。そして、それを見た妻のメガラは、ショックで自殺してしまった。ヘラクレスは、ヘラの憎しみによって、愛する家族全員を一度に失ってしまったのだ。さあ、いよいよ「ギリシャ神話」らしくなってきたところで、ようやく正気に戻ったヘラクレスは、自分の犯してしまった大罪に恐れおののき、理性の神であるアポロンの神託を受けに行った。

ヘラクレスは、アポロンから「ミュケナイの王、エウリュステウスに仕えて、10の試練を成し遂げろ!」と言われた。そうすれば、罪を償うことができると‥‥ってワケで、さっそく、ヘラクレスはエウリュステウス王の元へ向かった。実は、このエウリュステウス王も、ヘラクレスと同じペルセウスの子孫なので、ヘラクレスとは遠い親戚にあたる。だから、ヘラクレスは、「10の試練」と言っても、それなりにユルヤカなものを期待してたのもトコノマ、一方のエウリュステウス王のほうは、尾ひれのついたヘラクレスの悪い噂をマウンテンに聞かされてたから、ヘタしたら自分の王座をおびやかすかも知れないと勘繰り、絶対に無理そうな厳しすぎる「10の試練」を用意していた。それが、次のものだ。


1.ネメアのライオン退治
2.レルネのヒュドラ退治
3.ケリュネイアの鹿の生け捕り
4.エリュマントスの猪の生け捕り
5.アウゲイアスの牛小屋の掃除
6.ステュムパリデスの鳥退治
7.クレタの牡牛の生け捕り
8.ディオメデスの人食い馬の生け捕り
9.アマゾンの王女の腰帯の奪取
10.ゲリュオンの赤い牛の生け捕り
11.ヘスペリデスの黄金のリンゴの入手
12.地獄の番犬ケルベロスの生け捕り


おいおいおいおいおーーーーい!、「10の試練」なのに12個かーーーーい!‥‥ってなワケで、最初にタネ明かしをしちゃうけど、最初は10番までだったのだ。だけど、ヘラクレスってば、2番目の「レルネのヒュドラ退治」と、5番目の「アウゲイアスの牛小屋の掃除」をクリアしたとは認めてもらえずに、後から11番と12番を追加されちゃったのだ。

ちなみに、2番目の「レルネのヒュドラ退治」ってのは、胴体が巨大な犬で、首が100本のヘビになってる怪物で、その100本のヘビの中の1つだけが不死の本体なので、そいつを斬らないと倒すことができない。だけど、どれが本体だか分からないから、とりあえずカタッパシから斬り始めたのもイタノマ、1本のヘビを斬ると2本のヘビが生えてくる。斬れば斬るほどヘビが増える。これじゃあラチがあかないってワケで、ヘラクレスが1本のヘビを斬り落とした瞬間に、お供の子分が切り口をタイマツで焼いて次のヘビが生えて来ないようにする‥‥って作戦で退治することに成功した。

それなのに、ああそれなのに、それなのに‥‥って、久しぶりに五七五の俳句調で嘆いちゃうけど、この報告を聞いたエウリュステウス王は、冷淡にも「お供の協力があって退治したのだから、この試練は無効だ!」と言い放ったのだ。エウリュステウス王的には、なるべく失敗してほしい。できることなら、ヘラクレスが怪物に殺されちゃえばいいと思ってた。だから、こんな厳しいことを言ったのだ。

そして、5番目の「アウゲイアスの牛小屋の掃除」、これも酷い話なのだ。アウゲイアスという男は、牛を3000頭も飼っているのに、自分の牛小屋を30年間も掃除してなくて、天井まで糞が山積みだった。エウリュステウス王は、これをたった1日で掃除しろと言ったんだけど、そんなことは物理的に不可能だ。だけど、そこは体力だけじゃなくて知力も人一倍だったヘラクレス、まずはアウゲイアスに「1日で牛小屋をピカピカに掃除できたら牛の1割をもらう」という約束を取りつける。そして、自分自身にやる気を起こさせてから、近くを流れる川を強引に牛小屋のほうへ引いてきて、川の流れで牛小屋の中を一気に流してしまった。山積みだった糞はすべて流れて行き、牛小屋はピカピカになった。

それなのに、ああそれなのに、それなのに‥‥って、またまた嘆いちゃうけど、アウゲイアスはアウゲイアスで「王様から言われた仕事なのに報酬など払えない」と言って牛を1頭もくれないし、エウリュステウス王はエウリュステウス王で「償いなのに報酬を求めたのだから、この試練は無効だ!」と言い放った‥‥ってなワケで、この2つの試練も、一応はクリアしたのに、クリアしたとは認めてもらえず、11番と12番を追加されちゃったってワケだ。タイトルだけを見れば、11番の「ヘスペリデスの黄金のリンゴの入手」はいいとしても、12番の「地獄の番犬ケルベロスの生け捕り」は限りなく恐ろしい雰囲気がマンマンだ。

ま、今日はそこまでは書かないけど、話をクルリンパと戻して、このヘビーすぎる試練の1番目の「ネメアのライオン退治」、この「ライオン」こそが「しし座」の「しし」のことなのだ‥‥ってなワケで、1番目の試練に向かったヘラクレスは、多くの人々を食い殺しているというライオンを退治するために、そのライオンが住むネメアの谷を目指した。ヘラクレスが発見した巨大なライオンは、普通のライオンではなく、怪物から生まれた不死身のライオンで、矢をも通さない強い毛皮をまとっていた。

ヘラクレスが目的のライオンを発見すると、ちょうど満腹で昼寝をしていたので、「チャ~ンス!」と思ったヘラクレスは、岩陰から矢を放った。鋭い矢はライオンの脇腹に命中したが、刺さらずに跳ね返ってしまった。やはり、「矢をも通さない」というのはホントだった。目覚めたライオンが飛びかかって来たので、ヘラクレスは棍棒で応戦するが、その棍棒も織れてしまう。武器がなくなったヘラクレスは、素手でライオンと渡り合う。そして、怪力でライオンの首を締め上げるが、ライオンもただのライオンじゃない。もの凄い力でヘラクレスの腕を振りほどこうとする。

ヘラクレスが締め上げる。ライオンが振りほどこうとする。こんな状態が三日三晩も続き、とうとうライオンは力尽きてしまった。カチドキをあげたヘラクレスは、ライオンの皮を剥ぎ、自分の服にしてしまった。これが、「矢をも通さぬヘラクレスの毛皮」だ。そして、ライオンの肉は村の人たちに分け与えられ、ライオンの魂はゼウスが夜空へ上げて「しし座」となった。「しし座」の心臓に位置する1等星の「レグルス」は、ヘラクレスと3日も戦ったライオンの強さを讃えて「王者の星」と呼ばれている。


‥‥そんなワケで、これはあくまでも「10+2の試練」の最初の1つであって、この後、11もの試練が続くワケだけど、そのどれもが尋常じゃない。たとえば、6番目の「ステュムパリデスの鳥退治」と言っても、これが普通の鳥じゃないことはウスウス想像できるだろう。その通り、クチバシや翼が青銅でできた怪鳥で、人間なんか突かれただけでひとたまりもない。7番目の「クレタの牡牛の生け捕り」にしても、頭が3つもある猛牛だ。一番ラクそうな11番目の「ヘスペリデスの黄金のリンゴの入手」にしたって、このリンゴの木があるのが「この世の果て」なのだ。取りに行くだけで「ドラゴンクエスト」をクリアするぐらいの道のりがある。だから、とてもすべてを書くワケには行かないけど、少なくとも17日に「しし座流星群」を観るためには、1番目の試練だけをクリアしとけばOKな今日この頃なのだ♪


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