一平ちゃんがガメラになった日
カップ麺を作る時、あたしは「麺は硬め」が好きなので、カップ麺でもカップ焼きそばでも、フタに書いてある時間よりも短い時間にする。3分のものなら、1分30秒から2分くらいだ。特にカップ焼きそばの場合は、麺が柔らかくなりすぎると絶対に美味しくないから、ものすごくコダワリのある作り方をしてる。
まず、お湯はグラグラに沸いた熱湯を使うこと。そして、熱湯をタップリと入れたら、1分20秒~1分30秒でお湯を捨てて、まだ硬さの残ってる麺にソースをかけて、お箸でワサワサと混ぜて、またフタをして30秒ほど蒸らす。これがあたしの作り方だ。こうすると、腰があって美味しい焼きそばになる。
こうしたカップ麺やカップ焼きそばの作り方は、人それぞれだと思うけど、誰にでも共通する裏ワザや小ワザもある。たとえば、カップ焼きそばの場合は、乾燥したキャベツとかの具を麺の上に出さずに、麺を少し浮かせて、麺の下に入れるようにする。こうしてお湯を入れると、お湯を捨てる時にキャベツが湯切り口の穴を塞がないので、短時間でお湯を捨てることができる。
でも、これは、カップ焼きそばのお湯が切りにくかった時代の裏ワザであって、世の中のほとんどのカップ焼きそばが「ジェット湯切り口」を採用するようになってからは、かたくなにレトロな湯切り口を守り続けるぺヤングぐらいでしか使わなくなってた。そして、そのぺヤングも、しばらく前の「ゴキブリ事件」を期にリニューアルされて、ついに「ジェット湯切り口」を採用するようになった。だから、この「麺の下に具を入れる」という裏ワザは、もはや過去の遺物となってしまった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、日本の「三大カップ焼きそば」と言えば、たぶん「ぺヤング」「UFO」「一平ちゃん」だと思うけど、あたしは、この中で「一平ちゃん」を一番よく食べてきた。あたしが好きなのは「ぺヤング」なんだけど、「ぺヤング」と「UFO」はあまり安くならない。だけど「一平ちゃん」は比較的、安くなることが多い。スーパーの通常のセールだと98円になるし、時には78円の時もある。
あとは、スーパーカップの「大盛りいか焼そば」とか、ちょっと前にはマルちゃんの「俺の塩」とかも100円以下になることが多かったけど、何故だか「ぺヤング」と「UFO」はメッタに100円以下にはならない。タマに値引きされてセールの棚に並んでても「115円」とか「125円」とかなので、あたしは、ヨホドのことがなければ買わない。
だって、カップ焼きそばを2個250円で買うくらいなら、シマダヤとかの焼きそばの生麺の3食入りのやつが98円になってる時に、20円のモヤシと、賞味期限がその日までで半額シールが貼ってある100円のチクワを買ってきて、フライパンで本格的なソース焼きそばを作ったほうが、遥かに美味しいからだ。何なら紅ショウガを100円で買っても合計270円だし、これで3食なんだから確実にお得だ。
だけど、カップ麺やカップ焼きそばって、タマに「どうしても食べたい」という気分になる。カップ麺にしても、5個入りのインスタントラーメンをセールの時に買ったほうが遥かに安上がりだけど、タマに「どうしてもカップ麺のカレー味が食べたい」という気分になる。だから、そんな時は、あたしは「1個100円以下」というマイルールの中で買うようにしてる。
‥‥そんなワケで、「たかがカップ焼きそば」でも「されどカップ焼きそば」なんだから、それなりに日進月歩してるワケで、今は小ワザや裏ワザはほとんど必要なくなった。あたしみたく「麺は硬め」が好きな人は規定の時間よりも早めにお湯を捨てるとか、「一平ちゃん」にソースもマヨネーズも入れると味が濃くなりすぎるからソースだけにするとか、ソースとマヨネーズを半々にするとか、個人的な好みや味覚の違いで微調整するぐらいで、コレと言った裏ワザは耳にしなくなった。
でも、実はあたしは、今まで誰にも話したことがない「一平ちゃん」に関する物凄い裏ワザを持ってる。最初に発見したのは、今から10年以上も前なんだけど、これは「味が美味しくなる」とかの裏ワザじゃなくて、ただ単に「面白い」というだけの裏ワザなので、特にブログで紹介することもなく、今日までは自分だけの密かな楽しみとして、この作り方を続けて来た。だけど、ここんとこ、政治や社会問題に関連したエントリーが続いてたので、タマには息抜き的な感じのエントリーも挟んでみようと思い、今回、満を持して発表してみることにした。
普通、カップ焼きそばにお湯を入れる時には、テーブルの上に置いてると思う。テーブルじゃなくても、お湯を捨てやすいようにキッチンのシンクの横とか、まな板の上とか、とにかく平らな場所に置いてると思う。もちろん、あたしもずっとそうしてた。だけど、10年以上前のある日のこと、買い置きしておいた「一平ちゃん」を食べようと思い、ヤカンにお水を入れて火にかけて、「一平ちゃん」のビニールを剥がして、フタを少し開けて具やソースなどを出して、具だけを入れて、キッチンのシンクの横に置こうとしたら、スペースがない。洗った食器を水切りしてたので、狭いスペースが埋まってたのだ。
それで、いつもならキッチンのテーブルの上にでも置くところなんだけど、その時、食器の水切りの隣りに置いてあったプラスティックのザルが目に入った。100円ショップで買ってきた直径20センチくらいのボウルの中にザルが入ってるセットだ。茹でたおそばとかをザルに入れて流水で洗って、そのままボウルに入れて水切りする時とかに使うアレだ。
で、あたしは、ナニゲに「一平ちゃん」をそのザルに入れてみたんだけど、そしたら大きさがピッタリだった。「一平ちゃん」は、ほぼ正方形だけど、その四隅がザルのフチに引っ掛かってピッタリと収まったのだ。それで、あたしは、そのままの状態で、いつものようにグラグラに沸いた熱湯をタップリと入れ、フタをして、フタの上に小袋の液体ソースを乗せた。
そして、1分30秒後、シンクにお湯を捨てて、フタを半分まで開けて、また同じようにザルにスッポリとはめて、ソースをかけてお箸でワサワサと混ぜて、フタをして30秒ほど蒸した。これで完成なので、今度はフタをぜんぶ剥がして捨てて、冷蔵庫からオカカと紅ショウガを持ってきてトッピングしてから、居間のテーブルへと運んだ。そして、テーブルに置いて食べようとしたら、「あれれれれ?」
テーブルに置いた「一平ちゃん」が、なんかビミョ~に斜めになってて、手で触るとユラユラと揺れる。「いったいどうなってんの?」と思ったあたしは、「一平ちゃん」を持ち上げて容器の底を見てみたら、ナナナナナント!平らなハズの底がわずかに球面のようになってカーブを描いてたのだ!
そう!いつもは平らなテーブルの上とかに置いて熱湯を注いでたから、どんなに熱くなっても容器の底が変形することはなかったんだけど、この時はザルに入れてから熱湯を注いだから、容器の底が宙に浮いた状態だったため、熱とお湯の重さによって、ビミョ~に膨らんじゃったのだ!
もちろん、バレーボールやスイカみたいな曲面になったワケじゃなくて、パッと見ただけじゃ分からないほどのわずかな曲面なんだけど、テーブルに置けばユラユラと揺れるし、両端を持って回すとコマみたいに回る。あたしは、テーブルの上でクルクルと回る「一平ちゃん」を見て、「ガメラみたいだな」って思った。
‥‥そんなワケで、これは何の意味もない裏ワザだから、わざわざやってみようと思う人はほとんどいないと思うけど、もしも夏休みの自由研究的なフレーバーでやってみようと思った人がいたら、成功させるポイントは1点だけ、「グラグラに沸いた熱湯をタップリと注ぐ」ということだけだ。あたしは今までに何度も何度もやったことがあるけど、電気ポットの保温状態のお湯を使った時や、沸かしたお湯の量が少なくてタップリ注ぐことができなかった時は、容器の底は変形しなかった。つまり、「熱」と「重さ」がポイントってワケだ。それから、「一平ちゃん」にピッタリのザルがない人は、ようするに「容器の底が宙に浮いた状態」であればいいワケだから、雑誌を積み重ねたりダンボール箱を利用したりして容器のフチが引っ掛かる台を作るか、イザとなれば1分30秒間ずっと両手で持ってるっていう方法もあるので、興味を持った人はチャレンジしてみてほしい今日この頃なのだ♪
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