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2016.03.28

闇サイト殺人事件の被害者、磯谷利恵さんのお母さまからの死刑制度に関するメッセージ

今から8年半前に起こった「闇サイト殺人事件」のことを覚えている人は、どれくらいいるだろうか。平成19年8月24日、名古屋で、31歳のOLの磯谷利恵さんが、犯罪仲間を募集する闇サイトで知り合った3人組の男に拉致されて、惨殺された事件だ。

利恵さんのお父さまは、利恵さんが生まれたばかりの1歳の時に病気で亡くなった。それから、お母さまの富美子さんが女手ひとつで、利恵さんのことを大切に育ててきた。利恵さんは社会人になり、世界で一番大切なお母さまのために、一緒に暮らすお家をプレゼントしようと思って、コツコツと貯金をしてきた。

そんな利恵さんが、たまたま、この凶悪犯3人の目に止まってしまい、拉致され、惨殺されてしまったのだ。金銭目的の凶悪犯たちは、何とか利恵さんからキャッシュカードの暗証番号を聞き出そうと暴行を加え続けたけど、お母さまのために必死で貯めてきた貯金を、こんな暴漢どもに渡したくなかった利恵さんは、最後まで本当の番号を言わずに、結局、惨殺されてしまった。

この事件が起こった時、あたしは利恵さんと同世代で、あたしの母さんも利恵さんのお母さまと同世代だったので、あたしは自分のことのように感じてしまい、悲しみよりも怒りを、苦しみよりも憎しみを覚えた。あたしは、母ひとり娘ひとりという、利恵さんと同じ家庭で育ったから、世界中の誰よりも母さんのことを大切に思ってる。だから、もしもあたしが利恵さんだったら、もしもあたしが凶悪犯たちに金銭目的で拉致されて惨殺されたら、あたしの母さんはどんな思いをするのだろうか、それを想像したら、富美子さんの悲しみが全身に伝わってきて、悲しくて悔しくて涙が止まらなくなった。

こんな鬼畜ども、絶対に許せない!全員を死刑にしてもぜんぜん足りない!あたしは、この鬼畜どもを死刑にするために富美子さんが始めた署名に微力ながら協力して、最終的には33万筆を超える署名が集まった。そして、富美子さんは、この膨大な署名を裁判所に提出した。それなのに、死刑判決になったのは主犯の1人だけで、他の2人は無期懲役という信じられないほど甘すぎる判決で済まされてしまったのだ。

私利私欲のために、カネ欲しさのために、何の罪もない女性を、お母さまのことを思って一生懸命に生きて来た女性を、言葉にはできないほどの残酷な方法で殺したのに、刑務所で一定の年月を過ごせばシャバに出てこられる無期懲役。取り調べや裁判で利恵さんやお母さまを侮辱し、その後、自分の罪を少しでも軽くしてもらうために反省してる演技をした凶悪犯どもが、その演技を買われて無期懲役。こんな理不尽なことがあってもいいのだろか?


‥‥そんなワケで、今日は「いかがお過ごしですか?」は割愛してくけど、2015年現在、世界194カ国のうち、ちょうど半分の97カ国が死刑を廃止してる。そして、国家反逆罪などの特別な犯罪だけは死刑を規定していても一般刑法犯には死刑を適用していない国が7カ国ある。それから、法律上は死刑制度があっても、実際には死刑を執行していない国が48カ国あるので、事実上は、世界194カ国のうち78%にあたる152カ国が死刑を行なっていないことになる。

一方、日本を始めとして現在も死刑が行なわれている国は、残り42カ国なので、国の数としては少数派になる。だけど、人口の割合で見ると、世界で最も人口の多い中国、2番目のインド、3番目のアメリカ、4番目のインドネシア、6番目のパキスタン、7番目のナイジェリア、8番目のバングラデシュ、10番目の日本と、上位10カ国のうち8カ国が死刑を行なっているため、世界の人口の50%以上が死刑を認めている国の人たちということになる。

ただし、先進国だけを見てみると、死刑を行なっているのはアメリカと日本だけで、EU諸国はすべて死刑を廃止している。このことから、日本も死刑を廃止するのが「先進的」だという議論が継続的に起こっている。日本で死刑廃止を主張する人たちは、「死刑は国家による殺人だ」とか「凶悪犯罪者にも人権がある」とか「冤罪で死刑になってしまったら取り返しがつかない」とか、だいたいはこの辺のことを死刑に反対する理由に挙げている。

あたしは、こういう主張は、分からないでもない。でも、利恵さんのお母さまの富美子さんと何度もメールのやり取りをして、大切なひとり娘を惨殺された母親の気持ちを痛いほど知っているので、安易に「死刑制度反対」とは言えない。もしも、あたしが惨殺されたら、あたしの母さんはどう思い、残りの人生をどうやって生きて行くのか?もしも、あたしの母さんが惨殺されたら、あたしは、どうなってしまうのか?きっと気が狂ってしまうかもしれない。

死刑制度に反対する人たちは、もしも、あなたの子どもが、あなたの親が、あなたの妻や夫が、あなたの兄弟が、何の接点もない金銭目当ての凶悪犯に惨殺されても、それでも「死刑廃止」と言えるのだろうか?あなたの大切な家族や恋人を惨殺した憎き犯人が、裁判で死刑判決を受けた時、あなたは減刑を求める陳情書を提出するのだろうか?

こんな言い方はあまり好きじゃないけど、死刑廃止を主張してる人たちの何割かは、あたしは、結局は「他人事」なんじゃないかと思ってる。自分の家族や恋人を殺されたことがない人たち、ようするに、当事者じゃない人たちが理想論を言ってるだけのようにしか見えない。だって、少なくともあたしの場合は、もしも母さんが凶悪犯に惨殺されたとしたら、死刑でもぜんぜん足りないと思うからだ。

だけど、しばらく前に、あたしが「死刑制度は必要だ」ということをツイッターでつぶやいたら、けっこう多くの人たちから、批判のリプライが届いた。中には、批判というよりも誹謗中傷のような内容のものもあった。私利私欲のために何の罪もない人を惨殺した凶悪犯にも、人権というものがあるという。それなら、殺された人やご遺族の人権はどうなるのか?どうして被害者よりも加害者のほうが擁護されなければならないのか?あたしには理解できない。

そこで、今回、利恵さんのお母さまの富美子さんに、日本の死刑制度について、当事者としてのご意見を聞いてみた。以下、富美子さんから届いた回答のメールを、許可をいただいたので、全文そのまま掲載する。


きっこ様
ご無沙汰しております。
お返事を差し上げるのが遅くなり申し訳ございません。
その節は大変お世話になりました。有難うございます。

あれから8年以上経ちましたが、未だに娘が亡くなった事を受け入れきれずにいます。毎日何気に思い出す事が多いためでしょうか、何年も会っていない事が嘘のようです。

さて、お尋ねの死刑制度存続についてですが、極刑を求める署名活動をした時と同じで、私の気持ちは変わっていません。残された遺族の為にも、死刑は必要な刑だと思います。そして、確定から半年以内に執行していただきたいです。

私は、娘の惨い姿につながる事件は、一日も早く忘れたいと思っています。彼等とはもうかかわり合いになりたくありません。思い出すのも嫌です。

その気持ちとは矛盾しますが、加害者の処遇に関する連絡をお願いしています。その為に、無期刑の二人に関して、簡単な内容だけですが年に2回連絡書が送られてきます。

彼らが更生しようがしまいが全く興味はありません。死刑にならなかった彼等には、死刑の方がましだと思うような刑務所生活を送って欲しいと思うだけです。

私は、娘を亡くして初めて司法に目を向けました。テレビのドラマを見て、勝手に思い込んでいた世界とは違っていました。それまでは、犯した罪に見合う刑を、専門の方がきちっと裁いて下さっていると思っていました。司法にかかわっている方々は、正義感にあふれていらっしゃる方だと勝手に思い込んでいました。

しかし、遺族の立場で見た世界は違っていました。過去の判例が重要視され、死刑選択に被害者の数が大きく影響を及ぼしている事も知ました。

うわべだけの反省が、死刑選択の項目に挙げられているのも解せません。悪い事をしたら、謝罪するのは当たり前の事です。しないよりする方が良いに決まっていますが、だからといって特別に考慮する必要はないと思います。

最近よく加害者が使う黙秘権についても疑問を持っています。悪い事をしたら正直に話す事が、謝罪の姿勢の第一歩だと思っていますが、司法の世界では、確たる証拠が無ければ黙っている事で起訴を免れる事ができます。起訴されなければ、何も無かった事と同じです。

再犯を繰り返す度に、彼等は減刑の方法を学んでいく様な気がします。司法の世界を知らなかった私が、娘の事件で色々な事を知ったように。

私は、今の死刑選択の方法を変えて頂きたいと思っています。今のように、諸事情を積み重ねてやっと死刑判決に到達するやり方ではなく、人を殺したら死刑からスタートさせていただきたいと思います。その上で、諸事情を考慮して減刑するやり方に変えて頂きたいと思います。

娘の事件のように、何の関係も落ち度もない人を、身勝手な欲の為に惨殺するのは、死刑が当たり前になって欲しいです。加害者の人権と同等に、被害者の人権も扱って欲しいです。

大変遅くなりましたが、今の私の率直な思いを書きました。

2016年3月27日  磯谷富美子


‥‥そんなワケで、この富美子さんのメールを読めば、凶悪犯罪の被害者になってしまった当事者の気持ちがよく分かると思う。あたしは、死刑に反対する人たちの「死刑は国家による殺人だ」という主張も分からなくはない。だけど、死刑がなくなり、最高刑で30年ほどでシャバに出てこられる無期懲役だけになってしまったら、富美子さんのように、大切なひとり娘を見ず知らずの暴漢たちに金銭目的で惨殺された人は、どうなってしまうのか?とも思う。もちろん、死刑が被害者やご遺族の復讐の道具になってしまうことは倫理的に問題があると思うけど、家族を殺されたご遺族の立場になれば、自分の手で犯人を殺してやりたいと思うのが普通なのだから、涙を飲んで拳を握りしめて自分の気持ちを抑えて司法に委ねている以上、裁判所で下る判決がご遺族にとっての唯一の復讐になる。それが、2~30年でシャバに出てこられる無期懲役だなんて、あたしなら絶対に納得できない。だから、どうしても死刑を廃止しろと言うのなら、その代わりに、一生シャバに出てこられない終身刑を導入して、食事も最低限のものだけ、娯楽はゼロ、毎日死ぬまで辛い労働を強いる北朝鮮みたいな刑罰、凶悪犯どもが「死刑になったほうがマシ」だと思うような刑罰を新設してほしいと思う今日この頃なのだ。


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2016.03.23

プリキュアが教えてくれたこと

今年2月に最終話を迎えた「Go!プリンセスプリキュア」は、プリキュアシリーズの生みの親でもある鷲尾天(たかし)プロデューサーがスーパーバイザーという形で戻ってきての作品だったから、ファンの間で通称「無印」と呼ばれている初代「ふたりはプリキュア」からの大ファンのあたしにとっては、作品自体を楽しむことは当然として、その裏に隠された鷲尾プロデューサーの思いをどこまで感じ取ることができるか、それも楽しみの1つだった。

この作品は、基本的には「友情」や「努力」といったプリキュアの原点を踏襲しつつも、女の子なら誰もが憧れたことのある「プリンセス」というベタな世界がテーマだったことと、「女の子が自分の夢の向かって1段ずつ上って行く」という王道ストーリーだったため、一部のファンからは「保守的だ」という指摘もあった。

でも、あたしの感覚は正反対で、とても「革新的」な作品だと感じた。2月3日のブログ、「ありがとう!プリンセスプリキュア!」でも取り上げたけど、フローラは、実質的なラスボスであるクローズとの最終決戦で、次々と繰り出してくるクローズの強力な攻撃を防御するだけで、自分からは決して攻撃をしなかった。そして、自分たちが何よりも大切にしている「夢」に敵対する「絶望」に対して、否定や排除ではなく、肯定と理解で対峙したのだ。

夢と絶望は表裏一体、夢があるから絶望があり、絶望があるから夢がある。どちらか一方だけを排除することなんてできない。だから、わたしは絶望を受け入れる!そして、その絶望に負けず、絶対に自分の夢を叶えてみせる!

倒しても倒しても復活してくるクローズだけでなく、倒すたびにプリキュアたちにも心をひらくようになってきたシャットやロックたちと1年間、戦い続けてきて、フローラがたどり着いた答え。それが、この、「相手との対話」であり、「相手を受け入れること」であり、「相反するものとの共存の道」だった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、アニメにしろ実写版にしろ、日本のヒーローものは長年「勧善懲悪」がお約束だった。主人公のヒーローやヒロインたちは絶対的な「正義」であり、そんなヒーローやヒロインたちに逆らう者はすべて「悪」と決まっているから、完膚なきまでに叩きのめしても誰からも文句など出ない。そして、「悪」は存在自体が「悪」だから、敵を倒すのに理由などいらないし、後付けの理由でも嘘の理由でも通用してしまう。

アメリカが「テロリスト認定」をしてしまえば、その瞬間から、相手は「悪」となり、その「悪」を攻撃するアメリカは「正義」となる。ありもしない「大量破壊兵器」を理由に、雨あられのようにミサイルを撃ち込み、何の罪もない市民を15万人以上も殺しても、アメリカの制作した台本の上ではアメリカが「正義」なのだ。自分たちの価値観こそが「正義」なのだから、相手の言いぶんなど聞く必要はない。自分たちの価値観を他国や多民族に押しつけることこそが、「民主化」という名のアメリカの「正義」なのだ。

そして、こんなアメリカン・テイストが満載の勧善懲悪ストーリーは、日本のヒーローものという創作の世界でも、長年、当たり前のように王道を形成してきた。でも、この日本のヒーローものの伝統芸に一石を投じた作品の1つが、10年以上にわたって続いてきたプリキュアのシリーズなのだ。当初こそ、最終話ではラスボスを倒して平和が蘇るという既定路線だったけど、シリーズが進むうちに、敵キャラの中にも憎めない人気者が出てくるようになり、時にはプリキュアの仲間になったり、敵の三幹部が最後には改心して平和に暮したりと、「敵を倒してのハッピーエンド」から、「敵も味方もハッピーエンド」へと、ジョジョに奇妙に変化してきた。

自分たちだけを「正義」だと決めつけず、敵対する相手を「悪」と決めつけず、相手にも心をひらき、相手の言葉や主張にも耳を傾けるように変化してきたのだ。そして、その集大成とも言えるエンディングが、今回の「Go!プリンセスプリキュア」での「対話」によるハッピーエンドだった。この斬新なエンディングについて、鷲尾プロデューサーは、「プリキュア新聞」(2016年春号)の中のインタビューで、次のように述べている。


「プリキュアが(敵を)全部倒して解決したのではなく、自分たちの考え方にのっとって解決し、相手も納得して消えていったこと、話せば通じることが子どもの心には伝わり、残ったと思います。何か夢を持った時は、障害、障壁があるものですけど、乗り越えていくことで次に進む道ができる。見てくれた子どもたちが、もう少し大きくなってから見直してもらうと、もっと意味が分かるかもしれませんね」


自分の考え方に相反する相手を「敵」と決めつけて倒すのではなく、相手の存在も認めた上で、対話による共存の道を見つけたフローラ。あたしは、ホントに感動した。今、この瞬間も、世界のあちこちで、「憎しみの連鎖」という終わりなき悲劇が繰り返されているけど、イラクやシリアで空爆を続けるアメリカが「正義」で、政府軍と対峙している反政府軍は「悪」なのか?シリアのアサド政権に加担したロシアは、この1カ月だけでも600人を超える民間人を空爆で殺害したが、これも「正義」なのか?

アフリカの民族紛争しかり、中東のパレスチナ人問題、クルド人問題、ユダヤ人問題しかり、もともとの発端は、欧米が民族を無視した国境線を引いたからじゃないのか?でも、あたしは、そんな昔のことを引っぱり出して、「誰が悪い」という犯人捜しをするつもりはないし、あたしが語りたいのは、中東情勢じゃなくてプリキュアについてだ。


‥‥そんなワケで、あたしが、初代「ふたりはプリキュア」に夢中になったのは、何と言っても、なぎさとほのかのラブリーな関係だ。ボーイッシュななぎさとフェミニンなほのかが、時には百合フレーバーを全開にする戦闘シーンでは、常に「2人が手と手をぎゅっと握り合うシーン」が散りばめられていた。敵に吹き飛ばされてガレキの中に倒れているホワイトに、ブラックが手を差し伸べて、ぎゅっと握って、そして助け起こす。

だけど、それよりも重要だったのは、2人が手と手を握り合わないと、プリキュアに変身できないという大前提だった。信頼し合っている2人が手と手をぎゅっと握り合い、そして、プリキュアに変身する。友情のバロメーター的には、あの「超人バロム1」をも凌駕しているだろう。だって、プリキュアの2人には、友情だけじゃなくて、百合的な愛情もプラスされてるからだ♪

初代「ふたりはプリキュア」、続編の「ふたりはプリキュア Max Heart」、二代目の「ふたりはプリキュア Splash Star」と、主人公の2人が手と手をぎゅっと握り合っての変身シーンは、あたしにとってのプリキュアの原点でもあり、何度泣いたか分からないほど泣かせてもらった。だけど、シリーズが変わってプリキュアの人数が5人とか4人とかに増えてくると、この2人だけの儀式は観られなくなった。

でも、今年の2月からスタートした現在の「魔法つかいプリキュア!」では、この2人だけの儀式、手と手をぎゅっと握り合っての変身が復活したのだ。それも、オフィシャルサイトに「手と手をつなぐことで、心をつなぎ、希望をつなぎ、世界をつなぎます」と書かれているように、今回のプリキュアは、「手と手をつなぐこと」がキーワードになっているのだ!

そのため、今回の「魔法つかいプリキュア!」は、初回からヤタラと手と手をつなぐシーンが多い。それも、ビルから落ちたリコの手をみらいが掴んで命を助けるとか、けっこう重要なシーンで手と手をぎゅっと握り合うカットが多用されてる。だから、当初こそ、プリキュアの世界に魔法を持ち込んだことを否定的に見てたあたしだったけど、6話まで観てきた今の感覚では、細部に散りばめられている鷲尾マジックにやられ始めてる。そして、この件に関して、鷲尾プロデューサーは、次のように語ってる。


「プリキュアになることは魔法ではなく、プリキュアの力という、ファンタジーの1ジャンルであるというコンセプトでした。その中に魔法を使えるプリキュアがいても矛盾はないでしょうし、子どもたちが心ひかれるものであれば、いろいろなモチーフのブリキュアがいてもいいと思います。魔法つかいについて結構、文献を調べました。魔法つかいは知恵を持つ存在だったからこそ、人々の尊敬を集める一方、時の権力者が都合の悪い人を魔法つかい扱いして隔絶した歴史がある。それは、良くないことなんです。隔絶された世界の賢者たちと人間とが手をつなぐことで、新たな力が生まれる。それが、プリキュアが2人であることの意味、テーマになるかもしれないと思いました。違う世界同士がお互いの違いを理解して手をつなぐことが、どれだけ大切なことか‥‥。それをきちんと描けたら、子どもたちの心に残るかもしれないと考えました」


あたしは、「プリキュア新聞」に掲載されているこのインタビュー記事を読んで、鷲尾プロデューサーのプリキュア愛、そして、子どもたちへの愛の大きさに胸がいっぱいになり、気がついた時には、ティッシュの箱を抱えて号泣していた。あたしは、「2人のプリキュア」に戻って「手と手のぎゅっ!」が復活したことを単純に喜んでただけなのに、鷲尾プロデューサーは「違う世界同士がお互いの違いを理解して手をつなぐことが、どれだけ大切なことか‥‥」と考えていたのだ。

そして、だからこその「人間界と魔法界」だったんだよね。あたしは、当初、プリキュアの世界に魔法を持ち込んだことを少なからず残念に思ってたけど、こんなあたしの何百倍も、鷲尾プロデューサーは大きな世界を見ていたんだね。そして、今回のインタビュー記事を読んだあたしは、前回の「Go!プリンセスプリキュア」の最終回で、フローラが敵と戦わず、対話によって双方が理解して問題を解決したことが、今回の「魔法つかいブリキュア」の「(違う世界の人たちとも)手をつなぐ」という命題へと受け継がれていたことを知った。


‥‥そんなワケで、あたしは、今ほど「プリキュアを好きで良かった!」と思ったことはない。これまで12年間、プリキュア全作の全話をすべて観続けてきたあたしだけど、特に好きな「ふたりはプリキュア」の3作に関しては、何度も何度も数えきれないほど観てきた。そして、2人のプリキュアが手と手をぎゅっと握り合うたびに、純粋に感動したり、時には百合フレーバーに身を包まれて萌えまくってたワケだけど、そんな俗物的なあたしの遥か上空に、異世界や異文化の人たちと手をつなぐことの大切さ、暴力ではなく対話によって問題を解決することの大切さを、小さな子どもたちへ必死に伝えようとしている鷲尾プロデューサーがいたのだ!‥‥ってなワケで、あたしは、今回の「魔法つかいブリキュア!」も、全面的に支持して応援していくことをここに誓った今日この頃なのだ!


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2016.03.21

日本の幸福度を世界53位にまで落とした安倍政権

毎年3月の中旬になると、恒例の国連による「最も幸福な国」のランキングが発表になる。正式名称は「World Happiness Report (世界幸福度報告書)」と言うんだけど、これは、アメリカのギャラップ世論調査が世界約160カ国の国民を対象にして、電話調査や対面調査をしたデータがもとになってる。

そして、それぞれの国の1人あたりのGDP、社会保障、物価、環境、格差、国民の健康寿命、教育、雇用、メディアの公平性、政治家の汚職など、あらゆる状況を加味して、毎年、それぞれの国の幸福度をランキング形式で発表しているものだ。

ちなみに、今回発表された「2016年 World Happiness Report 」では、以下のようなランキングになっていた。


1. デンマーク
2. スイス
3. アイスランド
4. ノルウェー
5. フィンランド
6. カナダ
7. オランダ
8. ニュージーランド
9. オーストラリア
10. スウェーデン
11. イスラエル
12. オーストリア
13. アメリカ
14. コスタリカ
15. プエルトリコ
16. ドイツ
17. ブラジル
18. ベルギー
19. アイルランド
20. ルクセンブルグ
21. メキシコ
22. シンガポール
23. イギリス
24. チリ
25. パナマ
26. アルジェニア
27. チェコ
28. アラブ首長国連邦
29. ウルグアイ
30. マルタ
31. コロンビア
32. フランス
33. タイ
34. サウジアラビア
35. 台湾
36. カタール
37. スペイン
38. アルジェリア
39. グアテマラ
40. スリナム
41. クウェート
42. バーレーン
43. トリニダード・トバコ
44. ベネズエラ
45. スロヴァキア
46. エルサルバドル
47. マレーシア
48. ニカラグア
49. ウズベキスタン
50. イタリア
51. エクアドル
52. ベリーズ
53. 日本
54. カザフスタン
55. モルドバ
56. ロシア
57. ポーランド
58. 韓国
59. ボリビア
60, リトアニア
61. ベラルーシ
62. 北キプロス
63. スロベニア
64. ペルー
65. トルクメニスタン
66. モーリシャス
67. リビア
68. ラトビア
69. キプロス
70. パラグアイ
71. ルーマニア
72. エストニア
73. ジャマイカ
74. クロアチア
75. 香港
76. ソマリア
77. コソボ
78. トルコ
79. インドネシア
80. ヨルダン
81. アゼルバイジャン
82. フィリピン
83. 中国
84. ブータン
85. キルギス
86. セルビア
87. ボスニア・ヘルツェゴビナ
88. モンテネグロ
89. ドミニカ
90. モロッコ
91. ハンガリー
92. パキスタン
93. レバノン
94. ポルトガル
95. マケドニア
96. ベトナム
97. ソマリランド
98. チュニジア
99. グリース
100. タジキスタン
101. モンゴル
102. ラオス
103. ナイジェリア
104. ホンジュラス
105. イラン
106. ザンビア
107. ネパール
108. パレスチナ
109. アルバニア
110. バングラデシュ
111. シエラレオーネ
112. イラク
113. ナミビア
114. カメルーン
115. エチオピア
116. 南アフリカ
117. スリランカ
118. インド
119. ミャンマー
120. エジプト
121. アルメニア
122. ケニア
123. ウクライナ
124. ガーナ
125. コンゴ民主共和国
126. ジョージア
127. コンゴ共和国
128. セネガル
129. ブルガリア
130. モーリタニア
131. ジンバブエ
132. マラウイ
133. スーダン
134. ガボン
135. マリ
136. ハイチ
137. ボツワナ
138. コモロ
139. コートジボワール
140. カンボジア
141. アンゴラ
142. ニジェール
143. 南スーダン
144. チャド
145. ブルキナ・ファソ
146. ウガンダ
147. イエメン
148. マダガスカル
149. タンザニア
150. リベリア
151. ギニア
152. ルワンダ
153. ベナン
154. アフガニスタン
155. トーゴ
156. シリア
157. ブルンジ


こういうランキングを見ると、まずは自分の国が何位なのかを見ちゃうのが人間のサガってワケで、日本が「53位」ということに、ちょっと意外だった人も多いだろう。この「53位」という日本の幸福度は、先進7カ国(G7)の中ではダントツの最下位だし、それどころか、先進30カ国の中でも最低ラインだ。

ちなみに、4年前の民主党政権の時には、この国連の幸福度ランキングで日本は「43位」だった。東日本大震災という未曽有の自然災害と、福島第1原発事故という世界最悪レベルの人災を起こした直後だったのにも関わらず、日本の幸福度は現在より10位も上位の「43位」だったのだ。

それが、安倍政権に代わり、原発事故をホッタラカシにしたまま原発を推進したり、日銀を使って株価操作を始めて虚構の景気回復を演出したり、憲法を無視して戦争のできる国へと強引に舵を切ったり、挙句の果てには、マスコミを恫喝したり懐柔したりして報道にまで口を出すようになってからというもの、翌年には「46位」に後退し、そして今回、とうとう50位を割りこんで「53位」という恥ずかしい結果になってしまった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、自分が幸福かどうかという判断は、基本的に個人個人の主観によるものだから、必要最低限のお金しか持っていなくても幸福だと思っている人もいれば、一生かかっても使い切れないほどの大金を持っていても、自分のことを不幸だと思っている人もいるだろう。だから、その国で暮らしている人たちが「自分が幸福だと思っているかどうか」という純粋な調査では、その結果が大きく違ってくる。

冒頭に、『国連の「World Happiness Report (世界幸福度報告書)」は、アメリカのギャラップ世論調査が世界約160カ国の国民を対象にして、電話調査や対面調査をしたデータがもとになってる』って書いたけど、今回の「World Happiness Report」のもとになった、今年1月に発表されたギャラップ世論調査の幸福度ランキングを見ると、国連の発表とはずいぶん違うことが分かる。


1. コロンビア(85)
2. フィジー(82)
2. サウジアラビア(82)
4. アゼルバイジャン(81)
5. ベトナム(80)
6. パナマ(79)
6. アルゼンチン(79)
8. メキシコ(76)
9. エクアドル(75)
10. アイスランド(74)
10. 中国(74)


これは、それぞれの国のいろんな職種や立場の人たちに聞き取り調査を行ない、自分を「幸福だ」と回答した人の割合によるランキングだ。1位のコロンビアなら、100人のうち85人が自分を「幸福だ」と思っていることになる。ま、ベトナムや中国などの社会主義国の場合は、こうしたオオヤケの調査でホントのことを言うと、いろいろとメンドクサイヤ人なことになりそうなフレーバーも漂ってるから、この回答をそのまま鵜呑みにはできないけど、他の国に関しては、それなりに信頼できると思う。

ちなみに、1位のコロンビアは、国連の発表だと31位だし、フィジーと同率2位のサウジアラビアは34位、4位のアゼルバイジャンは81位だ。一方、国連の発表の上位10カ国にランクインしている国の中で、こちらにもランクインしているのは、同率10位のアイスランドだけだ。つまり、国連の発表で上位にランクインした国々の多くは、客観的に見たGDPや社会保障などは他国よりも優れていて幸福に見えるが、国民1人1人が自分のことを「幸福だ」と思っているかというと、そうとも言えないということになる。

実際、この調査の先進7カ国(G7)のランキングを見てみると、自分を「幸福だ」と思っている人の割合の低さに驚く。今回の調査での幸福度の世界平均は「56」なので、先進7カ国の中で平均以上なのはカナダだけということになる。世界で7本の指に入る先進国なのに、いくら国が発展していても、そこに暮らしている国民たちは、自分を「幸福だ」とは思っていない人がたくさんいることになる。


23. カナダ(60)
28. 日本(52)
42. アメリカ(43)
47. ドイツ(40)
54. イギリス(37)
57. フランス(33)
57. イタリア(33)


そして、こうしたそれぞれの国の国民たちの主観的な幸福度をベースにして、これにそれぞれの国のGDP、社会保障、物価、環境、格差、国民の健康寿命、教育、雇用、メディアの公平性、政治家の汚職など、さまざまな客観的な幸福度の要因を加味して数値化した結果が、国連による「World Happiness Report」というワケだ。

そして、これらの先進国の政府が行なっている経済政策や社会保障など、それぞれの国の客観的な幸福度を加味した結果、カナダは23位から5位へ、アメリカは42位から13位へ、ドイツは47位から15位へ、イギリスは54位から23位へ、フランスは57位から32位へ、イタリアは57位から50位へと、それぞれランキングを上げることになった。

でも、日本だけは反対だった。世界平均の「56」よりは下でも、国民の2人に1人が自分を「幸福だ」と思っていて、先進7カ国の中では上から2番目の28位だった日本は、現在の安倍政権による、ここ1年間の経済政策や社会保障など、数々の客観的な幸福度を加味した結果、28位から53位へと、まさにダブルスコアと呼んでも過言ではないほど、大幅にランキングを後退させてしまったのだ。


‥‥そんなワケで、東日本大震災の直後の民主党政権時には、世界43位だった日本の幸福度が、今の安倍政権になったとたんにズルズルと後退を始め、とうとう50位も割り込んでしまった。それも、先進7カ国を比較してみると、日本以外の6カ国が国の政策によって国民1人1人の幸福度を高めているのに対して、この日本だけは国の政策が国民の足を引っ張っていたのだ。安倍晋三首相は、選挙が近づくたびに国民にとって耳あたりの良いことばかりを並べ立てるが、現実にやっている政策は、国民の幸福など二の次で、国民の監視や憲法の私物化など「自分のやりたいこと」だけを最優先した「国民不在の独裁政治」なのだと再確認した今日この頃なのだ。


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2016.03.19

続・限りなく賭博に近いゲン担ぎ

巨人の野球賭博問題に端を発した、試合前の円陣の声出しや練習中のシートノックなどでの現金やりとり問題は、巨人に続いて阪神、西武、ソフトバンク、広島、楽天、ロッテも事実を認め、とうとう12球団中7球団にまで広がった。もちろん、これは17日時点での報告だから、他球団の内部調査が進めば、さらに広がる可能性もあるだろう。

ま、ここで収まったとしても、まだ広がったとしても、NPB(日本プロ野球機構)が「野球協定には抵触していない」と断言しているんだし、とにかく巨人が火消しに躍起になっているから、誰ひとりとして処分されず、誰ひとりとして責任を取らないまま、「今後は現金のやりとりは自粛する」ということで、なし崩し的にお手打ちにしてしまうつもりなんだろう。

だけど、あたしの感覚で言うと、巨人のやっていた現金のやりとりは、他球団と比較して、極めてグレーだと思う。毎試合ごとに、勝てば全員が5000円ずつ、最大で14万円もの大金を声出しした「親」に支払い、試合に負けた場合は「親」が全員に1000円ずつ支払う。これって、どう見たって賭博じゃないか。これと同じことを、もしもゴルフでやったらどうなるだろうか。完全に賭博行為で逮捕されると思うんだけど。

一方、広島や西武などでは、普段の試合では現金のやりとりは行なわれておらず、4連勝や5連勝がかかった試合の時だけ、複数の選手から1000円ずつ集めておき、声出しした選手に渡していたという。これこそが、巨人の首脳陣が苦し紛れに説明した「ご祝儀」であり「ゲン担ぎ」だと思った今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あまりにもグレーな巨人の現金やりとりだけど、あくまでも1軍の試合前の円陣での声出しに限って言えば、たとえ巨人だけが他球団より金額が高かったとしても、たとえ巨人だけが他球団より頻繁に行なっていたとしても、大切なペナントレースの中の1試合ということを踏まえれば、「ご祝儀」だの「ゲン担ぎ」だの「モチベーションの維持」だのという苦しいイイワケも、ある程度は理解できる部分もある。

でも、さすがに、これを「賭博とは違う」と言い切る巨人の首脳陣の姿勢には、安倍晋三の「汚染水は港湾内で完全にブロックされている」と同様に、「一般市民の認識との乖離」感を否めない。その日の試合に勝って、連勝を伸ばした時にだけ、みんなから集めておいた1000円を渡すのなら「賭博とは違う」と言えるけど、負けた場合にも「親」が全員に現金を支払うという巨人のやり方は、完全に賭博の基本的ルールだろう。

でも、あたしが激しくムカついているのは、この試合前の円陣での声出しよりも、巨人の練習中のシートノックでの現金のやりとりだ。これまでの各球団の内部調査の報告を見ると、西武は投手陣のノックのエラー1回に100円から数百円の罰金を課すことがあり、他にも、練習に遅刻した時にも少額の罰金を課すことがあったけど、このお金はすべて貯めておいて、投手会のオフ会でのファンサービスなどの資金として使っていたという。また、広島でも、ノックのエラー1回1000円という罰金を課すことがあったけど、これも貯めておいて、障がいを持つ子どもたちを試合に招待する時の資金の一部として使っていたという。

一方、巨人の場合は、シートノックを受ける投手同士が、エラー1回1万円という高額の現金を賭け、その日の練習で一番エラーの多かった選手が、他の選手たちに何万円もの現金を払っていた。野球賭博問題で巨人を契約解除になった元投手の松本竜也氏(22)は、「エラー3回なら3万円をメンバーに払う。10万円以上負けることもあった。この仕組みは自分が入団した時からあった。中には現金が賭かっていることを承知で、わざと若手に厳しいノックをするコーチもいた」と証言している。

西武や広島のケースでは、エラーをしなかった選手、エラーの少なかった選手が、一番エラーの多かった選手から現金を受け取ることはない。つまり、賭博として成り立っていない。また、1回100円から1000円なのだが、どんなにエラーをしたからと言って、一度に10万円も支払うことなどなかっただろう。そして、これらのお金は選手会なりが管理しておき、オフ会でのファンサービスや障がいを持つ子どもたちを試合に招待する時に使っていたのだ。


‥‥そんなワケで、あたしは、今回の西武や広島のシートノックでの罰金システムを聞いて、高校生の時のバイトのことを思い出した。今から25年以上前、高校から専門学校に掛けてのあたしは、いろんなバイトを掛け持ちして働きまくってたけど、その中でも、けっこう長続きしたのが居酒屋さんのバイトだった。高校3年生の時から専門学校を卒業するまで、途中で少し抜けたりもしたけど、トータルで3年間もお世話になった。

この居酒屋さんにはタイムカードがなくて、お店の奥の食品倉庫兼着替え場所の壁に、バイトのローテーションを書き込むホワイトボードがあって、そこにノートがぶら下がってて、このノートに自分の出社時間と退社時間を書き込むことになってた。だから、数人のバイトたちは、5分や10分くらい遅刻しても、誰も正直に書かなかった‥‥って言うか、「5分や10分くらいは遅刻のうちに入らない」という、暗黙の了解みたいなものがバイトの間にできあがっていたし、1時間の遅刻や無断欠勤など、よほど酷い時でなければ、店長もいちいち言わなかった。

午後5時からバイトに入ってたあたしは、翌日も早起きして学校に行かなきゃならないし、帰ってからも宿題とか課題とかがあったから、定時の23時にはサクッと上がりたい。だけど、あたしと交代の23時からのバイトが来てくれないと、あたしは帰るに帰れない。こんな時って、交代のバイトが来てくれるまでの5分や10分がヤタラと長く感じちゃう。

でも、いい意味でも悪い意味でもフランク・ザッパなお店だったので、交代のバイトが10分遅刻して23時10分に来たとしても、あたしはノートの退社時間のとこに「23時」と書いてたし、10分遅刻して来たバイトもノートの出社時間のとこに「23時」と書いていた。あたしは、フリーターじゃなくて学生だったので、試験や学校の行事でお休みさせてもらうことも多かったため、いつも迷惑を掛けてる先輩たちに、あんまり細かいことは言えなかったのだ。

だけど、こういう「気のゆるみ」って、ジョジョに奇妙に周囲に感染して行くもので、その「ゆるみ」の度合いも、だんだん大きくなって行った。あたしがバイトを始めたころは、時々遅刻する先輩は1人だけだったんだけど、そのうち、いつも5分前にきちんと来てた先輩たちも、週に1回、2回と遅刻するようになってきた。そして、最初のうちは、たとえ5分の遅刻でも、一応は店長に「すみませんでした!」と謝ってた先輩たちは、そのうち、遅刻してもナニゴトもなかったかのように、シレ~っと働いてるようになった。

ま、何も言わない店長が一番悪かったんだけど、誰よりも負担が増えたのは、23時までのシフトで入ってたあたしだった。酷い時なんか、10分が過ぎても20分が過ぎても交代のバイトが現われず、30分以上も遅刻して23時半過ぎに現われたと思ったら、満面の笑みで「きっこちゃん、悪い悪い!」と来たもんだ。それでも、先輩たちはいい人なので、あたしは何も言うことができず、せめてノートに退社時間を「23時30分」と記入するのが、精一杯の抵抗だった。

もちろん、お客さんの少ない日とかは、23時からのバイトが定時に来なくても、店長はあたしに「上がっていいよ」と言って帰してくれたし、いろいろと気を使ってくれた。だけど、あまりにも遅刻が「当たり前」になって来たことと、あたしにばかり負担が掛かるために、とうとう店長は「罰金システム」を導入したのだ。ある日から、ホワイトボードのノートのとこに口の広い瓶が置かれ、5分とか10分とかの遅刻をしたバイトは100円、15分以上の遅刻をしたバイトは200円、自分のお財布から罰金を入れることになった。

でも、あたしと交代の23時からのバイトも、他の時間に入っていたバイトも、たとえ遅刻してもノートに定時を書き込むことを店長が黙認してたから、罰金を払っても、そのぶん、バイト代で補填できていた。あたしは高校生なので時給800円だったけど、23時から朝までのバイトの大学生やフリーターは1000円くらいもらってたから、遅刻して100円とか200円とかの罰金を払ったとしても、そのぶん、実際には働いていない5分とか10分とかの時給でトントンになるってワケだ。

そして、毎月1回、この瓶の中の罰金に店長がポケットマネーから不足分を足して、近くにあった評判のケーキ屋さんで美味しいケーキを買ってきて、バイト全員にご馳走してくれるようになった。とは言え、この「罰金システム」はなかなかの効果を上げ、半年もしないうちに遅刻をする人はほとんどいなくなったので、この毎月1回のケーキのイベントは、ほとんど店長のおごりという形に落ち着いた(笑)


‥‥そんなワケで、この「罰金システム」は、果たして「賭博」と言えるだろうか?あたしは、まったく「賭博」には当たらないと思うし、その他の面でも、特に問題はないと思ってる。労働基準法に照らし合わせて細かく調べたら、もしかしたら小さな点で問題があったかもしれないけど、少なくとも「賭博」には当たらないと思う。だから、西武や広島が、シートノックや遅刻などで少額の罰金を取り、それを貯めておいてファンサービスなどに使っていたことも、NPBに確認するまでもなく、あたしは何の問題もないことだと思っている。

でも、この、あたしのかつてのバイト先の「罰金システム」が、1回遅刻したら1万円、1回ミスしたら1万円で、その上、この罰金はみんなのために使われていたのではなく、他のバイトたちに現金で渡さなきゃならない‥‥というものだったら、どうだっただろうか。今どきで言えば完全に「ブラックバイト」に当たると思うし、こんなお店は、みんなトットと辞めちゃっていただろう。そして、巨人を契約解除された松本竜也氏が証言しているように、「選手同士がエラー1回1万円を賭けていたことをコーチ陣も知っていた」というのであれば、お店ぐるみ、組織ぐるみで不正が行なわれていたことになる。

あたしは、こんなことは絶対に許されないと思うし、わずかな罰金を徴収して、それをファンサービスなどに使っていた他球団の問題と、巨人の現金やりとり問題とをゴッチャにしてしまうのは、完全に問題の矮小化だと思う。もともと、今回の野球賭博問題が起こったのだって、ふだんからロッカールームや宿舎などで何万円という高額の現金のやりとりが日常化していた巨人の異常な体質があったからだと思う。そんなチームの中に身を置いていれば、練習中のノックに1万円賭けることと、宿舎でのトランプや麻雀に1万円賭けることと、高校野球の勝敗に1万円賭けることの違いなど、野球一筋で社会人になったばかりの若手選手には、そんな区別などつかないだろう。


‥‥そんなワケで、「試合前の声出しや練習中のノックでの現金のやりとりは賭博とはまったく別の行為」と言っていいのは、あたしは巨人以外のチームだけだと思う。巨人の場合は、いくらNPBが「協定に抵触していない」と言っても、限りなく賭博に近い行為であったことは誰の目にも明らかであり、仮にも、こうした賭博に近い行為がチーム内に蔓延していたことが、今回の野球賭博という大問題のヒキガネになった可能性も高いからだ。今回の巨人の野球賭博問題を受けて、巨人OBの広岡達朗氏は、「野球賭博に手を出した選手が所属する球団に対しては、1年間の活動停止のペナルティを与えることを明文化するくらいのルールも作らないと、また再発する可能性も出てくる」と言ったけど、あたしも完全に同意見な今日この頃なのだ。


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2016.03.15

限りなく賭博に近いゲン担ぎ

巨人の複数の選手が関与していた野球賭博問題は、公式戦や練習中に選手の間で現金をやり取りしていたという、球界全体を巻き込むような新たな問題へと発展した。

これまでの証言や各紙の報道などを総合すると、巨人の1軍の公式戦では、試合開始前に投手陣12人前後、野手陣16人前後が、それぞれ別に円陣を組んで士気を高めるための声出しをする。1人が「ファイト!」、残りが「オー!」ってやつだ。あれで、この日の試合に勝てば、最初に「ファイト!」と言った選手に、残りの選手たちが1人5000円ずつ支払う。試合に負けたら、「ファイト!」と言った選手が全員に1000円ずつ支払う。最初に「ファイト!」と言う選手は、麻雀やオイチョカブの親のように、持ち回り制だったという。

つまり、投手陣と野手陣を合わせて、巨人が試合に勝った場合は、最大で14万円前後の現金が、負けた場合は2万8000円前後の現金が、試合後のロッカールームでやり取りされていたということになる。この金額について、今回の野球賭博問題で契約解除になった元投手の笠原将生氏(25)は、「連勝すると金額が跳ね上がっていった」と証言しているけど、巨人側は金額は一定だったと主張している。

また、練習中のシートノックについて、同じく野球賭博問題で契約解除になった元投手の松本竜也氏(22)は、「投手陣へのノック練習の時、エラーの数が一番多かった選手が他の選手たちに現金を払う仕組みになっていた。エラー3回なら3万円をメンバーに払う。10万円以上負けることもあった。この仕組みは自分が入団した時からあった。中には現金が賭かっていることを承知で、わざと若手に厳しいノックをするコーチもいた」と証言している。また、松本竜也氏は、「選手間では麻雀やトランプなどの賭け事も日常的に行なわれていた」とも証言している。

これらの現金のやり取りについて、野球賭博問題を調査していたNPB(日本プロ野球機構)からの報告で、巨人の上層部は把握していたのに、これまで発表しなかった。そして、野球賭博問題で契約解雇した元選手たちの証言から、これらの現金やり取りがオオヤケになると、巨人の森田清司総務本部長は事実を認めた上で、「これはゲン担ぎだ」とか「モチベーションを維持するためだ」とか「ご祝儀のようなものだ」とか「賭博とは違う」とか、挙句の果てには「少額なので問題ない」とか言い出した今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、昨年2015年の巨人のペナントレースの成績は、143試合75勝67敗1引分でリーグ2位だったので、勝った試合で14万円、負けた試合で2万8000円がやり取りされていたとすれば、総額で約1200万円もの現金が動いていたことになる。これを「少額」と言うのだから、さすがは天下の巨人軍だ。そして、笠原将生氏が証言しているように「連勝すると金額が跳ね上がる」のであれば、もっと大きな現金が動いていたことになる。

で、現時点までの報道によると、試合前の円陣での現金のやり取りは、2012年の5月から始まったという。原辰徳監督7年目(通算9年目)のこのシーズン、前年度から導入された反発力の低い統一球により、長打力が売りの巨人は思ったように得点を挙げられず、4月には2回の5連敗を喫してしまう。しかし、5月に入ると急に打線が繋がるようになり、6月には開幕から首位を走っていた中日に追いつき、連勝を重ねてリーグ優勝を果たし、日本シリーズでも日本ハムを「4-2」で破って日本一に輝いた。

ようするに、絶不調だった開幕からの流れを、一気に絶好調に変えたのが、この現金のやり取りだったってワケだ。あの日本シリーズの時も、ロッカールームで現金が飛び交っていたのかと思うと、日ハムファンのあたし的には、「こんな奴らに負けたのか!」と、何ともやりきれない気分になる。

だけど、もしも日本ハムの選手たちも同じようなことをしていたとしたら‥‥って想像すると、さすがに巨人だけを責めることはできなくなる。だって、今日15日、阪神の四藤慶一郎球団社長も、チーム内で試合前の円陣やノック練習などでの現金のやり取りがあったことを認めたからだ。これも、今回の巨人の野球賭博問題を受けて、調査して分かったことだという。

四藤球団社長は、ハッキリした金額は口にせず、「巨人ほど高くはない。数千円のことですよ」とコメントしたけど、一部の情報では、巨人と試合をしたセ・リーグの他球団の選手が、巨人の選手から「うちは1人5000円だよ」と聞かされて、「そんなに高いのか?うちはもっと安いよ」という会話があったそうなので、この点はツジツマが合う。そして、これらの証言から推測できるのは、「金額の差はあれ、巨人と阪神だけでなく、もっと多くの球団が日常的に行なっていたのかもしれない」ということだ。


‥‥そんなワケで、全球団に聞き取り調査をしたNPBは、巨人の1軍の選手の大半が、この円陣やシートノックでの現金のやり取りに参加していたという事実を把握しながら、巨人の上層部への報告では「野球協約には抵触しない」と伝えている。このことからも、巨人だけでなく、複数の球団が同じようなことを日常的に行なっていて、これを「野球協定に抵触する」と判断してしまうと、今期のペナントレースが開催できないような大問題になってしまうため、取りあえず大ごとにしないように内々に処理しようとした、という経緯が推測できる。でも、巨人を解雇された選手たちが日常的に現金のやり取りがあったことを告白したため、球団側も隠しておけなくなったんだろう。

阪神の四藤球団社長も「ここ数年のことだと聞いている」とコメントしているので、巨人の「2012年5月から」という説明ともツジツマが合うけど、これが事実だとすれば、試合前の円陣での現金のやり取りには、現在の高橋由伸監督も、昨年までの現役時代の4年間、この「限りなく賭博に近いゲン担ぎ」に参加していた可能性が濃厚ミルクだ。そして、練習中のシートノックに関しては、松本竜也氏の証言によると「コーチも知っていた」とのことだから、コーチが知っていて監督が知らないということは、なかなか考えられない。当時の原辰徳監督が、これらの現金のやり取りを黙認していたのであれば、当然、原辰徳氏の責任も追及しなくてはならない。

昨年9月、阪神のゴメス選手が甲子園球場でドローンを飛ばして問題になった時、原辰徳監督は「タイガースは余裕があるねえ。うちのチームにはそんなことする選手はいないよ」と余裕で笑っていたけど、その1カ月後に、原辰徳監督は突然、辞任を発表した。そして、巨人は、翌年も現役でやる気マンマンだった高橋由伸選手を強引に現役引退させて次期監督に任命したけど、原辰徳監督が辞任した直後に発覚したのが、そう、今回の一連の野球賭博問題だ。

野球賭博問題に関しては、事前に球団へ調査が入っていたのだから、野球賭博問題が公表される直前の、この極めて不自然な人事を見れば、誰もが「長年の功労者である原辰徳を球団が守った」と推測するだろう。もちろん、これを証明することはできないけど、巨人には問題をウヤムヤにするという自民党のような隠蔽体質が蔓延している。原辰徳氏が現役時代、妻の妊娠中に愛人と不倫をしていて、これを隠蔽するために反社会勢力のような人物らに口止め料として1億円を支払ったという問題にしても、飛ばないボールをミズノに作らせたという問題にしても、結局は誰も処分されずにウヤムヤになった。まさに自民党のようではないか。


‥‥そんなワケで、いくらNPBが「野球協定には抵触とない」と判断したと言っても、あたしから見れば、こんな判断は問題を矮小化するための詭弁でしかない。いくら一般人より高額の報酬をもらっている選手たちだとは言え、1試合に14万円、シーズンを通して1200万円もの現金をやり取りするなんて、普通じゃ考えられない。1000点1000円の賭け麻雀で、ハコテンでウマが乗って5万円払うのと、1回エラーしたら1万円のシートノックで、5回エラーして5万円払うのと、いったいどう違うと言うのか。そして、それ以前に、現金のやり取りをしないと高まらない士気、現金のやり取りをしないと維持できないモチベーションって、何なんだ、それ?あたしは、プロ野球ファンとして、こんなに残念な気持ちになったことはない。せめてパ・リーグだけは、せめて日本ハムだけは、こんな低次元なこととは無関係であってほしいと心から願っている今日この頃なのだ。


【追記】このエントリーをアップした直後に、西武でも選手間で現金のやり取りがあったという残念な報道がありました。でも、西武の場合は、「4連勝か5連勝した時に、試合前の円陣で声出しした選手に対して、ご祝儀として他の野手15人から1000円ずつ贈っていた」ことと、「練習中のノックで投手がエラーした際に100円から数百円の罰金を徴収し、それをためておいてオフの投手会などのイベントで使用していた」というもので、パ・リーグ贔屓のあたしの感覚なのかもしれませんが、巨人のケースとは、ずいぶん違うように感じました。とにかく、セもパも、もうこんなことでファンをガッカリさせるのは終わりにしてほしいです。


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2016.03.13

あたしの好きなユーチューバー

ユーチューブには、誰でも自分の制作した動画をアップすることができるけど、その中でも、1つのジャンルに特化してたり、視聴者の興味をひく内容の動画を定期的にアップしてて、一定のファンがついてて、それなりの広告収入を得ている人たちのことを、ユーチューバーと呼んでる。そして、このユーチューバーには、自分の趣味や好きな世界を楽しむためにユーチューブを利用してて、広告収入はあくまでも副産物的なものと考えている人たちもいれば、とにかくカネ儲けが第一で、1回でも多くの視聴回数を稼ぐために、どんなことでもやる人たちもいる。

 

ま、観るのはタダだから、あたしのような一般の視聴者にとっては、制作側の意図なんかどうでもいいんだけど、あまりにもアカラサマな視聴回数稼ぎのユーチューバーは、あたしは生理的に応援する気になれない。やっぱり、ホントに楽しんで動画を制作してる人たち、自分の趣味の世界を楽しみつつ、その楽しさを1人でも多くの人たちに伝えたいと思ってる人たち、こういうユーチューバーに好感が持てる。

 

そんなユーチューバーの中で、あたしがチャンネル登録して、毎回、必ず視聴しているチャンネルが3つある。1つは、以前にも紹介したことがある、お銀ちゃんの「GINプロジェクト」だ。お銀ちゃんのチャンネルは、テレビで言えばバラエティー番組で、インドアの地味でもアホなネタから、出身地の岐阜県の隠れた名所を紹介する「GPG(GINプロジェクトGIFU)」のシリーズ、青春18きっぷで旅をする「女ひとり旅」のシリーズ、仲間のユーチューバーとのドラマなど、どのシリーズもとっても楽しい。

 

ちなみに現在は、相棒まぶちゃんと岐阜県のレトロな遊園地を紹介する「GPG」をアップしてて、次回の第3回で最終回を迎える。他に客が1人もいないような閑散とした遊園地が、廃墟好きなお銀ちゃんのハートに火をつけたのか、吹きすさぶ冷たい風にも負けずに、女子2人のテンションは加速して行く。何とも言えない「岐阜感」が楽しめる今回の「GPG」は、以下のリンクで第1回から視聴できるので、岐阜マニアの人もそうでない人も、ぜひ楽しんでほしいと思う今日この頃なのだ♪

 

【女子旅】レトロ遊園地をリポート!【岐阜観光】
https://www.youtube.com/watch?v=ieMqbnbFQtw

 

 

‥‥そんなワケで、あたしがチャンネル登録して、配信を楽しみにしてるユーチューバー、あと2人は、お銀ちゃんとガラッとタイプが変わる。2人とも魚釣りをメインにした男性だ。

 

まずは、「ソータロー」さん、群馬県在住で、メインはバイクを足にしたキャンプと釣りの動画だ。ソータローさんのキャンプの基本ルールは、お酒などは買ってもいいけど、食べ物や釣り餌などは買ってはいけない、というものなので、キャンプ場に到着してテントを設営したら、釣りや野草採りなどで食料を調達しなきゃならないし、釣り餌も貝やカニなどを捕らなきゃならない。だから、釣り餌を必要としないダイソーの100円ジグが活躍する場面も多い。

 

他にも、夏休み恒例の北海道ツーリングや車による釣りなど、いろいろなパターンがあって、それぞれに楽しいけど、やっぱり、食べ物を買えないソロキャンプの動画が楽しい。思わぬ大物が釣れた時は自分のことのように嬉しくなるし、魚が釣れずにボウズだった時も、ソータローさんが何とか起死回生の道を探して食料を手に入れた瞬間に「やったー!」という気分になる。

 

そして、もう1人は、「八丈冒険団アウトドアをやろう!」の旭(あさひ)さんだ。こちらはタイトルに「アウトドア」と書かれているけど、基本的には八丈島の港などで夜釣りをして、食べるぶんだけ釣ったらサッサと竿を畳み、あとは自宅に帰って料理して食べるスタイルだ。旭さんは魚の捌き方も上手で、数々の魚料理も調理の手順を紹介してくれるので、いろいろと参考になる。

 

それから、何と言っても忘れちゃならないのが、とにかく可愛い飼い猫、トビちゃんだ。しばらく前にはケガをして入院していたし、今回は去勢手術で入院したけど、退院のたびに旭さんが退院祝いをして、たくさんのトビちゃんファンを笑顔にさせてくれる。

 

 

‥‥そんなワケで、あたしはこの3人のチャンネルを登録してるんだけど、チャンネルを登録すると、新しい動画がアップされた時にお知らせメールが届く。それで、先月、2月26日のことだけど、夜、メールボックスをチェキしたら、いろんなメールの中に、ソータローさんと旭さんのお知らせメールが届いてた。中を見てみると、ソータローさんのほうは「金欠!ソータローの昼食 ~ノビルづくし~」、旭さんのほうは「亀の手採って食べるぞ in 八丈島」という動画がアップされたというお知らせだった。

 

どちらも10分少々の動画なので、気楽に観ることができるけど、あたしはお風呂上りに晩酌しながら楽しもうと思って、すぐには観ずにとっておいた。そして、夜も遅くなり、お酒の用意をしたあたしは、ワクワクしながらユーチューブにアクセスした。まずは、ソータローさんの「金欠!ソータローの昼食 ~ノビルづくし~」、こちらはタイトルで分かるように、給料日前でお金のないソータローさんが、近所でノビルを採って来て、自宅で料理して食べるという内容だったけど、ソータローさんらしい楽しい動画だった。

 

続いて旭さんの「亀の手採って食べるぞ in 八丈島」を観始めたら、最初はタイトル通りに海で亀の手を採ってたんだけど、その後、ナナナナナント!場所を変えてノビルを採り始めたのだ!そして、恒例の自宅での料理では、このノビルでピクルスを作ったんだけど、何よりも驚いたのが、八丈島のノビルの大きさだ!

 

あたしもニコタマに住んでたころは、多摩川の土手でノビルやツクシやヨモギなどを採って来て料理して食べてたけど、こんなに大きなノビルは見たことがない。多摩川の土手のノビルは、ソータローさんが採ったのと同じくらいの通常サイズなので、ノビルはあくまでもプラスアルファの食材で、メインじゃなかった。でも、1つがピンポン玉ほどもある八丈島のノビルなら、十分にメインの食材になり得ると思う。

 

ま、そんなことは置いといて、とにかくあたしは、同じ日にアップされたソータローさんの動画も旭さんの動画もノビルだったので、この偶然に驚いた。たとえば、これが野草採りをテーマにしたチャンネルで、毎回、どこかの野山で野草を採って来て料理するというのなら、ノビルとノビルがバッティングしても何の不思議もない。だけど、いつもは魚釣りが中心の2つのチャンネルなのに、それが、今回はどちらもノビルだったのだ。

 

それで、あたしは、面白い偶然もあるんだな~と思ってたら、本日二度目のナナナナナント!この1週間後の3月4日に届いたソータローさんの更新メールに、「給料日の後!ソータローの昼食~本気のノビル料理~」と書いてあったのだ!前回は給料日の前の金欠状態でのノビル料理だったけど、今回は給料日の後のお金に余裕のある状況でのノビル料理だという。そして、あたしは、この「給料日の後!ソータローの昼食~本気のノビル料理~」も、もちろん晩酌のお供に楽しませてもらった。

 

 

‥‥そんなワケで、あたしは、2011年7月からテレビのない生活を続けてるけど、観たいテレビ番組はGyaOなどの見逃し配信で観てるし、好きなパリーグの試合はパリーグTVの無料配信枠で観られるぶんだけ観てるし、あとはこうしたユーチューブでの楽しみもあるし、自宅にテレビがなくても何も困らない。それよりも、テレビがあった時は、自宅にいる間はほとんどテレビをつけっぱなしにしてるテレビっ子だったので、画面を観てなくても耳からは常にテレビの音声が入ってくるという、半ば「テレビ洗脳状態」に陥ってた。だから、自分の意思で自分の観たい映像だけを選択して観てる今の状態のほうが、脳みそ的にも遥かに健康的だと思った今日この頃なのだ♪

 

 

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2016.03.11

東日本大震災、そして福島第1原発事故から5年

2011年3月11日に発生した東日本大震災から、今日で丸5年を迎えるということで、しばらく前から、テレビやラジオ、新聞や雑誌など、様々な媒体が震災関連の特集を行なって来た。そして、その特集の多くが、被災地の現状と復興の進捗状況を伝えるものだった。

あたしはテレビのない生活をしているので、主にラジオの特集を聴いていたけど、特に印象的だったのが、7日の文化放送「くにまるジャパン」の中での、月曜日のパートナー、加納有沙アナのレポートだった。「くにまるジャパン」では、今週、各曜日のパートナーの女子アナが、それぞれ被災地や仮設住宅などを取材して、現地の人たちの声を紹介するという特集を行なっているけど、月曜日の有沙ちゃんが1番バッターだった。

有沙ちゃんの母方の親戚の人が、福島県のJR常磐線富岡駅前で「大東館」という旅館を営んでいて、有沙ちゃんも子どもの時に何度か泊りに行ったことがあると言う。でも、今回の震災で津波の被害に遭ってしまい、その上、原発事故の放射能汚染で富岡町は避難区域に指定された。そして、今回、この旅館を取り壊すことが決まったため、その前に、有沙ちゃんは思い出の旅館を取材に行ったのだ。

有沙ちゃん自身、約20年ぶりに会うという旅館のご主人と奥さまと一緒に、津波の被害を受けてから5年間、そのままになっていた旅館へと足を踏み入れた。ラジオだから音声だけのレポートだけど、有沙ちゃんの細かい描写から、ガレキで荒れ果ててしまったロビーの様子や、津波がそうとう高い位置まで押し寄せたことが伝わってくる。


「ガレキ、ガレキって言っても、当事者の自分らからしたら、思い出の詰まった思い出山だからね」


ご主人の「思い出山」という言葉を聴いて、あたしは涙が止まらなくなった。少ない言葉からも、数々の思い出のある大切な旅館を取り壊さなくてはならないご主人の無念さが伝わって来て、あたしは胸が苦しくなった。有沙ちゃんはレポーターに徹して、なるべく感情を出さないように淡々と伝えていたけど、それが逆に、被災した人たちの多くの思いを聴く者に届けてくれた。ラジオは音声だけだけど、有沙ちゃんがツイッターに旅館の画像をアップしてくれたので、以下、紹介させてもらう。


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加納有沙 ‏@alissa_kano
私の親戚は福島県富岡町で旅館を営んでいました。そしてあの震災で津波と原発の被害を受けました。【あれから5年】止まっていた街がようやく動き始める。思い出のある旅館の取り壊しを前に、揺れる思いをリポートします。


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加納有沙 ‏@alissa_kano
福島県JR常磐線富岡駅前にあった親戚の営む旅館【大東館】小さい頃、フロントでかくれんぼしたり、大きい製氷機からこっそり氷をとって食べるのが好きでした。先週の土曜取り壊されたそうです。これが震災から5年の今。これからです


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加納有沙 ‏@alissa_kano
東日本大震災で津波・原発被害を受けた富岡町で、自分の旅館が取り壊される前の気持ちを伺ったとき『ガレキ、ガレキっていっても、自分らからしたら【思い出山】だからね』の言葉。とてもとても胸に刺さりました。あそこにあるものは人の気持ちが、人生が宿ったものばかりでした。


‥‥そんなワケで、今日は「いかがお過ごしですか?」は割愛して行くけど、震災から5年を迎えた現在、被災地の復興はどれくらい進んでいるのだろうか。3月3日付の河北新報の「<震災5年>首長「復興進んだ」76%」という記事は、次の導入から始まっている。


「東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の計42市町村長を対象に河北新報社が行ったアンケートで、復興が「まあまあ進んだ」と答えた首長は32人と76.2%に上った。10人が「あまり進んでいない」「遅れている」「評価できない」とした。」


この部分だけを読むと、ずいぶん復興が進んでいるようにも感じられるし、記事の見出しだけを読んだ人は、さらにそう思うだろう。でも、この記事を最後まで読むと、復興がほとんど進んでいない町や村が複数あることも分かる。

この河北新報の調査は、岩手県12人、宮城県15人、福島県15人、計42人の首長を対象に行なわれたが、岩手県の首長の大半が復興率を「59~90%」と高い数値を回答したのに対して、宮城県の首長は「30~80%」と、上下に大きなひらきがある。そして、福島県では、田村市、楢葉町、広野町、川内村の首長4人が「50~80%」と比較的高い数値を回答したのに対して、浪江町、双葉町、飯舘村、葛尾村の首長4人は「10~20%」と極めて低い数値を回答している。

岩手県の被災地の復興が比較的進んでいて、福島県の復興が遅れている。また、福島県の中でも、80%も復興が進んでいる地域がある一方で、未だに10%しか進んでいない地域もある。これは、福島県内で復興が遅れているの町村名を見れば分かるように、原発事故による放射能汚染が復興の妨げになっているからだ。


‥‥そんなワケで、加納有沙ちゃんがレポートした旅館のある福島県富岡町は、震災直前の人口が1万5937人で、震災で315人の人たちが犠牲になった。そして、現在は、福島県外に避難している人が4322人、福島県内に避難している人が1万839人、計1万5161人が今も辛い避難生活を余儀なくされている。原発事故による放射能汚染という人災によって、ほぼ全町民が避難していて、自分の町へ戻ることも制限されているのだから、復興が進まないのは当然だろう。

富岡町と同じく、全住民に避難指示が出ていた楢葉町は、原発事故から4年半を迎えた2015年9月5日に、政府が避難指示を解除した。全住民に避難指示が出ている自治体では初めての解除で、政府はこれをモデルケースとしたかったようだ。でも、避難指示の解除から半年が過ぎた現在、楢葉町に帰還した住民は459人だけで、これは全町民7089人のうち、わずか6%にすぎない。そして、帰還した459人のうち、7割近くが60歳を超える高齢者だ。

現在の楢葉町には、1軒のスーパーマーケットと2軒の食堂とプレハブ小屋の仮設郵便局があるだけで、他に商店は何もないという。そして、町のいたるところに、放射性廃棄物が詰め込まれた黒いフレコンバッグが山積みされている。こんな状況で、「避難解除したから帰還してください」と言われても、たとえ帰りたくても帰れない人たちが大半だと思う。楢葉町に帰還した70代の男性は、「この町の人口や経済が回復する見込みはほとんどありません。結局、この地域は消滅するのです」と寂しそうに語った。

でも、政府が避難解除を宣言したとたんに、大きく変わってしまうことがある。それは、仮設住宅や親類の家などに避難している町民が「自主避難者」にされてしまうということだ。政府の避難指示に従って避難している人たちは、状況に応じて最低限の補償などが受けられるけど、「自主避難者」は自分の意思で避難しているのだから、国も自治体も東電も何の補償もする必要はない、ということだ。政府が避難を解除すれば、その地域から避難していた人たちに対する加害者の補償責任は消滅し、加害者である東京電力の負担が減るという構図になっている。


‥‥そんなワケで、震災から5年を迎えた今回、いろいろな媒体の復興に関するレポートや記事を見聞きしたあたしは、復興にも「格差」があることを知った。そして、その最大の要因になっているのが、原発事故による放射能汚染という人災であることも分かった。原発事故で避難を余儀なくされた人たちは16万人以上もいるけど、このうち、現在も福島県内の仮設住宅などで生活しているのは全体の10%程度で、大半の人たちは県外に家と仕事を見つけて新たな生活を始めている。つまり、もう故郷に戻ることを諦めた人たちなのだ。安倍晋三首相は震災から5年を迎えた会見で、「私は被災地を30回も視察した」とドヤ顔でノタマッて「復興は進んでいる」と豪語していたが、官僚が用意した「復興の進んでいる自治体」ばかりを漫遊して自画自賛を続けるのではなく、一度でもいいから富岡町や楢葉町、双葉町や浪江町や飯舘村を視察して、原発という間違った国の政策が、どれほど多くの人たちの人生をメチャクチャにしてしまったのか、この事実を深く胸に刻み、二度と同じ過ちを繰り返さないようにしてほしいと心から思った今日この頃なのだ。


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