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2016.03.15

限りなく賭博に近いゲン担ぎ

巨人の複数の選手が関与していた野球賭博問題は、公式戦や練習中に選手の間で現金をやり取りしていたという、球界全体を巻き込むような新たな問題へと発展した。

これまでの証言や各紙の報道などを総合すると、巨人の1軍の公式戦では、試合開始前に投手陣12人前後、野手陣16人前後が、それぞれ別に円陣を組んで士気を高めるための声出しをする。1人が「ファイト!」、残りが「オー!」ってやつだ。あれで、この日の試合に勝てば、最初に「ファイト!」と言った選手に、残りの選手たちが1人5000円ずつ支払う。試合に負けたら、「ファイト!」と言った選手が全員に1000円ずつ支払う。最初に「ファイト!」と言う選手は、麻雀やオイチョカブの親のように、持ち回り制だったという。

つまり、投手陣と野手陣を合わせて、巨人が試合に勝った場合は、最大で14万円前後の現金が、負けた場合は2万8000円前後の現金が、試合後のロッカールームでやり取りされていたということになる。この金額について、今回の野球賭博問題で契約解除になった元投手の笠原将生氏(25)は、「連勝すると金額が跳ね上がっていった」と証言しているけど、巨人側は金額は一定だったと主張している。

また、練習中のシートノックについて、同じく野球賭博問題で契約解除になった元投手の松本竜也氏(22)は、「投手陣へのノック練習の時、エラーの数が一番多かった選手が他の選手たちに現金を払う仕組みになっていた。エラー3回なら3万円をメンバーに払う。10万円以上負けることもあった。この仕組みは自分が入団した時からあった。中には現金が賭かっていることを承知で、わざと若手に厳しいノックをするコーチもいた」と証言している。また、松本竜也氏は、「選手間では麻雀やトランプなどの賭け事も日常的に行なわれていた」とも証言している。

これらの現金のやり取りについて、野球賭博問題を調査していたNPB(日本プロ野球機構)からの報告で、巨人の上層部は把握していたのに、これまで発表しなかった。そして、野球賭博問題で契約解雇した元選手たちの証言から、これらの現金やり取りがオオヤケになると、巨人の森田清司総務本部長は事実を認めた上で、「これはゲン担ぎだ」とか「モチベーションを維持するためだ」とか「ご祝儀のようなものだ」とか「賭博とは違う」とか、挙句の果てには「少額なので問題ない」とか言い出した今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、昨年2015年の巨人のペナントレースの成績は、143試合75勝67敗1引分でリーグ2位だったので、勝った試合で14万円、負けた試合で2万8000円がやり取りされていたとすれば、総額で約1200万円もの現金が動いていたことになる。これを「少額」と言うのだから、さすがは天下の巨人軍だ。そして、笠原将生氏が証言しているように「連勝すると金額が跳ね上がる」のであれば、もっと大きな現金が動いていたことになる。

で、現時点までの報道によると、試合前の円陣での現金のやり取りは、2012年の5月から始まったという。原辰徳監督7年目(通算9年目)のこのシーズン、前年度から導入された反発力の低い統一球により、長打力が売りの巨人は思ったように得点を挙げられず、4月には2回の5連敗を喫してしまう。しかし、5月に入ると急に打線が繋がるようになり、6月には開幕から首位を走っていた中日に追いつき、連勝を重ねてリーグ優勝を果たし、日本シリーズでも日本ハムを「4-2」で破って日本一に輝いた。

ようするに、絶不調だった開幕からの流れを、一気に絶好調に変えたのが、この現金のやり取りだったってワケだ。あの日本シリーズの時も、ロッカールームで現金が飛び交っていたのかと思うと、日ハムファンのあたし的には、「こんな奴らに負けたのか!」と、何ともやりきれない気分になる。

だけど、もしも日本ハムの選手たちも同じようなことをしていたとしたら‥‥って想像すると、さすがに巨人だけを責めることはできなくなる。だって、今日15日、阪神の四藤慶一郎球団社長も、チーム内で試合前の円陣やノック練習などでの現金のやり取りがあったことを認めたからだ。これも、今回の巨人の野球賭博問題を受けて、調査して分かったことだという。

四藤球団社長は、ハッキリした金額は口にせず、「巨人ほど高くはない。数千円のことですよ」とコメントしたけど、一部の情報では、巨人と試合をしたセ・リーグの他球団の選手が、巨人の選手から「うちは1人5000円だよ」と聞かされて、「そんなに高いのか?うちはもっと安いよ」という会話があったそうなので、この点はツジツマが合う。そして、これらの証言から推測できるのは、「金額の差はあれ、巨人と阪神だけでなく、もっと多くの球団が日常的に行なっていたのかもしれない」ということだ。


‥‥そんなワケで、全球団に聞き取り調査をしたNPBは、巨人の1軍の選手の大半が、この円陣やシートノックでの現金のやり取りに参加していたという事実を把握しながら、巨人の上層部への報告では「野球協約には抵触しない」と伝えている。このことからも、巨人だけでなく、複数の球団が同じようなことを日常的に行なっていて、これを「野球協定に抵触する」と判断してしまうと、今期のペナントレースが開催できないような大問題になってしまうため、取りあえず大ごとにしないように内々に処理しようとした、という経緯が推測できる。でも、巨人を解雇された選手たちが日常的に現金のやり取りがあったことを告白したため、球団側も隠しておけなくなったんだろう。

阪神の四藤球団社長も「ここ数年のことだと聞いている」とコメントしているので、巨人の「2012年5月から」という説明ともツジツマが合うけど、これが事実だとすれば、試合前の円陣での現金のやり取りには、現在の高橋由伸監督も、昨年までの現役時代の4年間、この「限りなく賭博に近いゲン担ぎ」に参加していた可能性が濃厚ミルクだ。そして、練習中のシートノックに関しては、松本竜也氏の証言によると「コーチも知っていた」とのことだから、コーチが知っていて監督が知らないということは、なかなか考えられない。当時の原辰徳監督が、これらの現金のやり取りを黙認していたのであれば、当然、原辰徳氏の責任も追及しなくてはならない。

昨年9月、阪神のゴメス選手が甲子園球場でドローンを飛ばして問題になった時、原辰徳監督は「タイガースは余裕があるねえ。うちのチームにはそんなことする選手はいないよ」と余裕で笑っていたけど、その1カ月後に、原辰徳監督は突然、辞任を発表した。そして、巨人は、翌年も現役でやる気マンマンだった高橋由伸選手を強引に現役引退させて次期監督に任命したけど、原辰徳監督が辞任した直後に発覚したのが、そう、今回の一連の野球賭博問題だ。

野球賭博問題に関しては、事前に球団へ調査が入っていたのだから、野球賭博問題が公表される直前の、この極めて不自然な人事を見れば、誰もが「長年の功労者である原辰徳を球団が守った」と推測するだろう。もちろん、これを証明することはできないけど、巨人には問題をウヤムヤにするという自民党のような隠蔽体質が蔓延している。原辰徳氏が現役時代、妻の妊娠中に愛人と不倫をしていて、これを隠蔽するために反社会勢力のような人物らに口止め料として1億円を支払ったという問題にしても、飛ばないボールをミズノに作らせたという問題にしても、結局は誰も処分されずにウヤムヤになった。まさに自民党のようではないか。


‥‥そんなワケで、いくらNPBが「野球協定には抵触とない」と判断したと言っても、あたしから見れば、こんな判断は問題を矮小化するための詭弁でしかない。いくら一般人より高額の報酬をもらっている選手たちだとは言え、1試合に14万円、シーズンを通して1200万円もの現金をやり取りするなんて、普通じゃ考えられない。1000点1000円の賭け麻雀で、ハコテンでウマが乗って5万円払うのと、1回エラーしたら1万円のシートノックで、5回エラーして5万円払うのと、いったいどう違うと言うのか。そして、それ以前に、現金のやり取りをしないと高まらない士気、現金のやり取りをしないと維持できないモチベーションって、何なんだ、それ?あたしは、プロ野球ファンとして、こんなに残念な気持ちになったことはない。せめてパ・リーグだけは、せめて日本ハムだけは、こんな低次元なこととは無関係であってほしいと心から願っている今日この頃なのだ。


【追記】このエントリーをアップした直後に、西武でも選手間で現金のやり取りがあったという残念な報道がありました。でも、西武の場合は、「4連勝か5連勝した時に、試合前の円陣で声出しした選手に対して、ご祝儀として他の野手15人から1000円ずつ贈っていた」ことと、「練習中のノックで投手がエラーした際に100円から数百円の罰金を徴収し、それをためておいてオフの投手会などのイベントで使用していた」というもので、パ・リーグ贔屓のあたしの感覚なのかもしれませんが、巨人のケースとは、ずいぶん違うように感じました。とにかく、セもパも、もうこんなことでファンをガッカリさせるのは終わりにしてほしいです。


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