不思議な予知夢で万馬券ゲットだぜ!
ゆうべ、と言うか、今日の早朝なんだけど、あたしは、ものすごく不思議な夢を見た。あたしの夢には、何度も見てる「いつものパターン」があって、その中のひとつ、映画「ブレードランナー」と「スワロウ・テイル」が合わさったみたいな、近未来的でありながら郷愁も感じられる奇妙な都市に迷い込むという「いつものパターン」だった。
雑多なお店がひしめきあう路地には、日本語、英語、中国語など、いろんな文字で書かれた看板が並び、行き交う人々も国籍不明で、いろんな言語が飛び交ってた。そして、その路地を進んで行くと、真空管や配線パネル、旧式のインジケーターやコイルなど、中古の機械部品を山積みにしたガラクタ屋さんのようなお店があった。
あたしは、そのお店が何となく気になり、店頭の大きな木箱の中に無造作に入れられた機械部品を手に取って見ていた。すると、いろんな部品の間から、タバコの箱くらいの大きさの小型ラジオが出て来た。どうやら短波ラジオらしい。スピーカーは付いてなくて、イヤホンで聴くタイプのようだった。ずいぶんと古いみたいで、チューニングの目盛りが消えかかってた。
ちゃんと聴こえるのかな?‥‥そう思ったあたしは、イヤホンを耳に差し、スイッチを入れてみた。そしたら、ザザー、ザザーと音がした。電池も入ってるし、ラジオ自体も壊れてないようだ。そして、あたしが、チューニングのダイヤルを回していると、店の奥から、小柄で痩せた白いヒゲのおじいちゃんが出て来た。のあ~!ミッキー・カーチスさんだ!‥‥って、この辺のキャスティングは、完全に「スワロウ・テイル」の影響なんだと思うけど、ミッキー・カーチスさん扮する店主は、あたしにこう言った。
「その短波ラジオ、俺が修理したんだけど、なんせ半世紀も前の代物だから、もう部品が手に入らなくてね‥‥。それで、今どきの部品を流用してみたら、チューナーが不安定になっちまってさ‥‥。時空の座標軸が不安定なんだよ‥‥」
「え?それって、どういうことですか?」
「う~ん、だいたいは普通に受信するんだけどね、時々、時空の歪みを通過した短波を受信しちゃうんだよ」
「それって?」
「ようするに、現在放送中の番組だけでなく、昨日の放送や明日の放送を受信しちゃうことがあるんだよ」
「ええっ!!」
「大きな歪みを通過した短波は受信できないから、過去も未来も最大で24時間くらいまでだな。たとえば、朝の8時にラジオをつけると、12時間後の夜の8時に放送する予定の番組が聴こえて来たりするんだよ」
「過去なら分かるけど、未来の番組が聴こえるなんて、そんなことホントにあるんですか?」
「うん、だから、売り物にならないんだよね」
「そんなことないですよ!ぜひ、あたしに売ってください!」
「そうかい?それなら1500ルピーでいいよ」
1500ルピー?‥‥って思ったあたしだけど、お財布の中を見たら、100ルピーとか500ルピーとかのお札が何枚か入ってたので、それで支払い、その不思議なラジオを手に入れた今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、あたしは、モノレールに乗っていた。どこへ向かっているのか分からないけど、とりあえず、さっきまでいた街から、自宅へ帰ろうとしているようだ。そして、おもむろにラジオを取り出して、イヤホンを耳に差し、スイッチを入れてみた。ザザー、ザザー、ザザー。チューニングのダイヤルを少しずつ回すと、雑音が大きくなったり小さくなったりして、あるところで、雑音の隙間に人の声が聴こえた。
「ザザー、ザザー、復活です、ザザー、ザザー、7歳で重賞初制覇です、ザザー、ザザー」
どこかで聞いたことのある声だった。そうだ、これは短波ラジオなんだから、これは「ラジオNIKKEI」の競馬中継だ。だけど、聞こえた声はこれだけで、あとはどんなにダイヤルを回しても、ザザー、ザザーという雑音しか聴こえて来なかった。そして、あたしは目が覚めた。
変な夢だったな~と思いつつ、この夢の中の競馬中継の言葉がヤタラと気になったあたしは、今日の競馬をチェキしてみた。ここんとこ、お金もないし、週末はお仕事が立て込んでるから、しばらく競馬はお休みしてたので、どんなレースがあるのかチェキしてなかったのだ。そしたら、今日、7日の日曜日の重賞競走は、新潟の「レパードステークス」と小倉の「小倉記念」の2レースだけだった。でも、「レパードステークス」は3歳馬だけのレースなので、7歳馬が出られるのは「小倉記念」だけだ。
で、「小倉記念」の出走表を見てみると、7歳馬は、エキストラエンド、クランモンタナ、マーティンボロ、14頭のうち3頭だけだった。だけど、エキストラエンドもマーティンボロもすでに重賞を勝ってる馬なので、「7歳で重賞初制覇」となると、該当するのはクランモンタナだけだった。クランモンタナは、ディープインパクト産駒ということで、デビューから1年くらいは注目されてたし、そこそこの成績を上げてた。だけど、ここ2年は1回も勝ててない。
あたしは芦毛マニアなので、あまり好きじゃないディープインパクト産駒の中ではクランモンタナをけっこう応援してたけど、ここ最近は馬券には絡めなかった。でも、ものすごく不思議な夢を見た上に、その夢の内容にピッタシカンカンなシチュエーションの馬がいたのだ。これは「予知夢」だと判断して、馬券を買っておくべきなんじゃないか?
お金がなくて、ギリギリの節約生活を続けてるあたしは、朝から葛藤しまくった。何しろ、クランモンタナは14頭中11番人気で、単勝オッズは37倍だ。オマケに、2年間も勝ってない上に、前走は14頭のレースで13着、こんな馬が、重賞を何度も制してる強力な馬たちに囲まれて、勝てるワケがない。いくら芦毛をヒイキする「芦毛教」の信者でも、これは無謀すぎる。
唯一の「良い材料」は、このレースがハンデ戦という点で、強い馬は背負うハンデが重くなる。1番人気のダコールは58キロ、2番人気のサトノラーゼンは57キロだけど、クランモンタナは54キロだ。だけどクランモンタナは、今年3月のハンデ戦「大阪城ステークス」で、54キロだったけど12着に撃沈してる。
‥‥そんなワケで、あれこれと葛藤してるうちに、お仕事に行く時間が迫って来たから、後悔だけはしたくなかったあたしは、大急ぎで「即PAT」にアクセスして、クランモンタナから人気上位5頭への馬単を100円ずつ、計500円だけ馬券を買った。「500円だけ」と言っても、1食100円の節約生活を続けてるあたしとしては、富士山から飛び降りるほどの大バクチだった。
そして、日曜日の夜、お仕事から帰って来たあたしは、まずは日本ハムの試合結果を確認したんだけど、昨日に続いて今日もソフトバンクに快勝してたから、とりあえず気分が良くなった。だけど、あたしには、「日ハムが勝つと競馬が負ける。競馬が勝つと日ハムが負ける」というジンクスがあるし、そんなジンクス以前に、11番人気の馬が勝つ確率なんて最初からほとんどないので、ぜんぜん期待せずにJRAのレース結果を見てみた。
そしたら、ナナナナナント!ナナナナナント!ナナナナナント!‥‥って、久しぶりだから3連発で叫んじゃうけど、クランモンタナが1着!そして、4番人気のベルーフが2着!当たってんじゃん!それも、馬単の配当は3万5060円!ニワカには信じられなかったあたしは、とりあえず「即PAT」にアクセスしてみたら、ちゃんと3万5060円の配当が支払われてた!
‥‥そんなワケで、コーフン冷めやらぬまま、JRAのサイトで「小倉記念」のレース映像を観たあたしは、5年前の夏に小倉競馬場へ行った時のことを思い出した。そう言えば、小倉競馬場へは小倉駅からモノレールに乗って行ったんだよな。もしかして、夢の中であたしが乗ってたモノレールって、小倉競馬場へ向かってたのかもしれないな。そんなことを思いつつ、念のために録音しておいた「ラジオNIKKEI」の中継を聴いてみて、あたしは驚いて言葉を失ってしまった。何故かと言うと、「小倉記念」のゴールで、実況アナが次のように叫んでいた今日この頃なのだ。
「クランモンタナです!クランモンタナが復活です!7歳で重賞初制覇です!」
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