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2016.11.18

今年の新語流行語大賞のノミネート30語

またまた今年も『ユーキャン新語流行語大賞』のノミネート30語が発表されたので、ザッと目を通してみたら、今年は30のうち25も知ってるものが並んでて、聞いたことがないものや意味が分からないものは5つだけだった。去年も一昨年も半分くらいは知らない言葉だったので、今年は選考基準が変わったのだろうか?‥‥なんて思った今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?

 

 

‥‥そんなワケで、今日はマクラは短くして、さっそくノミネート30語の紹介と、それぞれの言葉に対するあたしの理解度や感想を、以下、50音順で書いていきたいと思う。

 

 

「アスリートファースト」
これは、小池百合子都知事が、都政改革の一環として2020年東京五輪のカヌー・ボート競技の会場などを見直すために使った言葉だけど、後から出てくる「都民ファースト」という言葉が先にありきで、その流れから生まれたものだ。ようするに、「何よりも都民を優先」「何よりもアスリートを優先」と言っておけば、文句をつけられにくくなる、という姑息な手口だ。だって、ホントに「アスリートファースト」と思ってるのなら、アスファルトの温度が60度を超えるような真夏にフルマラソンなんかやらないだろう。ホントに「アスリートファースト」と思ってるのなら、会場の変更よりも日程の変更が先だろう。それに、涼しくなる10月後半に開催すれば、オリンピックなんかのせいでプロ野球の開催が潰されることもなくなるからだ。

 

 

「新しい判断」
これは、安倍晋三首相が、公約を撤回する時に使った詭弁だ。2014年11月、安倍首相が消費税10%への増税時期を1年半先送りすると発表した際、「再度の延期は絶対にない。それまでにアベノミクスの3本の矢をさらに前に進め、必ずや増税できる経済状況を作り出すとお約束する」と公言したのにも関わらず、今年6月には増税時期の「再度の延期」を発表した。その時の説明が、この「新しい判断」という噴飯モノのイイワケだった。何年経っても成果の出ないアベノミクスは「道なかば」、公約の撤回は「新しい判断」、この人のイイワケを聞いていると、政治家よりもマルチ商法の勧誘のほうが向いてるような気がしてくる(笑)

 

 

「歩きスマホ」
これは、読んで字のごとく、歩きながらスマホを操作する行為のことだけど、別に今年になって始まったことじゃない。でも、これまた後から出てくる「ポケモンGO」が流行したことで、この「歩きスマホ」の人口が大幅に増え、今年の流行語にノミネートされたんだと思う。

 

 

「EU離脱」
これは、今年の6月に行なわれた、イギリスの欧州連合離脱の是非を問う国民投票によって、大方の予想とは逆の「EU離脱」という結果が出てしまい、イギリスだけでなく、いろんな国がハラホロヒレハレしちゃったという今年最大の国際ニュースだ。ちなみに、テリーザ・メイ首相は、来年3月までにEU側とブレグジット(離脱)交渉を開始するための通知を行なうと宣言していたけど、11月、裁判所が「交渉開始の通知をする前に議会の承認が必要」という判断を下しちゃった。そして、その議会は大半の議員が「EU離脱」に反対する残留派だから、このまま行くと「国民投票によって決まった結果を司法がひっくり返した」ということにもなりかねない。

 

 

「AI」
これは、「Artificial Intelligence (アーティフィシャル・インテリジェンス)」、直訳すれば「人工的な知能」だけど、日本では「人工知能」と訳されてる。ケータイやスマホでメールを打つ時に、予測変換という「余計なお世話」的な機能がジャマくさいけど、あれの進化したみたいものが、この「AI」だ。その利用者の利用具合を学習して、蓄積したデータから予測して、最適な対応を行なう‥‥といった流れのシステムで、企業の商品管理から自動車の自動運転など、いろいろと活用され始めてるけど、あたしは、「人類を無能化させる旗手」という一面もある諸刃の剣だと思ってる。

 

 

「おそ松さん」
これは、赤塚不二夫の「おそ松くん」を下敷きにした今年の新作アニメで、一部に熱狂的なファンを生み出すほど大ヒットした。多くは女性のファンで、それぞれのファンに「推しメン」がいるそうだ。ちなみに、あたしは初回の冒頭を10分ほど観たけど、あの今どきのノリに着いて行けなかったので、観るのをやめた。

 

 

「神ってる」
これは、広島カープの鈴木誠也選手が2試合連続でサヨナラホームランを打った時に、緒方孝市監督が言った言葉だ。正確には、「今どきの言葉で言えば『神ってる』だな」と言ったと報じられてる。妻でタレントのかな子さんによると、子どもたちが使っていた言葉を聞いて、緒方監督が使ったらしい。

 

 

「君の名は。」
これは、後から出てくる「シン・ゴジラ」と並んで、今年ヒットした邦画アニメのタイトルだ。あたしは「君の名は。」も「シン・ゴジラ」も観てないから、内容に関しては何も言えることはないけど、さっきの「おそ松さん」にしても、この「君の名は。」や「シン・ゴジラ」にしても、どれも「今年ヒットした作品のタイトル」というだけで、これらのタイトルが流行語としてノミネートされたことに疑問を感じる。たとえば、「倍返しだ!」という主人公の決め台詞は流行語だけど、「半沢直樹」というドラマのタイトルは流行語じゃない。だから、これらの作品も、主人公や登場人物の台詞がノミネートされたなら分かるんだけど‥‥。

 

 

「くまモン頑張れ絵」
これは、今回のノミネート30語の中で、あたしの分からなかった5つのうちの1つだ。もちろん「くまモン」は知ってるけど、「頑張れ絵」が分からない。もしかすると「頑張れ絵」と書いて「がんばれえ」と読むのだろうか?今年は熊本地震が起こったので、たぶん、被災した人たちを励ますためのものだと思うけど、この言葉は初めて目にした。

 

 

「ゲス不倫」
これは、もともとは、タレントのベッキーが、「ゲスの極み乙女」のボーカルの川谷絵音という妻帯者と不倫して、その対応ぶりの酷さから「ゲス不倫」と呼ばれ始めたものだけど、その後もいろんなタレントの不倫が続いたため、今では有名人の不倫全般を「ゲス不倫」と呼ぶようになった、と認識してる。だけど、「ゲス不倫」などという言葉が生まれてしまうと、まるで「美しい不倫」や「正しい不倫」も存在するような勘違いが起こりそうな気がする。不倫は「倫理に反すること」なのだから、すべての不倫が「ゲス」なのだ。

 

 

「斎藤さんだぞ」
これは、まったく分からないし、言葉から推測することもできない。ネットで検索すれば分かると思うけど、このエントリーは「ノミネート30語を見た時点でのあたしの認識」について書いてるので、書き終ってから検索してみる。

 

 

「ジカ熱」
これは、蚊によって感染する感染症で、別名「ジカウイルス感染症」と呼ばれるものだ。妊婦が感染すると胎児が小頭症になる危険性があり、男性が感染すると精巣の委縮や精子の減少など生殖機能にダメージを受ける可能性があると言われている。確かに、「ジカ熱」そのものは世界的に流行したけど、「ジカ熱」という言葉が流行したとは、あたしには思えない。

 

 

「シン・ゴジラ」
これは、もちろん今年ヒットした邦画のタイトルだ。さっきの「君の名は。」の項にも書いたけど、どれほど大ヒットした映画でも、そのタイトルを流行語にノミネートすることには違和感を覚える。でも、一応は何か書かなきゃならないから、観てないあたしの知ってることとして、「エヴァンゲリオン」の庵野秀明監督が総監督をつとめていて、エヴァ的な要素が含まれている、ということくらいか。

 

 

「SMAP解散」
これは、スッタモンダの挙句に今年いっぱいでSMAPが解散するということだけど、これにも疑問がある。「SMAPが解散する」という芸能ニュースは、確かに一部のファンの間では大ニュースとして駆け巡ったとは思うけど、「SMAP解散」という言葉が流行したの?たとえば、「今年の十大芸能ニュース」の上位にランキングされるのなら分かるけど、この言葉を流行語としてノミネートする感覚が、あたしは理解できない。

 

 

「聖地巡礼」
これは、主にアニメ作品のファンが、そのアニメの舞台となってる場所を巡ることで、特に新しいムーブメントじゃない。新撰組のファンが高知や京都に行ったりするのも「聖地巡礼」だし、松尾芭蕉が大好きなあたしが「おくのほそ道」の一部を旅行したのだって「聖地巡礼」だ。ただ、アニメファンの場合は、好きな声優の誕生日を「生誕祭」と言ったり、好きなアニメの舞台を「聖地」と言ったりするのが好きだから、そういう感覚から生まれた表現だと思う。

 

 

「センテンススプリング」
これは、先ほどの「ゲス不倫」のベッキーと川谷絵音の2人が、自分たちの不倫を報じた週刊文春のことを揶揄したメールの中で、「文春」を指して使った言葉だ。だけど、そのメールまでもが報じられてしまい、この不倫騒動が泥沼化していくキッカケになってしまった。これは確かに「今年の流行語」と呼べるだろう。

 

 

「タカマツペア」
これは、申し訳ないけど分からない。たぶん、リオ五輪での何かの競技のダブルスのことで、タカなんとかさんとマツなんとかさんなんじゃないか?‥‥ということまでは推測できるけど、オリンピックはいっさい観てないので分からない。唯一、文化放送の現地レポートだけは聴いてたけど、太田英明アナの「食べ物がなくて困ってる」という悲痛な訴えや、吉田涙子記者のリオから浜松町のスタジオへのツッコミくらいしか記憶にない。

 

 

「都民ファースト」
これは、最初にあげた「アスリートファースト」と同じく、小池百合子都知事がB層の有権者を騙して票集めに利用した言葉だ。小泉純一郎元首相が郵政解散をした時、「自民党をぶっ壊す!」と連呼して総選挙に大勝したけど、その時に某広告代理店に作成させた戦略書には、「自分の考えを持たず、周囲に流されやすいB層をターゲットにして、単純で分かりやすい言葉を連呼して支持を拡大する」と明記されてるので、今年の都知事選で「都議会をぶっ壊す!」と叫んだ小池百合子を見て、あたしは「小泉と同じ戦略だな」と思った。

 

 

「トランプ現象」
これは、アメリカ大統領選に共和党候補として出馬したドナルド・トランプ氏が、排外的な過激発言を繰り返したことによって、それまでは排外的なことを「思っていても口には出さなかった人たち」が、次々と同調して過激発言をするようになり、国家全体が極右化していく現象のことだ。トランプ氏のような極端なナショナリスト(国粋主義者)が国のリーダーに選ばれるという背景には、それまでのグローバリズム一辺倒だった国の政策に取り残されてきた多くの人たちの不満の鬱積がある。

 

 

「パナマ文書」
これは、タックスヘイブン(租税回避地)の1つであるパナマの法律事務所が作成した租税回避な関する一連の機密文書のことで、ドイツの地方紙が流出したデータを入手して公開された。海外では名前の出た首相や閣僚が辞任に追い込まれるほどの大騒ぎになったけど、日本では政府と企業とマスコミがスクラムを組んで「法的には何も問題ない」という姿勢を貫き続け、未だに誰1人として立件されていない。

 

 

「びっくりぽん」
これは、まったく分からない。もしかしたら、今年ヒットしたアニメの主人公の台詞なのかも知れないけど、「魔法つかいプリキュア」と「ジョジョの奇妙な冒険」と「夏目友人帳 伍」しか観てないあたしとしては、「キュアップ・ラパパ♪」や「ドラララララララーーー!!」なら分かるんだけど、あとは分からない。

 

 

「文春砲」
これは、週刊文春のスクープの破壊力を評した言葉で、この「文春砲」をお見舞いされると、タレントから政治家まで大ダメージを受けることになる。それなりに流行したとは思うけど、今年だけの流行ではなく、来年以降も使われると思うので、流行語というよりも新語として捉えたいと思う。

 

 

「PPAP」
これは、ピコ太郎という芸人のパイナップル何とかという歌のことで、YOU TUBEにアップされていた動画をジャスティン・ビーバーが紹介したことから世界的に知られるようになった、ということくらいは知ってるけど、あとはよく分からない。あたしは、ピコ太郎の実際の動画は観たことがないけど、大好きな日ハムのレアード選手と奥さんをお寿司屋さんに招待するという動画の中で、レアード選手に「PPAP」をお寿司でやってもらうというミニコーナーがあって、それは観た。

 

 

「保育園落ちた日本死ね」
これは、子どもが保育園に入れなかったことをお母さんが綴ったブログのタイトルで、現在の日本の待機児童問題の深刻さを浮き彫りにするきっかけとなったものだ。国会で、野党がこのブログを例にあげて待機児童問題への対策を質疑したところ、安倍晋三首相が「(ブログは)匿名なので、実際に起こったことなのか確認できない」などと答弁したものだから、待機児童を持つお母さんたちが怒って国会前に集まって抗議する事態にまで発展した。

 

 

「(僕の)アモーレ」
これは、まったく分からない。ヒントは(僕の)だけど、いったい何なのだろうか?あたし的には、中森明菜ちゃんの「ミ・アモーレ」くらいしか思い浮かばないけど、30年も前の歌だから関係ないと思うし、推測することができない。まったく分からない上に、気の利いたコメントもできないので、この項はサラッと流したいと思う。

 

 

「ポケモンGO」
これは、今年、爆発的にヒットしたスマホ用のアプリゲームだ。スマホのGPS機能を利用したゲームで、実際に自分が特定の場所に行かないとポケモンをゲットできないため、いつもはシーンとしている深夜の公園に何十人もの人が集まるなど、異様な光景が見られるようになった。また、このゲームをやりながら車を運転して人身事故を起こすという事例まで起こり、社会問題化した。でも、スマホが大嫌いで、未だにガラケーを使ってるあたしには、まったく関係ない。

 

 

「マイナス金利」
これは、往生際の悪い日銀の黒田東彦総裁が今年の1月下旬に発表した金融緩和政策で、日本では初めての導入だった。ザックリと説明すれば、金融機関が日銀に預けてる当座預金のうち、任意で預けているぶんに「マイナス金利」をつけるというもの。日銀に預けると「マイナス金利」で元金が減っちゃうから、金融機関は日銀に預けてた任意の預金を引き上げて、それを企業や個人への貸し出しに回すようになり、経済の活性化に繋がる‥‥という、まるで「風が吹けば桶屋が儲かる」みたいな、限りなく現実性のない政策だ。

 

 

「民泊」
これは、旅行者などが一般の民家に宿泊することで、無料でも有料でも「民泊」と呼ばれる。でも、今年の流行語としてなら、海外からの訪日旅行客を増やすために進められた政策のことなので、有料のものだけに限られる。よく勘違いする人がいるけど、全国どこの民家に宿泊しても「民泊」になるワケじゃない。国家戦略特区における特例としての「民泊」と、農業や漁業の体験をするための「農家民泊」と、大きなイベントが開催される時に臨時的に行なわれる「イベント民泊」だけが「民泊」だということ。これら以外は、一般の民家であっても、「民宿」と同じに旅館業法上の簡易宿所営業として申請しなきゃ有料で人を宿泊させることはできないので、正確には「民泊」とは呼ばない。だから、今年の流行語としてなら、こちらの「訪日客を受け入れるために簡易宿所営業として申請した民家」をノミネートすべきであり、「民泊」をノミネートするのは間違ってる。

 

 

「盛り土」
これは、築地市場の移転先の豊洲新市場の問題だけど、多くの人と同じに、あたしも「もりつち」じゃなくて「もりど」という読み方を知って意外だった。そして、少し社会問題的なことを言わせてもらうと、環境省は今年の6月に、福島第1原発事故の除染にともなう大量の放射性廃棄物について、「放射性セシウム濃度が1キロ当たり8000ベクレル以下であれば、公共事業の盛り土などに限定して再利用する」という方針を発表した。豊洲新市場の盛り土は、土壌汚染から市場を守るために敷かれたものだけど、もしも、その盛り土自体が放射性廃棄物だったら、まったく意味がないよね。

 

 

「レガシー」
これは、「遺産」という意味で、スバルの自動車のことじゃなくて、2020年東京五輪の会場の見直しを提言した東京都と、計画通りの新会場建設を要求する競技団体や選手など利権側の人たちの双方が頻繁に口にした言葉だ。だけど、今になって突然、「レガシー」「レガシー」と連呼されても、正直、「はぁ?」って感じしかしない。本当の意味で東京五輪の会場に遺産性を求めるのなら、何よりも貴重な国立競技場をトットと解体しちゃったのは何故なのか?あの競技場を残しておいて、設備だけを最新のものにすれば、それこそレガシーな会場で歴史的な東京五輪を開催することができたのに、欲に目がくらんだシロアリどもが、今さら何言ってんの?

 

 

‥‥そんなワケで、これが今年のノミネート30語と、あたしの感想だ。分からなかった言葉は、これからネットで検索して調べてみるとして、今年の30語を見てあたしが感じたのは、とにかく政治がらみの言葉、特に安倍政権を批判する言葉が極端に少なくなったということだ。去年は今年と違って50語がノミネートされたけど、その中から安倍政権がらみの言葉を抜き出してみると、「1億総活躍社会」「戦争法案」「白紙撤回」「存立危機事態」「駆けつけ警護」「粛々と」「切れ目のない対応」「国民の理解が深まっていない」「レッテル貼り」「早く質問しろよ」「テロに屈しない」「自民党、感じ悪いよね」「アベ政治を許さない」「I AM KENJI」「I am not ABE」「シールズ(SEALDs)」「とりま、廃案」「マイナンバー」「大阪都構想」「下流老人」など20語もあったのに、今年は「新しい判断」の1つだけだ。今年10月、国際NGOの「国境なき記者団」は、日本の報道の自由度を世界180カ国の中で72位に後退させ、「2012年に安倍晋三氏が再び首相になって以来、日本の報道の自由度は著しく低下している」と指摘し、「特に安倍政権に対する批判的な報道が抑圧されている」と厳しく批判したけど、とうとう、こうした「流行語大賞」の世界にまで、安倍独裁政権の魔の手が伸びてきたような気がする今日この頃なのだ。

 

 

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