芦毛教の御利益
競走馬のサラブレッドには、全部で8種類の毛色がある。体が赤褐色でタテガミやシッポや脚が黒いのが鹿毛(かげ)、鹿毛と同じだけど体が黒みがかった赤褐色なのが黒鹿毛(くろかげ)、さらに黒いのが青鹿毛(あおかげ)、もっと黒いのが青毛(あおげ)、全身が黄褐色で見た目が一番可愛い栗毛(くりげ)、栗毛がもっと黒っぽくなった栃栗毛(とちくりげ)、あたしの大好きな芦毛(あしげ)、そして、とっても珍しい白毛(しろげ)だ。
あたしの大好きな芦毛は、もともとの毛色は栗毛や鹿毛や青毛などなんだけど、これらの毛の中に白い毛が混ざって生えていて、年齢が進むにつれて白い毛の割合が増えて行って、そのうち真っ白になる。だから、2歳でデビューした時には、ほとんどの馬が遠くから見ただけじゃ芦毛とは分からない。でも、3歳、4歳、5歳と進むうちに、少しずつ白い毛の割合が増えてくるので、個体差はあるけど、すぐに判別できるようになる。
一方、珍しい白毛は、生まれた時から真っ白なので、とっても目立つ。個体数が少ないため、まだキチンと科学的には解明されてないんだけど、眼にも色素があるし、鼻孔などのピンクの皮膚の部分にも有色の斑点があるので、いわゆる「アルビノ種」ではないことだけは分かってる。最近では、ただでさえ珍しい白毛なのに、犬のダルメシアンのようなブチのある牝馬、ブチコが人気だったけど、ゲートを克服できずに今年の1月で引退、繁殖馬となった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、あたしが芦毛を好きになったのは、幼稚園の時に、父さんに連れられて行った府中競馬場(現在の東京競馬場)で、他の馬たちをうんと離して逃げ切って勝った芦毛のホワイトフォンテンを見たからだ。そして、小学1年生か2年生の時には、同じく父さんに連れられて行った府中競馬場で、今度は1着になった芦毛のシービークロスを見た。ホワイトフォンテンが逃げ切ったのは「AJC杯」で、シービークロスが勝ったのは「金杯」だけど、当時のあたしはレース名も馬の名前も分からないから、「他の馬たちとは色の違う白っぽい色の馬が勝った」という記憶しかなく、レース名や馬の名前はあとから調べて分かったことだ。
そして、あたしが中学から高校にかけて、今度はオグリキャップとタマモクロスの時代になった。もちろん、あたしは馬券は買えないけど、日曜日のテレビの競馬中継はよく観ていた。そんな流れから、あたしは芦毛が好きになり、今も芦毛を中心に馬券を買い続けてるってワケだ。あたしが本格的に馬券を買うようになって、今年でちょうど10年だけど、これまでいろんな買い方をしてきた。だけど、やっぱり、あたしは「勝ちそうな馬」じゃなくて「好きな馬」を選んでしまう。だから、1年くらい前からは、もう面倒くさい予想なんかするのはやめて、自分の好きな芦毛だけを買うことにした。
競馬には、スポーツの側面とギャンブルの側面があるから、自分の好きな馬や好きな騎手が勝てば嬉しいけど、馬券がハズレちゃうと面白くない。だから、多くの競馬ファンは、自分の好き嫌いよりも「当たるか当たらないか」を考えて馬券を買ってる。でも、あたしはこれができないのだ。たとえば、18頭フルゲートのレースに、あたしの好きな芦毛の馬が出てると、たとえ最下位の18番人気でも馬券を買ってしまうのだ。だから、当たるワケがない。
でも、競馬に「絶対」はないので、たとえ最下位の人気の馬でも、ミラクルが起こって勝つこともある。そして、そんな時に「どうせ18番人気だから来るワケがない」なんて思って、他の馬の馬券を買ってたりしたら、ものすごく後悔することになる。だから、あたしは、人気に関係なく、自分の好きな芦毛の馬券を買い続けてるのだ。これは、もはや、スポーツでもなければギャンブルでもない。スボーツなら馬券など買わずに純粋にレースだけを観戦してればいいワケだし、ギャンブルなら馬の毛色など考えずに当たりそうな馬券を買ってればいいワケだけど、あたしにはどちらもできないのだ。そう、あたしがやってることは、スポーツ観戦でもなく、ギャンブルでもなく、これは「宗教」なのだ。
そう気づいたあたしは、この「芦毛の馬券だけを買い続ける」という行為に対して「芦毛教」という名前をつけた。だけど、まさかあたしが教祖さまってことはないし、この「芦毛教」という宗教に、教祖さまはいない。一応、我が家では、大好きな芦毛のゴールドシップのぬいぐるみを本棚の上に飾ってるので、馬券を買ったら、そのぬいぐるみを拝んだりしてるけど、別にゴールドシップが教祖さまってことでもない。ただ、あたしが「芦毛教」の信者だというだけだ。
‥‥そんなワケで、一昨日と昨日の土日にも、JRAの競馬が、新潟、東京、京都の3カ所で開催されたので、この「芦毛教」の実際の活動をご紹介しようと思う。ま、活動と言っても、ただ単に馬券を買うだけなんだけど、あたしは、1カ月の競馬用のお小遣いを「1万円まで」と決めているので、1週間に使えるのは「2500円まで」だ。だから、土曜のレースで2500円使っちゃうと、翌日の日曜日に馬券が買えなくなる。そのため、土曜日は、だいたい「1000円まで」と決めている。
予算が1000円だと、1レースに100円で3点くらい買うので、3レースしか買うことができない。だから、あたしの場合、まずは1日のレースをぜんぶチェキして、どのレースを買うかを選ぶことから始まる。そして、一昨日の土曜日、あたしは、新潟10R「わらび賞」、新潟11R「駿風ステークス」、京都11R「京都新聞杯」の3レースを選んだ。
「わらび賞」では、あたしの応援してる藤田菜七子騎手が芦毛のシルヴァーメテオに騎乗する。15頭中12番人気だったけど、この馬は菜七子ちゃん騎乗で初勝利をあげてるし、芦毛にはピッタリの白の1枠1番だ。そこで、あたしは、この馬から1番人気、2番人気、3番人気の3頭への馬単を100円ずつ買った。的中すれば万馬券になる。
次に、「駿風ステークス」は、新潟競馬場の売り物の1つ、1000メートルの直線コースを走り切るスプリントレース、自動車で言えば「ゼロヨン」みたいなレースなので、内枠や外枠による有利不利はない。16頭立てで、芦毛は8番人気のブライトチェリーと14番人気のヴァイサーリッターの2頭だけど、新潟の1000メートル直線コースで2勝をあげてるブライトチェリーを選び、この馬から1番人気、2番人気、3番人気の3頭への馬単を100円ずつ買った。こちらも的中すれば万馬券になる。
そして、「京都新聞杯」は、12頭中に芦毛が3頭も出る。2番人気のプラチナムバレット、9番人気のカケルテソーロ、12番人気のユキノタイガだ。12頭で12番人気は厳しいけど、2番人気のプラチナムバレットは十分に勝つ可能性が高いから、ここは「芦毛ワンツー」を狙って、プラチナムバレットから他の2頭の芦毛への馬単を100円ずつ買った。これで、3レースの合計で800円だ。
でも、結果は、全滅だった。菜七子ちゃんは、新潟8Rで、ドクターコパさんの持ち馬、5番人気のコパノアラジンに騎乗して、2着馬を4馬身も引き離す好走で中央4勝目をあげたので、10R「わらび賞」にも期待したんだけど、残念ながら10着に沈んだ。それでも、12番人気の馬で10着なんだから、がんばったと言えるけど、馬券はハズレだ。続く11R「駿風ステークス」では、あたしの買ってたブライトチェリーは7着だった。そして、惜しかったのが「京都新聞杯」だ。あたしが馬単の頭にしたプラチナムバレットは、みごとに1着でゴール板を駆け抜けたんだけど、あと2頭の芦毛が、12頭中11着と12着だった。1着と最下位が芦毛なんだから、もしもこれがオセロだったら、ぜんぶ芦毛になってたのに!(笑)
でも、阿佐田哲也さんも言ってたように「勝負は下駄を履くまで分からない」ってワケで、まだ最終レースがある。あたしは大急ぎで新潟と東京と京都の最終12Rを見てみたら、東京12Rに、あたしの一番好きなクロフネ産駒の芦毛、シルバーポジーの名前があって、鞍上は信頼できる戸崎圭太騎手だった。シルバーポジーは3番人気だったので、的中しても高配当は望めないけど、負けたぶんを取り返すには十分だ。そこで、あたしは、この馬から、1番人気、2番人気、4番人気の3頭への馬単を買った。
そしたら、これがみごとに的中して、「3番人気→1番人気」という組み合わせだから2270円の配当だったけど、負けぶんの800円を取り返しただけでなく、1500円近いプラス収支になったのだ。芦毛を信じて買い続けてると、こういうこともあるのだ。これぞ「芦毛教」の御利益(ごりやく)なのか?
‥‥そんなワケで、翌日の日曜日は、G1レースの「NHKマイルカップ」があり、あたしはもちろん、クロフネ産駒の芦毛のアエロリットから買う予定だった。それで、中村愛ちゃんがブログに予想を発表すると言ってたので見てみたら、「私は…4.カラクレナイ、1.モンドキャンノ、3.アウトライアーズ、6.ボンセルヴィーソ、この四頭のワイドで買いました!」とのこと。いくら何でも、東京コースが得意な上に2番人気のアエロリットを外すなんて!それで、ツイッターで聞いてみた。
きっこ @kikko_no_blog
愛ちゃん、NHKマイルカップの予想でアエロリットを外した理由は何ですか~?
2017.05.07 09:32
中村愛 @nakamura_ai
@kikko_no_blog これだけ自分のサイン馬券に絡むことがなかったのよ!w
2017.05.07 09:34
なるほど!あたしは「芦毛教」だけど、愛ちゃんは「サイン馬券教」だったのね!愛ちゃんのブログには「マイルカップはだいぶ荒れるらしいです。なので、自分に縁がある名前の馬とか、好きな番号で買うのが良いとおもってます」と書いてあったので、「サイン馬券」は今回だけかもしれないけど、あたしも「夢のお告げ馬券」や「プリキュア馬券」や「エヴァンゲリオン馬券」など、さんざんやってきたから、その気持ちは良く分かる。
あたしのイチオシのアエロリットは2番人気なので、この馬から1番人気や3番人気へ馬単を買っても配当は低すぎる。そこで、あたしは、単勝オッズが10倍以下の4番人気まではザクッと捨てて、5番人気、6番人気、7番人気への馬単3点で勝負することにした。これなら、万馬券には届かないけど、的中すれば6000円から8000円くらいになる。
そして、次は、京都11R「鞍馬ステークス」、これには、クロフネ産駒じゃないけど、母の父がクロフネという芦毛のオーヴィレールが出る。5番人気だけど、前走も京都の1600万で勝ってるし、十分に勝てる顔ぶれだ。そこで、あたしは、この馬から1番人気、2番人気、3番人気の3頭への馬単を100円ずつ買うことにした。これは的中しても3000円から5000円くらいだけど、上位3頭は強い馬なので、ここは仕方ない。
だけど、あたし的には、何よりも新潟11R「新潟大賞典」に興味があった。クロフネ産駒の芦毛の中でも特に好きなモズライジンが出るし、もう1頭、マイネルフロストも出るからだ。モズライジンはデビューからずっとダートコースを走ってきた馬で、今回は初めての芝コースになる。そんなこともあって16頭中13番人気という低評価になってたけど、クロフネはダートも芝も両方とも得意な大谷翔平みたいな二刀流の馬だったから、その血を受け継いでる産駒も同様だ。
そこで、あたしは、これもモズライジンから上位人気馬への馬単を買おうと思ってたんだけど、ラジオを聴いてると、どうも仕上がりがイマイチみたいで、それよりもマイネルフロストのほうが良さそうに思えた。だけど、パドック解説を聴いてると、1番人気のメートルダールや3番人気のサンデーウィザードの仕上がりが素晴らしいみたいで、11番人気のマイネルフロストがこれに勝つのは難しそうだ。それで、あたしは、ここは逆目で狙ってみることにした。つまり、マイネルフロストを2着に固定して、1着を1番人気、2番人気、3番人気の3頭にするという馬単だ。
そしたら、ナナナナナント!これが大的中!11番人気だったマイネルフロストは、最後の最後まで3番人気のサンデーウィザードと競り合って、ほとんど同時にゴール板を駆け抜けたんだけど、鼻の差で2着に敗れてしまった!だけど、馬券は大当たりだ!もちろん万馬券、2万450円もついたヒヒ~ン!
馬連で買えば、その2頭のうち、どちらが1着になっても的中になるんだけど、これだと配当がガクッと低くなる。それで、あたしは、1着と2着を当てる馬単で買うことが多いんだけど、これまで、好きな芦毛を1着にして、2着に他の馬を選ぶ方式で買ってきて、芦毛が2着になって悔しい思いをしたことが何度もあった。そこで、今回は、キチンと上位馬の状態を見て、あえて逆目で買ってみたことが、万馬券につながったのだ。
だけど、残念なことに、京都11R「鞍馬ステークス」は、1着が3番人気のキングハートで、芦毛のオーヴィレールはクビ差の2着だった。こっちも逆目か馬連で買えば的中してたのに、強気で行ったのが失敗だった。そして、東京11R「NHKマイルカップ」は、あたしの予想通りに芦毛のアエロリットが勝ったんだけど、2着には13番人気のリエノテソーロが入り、1番人気のカラクレナイは17着に沈むという波乱の結果となった。
‥‥そんなワケで、この土曜と日曜の2日間、芦毛からの馬券だけを買い続けてきたあたしは、7レース買って2レース的中なので、打率は2割8分5厘、セパ両リーグの全球団のチーム打率より上になった。そして、肝心の収支は、2日間で計2000円の馬券を買って、配当が2万2720円なので、プラス2万720円になった。これは、どう考えても「芦毛教」の御利益と言えるだろう。もちろん、これは、たまたま今回の結果が良かったというだけで、1レースも当たらない全滅の日もある。だけど、あたしは1カ月の競馬用のお小遣いを「1万円まで」と決めていて、その範囲内で楽しんでるので、今回のプラスぶんだけで、これから2カ月間、1回も当たらなくても問題ないのだ。そして、こういう買い方をしてれば、2カ月間ずっと当たらないなんてことはない。どんなに調子が悪くても、平均して10レースに1~2回は当たるし、あたしはほとんど万馬券狙いなので、10レースに1回でも当たれば「芦毛教」の御利益が降ってくる今日この頃なのだヒヒ~ン♪
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