同じものを食べ続けるなら何を選ぶ?
前回のエントリーの『無人島とドラゴンボール』で、あたしは、「無人島に何か1つだけ持って行けるとしたら?」と「ドラゴンボールの神龍(シェンロン)に『お前の願いを何でも1つだけ叶えてやる』と言われたら?」という、「もしも宝くじで1億円が当たったら?」的な、よくある質問を2つ挙げたけど、後から考えたら、この「もしも宝くじで1億円が当たったら?」ってのも古いよね?あたしの子どものころは、「宝くじ」と言うか、「大金」と言えば「1億円」が相場だったけど、今のジャンボ宝くじは1等と前後賞を合せて7億円みたいだから、「もしも宝くじで7億円が当たったら?」って言わなきゃならないよね?
ま、それはいいとして、こういう「もしも●●になったらどうする?」という質問は、複数の友達がいる時の暇つぶしの話題として、非現実的なものから現実的なものまで、いろんな場面でいろんなパターンが登場する。あたしは、今、ラジコのタイムフリーで7月29日放送の文化放送『親父熱愛』を聴きながらこの原稿を書いてるんだけど、伊東四朗さんと吉田照美さんと水谷加奈さんは、「もしも1週間の夏休みがとれたらどこへ行きたい?」という話題で盛り上がってる。
他にも、よくあるのが、「死ぬまでずっと同じものしか食べられないとしたら何を選ぶ?」という質問だ。だけど、この質問に対する答えって、多くの人が勘違いして答えてるように思う。この質問に対する答えで比較的多いのが「カレー」と「ラーメン」なんだけど、しばらく前に、電車の中で2人の男子高校生が、この話題で、こんなやり取りをしてた。
「やっぱり俺はカレーだね」
「いやいや、やっぱりラーメンでしょう」
「死ぬまで麺しか食べられないのは厳しいよ。ラーメンばかり食べてたら、絶対にご飯が食べたくなるよ」
「だけどカレーなんてみんなカレーの味で、他に味のバリエーションがないから絶対に飽きるって。その点、ラーメンなら、基本だけでも醤油、塩、味噌があるし、他にも、とんこつや担担麺やいろんな味のバリエーションがあるし、つけ麺もあれば冷やし中華もあるし‥‥」
「カレーだっていろいろあるよ。まず、基本として、ビーフ、ポーク、チキンがあるし、シーフードだってあるし、トッピングによってカツカレーとかコロッケカレーとかバリエーションは豊富だし、辛さだっていろいろ変えられるし、ご飯に飽きたらナンに変えることもできるし‥‥」
「いやいや、やっぱりラーメンだよ。1軒のラーメン屋だけでもたくさんのメニューがあるから、全国の有名店を回ってメニューを1つずつ食べて行ったら、そうとう楽しめるよ」
「それならカレーだって同じだよ。全国の有名店を回ってメニューを1つずつ楽しめる上に、全国のカレー専門店のカレーを食べ尽くしたら、次はタイ料理屋に行ってタイカレーを食べたり、日本蕎麦屋に行って和風の蕎麦屋のカレーを食べることもできる」
‥‥って、こんなやり取りをしてたんだけど、あたしの頭の上には、ずっと「?マーク」が点滅してた。だって、これじゃあ「ずっと同じもの」じゃないじゃん。「死ぬまでずっと同じものしか食べられないとしたら何を選ぶ?」という質問なんだから、もしも「カレー」を選ぶとしたら、漠然と「カレー」と答えるんじゃなくて、「CoCo壱番屋のメンチカツカレーの3辛」とかって、ピンポイントで選ばなきゃダメだろう。もしも「ラーメン」を選ぶとしたら、ザックリと「ラーメン」と答えるんじゃなくて、「花月嵐のげんこつらあめんのシャキネギ乗せ」とかって、ピンポイントで選ばなきゃダメだろう。
それなのに、この高校生たちは、「他にも、とんこつや担担麺やいろんな味のバリエーションがあるし、つけ麺もあれば冷やし中華もあるし」って、おいおい!「担担麺」はラーメンじゃなくて中華料理だろが!つーか、「冷やし中華」までラーメンに入れるなんて反則にもホドがある!「全国のカレー専門店のカレーを食べ尽くしたら、次はタイ料理屋に行ってタイカレーを食べたり、日本蕎麦屋に行って和風の蕎麦屋のカレーを食べることもできる」って、おいおい!その理屈で行ったら「カレーパン」までOKになっちゃうだろが!
そもそも、この質問は、「どんなに好きな食べ物でも、同じものを毎日ずっと食べ続けたら、誰でも何日目かには飽きる」ってことが前提で考えられた質問なんだから、まったく同じメニューを食べ続けなきゃ意味がないワケで、昨日は醤油味のチャーシュー麺、今日は魚介系濃厚スープのつけ麺、明日は本格中華料理屋の冷やし中華‥‥ってのは完全に反則だと思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、あたしが、この「死ぬまでずっと同じものしか食べられないとしたら何を選ぶ?」という質問をされたら、迷わず「お寿司」と答える。あたしは「お寿司」よりも「鰻重」のほうが好きなんだけど、さすがに「鰻重」しか食べられないことになったら、日本で一番美味しいお店の「鰻重」だったとしても、1日目に朝、昼、晩と食べた時点で厳しくなって来て、2日目の朝にはお茶を掛けてお茶漬けにしないと食べられなくなり、お昼にはギブアップしちゃうと思う。
やっぱり「鰻重」ってのは、タマに食べるから美味しいのであって、連続して食べるのには向いてない食べ物だ。それだったら、まだ「カレー」や「ラーメン」のほうが食べられる。そこで、「鰻重」の次にあたしの好きな「きつねそば」と「お寿司」を比較して、どっちが連続して食べられるか脳内シミュレーションを試みた結果、「お寿司」ということになった。
もちろん、この「お寿司」という答え方では、男子高校生たちの「カレー」や「ラーメン」と同じでズルイから、ちゃんとピンポイントで答えるとすれば、東京で一番美味しいお寿司屋さん、「日本橋橘町 都寿司」の「おまかせ握り」だ‥‥と言いたいとこだけど、一昨年に移転して新規オープンしたみたいだから、今は「日本橋蛎殻町(かきがらちょう) すぎた」の「おまかせ握り」だ。これなら、お店もメニューもピンポイントで指定してるから、あたしは、質問の本意に沿って「同じもの」を食べ続けることになる。
もちろん、お魚には旬があるから、「おまかせ握り」を注文すれば、季節によって一部のネタが変わる。また、同じ季節でも、その日の仕入れによって一部のネタが変わることもある。でも、これは、あたしが行く店を変えたり注文するメニューを変えたりしたワケじゃなくて、同じお店で同じ注文をしたあたしに対して、お店側がお店側の都合や配慮で内容を一部変更したものだから、あたしに「任命責任」は生じない(笑)
でも、たとえ東京で一番美味しいお寿司屋さんの「お寿司」でも、たとえ季節によって一部のネタが変わるとしても、それでも、来る日も来る日も、朝、昼、晩と食べ続けるのは厳しいし、たぶん1週間が限界だと思う。それなら、「吉野家」の「朝定食」とかのほうが、まだ飽きずに食べ続けられるような気がする‥‥って、そうだ!ここは「定食」だ!「定食」なら、メインのおかずの他に、ご飯、お味噌汁、ちょっとした副菜、お新香が付いてるから、食べる順序を工夫したり、ご飯にお新香を乗せてお茶漬けにしたりと、食べ方にバラエティーを持たせることができる!
問題なのは、何の定食にするかだけど、あたしの好きな「アジフライ定食」や「イカフライ定食」などの揚げ物は、連続したら絶対に胸焼けして食べられなくなりそうだから、ここはやっぱり「焼き魚」を選ぶべきだろう。そして、サンマは季節ものだから、ここはやっぱり「アジ」か「サバ」か「シャケ」だろう。ホントは「ホッケ」も捨てがたいんだけど、ずっと同じものを食べ続けるとなると、「アジの塩焼き定食」か「アジのひらき定食」か「サバの塩焼き定食」などのシンプルなほうが無難だと思う。
「同じメニューを食べ続ける」という質問なら、あたしは迷わずに「日替わり定食」と答えるんだけど、「同じものを食べ続ける」という質問に対しては、この回答は反則になっちゃうから、ここは「サバの塩焼き定食」に決めたいと思う。そして、さらにピンポイントで言うなら、どこかの定食屋さんの「サバの塩焼き定食」を挙げたいんだけど、あたしはほとんど外食をしないので、美味しい「サバの塩焼き定食」を出すお店を知らない。
今年3月8日の「サバの日」に、JR大森駅の近くにサバの塩焼き専門店「なのに。」がオープンして、文化放送でも加納有沙ちゃんがレポートしてたけど、あたしは食べたことがないし、ここのサバはノルウェー産のサバを日本で加工してるものだから、脂が乗り過ぎてる予感がする。冷たいノルウェーの海で水揚げされたサバは、日本の近海ものよりも脂が乗ってるから、タマに食べればめっちゃ美味しいけど、朝、昼、晩と食べ続けたら、すぐに食べられなくなってしまう。
定食チェーン「大戸屋」の「サバの炭火焼き定食」も美味しいけど、あれもノルウェー産のサバを使ってるから、脂がたっぷり乗ってて、毎日ずっと食べ続けるのは厳しい。一方、日本の近海もののサバなら、冬場に水揚げされたもの以外は、ほど良い脂の乗り具合なので、けっこう連続して食べることができると思う。あたしが好きなのは、長崎県は五島列島で水揚げされたサバの一風干しで、大きな半身が1枚150円くらいだ。だから、もしもどこかに五島列島のサバの一風干しを使ってる定食屋さんがあれば、そのお店の「サバの塩焼き定食」をピンポイントで指定したいと思う。
いや、待てよ?ほど良い脂の乗り具合でも、1日だけ軽く干した干物でも、それなりに旨味が濃縮されてるから、やっぱり連続で食べると重たくなって来るな。ここは干物じゃなくて、獲れたての新鮮なアジを塩焼きにしたほうが良さそうだ。もちろん、関アジや豊後アジのような地つきのアジは塩焼きに向かないから、長崎県の五島列島で水揚げされる近海もので、大きさは22~24センチの塩焼きサイズ、これがベストだろう。これなら、カマスやイサキと同じくらいの脂の乗り具合で、連続して食べても重たくならない。
‥‥そんなワケで、今回の「死ぬまでずっと同じものしか食べられないとしたら何を選ぶ?」という質問に対する回答は、別にどこかのお店のメニューじゃなくてもいいワケで、自分で作ってもいいワケだ。たとえば、「サッポロ一番の塩ラーメン」と答えた人なら、自分で作る前提で答えてるんだから、あたしもその手で行くことにした。鳥取県の境港に水揚げされる近海もののアジの中から23センチのものを選んで配達してもらい、あたしが自分で塩焼きにする。そして、土鍋でご飯を炊いて、アゴ出汁でワカメのお味噌汁を作って、切り干し大根、ひじきの煮つけ、小さい冷奴の3点の小鉢を付けて、あとはキュウリとカブの自家製のお漬物と東京タクアン2切だ。アジの塩焼きに添えるのは、谷中ショウガの酢漬け、大根おろし、それから擂ったショウガもちょこっと添える。新鮮な白身魚の塩焼きは、ショウガ醤油で食べるのも美味しいからだ。この「きっこ特製 アジの塩焼き定食」なら、朝、昼、晩、朝、昼、晩、朝、昼、晩‥‥と食べ続けることができるし、飽きることはあっても、重たくなって体が受け付けなくなることだけはないと思った今日この頃なのだ♪
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