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2018.03.12

トンデモおじさんの土下座騒動顛末記

あたしは、基本的にコンビニでは買い物をしないので、コンビニに行くのはATMを利用する時と光熱費やケータイ料金などを支払う時くらいで、月に2~3回ほどだ。だけど、コンビニで第3のビールや缶チューハイなどがいくらで売られているかを知っておかないと、スーパーや格安店などで買う時の値段の目安が立たないので、たまにコンビニに行った時には、一応、いろいろな飲み物や食べ物の値段だけはザッと確認するようにしている。

で、先週のこと、またまた「芦毛教」の信仰心によって万馬券が的中したので、ATMで競馬用の銀行口座から配当金を引き出して、それで公共料金を支払おうと思ったあたしは、コンビニ用の支払い用紙を持って仕事へ行った。そしたら、30分ほど早めに現場に着いたので、その日の仕事場を素通りして、ちょっと先にあったコンビニに向かった。そして、ATMで必要なぶんのお金を引き出し、レジへ向かう前に、飲み物の棚を見て第3のビールや缶チューハイなどの値段をチェックした。それから、右手の壁沿いにあるお弁当やお惣菜のコーナーと、その向かいのパンの棚もチェックしてみようと思って、そちら側の通路へまわった。

すると、朝の通勤時とお昼のランチタイムの間の午前10時ごろだったからなのか、その通路はガラガラで、パンの棚の前にサラリーマン風のスーツを着た50代後半か60代前半くらいのおじさんが1人いただけだった。おじさんはあたしに気づかず、何やらいろいろなパンを手に取ってはいじくりまわし、それを棚に戻し、また別のパンを手に取っていじくりまわし、明らかに様子が怪しかった。あたしは、もしかしたらパンの中に針などの異物を入れているのかもしれないと思い、そのおじさんをまったく意識していないふうに、そのパンの棚の並びの他の商品を手に取ってみたりしつつ、少しずつ近づいていった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、さすがに2メートルほどの距離まで近づくと、そのおじさんはあたしに気づき、何かハッとしたような顔で手にしていたパンを棚に戻した。あたしは、ますます怪しいと思ったけど、仕事の前にトラブルに巻き込まれるのはシャレにならないから、一度、その場を離れて、道路に面した反対側の雑誌コーナーのほうへ行くふりをしてから、すぐにソッとパンの棚がある通路を覗いてみた。そしたら、おじさんはまだパンをいじくりまわしていて、パンを棚に戻すと左手の腕時計を右手で触りながら時間を確認し、また別のパンを手に取っていじくりまわしていた。

パンの棚はレジの近くなんだけど、そのレジは奥側のレジで店員さんがいなくて、入口に近いほうのレジにしか店員さんがいなかった。だから、パンの棚は店員さんの死角になっていたのだ。もちろん、コンビニの壁の上のほうには万引き防止のためのミラーが貼ってあるし、防犯カメラも設置されているけど、店員さんが1人しかいないので、そこまでは監視できなかったんだと思う。

そこで、あたしは、何も見なかったような顔をしておじさんの後ろを通り、入口のほうのレジに行って公共料金の支払いを済ませた。そして、店員さんに、小声で「パンの棚のところで、いろいろなパンをいじくりまわしている怪しいおじさんがいますよ」と教えた。女性の店員さんだったら言わなかったかもしれないけど、その店員さんは身長が高くて若い男性だったから、この人なら何かあっても大丈夫かな?と思ったからだ。

その店員さんは「お知らせ、ありがとうございます」とあたしに小声で言い、すぐにレジの裏側の部屋で休憩していた別の男性の店員さんを呼び、ミラーと監視カメラでおじさんを確認してから、おじさんのところへ向かった。あたしはそろそろ仕事の時間が近づいていたんだけど、まだ10分くらいあったし、好奇心のほうが上回っていたので、少し離れた場所から音だけを聞いていた。


店員さん「何をやっているんですか?」

おじさん「べ、別に、パンを選んでるだけだよ!」

店員さん「ちょっとそれを見せてください」

おじさん「やめろよ!おい!」

バサバサバサ!


突然の音に、あたしが反射的に見に行くと、そのおじさんが暴れたのか、故意に手で払ったのか、いくつものパンが通路の床に飛び散っていた。そして、店員さんがおじさんの手首をつかんでひねり上げていた。


おじさん「いててててて!離せよ、この野郎!ここの店員は客に暴力を振るうのか!」

店員さん「ちょっとこっちへ来てください」


おじさんは店員さんに腕を取られたまま、すぐ先の使っていなかったほうのレジへ連れて行かれた。店員さんは、レジ台の上におじさんの左手を押さえつけると、おじさんの上着の袖をまくった。


店員さん「何ですか、これは?」

おじさん「‥‥‥‥」


店員さんの背中越しに覗き込んだあたしは、思わず「ププッ!」と噴き出してしまった。上着の袖をまくられたおじさんのワイシャツの袖口には、ナナナナナント!「ヤマザキ春のパンまつり」のピンクの点数シールが10枚以上、ビッシリと貼ってあったのだ!そう、このおじさんは、いろいろなヤマザキのパンから点数シールを剥がし、自分のワイシャツの袖に貼って盗もうとしていたのだ!あたしが見た時、おじさんはパンを棚に戻した後に左手の腕時計を右手で触りながら時間を確認しているように見えたけど、あれは腕時計を見るふりをして、左手のワイシャツの袖口にシールを貼っていたのだ!

もしかしたら針などの異物を混入しているのかもしれない、下手したら農薬などの毒を入れているのかもしれない、誰かが被害に遭ったら大変だ、そう思ったからこそあたしは店員さんに伝えたのに、まさか「ヤマザキ春のパンまつり」の点数シールを盗んでいただなんて、なんてセコい、なんてみっともない、なんて恥ずかしい人なんだろう?どう見てもあたしよりひと周り以上は年上で、シチサンに分けた髪には白髪も混じっているほどの年齢なのに、この人の思考回路には「恥」という概念がないのだろうか?そして、威勢の良かったおじさんは、とうとう観念したようで、さっきまでとは別人のような口調で謝り出した。


おじさん「すみません!すみません!パンは全部買いますから!」

店員さん「そういう訳には行きませんから、警察を呼びますよ」

おじさん「すみません!それだけは勘弁してください!全部弁償しますから!」

店員さん「取りあえず店長に連絡しますから」


店員さんは、もう1人の店員さんに店長に連絡するように言ってから、おじさんに向かって、「もちろん売り物にならなくなった商品はすべて弁償していただきますが、それだけで済む話ではありませんから、店長に来てもらって警察を呼ぶかどうか判断してもらいます」と言った。すると、おじさんは、店員さんに押さえつけられていた左手を振りほどきながら、右手で店員さんのことを突き飛ばし、外に向かってダッシュした!店員さんは、後ろによろけてあたしにぶつかったけど、その時には後から入って来た2~3人の客が何の騒ぎかと遠巻きにして見ていたので、店員さんの「待て~!」という怒鳴り声と同時に、入口のほうから騒ぎを見ていた体格のいい大学生くらいの男性がおじさんにタックルして、おじさんはその場で取り押さえられた。

店員さんは、その男性客にお礼をいい、おじさんを怒鳴りつけた。この店員さんも背が高くて体格がいいから、これまでの丁寧な口調にも迫力があったけど、怒るとけっこう恐かった。おじさんは今度こそ完全に観念したようだったけど、それでも警察だけは呼ばれたくないようで、「すみません!すみません!全部弁償しますから警察だけは勘弁してください!」と、さっきと同じセリフを繰り返しながら、その場で土下座を始めた。あたしは、写真とかでなら見たことあるけど、本物の土下座を目の前で見たのは初めてだったので、現実の出来事ではなく、まるでドラマか演劇を観ているような気分がした。

さっき、あたしは「なんてセコい、なんてみっともない、なんて恥ずかしい人なんだろう?」と書いたけど、その上、自分の罪がバレたら逃げようとするなんて、もうひとつ「なんて往生際の悪い人なんだろう?」というのもプラスしたくなった。そして、さらにあたしが呆れたのは、この様子をずっと見ていた若い女性客が、すぐにバッグからスマホを取り出して、土下座するおじさんを撮影し始めたことだ。今どきっちゃ今どきだけど、自分が何か被害を受けたわけでもないのに、一体どういう神経なんだろう?たぶん「土下座を目撃なうw」とかコメントを添えてSNSにアップするのが目的なんだろうけど、あたしから見たら、このおじさんのやったことと同じくらい恥ずかしい行為だと思った。

結局、あたしは、仕事に行くためにここでコンビニを出た。だから、この後、店長さんが来てどうなったのか、警察を呼んだのかどうか、おじさんがどうなったのか、騒動の顛末は分からない。ただ、あたしよりひと周り以上も年上のいい歳をしたおじさんが、こんなことをするなんて、ホントに驚いた。百歩ゆずって、自分には手の届かない高価な品物を万引きしたとか、上りのエスカレーターで前に立つ女性のスカートの中をスマホで盗撮したとかなら、そこにはその人の理性で抑えられなかった欲望があったのだから、犯罪としては絶対に許せないけど、人間の行動原理としては理解ができる。でも、まさか「ヤマザキ春のパンまつり」のお皿が欲しくて、そのためにこんなにもセコい犯罪を犯すだなんて、あたしには理解不能だった。

だって、このおじさん、「パンは全部買いますから!」「全部弁償しますから!」と言っていたんだから、お金は持っていたはずだ。それに、ヤマザキの菓子パンや惣菜パンなんて1個100円から150円程度なんだから、毎日1個ずつ買って食べていればシールなんてすぐに溜まる。さらに言えば、本気で点数を溜めようと思ったら、2.5点とか3点とかの高得点のシールが付いているヤマザキの食パンをスーパーで買って、自宅でトーストにでもして食べればいい。それなのに、もしも見つかって警察を呼ばれたら、場合によったら会社に知られて仕事を失うかもしれないのに、こんなことのために危険を冒すなんて、あたしには信じられなかった。そして、それ以上に、こうしたリスクとリターンのバランスの問題、損得勘定の問題だけでなく、1人の人間として、1人の大人として、1人の社会人として、こういうことが平然とできてしまう神経が信じられなかった。


‥‥そんなワケで、今回、こんな事件を目撃してしまったあたしは、こんなにもセコくて、こんなにもみっともなくて、こんなにも恥ずかしくて、こんなにも往生際の悪い大人がいただなんて、ニワカには信じられなかった。だけど、今の世の中、よくよく周りを見回してみれば、たくさんお金を持っているのにオヤツのガリガリ君まで政治資金で買うほどセコくて、国会の閣僚席から野党議員に対して口汚いヤジを飛ばしまくるほどみっともなくて、トンデモ法を可決させるためなら調査データまで捏造させるほど恥ずかしくて、その上、これほど証拠が山積みなのに、それでも自分の罪を認めずにトカゲのしっぽ切りで自分だけ逃げ切ろうとするほど往生際の悪い大人がこの国の総理大臣なのだから、こういう恥知らずのおじさんが出てくるのも「美しい国」としての自然の流れなのかもしれないと思った今日この頃なのだ。


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