ちびまる子ちゃんとあたし
さくらももこさんの訃報、あまりにも突然で、あまりにも若かったため、昨日は正面から受け止めることができず、表面上のツイートしかできませんでした。
でも、「たま」の石川浩司さんのツイート
https://twitter.com/ishikawakoji/status/1034113198247440384
を読んだり、ケラリーノ・サンドロヴィッチさんのツイート
https://twitter.com/kerasand/status/1034038757052243968
https://twitter.com/kerasand/status/1034042405278732289
を読んだり、あたしの一番好きな初期の主題歌『うれしい予感』を歌っていた渡辺満里奈さんのツイート
https://twitter.com/marina_w1970/status/1034227954652344320
を読んだりしているうちに、「本当に亡くなったんだ‥‥」と実感が湧いて来たのです。
そして、昨夜のラジオ『爆笑問題カーボーイ』の冒頭で、爆笑問題の太田光さんが、石川さんやケラさんとの思い出も含めて、さくらももこさんとの思い出を語っているのを聴いているうちに、急に涙があふれて来て止まらなくなってしまいました。
泣きながら、「そう言えば、あたし、まるちゃんの映画のレーザーディスクを持っていた!」と思い出しました。そしたら、何だか居ても立ってもいられない衝動に駆られてしまい、深夜だと言うのに、もう何年も開けていなかったレーザーディスクの入っているダンボール箱を押入れから探し出し、開けてみたのです。すると、当たり前と言えば当たり前なのですが、15年以上も見ていなかった懐かしいジャケットが現われました。
https://twitter.com/kikko_no_blog/status/1034544832415330305
今、あたしの手元には、このレーザーディスクの他には、飛び飛びに持っている『ちびまる子ちゃん』の単行本が数冊と、『もものかんづめ』『さるのこしかけ』『たいのおかしら』のエッセイ3冊と、渡辺満里奈さんの『うれしい予感』のシングルCDしか残っていませんが、あたしが中学生の時に『りぼん』で連載が始まり、すぐにまるちゃんを大好きになり、その後、高校を卒業して専門学校へ進む時期にテレビアニメが始まったので、あたしは、一番多感だった時代をまるちゃんと過ごして来たのです。
いつもはゲラゲラと大笑いできるふざけた話ばかりなのに、何話かに1話、たとえば「母の日」など、とっても感動する回があり、そんな時はテレビの前でティッシュの箱を抱えて号泣したことが何度もありました。
母さんと父さんが離婚し、大好きだったおばあちゃんが亡くなり、母さんと2人きりの母子家庭になってしまった当時のあたしにとって、『サザエさん』はあまりにも教科書通りの家族なので非現実的すぎてリアリティーを感じませんでした。でも、同じような家族構成でも『ちびまる子ちゃん』の一家は、ものすごく親近感を覚えたのです。
そして、これは初めて言うことですが、あたしの父さんも「ひろし」という名前なのです。そんなこともあり、当時のあたしは、まるちゃん一家に自分の「理想の家族」を投影していたのです。ヒロシがお風呂の湯舟に浸かって演歌を歌っている場面では「もっと父さんと一緒にお風呂に入りたかったな~」と思い、いつもは厳しいお姉ちゃんの咲子がまる子にやさしくする場面では「あたしもお姉ちゃんが欲しかったな~」と思い、そして、おばあちゃんのこたけさんがまる子にやさしくする場面では、亡くなったおばあちゃんのことを思い出して、知らず知らずのうちに涙があふれていました。
あたしは、さくらももこさんと直接の関係があったミュージシャンや芸能人、作家や著名人ではなく、単なる一ファンなので、著名人の皆さんのような思い出話は何もありません。でも、あたしが人生で一番多感だった時代を支えてくれた、大好きな『ちびまる子ちゃん』の作者、さくらももこさんが急逝してしまったという悲しすぎる訃報に対して、どうしても自分の思いを伝えたくて、今回、このエントリーを書かせていただきました。
さくらももこさん、決して代わるもののない素晴らしい世界を生み出してくださり、あたしたちに山ほどの笑いと感動を与えてくださり、本当にありがとうございました。今は感謝の言葉しか言えませんが、これからもテレビアニメ『ちびまる子ちゃん』が続いて行く中で、さくらももこさんの生み出した世界が、時空を超越した永遠の世界へ昇華すると確信しています。
最後に、「ご冥福をお祈りいたします」などという形式的な言葉では、あたしの感謝の気持ちをぜんぜん伝えられないので、不謹慎だと言われてしまうかも知れませんが、「西城秀樹さんと一緒に、天国で『走れ正直者』を熱唱してください!」と言って、あたしのお別れの言葉とさせていただきます。
感謝と合掌。
きっこ拝
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