またまた今年も年末の風物詩、『ユーキャン新語・流行語大賞』のノミネート30語が発表されたので、またまたあたしも年末の風物詩として、30語すべてにコメントしてみようと思う。もちろん、例年通りに、決してネット検索したりせず、知らない言葉は「知らない」「分からない」と前置きした上で、想像だけでコメントするので、その辺も風物詩の一環として受け止めてほしい今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、今年もマクラは短くして、さっそくノミネート30語の紹介と、それぞれの言葉に対するあたしの理解度や感想を、以下、50音順で書いていきたいと思う。
「あおり運転」
これは、自分の気に入らない車の後ろにテール・トゥ・ノーズでピッタリと着き、蛇行したりパッシングしたりクラクションを鳴らしたりして煽りまくる「嫌がらせ行為」のことだ。場合によっては、車の前に回り込まれて停車させられ、車を蹴ったり殴ったりして来るケースもある。ノロノロ運転や合流時のマナーなど、こちらに何らかの原因があってタチの悪いドライバーを怒らせてしまうケースだけでなく、こちらに何の落ち度もないのに、最初から嫌がらせ目的で煽って来る相手もいる。こういうタチの悪いドライバーに絡まれたら、すぐに路肩に停車して、ドアをロックしたまま警察に通報するのがベストだ。この「あおり運転」の横行によって、前方だけでなく後方も撮影できるドライブレコーダーの売り上げが急増した。
「悪質タックル」
これは、日大だかどこかの大学のアメフト部の選手が、監督やコーチからの指示で相手チームの選手に反則のタックルをしてケガを負わせた問題だ。アメフトにまったく興味のないあたしは、この問題が連日、テレビのワイドショーなどで取り上げられていた時も、映像は一度も見ていないし、ラジオのニュースを聞いただけなので詳細はほとんど分からない。でも、そんなあたしでも「悪質タックル」という言葉を知っているのだから、流行語なのかどうかは別として、それなりに人口に膾炙した単語なんだと思う。
「eスポーツ」
これは、観客のいる会場でコンピューターゲームの対戦をするという新しいジャンルのエンターテインメントで、アメリカとかではそれなりに流行っているらしい。ただ、これはあたしの個人的な感想だけど、テレビゲームを「スポーツ」と呼ぶことには違和感を覚える。百歩ゆずって、「格闘」や「カーレース」など反射神経が必要なアクションゲームなら分かるけど、じっくりと考えてプレイする「RPG」や「オセロ」なども「eスポーツ」と呼ぶのは、何か違うと思う。たとえば、魚釣りの場合、ルアーフィッシングやフライフィッシングはスポーツと呼んでもおかしくないけど、一日中ずっと座ってウキを見ているヘラブナ釣りもスポーツなのだろうか?‥‥なんて言うと、必ず「スポーツの語源は『気晴らしをする』『楽しむ』という意味の古フランス語なのだから、オセロもヘラブナ釣りもスポーツだ」とか言い出す人がいるけど、そもそも語源は語源であって「現在の意味」ではない。
「(大迫)半端ないって」
これは、サッカーの大迫選手という人が、何らかの大会で、何らかのスーパープレイをしたことによって、ツイッターとかで流れて拡散された言葉だと思うけど、サッカーにまったく興味のないあたしには、「サッカー関連の言葉」ということしか分からない。
「おっさんずラブ」
これは、あたしがよく利用しているGyaOのテレビドラマの見逃し配信のコーナーで見かけた覚えがあるので、たぶんドラマのタイトルだと思うけど、一度も見たことがないので分からない。もしかしたら、そのドラマから波及した何らかの現象、たとえば、独身のおっさん上司が若い女子社員と社内恋愛状態に陥るなどの状況を表現する言葉として広まった可能性もあるけど、ぜんぜん分からない。
「GAFA(ガーファ)」
これは、まったく分からないし、聞いたこともない。たぶん、何かの頭文字だと思うけど、想像もつかない。こんな言葉よりも、日米FTA(自由貿易協定)を否定し続けて来た安倍晋三が、トランプからの命令に二つ返事で従った時に、日本国民を騙すために捏造した「TAG(物品貿易協定)」という造語のほうが、遥かに「今年を代表する日本の新語」だと思う。何しろ、こんな造語を使っているのは日本の政府と日本のマスコミだけで、相手国であるアメリカを始めとした世界の先進各国は、すべて「日米がFTA交渉に入った」と報じたのだから。
「仮想通貨/ダークウェブ」
この2つが、どうしてイッショクタになってノミネートされたのか分からないけど、どちらもあたしとは無関係のものだ。まず「仮想通貨」は、紙幣や硬貨などの現物が存在しないデジタル通貨の総称で、ビットコインなど一部の仮想通貨を除いて、通常は開発者が運営・管理している仮想コミュニティーの中だけで使用されている。日本の「円」やアメリカの「ドル」など、通常の通貨が国家主体で発行されているのに対して、仮想通貨は国家と関係なく発行されているものが大半だけど、経済危機に陥ったベネズエラでは、政府が仮想通貨を発行した例もある。それから「ダークウェブ」だけど、まず、インターネットの世界を「地球」に喩えると、あたしたち一般のユーザーは地球の表面だけで暮している。今、あたしたちの利用しているインターネットは、地球の表面だけに張り巡らされた「サーフェスウェブ」で、誰でも自由にアクセスすることができる。そして、これとは別に、地球の深い部分には、一般のユーザーがアクセスすることができない「ディープウェブ」があり、その最深部にあるのが「ダークウェブ」だ。「ダークウェブ」にアクセスするためには専用ソフトや認証などが必要で、海外の複数のサーバーを経由することで発信元を特定されにくくしているため、反政府組織の通信や違法薬物の売買など、犯罪の温床にもなっている。そして、ここでの売買などに使用されているのが仮想通貨なのだ。ただし、仮想通貨は「包丁」のようなもので、大半の人は料理を作るために利用しているけど、中には犯罪に使う人もいる。でも、これは、包丁の責任ではなく、使う人の責任だ。だから、今回の「仮想通貨/ダークウェブ」というノミネートの仕方は、「包丁/殺人」という組み合わせのようなもので、あたしは意図的な悪意を感じた。
「金足農旋風」
優勝した大阪桐蔭よりも、準優勝の秋田金足農業のほうにスポットが当たったのは、今さら説明の必要もないと思うけど、日本ハムファイターズのファンのあたしとしては、先月のドラフトで金足農業のエース吉田輝星君を日ハムがハズレ1位で引き当てたことが何よりも嬉しかった。去年の清宮幸太郎君も嬉しかったけど、今の日ハムに必要なのは崩壊しかけている投手陣の再生であり、そのためには先発ローテーションの柱を作ることなので、まさに願ったり叶ったりのドラフトだった。
「カメ止め」
これは、「カメラを止めるな」という映画のことだと思う。観ていないあたしの知っている情報としては、低予算で製作された映画なのに大ヒットした、ということと、ゾンビがテーマの映画だというくらいで、他は何も分からない。でも、観ていないあたしでも「カメ止め」と聞けば「カメラを止めるな」のことだと理解できるのだから、それほど大ヒットしたということだろう。
「君たちはどう生きるか」
これは、まったく分からない。小説や映画などのタイトルなのか、誰かが言った言葉なのか、ぜんぜん分からないけど、言葉の意味から想像すると、何らかの自己啓発的な雰囲気を感じる。
「筋肉は裏切らない」
これも、まったく分からない。有名なアスリートの真面目な言葉のようにも思えるし、筋肉自慢のお笑い芸人のギャグのようにも思えるし、どちらにも取れてしまう。
「グレイヘア」
これもまた、分からない。直訳すれば「灰色の髪」という意味だろうけど、それでも何のことか分からないし、犬の種類のようにも感じる。何にしても、ここまでの3語、「君たちはどう生きるか」と「筋肉は裏切らない」と「グレイヘア」は、あたしは一度も耳にしていない言葉なので、意味うんぬんの前に「本当に流行した言葉なのか?」という疑問が湧いてくる。
「計画運休」
これは、大型台風の上陸に備えて、早めに電車を運休させることだ。今年は大型台風が次々と上陸して、日本は各地で大きな被害が出たけど、多くの犠牲者が出た台風関連の言葉を流行語にノミネートするのは無神経なので、その台風への対策としての「計画運休」をノミネートしたのだと思う。
「高プロ(高度プロフェッショナル制度)」
これは、アメリカからの命令で安倍政権が強行した最悪のタダ働き制度のことだ。特定の職種や年収の人に限って、残業代を支払わずにタダ働きさせるという制度だけど、派遣法の時の同じように、法改正のたびに職種の幅を広げ、年収の上限を下げ、数年後には日本の大半の労働者が残業代ゼロでタダ働きさせられることになる。
「ご飯論法」
これも「高プロ」と関係した言葉だ。安倍晋三が今年の通常国会の目玉として掲げた「働き方改革」で、「高プロ」を正当化するための政府資料がデタラメだったため、その資料を作成した厚生労働省のトップである加藤勝信厚生労働相が、野党からの追及の矢面に立たされた。すると加藤勝信は、トンチンカンな詭弁や言い逃れを連発したため、あまりの答弁の酷さに呆れた法政大の上西充子教授が、これを「ご飯論法」と名づけてツイッターに投稿したことで話題になった。ようするに、「あなたは、今日、朝ご飯を食べましたか?」という質問に対して、「ご飯は食べていません。(パンは食べたけど)」と答えるようなもの、という意味だ。
「災害級の暑さ」
今年の夏は確かに異常な暑さが続いたけど、それを「災害級の暑さ」と呼んだのは聞いた覚えがない。もしかしたらラジオの天気予報で何度か耳にしたかもしれないけど、流行語として認知されるほど繰り返し聞いた記憶はない。どちらかというと、「20年に一度の暑さ」というような表現を多く耳にした記憶がある。それにしても、人間って、やっぱり「喉元すぎれば熱さ忘れる」だよね。
「時短ハラスメント(ジタハラ)」
これも「高プロ」や「ご飯論法」と同じく、欠陥だらけの「働き方改革」が生み出した負の遺産だ。「残業をさせるな」という政府の指示に従って、上司が部下に「定時で帰れ」と強要したり、場合によっては強制的に電源を落してしまう。でも、仕事の量は以前と変わらないので、部下は自宅に持ち帰って「タダ残業」をすることになる。表面上の残業さえ減らせれば、内容などどうでもいいという、まさに安倍政権らしい無責任な制度が生み出した新種のハラスメントだ。
「首相案件」
未だに疑惑だらけの加計学園問題で、愛媛県の県職員の面会記録に「首相案件」と書かれていたことから、取りざたされるようになった言葉だ。当初、窓口となった元首相秘書官の柳瀬唯夫が「これは首相案件だから」と言ったため、県職員はそのままメモに書き、それを上司に提出したそうだが、柳瀬唯夫は「面会などしていない」と大嘘をつき、最終的には「面会はしたが、そんな言葉は言っていない」と証言を二転三転させた。
「翔タイム」
日本ハムファイターズのファンにとって、「翔タイム」と言えば四番の中田翔がホームランを打つなどの大活躍することだったけど、今では海の向こうのメジャーリーグで、エンゼルスの大谷翔平が大活躍するという意味になってしまった。どちらにしても日ハムのファンとしては嬉しいことだけど、やっぱりあたしは本来の「翔タイム」をもっと観たい。
「スーパーボランティア」
これは、山口県の周防大島で行方不明になっていた2歳の男の子を発見した尾畠春夫さんのことだ。周防大島は瀬戸内海で3番目に大きな島で、「瀬戸内のハワイ」と呼ばれているマリンレジャーが盛んな島だけど、最近ではドイツの海運会社が所有する大型タンカーが海上橋に衝突したため、ライフラインが寸断されてしまった。現在も水道が使えない状態で、完全に復旧するのは12月だという。
「そだねー」
これは、ピョンチャンの冬季五輪に出場した日本の女子カーリングチームの選手たちの言葉だ。あたしはオリンピック関連はいっさい観ないので、この話題もラジオのパーソナリティーなどが話しているのを伝聞的に聞いただけで、実際の「そだねー」は聞いたことがない。でも、カーリングがどんなスポーツなのか知りたくて、YOU TUBEで試合の映像だけは少し観てみた。真上から映した映像で、「おはじき」みたいなスポーツだなと思った。
「ダサかっこいい/U.S.A」
これは、DA PUMPが約3年ぶりの新曲「U.S.A」のMVをYOU TUBEで公開したところ、そのダンスが「ダサかっこいい」と評判になり、再生回数がどんどん増えて、YOU TUBE発信で大ヒットにつながったというもの。曲としてはバブル時代に流行した懐かしいユーロチューンで、昔のMAXをホーフツとさせる。
「Tik Tok」
これは、まったく知らないし、読み方も分からない。そのまま読んだら「チクトク」か「ティクトク」だけど、もしかしたら時計の音の「チックタック」にカケてあって「チックトック」と読むのかもしれない。あ、「T」が2つあるから、韓国の女性アイドルグループが両手を「T」にして目の下に当てて「泣いてる顔」を表現したナントカサインと関係があるのかもしれない。でも、やっぱりぜんぜん分からない。
「なおみ節」
今年、「なおみ」と言えば、テニスの大坂なおみ選手しか思い浮かばないから、たぶん大坂なおみ選手に関連した言葉なんだと思う。まさか演歌を歌ったりはしないだろうから、これは、大坂なおみ選手の独特の日本語のことを指しているんじゃないだろうか?この推理は、けっこう自信があるけど、残念なことに、あたしは一度も「なおみ節」という言葉を聞いたことがないので、どうしても流行語という感じはしない。
「奈良判定」
今年は、アメフトやレスリングや体操など、アマチュアスポーツの不祥事が相次いだけど、これもその中の1つで、アマチュアボクシングの連盟の会長が、その権力を使って試合の判定にまで口出しをしていたという疑惑だ。これもラジオのニュースなどで何度か聞いただけなので、会長の名前も思い出せないし、細かい点などはよく分からない。でも、TBS「JUNK 爆笑問題カーボーイ」で、太田光さんが未だに「奈良判定かよ!」などとツッコミに使っているので、この言葉だけはよく覚えている。
「ひょっこりはん」
これは、お笑い芸人の名前かギャグだということだけは知っているけど、一度も観たことがないので、どんなものなのか分からない。しばらく前に、TBS「ナイツのちゃきちゃき大放送」を聴いていたら、外回り担当の小林豊アナが、どこかのイベント会場で出会ったご家族にインタビューして、「お父さんのギャグで子どもが笑ったら番組からプレゼント」という企画をやっていた。そして、この時、お父さんが何かをやって子どもが笑って成功したんだけど、小林アナが「それは何のギャグですか?」と聞くと、お父さんも子どもも「ひょっこりはん」と答えた。すると小林アナは「ひょっこりはん?ひょっこりはんて何ですか?そういうギャグがあるんですか?」と質問し、スタジオのナイツの2人から「小林さん、ひょっこりはんを知らないの?」と言われていた。だから、実際のギャグは観たことがなくても、「お笑い芸人の名前かギャグ」ということを知っているあたしは、まあまあだと思った。
「ブラックアウト」
これは、9月6日の深夜3時すぎに発生した震度7の北海道胆振(いぶり)東部地震によって、北海道の広範囲にわたって停電が発生した状況のことだ。地震のこと、電力のこと、災害復旧のことなど、書きたいことはたくさんあるけど、誤解されないように正確に書くにはデータなどが必要で、ネットをいっさい見ないで自分の脳内の情報と記憶だけで書くことはできないので、ここでは触れないことにする。
「ボーっと生きてんじゃねーよ!」
これは、まったく分からない。たぶん、誰かの言った言葉なんだと思うけど、もしかしたら漫画や小説のタイトルかもしれない。他の分からなかった言葉と同様に、この言葉も一度も聞いたことがないので、推測することもできない。
「#MeToo」
これは、「ミートゥー」と読むのではなく、最初の「#」も入れて「ハッシュタグ・ミートゥー」と読む。ハッシュタグはツイッターに投稿する時に利用する「区分けタグ」で、「#MeToo」で検索すると、このタグを付けている投稿をすべてまとめて時系列で読むことができる。もともとは、セクハラ被害を受けたのに泣き寝入りしていた女性が、他の女性が勇気を持って自分の被害を告発したことを受けて、「私も」「私も」と手を挙げ始めた、ということで拡散した。日本では、安倍晋三首相と家族ぐるみの付き合いがあるジャーナリストの山口敬之氏にレイプされた伊藤詩織氏の告発で注目された。
「もぐもぐタイム」
これは、「そだねー」と同じ女子カーリングチームから発生した言葉で、最初は「おやつタイム」とも言われていた。これも、あたしは映像は観ていないけど、カーリングは試合時間が長いため、途中に休憩時間があり、その時間を使って、お菓子や果物などを食べたりするそうだ。他のスポーツではあまり見られない光景なので、注目を集めたのだと思う。
‥‥そんなワケで、今年のノミネート30語の中で、あたしがまったく分からなかったのは7語で、それらはどれも「一度も聞いたことがない言葉」だった。あたしの場合、自宅にテレビがなく、ふだんはラジオしか聴いていないため、テレビをよく観ている人たちよりも情報量が少ないけど、テレビから得られる情報の大半は「百害あって一利なし」だと思っているので、今後も自宅にテレビを置くつもりはない。それにしても、この『ユーキャン新語・流行語大賞』のノミネート、5年前と比べるとずいぶん変わったよね。5年前はノミネートの半数が政治関連で、そのほとんどが安倍政権への批判的な言葉だったのに、これも去年の流行語の「忖度」なのか、この5年間でノミネートから政治色が消え続け、まるでテレビのワイドショーで取り上げられた話題のランキングのようになってしまった。「新基地はいらない」という沖縄の民意が与党推薦候補を惨敗させた沖縄県知事選に関する言葉など、カケラも見られない。「沖縄の民意」という言葉が大賞に選ばれれば、玉城デニー知事は喜んで授賞式に出席するだろうに、どうしてノミネートもされなかったのか、あたしには理解できない今日この頃なのだ。
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