2018.08.16

アメリカの属国として戦後レジームの完成を目指す安倍政権

現在の天皇陛下は来年2019年4月30日に退位されて、皇太子さまが新たな天皇になるため、今の「平成」という元号は来年の4月末で終わる。そのため、今年8月15日の「終戦の日」は「平成最後の終戦の日」ということになり、日本武道館で行なわれた「全国戦没者追悼式」での天皇陛下のお言葉の中の「深い反省」という文言にも、例年以上の重さを感じた。

だけど、この8月15日という日を「終戦の日」としているのは、73年前の1945年(昭和20年)の8月15日に昭和天皇が全国民に敗戦を告げる「玉音放送」を行なった日だからで、アメリカ、イギリス、フランス、カナダ、ロシアなどの戦勝国では、一般的に9月2日を「戦勝記念日」と定めている。

簡単に説明すると、連合軍が日本に対して降伏を促した「ポツダム宣言」を、日本政府が「受諾する」と連合国側に通達したのが1945年8月14日で、これを受けて昭和天皇が「玉音放送」で日本国民に日本の降伏を伝えたのが翌15日で、実際に日本政府が「ポツダム宣言」の文書に調印して降伏が成立したのが9月2日なのだ。だから、連合国側としては、正式に日本が調印した9月2日を「戦争が終わった日」と定めている今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、この「ポツダム宣言」だけど、これは、ドイツのポツダムにおいてアメリカと中国とイギリスが日本に対して発した共同宣言で、ぜんぶで13の項目に分かれている。でも、13の項目をすべて説明するのはメンドクサイヤ人なので、全体の内容をザックリとまとめると、次のようになる。


「我々、アメリカ、中国、イギリスの連合国軍は、日本政府に対して無条件降伏を要求する。もしも拒否すれば、我々連合国軍は徹底攻撃で日本を殲滅する。我々の陸海空軍は絶大な力を持っており、日本が抵抗するのであれば日本を簡単に焦土と化すことができる。今、日本は決断の時を迎えている。このまま自己中心的な軍国主義者たちの言いなりになって破滅の道へ進むのか、それとも理性的な道を選ぶのか。無責任な軍国主義者たちが日本国民を騙して世界征服を企てたことは許されないし、そのような軍国主義者たちは日本から排除しなければならない。そうしなければ日本に平和や安全といった秩序を確立することが不可能だからだ。そのため、日本が無条件降伏するのであれば、日本から戦争遂行能力が完全に消滅したと確認できるまで、我々連合国軍が日本領土内の拠点を占領する。そして、日本国民の自由意思で平和的かつ責任ある政府が樹立されれば、我々連合国軍は直ちに日本より撤退する。」


こんな感じで、あとは「日本の軍隊が完全に武装解除した時点で平和で生産的な生活を営む機会を与える」とか「我々は日本人を人種差別したり奴隷にするつもりはない。しかし、我々の捕虜を虐待した軍部の戦争犯罪者に対しては厳しい処罰を行なう」とか「日本政府は民主主義を推進し、日本国民に対して言論、宗教、思想の自由を認め、基本的人権の尊重を保障しなければならない」とか、日本がこの「ポツダム宣言」を受諾した場合のことが具体的に書かれている。

ま、全文でも日本語訳で1000文字程度、原稿用紙2枚ちょいの文字数しかないので、10分もあれば読むことができるし、口語訳なら小学校の高学年くらいでも理解することができる。そんな「ポツダム宣言」なので、興味のある人は外務省のHPなどで和訳された全文を読んでみてほしいけど、この「ポツダム宣言」について、現在の日本の総理大臣である安倍晋三は、かつて、呆れ返るほどトンチンカンなことをノタマッていたのだ。

2009年6月に休刊するまで、1969年から40年も続いていた文藝春秋社の月刊オピニオン雑誌『諸君!』の2005年7月号に、安倍晋三を始めとした複数の自称「保守派」の論客の対談が掲載されている。その中で、当時の小泉純一郎首相の靖国参拝について、国会で野党から「首相の靖国参拝は日本が軍国主義化に向かっているという象徴であり、ポツダム宣言にも反している」と批判された問題が取り上げられている。そして、この「ポツダム宣言にも反している」という点について、安倍晋三は、次のように反論しているのだ。


「ポツダム宣言というのは、アメリカが原子爆弾を2発も落として日本に大変な惨状を与えたあと『どうだ』とばかりに叩き付けてきたものです。そんなものを持ち出して、あたかも自分自身が戦勝国であるかのような態度で日本の総理を責め上げるのはいかがなものか?」


はぁ?何言ってんの、この人?‥‥ってなワケで、あたしは久しぶりに開いた口からエクトプラズムが流れ出て幽体離脱しちゃいそうなほど呆れ返ってしまった。だって、小学生でも知っているように、広島に原爆が投下されたのが1945年8月6日で、長崎に原爆が投下されたのが3日後の8月9日だ。そして、連合国軍が日本に対して降伏を促す「ポツダム宣言」を提示したのは、それより10日以上も前の7月26日だからだ。

時系列で説明すると、まず、連合国軍が7月26日に日本に対して「ポツダム宣言」を提示したんだけど、日本は全国各地を空襲された上に沖縄戦でもボコボコにやられていて敗戦は時間の問題だった。それなのに日本軍は「ポツダム宣言」を受託せず、白旗を上げずに国民を犠牲にしながら悪あがきを続けていたため、8月6日と9日に原爆を投下されてしまった。そして、8月14日になって、ようやく「ポツダム宣言」を受諾して無条件降伏を表明したってワケだ。

だから、安倍晋三が『諸君!』で公言した「ポツダム宣言というのは、アメリカが原子爆弾を2発も落として日本に大変な惨状を与えたあと『どうだ』とばかりに叩き付けてきたものです」という説明は、時系列が真逆なトンチンカンな説明ということになる。さらに言えば、7月26日に「ポツダム宣言」を提示された時点で、日本がすぐに受諾していれば、広島にも長崎にも原爆など投下されなかったのだ。

こうした当時の状況を踏まえれば、この安倍晋三のトンチンカンな説明は、ただ単に安倍晋三の無知無能ぶりを知らしめたというだけでは終わらない。安倍晋三の、この無責任なデマ発言は、歴史的事実を捻じ曲げ、当時の日本政府の戦争責任を棚の上に上げてしまっているのだ。そして、このデマ発言が故意でなかったとすれば、安倍晋三は国会議員のクセに「ポツダム宣言」も読んでいない無知で無教養で無責任な大バカ野郎ということになる。仮にも日本の現職の与党議員が「ポツダム宣言」も読んでいなかった上に、デタラメなデマを誌面で流布するなんて、あまりにも酷すぎる。そして、そんな大バカ野郎が、今では日本の総理大臣になってしまったのだ。

故意であれ無知であれ、どちらにしても、口をひらけばバカのひとつ覚えのように「戦後レジームからの脱却」と連呼して、日本が世界に誇る平和憲法を踏みにじろうとしているブンザイで、その「戦後レジーム」の根本である「ポツダム宣言」も読んでいなかっただなんて、呆れ果てて言葉も出てこない。いまだかつて、これほど愚かで無責任で恥ずかしい総理大臣がいただろうか?


‥‥そんなワケで、現在の第2次安倍政権は、自民党の「総裁は2期まで」という基本ルールも勝手に変更して3期目へと突入しようとしているけど、現在の第2次安倍政権がスタートして2年目の2015年5月20日、国会での党首討論で、日本共産党の志位和夫委員長は「過去の日本の戦争は間違った戦争であるという認識はありますか?」と、安倍晋三を厳しく問いただした。そして、次のようなやり取りをした。


志位委員長「ポツダム宣言は日本の戦争について、第6項と第8項の2つの項で間違った戦争だという認識を明確に示しております。総理にお尋ねします。総理はポツダム宣言のこの認識をお認めにならないのですか?」

安倍首相「このポツダム宣言を我々は受諾し、そして敗戦となったわけです。そして今、私もつまびらかに承知をしているわけではございませんが、ポツダム宣言の中にあった連合国の理解、例えば日本が世界征服を企んでいたということ等を今ご紹介になられました。私はまだその部分をつまびらかに読んでおりませんので、承知はしておりませんから、今ここで直ちにそれに対して論評することは差し控えたいと思いますが、いずれにせよですね、まさに先の大戦の痛切な反省によって今日の歩みがあるわけでありまして、我々はそのことは忘れてはならないと思います」


おいおいおいおいおーーーい!とうとう日本の総理大臣が「ポツダム宣言はちゃんと読んでいませんでした」って自分で認めちゃったよ!つーか、「ポツダム宣言」って、さっきも言ったように、原稿用紙2枚ほどの短い文書で、どんなに丁寧に読んだって10分もあれば読めるものだし、小学生でも理解できる口語訳もあるのに、仮にも日本の総理大臣が「私はまだその部分をつまびらかに読んでおりませんので」って、何だそれ?ぜんぶで13項目しかないのに、その中の第6項と第8項を読んでいないってことは、ようするに「まったく読んでいないし、全体でどれくらいの長さの文書なのかも把握していない」ってことじゃん!

結局、この党首討論では、安倍晋三は志位委員長の「過去の日本の戦争は間違った戦争であるという認識はありますか?」という質疑にはマトモに答弁することができず、お得意の「質疑と無関係なことをダラダラとしゃべってはぐらかす」という作戦で逃げ続けるしかなかった。今でもYOU TUBEなどで当時の映像を観ることができるけど、終始シドロモドロの安倍晋三は、まるで宿題を忘れた小学生が先生に叱られてバレバレの嘘の言い訳をしているようで、観ているこちらが恥ずかしくなるほど情けない姿を晒している。


‥‥そんなワケで、敗戦国の総理大臣が、それも「戦後レジームからの脱却」を掲げて改憲を進めようとしている総理大臣が、その「戦後レジーム」の根幹である「ポツダム宣言」を読んでいなかっただなんて、この信じがたいニュースはネット上を駆け廻り、トレンドの1位に「ポツダム宣言」が躍り出るほど盛り上がってしまった。

だけど、皆さんご存知のように、安倍晋三には「恥」という概念がない。この時、安倍晋三が真っ先にやったことは、いつものように「権力によるゴマカシ」だった。この党首討論から約2週間後の6月2日、イエスマンの閣僚たちを集めた安倍晋三は、こともあろうに「安倍首相はポツダム宣言を当然読んでいる」という答弁書を閣議決定したのだ!アホか?

森友学園問題で野党が安倍昭恵夫人の証人喚問を要求した時、安倍晋三は「私の妻は私人だ!」などと意味不明なことを言い出して拒否したけど、その直後、閣僚たちを集めて「首相夫人は私人である」という答弁書を閣議決定した。この時もあたしは呆れ果てたけど、何なんだよ?この「安倍首相はポツダム宣言を当然読んでいる」という閣議決定って?バカを通り越して、マジでどうかしちゃってるよ、この人。


‥‥そんなワケで、8月8日に67歳で亡くなった沖縄県の翁長雄志知事は、生前、「安倍首相はいったいどこを向いて政治をやっているのか?日本の総理大臣なのに、どうして日本のためでなくアメリカのための政策ばかり進めているのか?安倍首相が目指しているのは『戦後レジームからの脱却』ではなく『戦後レジームの完成』ではないのか?」と指摘し、日米地位協定ひとつも正常化できないアメリカ従属の弱腰姿勢を厳しく批判していた。日本が世界に誇る平和憲法を「アメリカから押し付けられた恥ずかしい憲法」と揶揄するのなら、その前に日本人を苦しめ続けている日米地位協定を正常化するのが日本の首相としての最優先課題だと思うし、日本人のための福祉や社会保障の予算を削ってまでアメリカの言い値で欠陥機オスプレイや役立たずのイージスアショアなどを次から次へとお買上げするのだっておかしな話だからだ。結局、自民党総裁の任期を3期に延長してまで安倍晋三が成し遂げたいことは、日本を完全なる「アメリカの属国」にすることであり、翁長知事の指摘の通り「戦後レジームの完成」こそが「安倍政権の目指しているゴール」なのだということが良く分かった。だから、今日は最後にハッキリと言わせてもらうけど、日本を愛する保守派の皆さん!右翼の皆さん!思想の左右に関係なく「日本が大好き」なすべての愛国者の皆さん!このまま今の安倍政権が続いたら、日本はケツの毛までアメリカにむしられてしまい、完全にアメリカの属国に成り果ててしまうから、今すぐに安倍晋三という稀代の売国奴を権力の座から引きずり降ろすために力を結集してほしい!‥‥って、マジでそう思った今日この頃なのだ。


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